令和5年11月28日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
兼題 「半分」 下山田靖子選
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半分にしてはならない恩返し |
盧光来 |
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半世紀経て沖縄にまだ重い基地 |
北出北朗 |
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リカちゃんとおやつを分けるひとりっ子 |
岡田さちこ |
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半分に分けた妻亡き独り膳 |
加藤弘道 |
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半分は親の威光もある二世 |
黒嶋海童 |
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嘘半分と思いながらもついつられ |
伊藤寿彦 |
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足して二で割ればちょうどの長女次女 |
原戸麻也 |
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祝金妻にどうぞと半分こ |
柳沼幸三 |
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挨拶は半分聞いて舟を漕ぐ |
樋口祐子 |
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やがて来る民の半分高齢者 |
赤井花城 |
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飲み代の半分払う下戸の俺 |
田中おさむ |
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割り勘で長い付き合い無二の友 |
今野美惠子 |
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半分は生きたと思ういま米寿 |
野口修 |
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ほら吹きの話半分聞き流す |
濱田英明 |
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半分こ子供に出来てさて大人 |
石井閑楽 |
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半日も待たされ診察は五分 |
北出北朗 |
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半分は船を漕いでた講演会 |
水田蓉子 |
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半分は本当信用してほしい |
青木公輔 |
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半分こ譲る心が平和へと |
斉藤美代子 |
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披露宴気持ち半半父の胸 |
柳沼幸三 |
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もう少し半分ずつの幸せで |
藤井俊秀 |
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半分っこしたけどやはり見比べる |
倉周三 |
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半分の油で飛んだ特攻隊 |
盧光来 |
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胃の手術半分残り安堵する |
加藤弘道 |
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聞き流す嘘半分の長話 |
荒岡浩志 |
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ジョークよと言いつつ半分は本音 |
辰巳和子 |
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まだ半分老いが見つめるもう半分 |
岸本博子 |
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持ち物を半分にする至難技 |
岡田さちこ |
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食品ロスせめて半減目指す日々 |
久山節子 |
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お兄ちゃんいつも大きめ半分こ |
渡辺純子 |
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折り返し地点で夢が消えかかる |
濱田英明 |
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物価高我が家じゃケーキ半分こ |
田中おさむ |
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半分こ大人になれば一人占め |
赤井花城 |
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先月の半分でした電気代 |
矢野野薫 |
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家庭内別居のドアは半開き |
有岡敏晴 |
| 佳 |
努力半分あとは運命風まかせ |
伊藤寿彦 |
| 佳 |
半分は気の持ちようで効く薬 |
有岡敏晴 |
| 佳 |
顔は母後ろ姿は父に似る |
中村優実子 |
| 佳 |
人生は半分ずつに幸不幸 |
中村優実子 |
| 佳 |
許そうか非の半分は私かも |
松本光江 |
| 人 |
何もかも中途半端のまま老いて |
樋口祐子 |
| 地 |
右手はママ左手パパと手をつなぐ |
山尾ふたば |
| 天 |
責任は私にもある子の育ち |
山内迪 |
| 軸 |
妻のグチ半分程は聞き流す |
下山田靖子 |
兼題 「火」 久山節子 選
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畦焼きの燃え広がってゆくこわさ |
山内迪 |
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ふるさとの街の灯りにほっとする |
樋口祐子 |
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火を踏んだあの日は口にしない父 |
安部美葉 |
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火の気無しでも私が火元です |
有岡敏晴 |
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ただ一度父の烈火の声を聞く |
赤井花城 |
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燻った噂広まる野火となり |
加藤弘道 |
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うっかりとあのひと言が火の種に |
下山田靖子 |
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火に油憎しみ倍加する戦 |
岸本博子 |
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火と燃えた日に返りたい姥桜 |
北出北朗 |
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落ち葉掃きご褒美お芋火にくべる |
田中おさむ |
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あのケンカ火元がわたしだったとは |
松本光江 |
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火中の栗を拾う情熱今は冷め |
伊藤寿彦 |
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火を消してまたたしかめる一人の夜 |
吉村めぐみ |
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読書中灯火の下で睡魔来る |
中谷光男 |
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火宅のお男猫はひんやり鈴ならす |
