令和4年9月22日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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兼題  「待望」  田中おさむ選 
四回目打って収束待ち望む 柳沼幸三
念願の椅子大臣が拭く涙 両澤行兵衛
待望のコロナ消滅いつの日か 長野峰明
ウクライナにひまわり咲く日待っている みぎわはな
愛もらい待望の朝感謝状 斉藤美代子
待望のコミバス走る笑顔乗せ 安積貴代美
幸せを待ち望んでる泣き黒子 北出北朗
待望の一手棋聖は見逃さず 久山節子
待望が歓喜に変わる日の鼓動 野口修
待望のねぶた運行街は沸き 加藤弘道
待望のデイサービスに籍入れる 山内迪
待ちかねたサンマ今年も高級魚 濱田英明
待望の赤ちゃんだったはずなのに 安部美葉
待望の外国旅行空手形 水田蓉子
待望の米寿がすぐにやってくる 前川淳
待望のドラマに低い視聴率 荒岡浩志
待望の特選取って柳友(とも)歓喜 宮本緑
来てない女(ひと)に逢いたかったなクラス会 盧光来
待望の田舎暮しに癒される 山辺和子
新幹線乗り継いで行く長崎へ 藤井俊秀
夏休み孫がコロナの置き土産 中尾恵子
肩を組み飲んで歌える日はいつか 岸本博子
既読付く返事なくともつながった 松本光江
ひまわりがにこやかに咲くウクライナ 村岡義博
戦中派おやつ恋しい午後三時 樋口祐子
次次とiPSの魔法の手 池田史子
クラス会傘寿で最後とのハガキ 池田美保子
その先は未定百歳視野に入る 赤井花城
退院の青信号を走り抜け 東保節
旬の味秋刀魚にすだち待ちかねる 伊藤寿彦
待望の返事を載せて秋の雲 垣内雅美
預金利子付けぬ日銀がんこ爺 村田博
恋語るひまわり畑いつの日か 荒牧孝子
待望の雨に農夫の軽い足 矢野野薫
待っていて掴めぬチャンス攻めてみる 中谷光男
待望の退院杖に励まされ 荒岡浩志
松茸がどっさり届く秋の天 平川厚子
平和待つ小麦畑に映す青 長川哲夫
白い布くるみ戦地の新たな命 下山田靖子
待望の秋風わたし抱きに来る 濱田英明
日本人の横綱を待つ相撲界 倉周三
手ごたえはあった病院変えてから 松本光江
待ち望む飢えと戦のない地球 辰巳和子
ウィズコロナ解禁ですよ美女とハグ 田中おさむ

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兼題  「調子」  久山節子 選
旅プラン調子くるわす雨台風 吉村めぐみ
調子良い臓器のおかげ元気です 安積貴代美
「もしもし」で母の体調すぐわかる 原戸麻也
少々の調子は無視の旨い酒 荒岡浩志
ほめられると馬鹿力出す調子者 上野五柳
最高の調子で登る八十路坂 水田蓉子
今日はどう膝の調子を聞く目覚め みぎわはな
病院で調子はどうと老いふたり 黒嶋海童
おだてると気前よくなる調子者 北出北朗
調子よく生きてつまずくがん告知 濱田英明
夏バテの次は秋バテ絶不調 山尾ふたば
好不調バロメーターは酒の量 村田博
誰とでも調子合わせて和を保つ 辰巳和子
体調は日替わりメニューと同じです 宮本晋子
好かれてるお調子者といわれても 荒牧孝子
白球が調子にのって負け知らず 惠利菊江
鳩尾のあたりに調子良い話 安部美葉
リズムよく風音乗せて秋間近 野口修
調子いい相手の裏がよく見えぬ 加藤弘道
調子乗りやんちゃ人生生きてやる 渡辺純子
調子良く話が進む蒼い空 垣内雅美
引きこもり過ぎて戻らぬ胃の調子 赤井花城
いいリズム渡る信号青ばかり 辰巳和子
調子よく生きる話と死ぬ話 安部美葉
ホロ酔いの絶好調も明日の付け 池田美保子
危な気はない少年の一輪車 山辺和子
コーラスの調子も揃い発表会 今野美惠子
体調のいい日選んで病院へ 盧光来
調子良い話に乗って掘る墓穴 倉周三
調子に乗り踊らされてた足の萎え 池田史子
平均寿命は生きたいい調子だ 樋口祐子
胃の調子プーチン見たら悪くなり 長野峰明
さわやかな秋風に乗る本調子 山内迪
ブルペンの投手みているコーチの目 村岡義博
調子いい声に乗せられ余分買い 加藤弘道
追い風に乗って天狗になりました 両澤行兵衛
少々の調子外れで良い夫婦 柳沼幸三
パドックで馬の調子をしかと見る 延寿庵野
体調は如何ですかと問うカルテ 山辺和子
終盤にやっと出てきた本調子 大谷祝星
出囃子のリズム軽やか初舞台 延寿庵野
我が儘な臓器のリズム宥めつつ 水田蓉子
調子よく相槌打っている野心 野口修
調子良い誘いの口に乗る迂闊 久山節子

