令和6年9月23日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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兼題  「括弧」  伊藤寿彦 選
追伸を括弧で囲む念のよさ 矢野野薫
認知症に括弧まぬがれ生きている 桂ひろし
片方の括弧忘れて緊らない 安部美葉
括弧から本音が漏れている迂闊 久山節子
病名も括弧つければ重くなる 原戸麻也
括弧ばかりで何がほんとか分からない 前川淳
括弧から心情察し思い遣る 惠利菊江
カギ括弧かなぐり捨てて書く本音 赤井花城
女性募集但し〔〕に美人のみ 倉周三
どうせなら美女と括弧で閉じて欲し 北出北朗
しのぶ恋丸括弧に入れ胸の奥 河端世起子
続柄を「妻」と記した旅の宿 濱田英明
ゆるく生き本音につけるカギ括弧 山尾ふたば
人生のふしめ節目に鉤括弧 柳沼幸三
句の仕上げ付けるか迷うカギ括弧 岡田さちこ
結論を括弧でくくることはない 赤井花城
感謝の意括弧で包み贈ります 柳沼幸三
負け惜しみ括弧でくくり言訳に 本山恵子
囲まれた括弧に光りだす言葉 山辺和子
鉤括弧付けた言葉の着地点 安積貴代美
建前の陰で息巻くカギ括弧 岸本博子
個性無視括弧の中にひとくくり みぎわはな
子を叱る言葉に括弧など要らぬ 黒嶋海童
鉤括弧外せば溢れ出る慕情 辰巳和子
日記帳亡母の言葉にある括弧 水上礼子
一言を秘めて大人のカギ括弧 岸本博子
能面のような手紙に括弧入れ 杉村久子
括弧濃く「反戦」願うプラカード 宮本緑
括弧みな外し入れたい秋の風 野口修
たかが括弧されど括弧の数多し 伊藤寿彦

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兼題  「記憶」  下山田靖子選 
記憶には無いが心に残る傷 水上礼子
アルバムの記憶たどれば母の声 惠利菊江
アナログな昭和の父を偲ぶ酒 北出北朗
八十路越え記憶の泉涸れはじめ 加藤弘道
記憶ない常套句です金バッジ 柳沼幸三
濃く薄く記憶引き出すチョコ三杯 岡島錦子
政治家が瞬時に無くす記憶力 濱田英明
うっすらと記憶の底にいる戦 水田蓉子
不確かな記憶辿れば温い里 野口修
メモ書いた覚えあるのにメモ無くす 河端世起子
記憶保持やっぱりできぬ年かもね 水田蓉子
閉じる目に遠い記憶が浮遊する 野口修
合鍵を隠し隠して記憶飛び 渡辺純子
記憶する事も出来ない脳の皺 今野美惠子
騒がないで記憶迷子になっただけ 原戸麻也
虫喰いの記憶に点る母の笑み 山辺和子
忘れてた記憶飛んだか三日前 中谷光男
亡母と居た秘湯の宿よ遠い日よ 松本光江
墓場まで遠くて記憶風化する 村岡義博
記憶の底をきれいに払い逢いに行く 安部美葉
昭和史の人間魚雷忘れない 田中おさむ
記憶にないと窮地乗り切る目の虚ろ 安部美葉
曖昧な記憶で無事に家に着き 山内迪
亡き妻の記憶もとける熱帯夜 矢野野薫
いい記憶ばかりを抱いて白寿生き 黒嶋海童
裏金は記憶に無いと認知かも みぎわはな
記憶にはないが指切りしたみたい 盧光来
青き日の記憶語らう友去りぬ 石井閑楽
物価高記憶に残る二千万 中桐徹
遠い日の記憶に母の手の温み 黒嶋海童
良心寝かせ記憶がないという議員 盧光来
うすれゆく記憶へ叱咤する作句 久山節子
好景気バブルに酔った時もある 田中おさむ
絶え間ない災害記憶生乾き 久山節子
アルバムを繰ればあの時あんなこと 岡田さちこ
幼き日たどる記憶は皆笑顔 岡島錦子
あなたとの遠い記憶はセピア色 河端世起子
マドンナは記憶の方が美しい 石井閑楽
でっかいおはぎゆるぎなき昭和の彼岸 岸本博子
愛された記憶の底に舞う桜 辰巳和子
ピカドンは人類の恥伝えねば みぎわはな
亡夫の記憶うすれゆくままいと愛し 下山田靖子