下山田靖子 |
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あかあかとネオン輝くガザはいつ |
樋口祐子 |
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地球儀を回せば戦火あちこちで |
岡田さちこ |
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片想い年齢重ねても火は消えず |
水田裕子 |
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遠い日の線香花火に父母の顔 |
黒嶋海童 |
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チロチロと埋火きっかけが怖い |
みぎわはな |
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砲火へと兵士も辛い戦争に |
斉藤美代子 |
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活火山抱えたような三才児 |
水上礼子 |
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戦火尚消える事ない人の性 |
池田史子 |
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鬼火舞う恋の未練か悔いだろか |
宮本緑 |
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火を灯し老いに逆らい生きる日々 |
荒岡浩志 |
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複雑な思いで灯す原子の火 |
濱田英明 |
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露店の火ふと寄り道の日暮れ時 |
水田蓉子 |
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旅の宿炭火囲んで山女焼く |
吉村めぐみ |
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火の匂いさせ老いらくの恋終わる |
水田蓉子 |
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この歳で火中の栗を拾うとは |
赤井花城 |
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泣き叫ぶ戦火の子供愛の手を |
斉藤美代子 |
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赤い火も青い火も抱く肋骨 |
垣内雅美 |
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過去棄てた尼僧残り火疼きだす |
倉周三 |
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川柳が学ぶ意欲に火を付けた |
中村優実子 |
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火と水を刻んで生きる咀嚼音 |
野口修 |
| 佳 |
進退に困った顔の原子の火 |
柳沼幸三 |
| 佳 |
罪のない子等にも戦火降りそそぐ |
安部美葉 |
| 佳 |
信念に浴びる火の粉は熱くない |
盧光来 |
| 佳 |
辛口の意見の口火切る勇気 |
岡田さちこ |
| 佳 |
埋み火が再炎狙っている野望 |
池田史子 |
| 人 |
火のように熱く燃えたい未だ八十路 |
矢野野薫 |
| 地 |
生きている証火の音水の音 |
野口修 |
| 天 |
愚かにも戦火の絶えぬ星である |
黒嶋海童 |
| 軸 |
火達磨のガザで産声聞く悲惨 |
久山節子 |
兼題 「不思議」 矢野野薫 選
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不思議にも名句が浮かぶ風呂の湯気 |
黒嶋海童 |
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アレアレよ枯木に花が咲いている |
樋口祐子 |
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不思議の国アリスじゃないよ独裁者 |
岸本博子 |
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今の世に戦火飛び交うのが不思議 |
濱田英明 |
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司法では不思議に国の肩を持つ |
中谷光男 |
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初恋の女が不思議と夢に出る |
濱田英明 |
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グータラな彼奴に何で惚れたのか |
北出北朗 |
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探し物あとから出てくるのが不思議 |
垣内雅美 |
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同じ親持つ姉妹の摩訶不思議 |
水田蓉子 |
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体切断あのマジックはまだ不思議 |
岡田さちこ |
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世の不思議見飽きた命生き過ぎた |
赤井花城 |
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怪我病気不思議に命永らえて |
赤井花城 |
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土壇場で不思議な力湧いてくる |
辰巳和子 |
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不思議だと思うひらがなの温み |
野口修 |
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不思議からいつか生まれるノーベル賞 |
安積貴代美 |
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世の不思議なんで戦争起こすのか |
柳沼幸三 |
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ネグレクトそれでも親を庇う子等 |
久山節子 |
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奴のおごり不思議なことがあるものだ |
田中おさむ |
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人前も平気でキスのパリジェンヌ |
加藤弘道 |
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難聴は悪口だけはよく聴こゆ |
松本光江 |
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叩いたら不思議に鳴った古ラジオ |
盧光来 |
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モナリザの笑みは阿修羅と天使秘め |
久山節子 |
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五十年よくぞ此処まで来たものだ |
松本光江 |
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まだ不思議宇宙の果のその果は |
水上礼子 |
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ルーキーの不思議な打点日本一 |
吉村めぐみ |
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夫婦喧嘩ばかりしていて子沢山 |
倉周三 |
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人体も宇宙も不思議恋愛も |
岡田さちこ |
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マチュピチュやナスカの不思議君知るや |
黒嶋海童 |
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メルヘンの不思議の中に嵌まり込む |
垣内雅美 |
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慈しみ深き神の子戦する |
石井閑楽 |