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兼題  「月」  盧光来 選
野良帰りをやさしく照らす白い月 山内迪
月並みに生きてこだわり捨てました 延寿庵野
月愛でる今日一日を目に残す 野口修
名月に粋な計らい雲一つ 中桐徹
再検査月に祈った帰り道 松本光江
月の満ち欠け亡母の人生ふと思う 宮本緑
月光が静かに舐める恋の瑕 荒岡浩志
「月光ソナタ」流し窓辺の月仰ぐ 辰巳和子
「月光」に静と動あり酔いしれる 岸本博子
母と逢う約束のある十三夜 垣内雅美
かぐや姫月へかえるとだだをこね 桂ひろし
満点の月より少し欠けた月 山尾ふたば
昼の月どこかボク似で昼行燈 中桐徹
家族失せ月抱き眠る戦下の子 加藤弘道
スモッグが月を隠した大都会 惠利菊江
月曜に戦場復帰_勤め人 北出北朗
自分史で過ぎた年月振り返る 中谷光男
祈ることばかりが続く神無月 黒嶋海童
再会の余韻を抱いて月の道 山辺和子
言い訳は聞かぬと月の雲がくれ 久山節子
月が笑む夜勤で空を見上げたら 渡辺純子
気を利かし雲間に入るお月さま 倉周三
宇宙旅行月のホテルにまず泊まる 上野五柳
石一つ積んで重ねている月日 野口修
名月に悪さ始める浮浪雲 長川哲夫
一本の芒と月に偲ぶ人 赤井花城
きれいな月言い訳にして遠まわり 荒牧孝子
月並みな言葉で義理の御挨拶 大谷祝星
アポロ着陸あの感動も半世紀 両澤行兵衛
一日の煩悩鎮め月煌煌 岸本博子
残月を仰ぎ覚悟の朝帰り 有岡敏晴
満月(つき)遥か亡母にも似たり笑み返す 松本光江
月一度アッという間に締め切り日 池田史子
月半ば早も小遣底をつき 矢野野薫
彼岸花月命日の花を買う 赤井花城
洗面器月にタッチの小さな手 大谷祝星
月並みの謝罪会見今日も又 伊藤寿彦
買いました月の砂漠に広い土地 池田史子
月賦にて三種の神器買った頃 中谷光男
月並みの言葉もうれし子と食事 池田美保子
月に濡れ二つの影が溶け合うて みぎわはな
露天風呂十五夜そっと手で掬う 柳沼幸三
名月に雨戸繰る手を止められる 佐々木たみ子
亡きひとを偲ぶひととき秋の月 盧光来

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兼題  「手」  原戸麻也 選
両の掌を合わせば慈悲の風が吹く みぎわはな
朝令暮改手の鳴る甘い将(ハタ)や将(ハタ) 安部美葉
人生のあの手この手を手探りす 中谷光男
渋々の拍手乾いた音をたて 久山節子
何もかも許して老母の手が温い 黒嶋海童
やり残す両手に余るほどの夢 濱田英明
差し伸べるために磨いておく両手 辰巳和子
手間ひまを掛けた実りの秋嬉し 安積貴代美
手の内をみせないようにタッチする 吉村めぐみ
リウマチの指折ってでも五七五 渡辺純子
握られたごつごつの手にある暮らし 水田蓉子
若い頃は美しい手だったのに 樋口祐子
絵手紙の中にも秋風が透ける 野口修
温い手だすべて任せることにする 垣内雅美
この指に止まってくれた赤トンボ 樋口祐子
あの世から手招きされて眠られぬ 矢野野薫
今はただころばぬ様に手をつなぐ 下山田靖子
手の内を読まれあっさり兜脱ぐ 倉周三
手のひらは甲よりずっとべっぴんさん 岸本博子
手に負えぬ孫とじいじはよく似てる 宮本緑
心音の聞こえる距離に介護の手 辰巳和子
手付かずの目標いまもたんとある 前川淳
手の内を見せた男の弱気知る 水田蓉子
ダイエットつい手がのびるつまみ喰い 加藤弘道
プーチンのその手は食わぬカラス鳴く 長野峰明
妻の手のひらの宇宙を泳がされ 松村數代
その手には乗らずひとりの道を行く 東保節
正直に生きた両手の皺を見る 荒岡浩志
音のない世界へ手話が運ぶ夢 山辺和子
五指十指明日へ生きる夢掬い 延寿庵野
毎日をもたもたもたの手順なり 平川厚子
運命線途切れ途切れの長命や 赤井花城
不器用な両手が包む暖かさ 岸本博子
花よりも美しい手にあこがれる 宮本晋子
手酌酒こんな気ままがありがたい 盧光来
疑問符がまだ解けない両こぶし 野口修
手を握るだけもやっかむのかコロナ 松村數代
個性だと直さぬままの左利き 久山節子
手花火が尽きてひとりの闇の中 山辺和子
ああそうかフォルムを愛でる手もあるか 有岡敏晴
手作りのチョコで奴隷になりました 村田博
シャンシャンと手打ちさせぬと民の目は 水田裕子
手抜きした自戒ず〜っと母子手帳 池田史子
十指みな弾ませ今日も旨い飯 原戸麻也