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兼題  「苦情」  両澤行兵衛選 
物価高何とかしてよ新総理 田中おさむ
満ち足りぬ日々のうっぷんクレーマー 久山節子
秋なのにさっぱり売れぬ明石焼き 石井閑楽
電話口応対良さに「もういいわ」 岡田さちこ
神からの苦情だろうか異常気象 安部美葉
鉛筆のかげり苦情の跡がある 樋口祐子
苦情ならたんとあるけど黙ってる 前川淳
上司より妻の苦情に身が震え 中桐徹
苦情ひとつきれいに熨斗をつけ返す 安部美葉
すんなりと言えぬ苦情が粘り出す 岡島錦子
除夜の鐘苦情のネタにされるとは 石井閑楽
苦情など無いです妻にベタ惚れで 北出北朗
訳有りの商品訳が多すぎる 久山節子
ひと呼吸トーンを下げて言う苦情 岡田さちこ
市民課の苦情窓口八字眉 みぎわはな
氷山の苦情届かぬ地球丸 盧光来
三日我慢苦情言わずに慣れてくる 原戸麻也
泣き言も苦情も言わぬ妻と生き 黒嶋海童
ふあうすとへ苦情の手紙書いて去り 矢野野薫
苦情聞いて世間の風を把握する 山内迪
選挙にも行かず苦情の人あまた 矢野野薫
片隅で苦情ばかり聞かされる 杉村久子
電話口苦情処理する電子音 岡島錦子
夕焼けの彩り苦情消してゆく 野口修
ゲリラ豪雨苦情窓口どこですか 田中おさむ
人間に苦情述べるという地球 盧光来
やんわりと持ち込む苦情後にされ 水田蓉子
ガザの子を思えば苦情など言えぬ 辰巳和子
骨太に生きて苦情ふきとばす 樋口祐子
苦情処理多数決なら老いが勝つ 村岡義博
応援をした甲斐ないとトラの乱 松本光江
喧しく危険だ飛ぶなオスプレイ 北出北朗
点滴の下手な看護師避けたいな 松本光江
おてんとう様いくらなんでも暑すぎる 山尾ふたば
お隣へお邪魔ばかりの芋のつる 平川厚子
重箱の隅に目がゆく文句たれ 村岡義博
もみ消したはずのくすぶり大炎上 岸本博子
目安箱赤いポストになりました 赤井花城
不服なら上司に言えと耳貸さず 両澤行兵衛

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兼題  「決意」  矢野野薫 選
アレンパの決意秘めたる二連戦 中桐徹
元旦の決意暑さに熔ける夏 水上礼子
八十路の決意平穏無事に生きること 伊藤寿彦
決意したこの結び目はもう解けぬ 岸本博子
老いたれど希望あらたに決意する 松本光江
卒寿でも昔の決意変わらない 前川淳
人生の節目節目にある決意 岡島錦子
五十年妻の言うままなすがまま 田中おさむ
無理せずにこつこつやってみる決意 山内迪
辞職決意出来ず権力にしがみつく みぎわはな
入社式の決意表明みな立派 原戸麻也
見せかけの決意次第に色褪せて 伊藤寿彦
Uターン決意悔いること等何もない 安部美葉
おいそれと鋤は捨てない頬被り 盧光来
バツ三の女は二度と信じない 両澤行兵衛
なべやかん持っておいでとプロポーズ 下山田靖子
禁煙を決意してから腹が減る 安部美葉
見栄すてる裸一貫やる決意 吉村めぐみ
尻を割るボクの覚悟は薄かった 両澤行兵衛
我慢も限界離婚を決意する 倉周三
決意新たに未来へ立ち向う 青木公輔
凛とした背は決意を物語る 野口修
百までは生きる決意や雲の峰 桂ひろし
行動に移せず決意浮遊する 村岡義博
出直しの決意を秘めて風に乗る 宮本緑
不祥事に辞任の決意揺れるボス 加藤弘道
共犯の黒子になると決意する 有岡敏晴
決意した夫の脊押す妻の風 柳沼幸三
あの日より大道行くと決めている 杉村久子
後悔はするまい決めたのは私 辰巳和子
決断をしたのか背筋伸びている 野口修
それなりの決意で眉は濃く塗る 樋口祐子
貯金する決意が泡となるビール 黒嶋海童
ダイエット実りの秋がじゃまをする 岸本博子
決意したようだ歩幅が広い朝 村岡義博
老春の大志を抱き雲に乗る 杉村久子
病妻を死ぬまで看ると決意する 黒嶋海童
断固たる決意一夜にして揺らぐ 赤井花城
夜が白みだんだん褪せてくる決意 赤井花城
禁煙と啣えタバコで書く決意 矢野野薫

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【出席者】 (順不同・敬称略)
松本 光江 村岡 義博 山内  迪 田中おさむ 黒嶋 海童 盧  光来
両澤行兵衛 石井 閑楽 久山 節子 中桐  徹 下山田靖子 伊藤 寿彦
安部 美葉 矢野 野薫 みぎわはな 前川  淳 柳沼 幸三 渡辺 純子
青木 公輔 惠利 菊江 宮本  緑 北出 北朗 原戸 麻也 藤井 俊秀
吉村めぐみ 岡島 錦子 濱田 英明 岡田さちこ 山尾ふたば 河端世起子
野口  修 水田 蓉子 安積貴代美 岸本 博子 加藤 弘道 辰巳 和子
有岡 敏晴 今野美惠子 中谷 光男 山辺 和子 水上 礼子 倉  周三
桂 ひろし 杉村 久子 平川 厚子 本山 恵子 池田 史子 樋口 祐子
赤井 花城

【投 句】

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