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丸い地球なぜ人間は角立てる |
岸本博子 |
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不思議やなあと又ばあちゃんの探し物 |
原戸麻也 |
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いつの間にか卒寿になっている不思議 |
山内迪 |
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彼の側不思議と勇気わいてくる |
吉村めぐみ |
| 佳 |
アンタ誰不思議そうに見る母を抱く |
みぎわはな |
| 佳 |
遺伝子の不思議爪まで母に似る |
辰巳和子 |
| 佳 |
価値観の違い引きずり50年 |
伊藤寿彦 |
| 佳 |
ハテサテどうして消える鍵メガネ |
みぎわはな |
| 佳 |
煙突が無くてもやって来たサンタ |
盧光来 |
| 人 |
ウマが合う何故か不思議な巡り会い |
田中おさむ |
| 地 |
秋の逝く不思議と思う人もなく |
野口修 |
| 天 |
四季めぐる何の不思議と思わずに |
安部美葉 |
| 軸 |
同じ歳老いは個別にやってくる |
矢野野薫 |
兼題 「平気」 赤井花城 選
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おばちゃんになってだんだん厚かまし |
山尾ふたば |
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妻家出そのうち帰ってくるだろう |
矢野野薫 |
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熊出没平気で里山へ入れない |
安積貴代美 |
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きつい言葉平常心で受け答え |
岡田さちこ |
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平気ではおれぬサンマの漁獲量 |
濱田英明 |
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錦秋に佇み寒さなど平気 |
矢野野薫 |
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ワクチン拒否平気な顔でいる度胸 |
今野美惠子 |
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失恋は平気な顔の裏で泣く |
松本光江 |
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増税メガネ見ると平気でいられない |
樋口祐子 |
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このくらいの雨なら平気走り出す |
惠利菊江 |
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誰だっけ平常心でいるけれど |
原戸麻也 |
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振られても振られてもへっちゃらだあい |
河端世起子 |
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平気だと言い切る声が震えてる |
垣内雅美 |
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賞味期限二年過ぎても食べている |
倉周三 |
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平気ではおれぬ地球の温暖化 |
野口修 |
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貧乏は平気戦後を生き抜いた |
倉周三 |
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ころんでもすぐ効く母のおまじない |
山尾ふたば |
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何言われても平気度胸は付いている |
青木公輔 |
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平気ではおれぬぞ妻が帰らない |
黒嶋海童 |
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遅刻魔の君は平気な顔で来る |
中村優実子 |
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毎秋に春樹と騒ぐノーベル賞 |
加藤弘道 |
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本心を突かれ平気でいられない |
田中おさむ |
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出世のために雑音なんか気にしない |
北出北朗 |
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平気です言った端から涙落ち |
加藤弘道 |
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「嘘つくな」平気で教える大人達 |
宮本緑 |
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平気では見られぬテレビ多すぎる |
水上礼子 |
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辛い顔平気に替えてする介護 |
岸本博子 |
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何事が起きても平気もう卒寿 |
黒嶋海童 |
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平気では居れぬ増税物価高 |
岸本博子 |
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悪魔だな平気な顔で嘘をつく |
吉村めぐみ |
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此の頃は何を聞いても動じない |
水田蓉子 |
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何事も平気で通す太っ腹 |
中村優実子 |
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平然と腕を差し出す七回目 |
久山節子 |
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闇バイト平気で人を踏み躙る |
柳沼幸三 |
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手折られて平気装う野辺の花 |
濱田英明 |
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平気ではおれぬ老後の暮らし向き |
吉村めぐみ |
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神佛も平気じゃおれぬこの乱世 |
池田史子 |
| 佳 |
切り札を抱いて平気な顔でいる |
辰巳和子 |
| 佳 |
平気ではおれぬ地球がこわれそう |
安部美葉 |
| 佳 |
ミサイルを平気な顔で打ち上げる |
柳沼幸三 |
| 佳 |
癌告知表情何も変えぬ父 |
盧光来 |
| 佳 |
もう何の批判も堪えない卒寿 |
みぎわはな |
| 人 |
コーヒーが香る平気を装うて |
安部美葉 |
| 地 |
物忘れ増えて平気が揺るぎだす |
野口修 |
| 天 |
ドンと来い百戦錬磨たじろがぬ |
池田史子 |
| 軸 |
空襲も地震も生きた平ちゃらさ |
赤井花城 |
| 【出席者】 (順不同・敬称略) |
| 石井 閑楽 |
加藤 弘道 |
濱田 英明 |
久山 節子 |
下山田靖子 |
中村優実子 |
| 岡田さちこ |
松本 光江 |
盧 光来 |
伊藤 寿彦 |
今野美惠子 |
岸本 博子 |
| 倉 周三 |
田中おさむ |
黒嶋 海童 |
矢野 野薫 |
安部 美葉 |
みぎわはな |
| 山内 迪 |
池田 史子 |
青木 公輔 |
荒岡 浩志 |
有岡 敏晴 |
河端世起子 |
| 北出 北朗 |
斉藤美代子 |
辰巳 和子 |
中谷 光男 |
野口 修 |
水田 蓉子 |
| 水田 裕子 |
宮本 緑 |
柳沼 幸三 |
山尾ふたば |
安積貴代美 |
原戸 麻也 |
| 垣内 雅美 |
吉村めぐみ |
渡辺 純子 |
藤井 俊秀 |
惠利 菊江 |
水上 礼子 |
| 樋口 祐子 |
赤井 花城 |
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