令和4年7月22日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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兼題  「歳月」  松本光江 選
ヒヨドリに歳月を聞く神戸っ子 長川哲夫
歳月を重ねて判る母の愛 柳沼幸三
祝米寿歳月しかと見届ける 山内迪
曽孫まで重い歳月原発禍 加藤弘道
歳月を刻む手皺も節もある 岸本博子
両親と十八年の年月か 樋口祐子
歳月を熱意で繋ぎ来し祭り 池田美保子
歳月が変えてしまった義理人情 二宮千栄幸
歳月を競うて生きてる長寿国 矢野野薫
記念樹を見上げて想う父母の跡 中尾恵子
いつの間に八十年という月日 垣内雅美
歳月はボクに曽孫を見せて呉れ 北出北朗
緑なす黒髪も今グレイヘア 川村やまと
歳月の苦楽を語る節の数 野口修
歳月はあれよあれよと過ぎ八十路 上野五柳
歳月は経ても険しい遍路道 濱田英明
歳月がやんわり飲んだわだかまり 荒牧孝子
春夏秋冬一期一会に生きた自負 水田蓉子
歳月が解き放したか恩讐を 宮本緑
歳月が好好爺にする同窓会 二宮千栄幸
星月夜思い出濡らす歳になる 長川哲夫
苦と楽の歳月重ね米寿来る 黒嶋海童
歳月と川の流れは待った無し 長野峰明
歳月に可愛がられて百を生き 村岡義博
幾歳も生きていたいと経を読み 矢野野薫
伊達に歳重ねていない柳句集 田中おさむ
歳月を越えても思う恩がある 森廣子
歳月は思い出だけを残し過ぎ 久山節子
夢抱いて時の流れと共に生き 野口修
歳月の彼方に光る父の星 赤井花城
歳月が間延ししてくる高齢化 黒田忠昭
自覚して今日一日を生きる老い 吉村めぐみ
歳月が戦死の父を神にする 桂ひろし
今が大事待ってはくれぬこの月日 原戸麻也
歳月を語る記念樹花をつけ 山辺和子
歳月の輪立ち辿ればみえる途 池田史子
歳月を重ねて分かる人の情 辰巳和子
歳月を経て想い出は濃く薄く 濱田英明
笑い皺歳月にじむ老母の顔 柳沼幸三
半世紀添うて夫婦にある絆 倉周三
アルバムに歳月残し妻は逝き 加藤弘道
歳月をかけた努力が実を結ぶ 倉周三
歩み来し歳月余命の彩を選る 池田史子
すぎて来た時の流れはみな宝 松本光江

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兼題  「師」  山内迪 選
借景を生かす庭師の勘所 延寿庵野
ペテン師と気付かず乗った口車 池田史子
ペテン師の巧みな舌は良く廻る 柳沼幸三
人気ギャラ師を越えできた恩返し 倉周三
行き詰まり恩師の教え反芻す 荒牧孝子
師の教え反芻しつつ果てぬ夢 池田史子
褒め上手そんな恩師で今がある 原戸麻也
百歳の恩師囲んでクラス会 辰巳和子
師の一語今なお耳に残る糧 盧光来
師の叱咤神の教えと受け取める 安部美葉
泣きながら叱ってくれた師が恋し 宮本緑
元帥に憧れていた昭和の子 矢野野薫
黙秘して守ってくれた影法師 有岡敏晴
燻し銀お世辞はいらぬ匠技 柳沼幸三
師の句集諳(そら)んじるほど読み返す 久山節子
人生の支路で背押した師の言葉 加藤弘道
尊敬し私淑師承で学ぶ道 みぎわはな
師の背中ますます遠くなる不肖 村田博
看護師の笑顔に軽くなる空気 山辺和子
川柳を知り次つぎに師と出会う 岸本博子
師の教え忘れぬように書き直す 吉村めぐみ
師のことば心に秘めて五七五 吉村めぐみ
生涯に一人心の師と仰ぐ 赤井花城
この暑さ如何お過ごし我が恩師 本山恵子
美容師の自信に満ちたハサミ技 佐々木たみ子
師の道につい誘われる立ち飲み屋 長川哲夫
妻はぼくの老後を指導する教師 上野五柳
振りむくと昨日の薄い影法師 安部美葉
いつまでも恩師の胸が心地よい 荒岡浩志
川柳を老後を生きる師と仰ぐ 桂ひろし
師の歳を越えて師に問う夢のなか 黒田忠昭
師の言葉糧にどうにか現在地 北出北朗
見(まみ)えずとも師の温もりを感じつつ みぎわはな
師と仰ぐ厨の母の五指十指 野口修
聡太より段は下でも師は師なり 上野五柳
人生のてにをは教えてくれた父母 岸本博子
師を越えて若駒躍る棋聖戦 加藤弘道
密やかに一人の恩師胸に住む 赤井花城
凛と生きる恩師の背が道標 辰巳和子
師に感謝しながら歩く遠い道 山尾ふたば
川柳の師は美しい自然界 森廣子
父母に勝る師匠の有りや無し 矢野野薫
師と言えば父の鉄拳まっ先に 長野峰明
角張らずぞんざいな師が慕われる 山内迪