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兼題  「時」  赤井花城 選
コロナ禍が奪っていった人と時 岸本博子
暑い時期過ぎて草木も空あおぐ 佐々木たみ子
時よ止まれ_今老春のど真ん中 倉周三
コロナ禍にかき入れ時が逃げて行く 加藤弘道
老い支度時に委ねてケセラセラ 中桐徹
寂しい時メール下さい待ってます 田中おさむ
あの頃は時々翼生えたのよ 山尾ふたば
時流とは仲良くできぬヘソ曲がり 村田博
残酷な時の流れを知る鏡 荒牧孝子
もどらない時を重ねて黄昏れる 垣内雅美
その時はその時ですと妻強気 黒嶋海童
ボーンボン柱時計が呼ぶ昔 宮本緑
時は無情冷凍したい愛がある 安部美葉
出会い別れその時々にあるドラマ 加藤弘道
線香のように時間が消えてゆく 北出北朗
断捨離を急かす老後の砂時計 盧光来
政治は時に逆に流れることもある 上野五柳
収穫の時はワクワク農の汗 柳沼幸三
目に見えぬ時の狭間を足掻き生き 延寿庵野
恋の痛み時が経っても消えません 田中おさむ
酷暑から一変秋の彩をみる 矢野野薫
この家の秘密知って時うつ古時計 下山田靖子
腹時計八十路に合わせほどほどに 長川哲夫
楽あれば苦有りと時に身を任す 山内迪
傘寿すぎ時の流れにそえぬまま 吉村めぐみ
時を経て不戦の誓い軽くなり 安積貴代美
攻め時を逃し続けて早や日暮れ 池田史子
無駄にした時は金なり老いて知る 中谷光男
迷い悩みその時々を正直に 原戸麻也
許し合う時を辛抱強く待つ 荒岡浩志
幾度の盛衰潜り抜けた門 池田美保子
生きている今この時を満開に 原戸麻也
残された時間へふわり夢を編む 山辺和子
夢でもいいタイムスリップあの頃に 伊藤寿彦
満開の女の時は短くて 北出北朗
容赦なく時は流れて聴く挽歌 辰巳和子
時間との競争はもう止めました 村岡義博
とどまるを知らぬ月日に乗り合わせ 濱田英明
光陰の襞に秘めたる彩少し みぎわはな
時のない世界に命預けたい 辰巳和子
時超えて今なお響く紋太の句 盧光来
ヨーヨー・マ心豊かな時すごす 山尾ふたば
フェルメールの青に染っていく時間 山辺和子
天命の時待つ他はない命 赤井花城

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【出席者】 (順不同・敬称略)

【投 句】
矢野 野薫 田中おさむ 青木 公輔 大谷 祝星 延寿庵野 両澤行兵衛
渡辺 純子 柳沼 幸三 上野 五柳 長野 峰明 みぎわはな 斉藤美代子
安積貴代美 北出 北朗 久山 節子 吉村めぐみ 野口  修 加藤 弘道
山内  迪 濱田 英明 原戸 麻也 安部 美葉 水田 蓉子 前川  淳
荒岡 浩志 宮本  緑 盧  光来 長川 哲夫 山辺 和子 惠利 菊江
中桐  徹 辰巳 和子 黒嶋 海童 藤井 俊秀 今野美惠子 中尾 恵子
山尾ふたば 水田 裕子 有岡 敏晴 松本 光江 岸本 博子 村岡 義博
桂 ひろし 宮本 晋子 伊藤 寿彦 中谷 光男 東保  節 本山 恵子
佐々木たみ子 垣内 雅美 村田  博 下山田靖子 倉  周三 池田 史子
荒牧 孝子 池田美保子 平川 厚子 松村 數代 樋口 祐子 赤井 花城

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