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兼題  「水泳」  村岡義博 選
古橋は戦後復興一助する 中桐徹
飛魚と異名を残した広之進 矢野野薫
犬掻きで泳ぎ渡ったこの浮き世 黒嶋海童
犬掻きがやっと泳ぎも人生も 原戸麻也
犬かきで生きた私は八十路なり 平川厚子
退屈な時は背泳ぎする金魚 有岡敏晴
背で浮いて見上げた炎天雲走る 伊藤寿彦
背泳ぎであなたに送る投げキッス 村田博
欲言えばキリがないので平泳ぎ 濱田英明
自己流の蛙泳ぎで向こう岸 森廣子
九十でまだまだ泳ぐ美魔女なり 水田裕子
今更乍ら水泳教室行くことに 東保節
老いたれど古式泳法矍鑠と 赤井花城
人生のところどころで立ち泳ぎ みぎわはな
スマホ持ち立ち泳ぎする都市砂漠 延寿庵野
コロナの中で溺れそうです立ち泳ぎ 森廣子
浮輪外れて泳げるようになりました 黒田忠昭
金の世を泳ぎまわった末あの世 上野五柳
人の輪を泳いで繋ぐ笑みひとつ 延寿庵野
息継ぎができたプールの自慢顔 中桐徹
金槌と云われ今では大工さん 本山恵子
若き日のビキニ水着が眩しいな 川村やまと
歳やのにまだ別嬪に目が泳ぐ 北出北朗
爺ちゃんはビキニの水着目の保養 田中おさむ
無免許で優に100キロ超すマグロ 長川哲夫
スクープで立ち泳ぎ中金バッチ 柳沼幸三
老いてから泳ぎ習ってビート板 中谷光男
スイミングまずその前にダイエット 荒牧孝子
青春を彼と泳いだ星の下 吉村めぐみ
なつかしい下着で泳ぐ昭和初期 松本光江
喝采はいらぬ私の平泳ぎ 垣内雅美
「前畑ガンバレ」歴史に残る名セリフ 佐々木たみ子
自己流の水泳岸へあと少し 宮本晋子
犬掻きでやっと定年泳ぎ切る 倉周三
リハビリで泳がずプール歩いてる 中谷光男
朝方まで水泳をしていた刺身 盧光来
池江璃花子の弾く奇跡の水しぶき 村田博
浜寺水練学校(ハマスイ)を卒業したと子に自慢 みぎわはな
生き切って浄土の岸に泳ぎ着く 辰巳和子
泳ぎ着いた地で悔いなく果つる椰子 池田史子
懺悔する泳ぎの下手な紋太流 長川哲夫
雨ならば雨の姿勢で泳ぐなり 樋口祐子
しなやかに苦界を抜き手切る女 北出北朗
森英恵泳ぐ無敵のバタフライ 村岡義博

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兼題  「是非」  中桐徹 選
コロナ避け句会どうぞと誘われる 柳沼幸三
いみじくも是非を論じる酒の席 吉村めぐみ
戦争をストップするに是非はない 辰巳和子
花見に是非言われたくない蓮の池 長川哲夫
子づくりを是非と叫んでいる政府 矢野野薫
生きてきて是が非のことは二つ三つ 中尾恵子
タイガース是非連勝で2位浮上 山尾ふたば
戦争に是か非かなんてあるものか 原戸麻也
天上天下是非は問わない平和道 藤井俊秀
是非私売り込む技は笑み笑くぼ 渡辺純子
試着室センスの是非を問うてくる 山辺和子
是非ともと甘い科白で来るさぎ師 安部美葉
是非来てとそんな言葉を真に受けて 二宮千栄幸
軍拡の是非を問われる地球人 加藤弘道
年金で是非食べてみるフグと蟹 濱田英明
是非ともとこわれた娘どこがよい 二宮千栄幸
是非来てネの社交辞令に乗った悔い 池田史子
是が非でも平和の星を目指さねば 倉本未生
新総理この国まともに是非に是非 水田裕子
是非君に甘い言葉にご用心 中尾恵子
是非一票選挙じゃなくて選者様 宮本緑
是非サインとパトカー内で頼まれる 盧光来
今夜こそ是非大山のホームラン 山尾ふたば
徴兵の是非を問う日が日本にも 原戸麻也
何回も施設面会悩む是非 藤井俊秀
是是非非を貫き生きた亡父の靴 安部美葉
一見で人のよしあし判らない みぎわはな
だまされたつもりで是非に乗ってみる 青木公輔
招かれた是非の一言気にかかり 加藤弘道
自治会長是非にと乞われ十年に 佐々木たみ子
ミサイルとぶ改憲論の是非を問う 桂ひろし
行暮れて野良の顔して是非もない 樋口祐子
戦争の是非はどちらの国にある 黒嶋海童
是非にとは書いてなかった招待状 垣内雅美
「是非一票」旧い友来る選挙前 佐々木たみ子
是非来てと義理で言うたら来やはった 倉周三
生きるとは是と非の中を往き来する 野口修
国葬の是非を問うてる功と罪 村田博
是非にとて犬猿雉と鬼退治 長野峰明
大国の無暴是も非もあるものか 赤井花城
出来る子もそれなりの子も皆我が子 久山節子
是非も無い事にされつつある値上げ 有岡敏晴
是是非非は確と自分の眼で決める みぎわはな
是非にとは言わぬときつい恩を着せ 中桐徹

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兼題  「底」  赤井花城 選
底抜けた桶で水汲むコロナ戦 長野峰明
乙姫も施設に移り要介護 村田博
人間の重みに耐える靴の底 吉村めぐみ
プーチンの欲の深さに底がない 辰巳和子
やりくり上手うちの家計は二重底 村岡義博
百歳へ生きるすべては底力 野口修
上げ底の公約数多選挙戦 加藤弘道
新しい戦力入れてボトムアップ 川村やまと
拭えない心の底にある不信 田中おさむ
夢の中海底行きのバスに乗る 樋口祐子
米櫃の底は見せない妻の意地 黒嶋海童
地熱発電日本のピンチ救えるか 村田博
本当の中味わからぬ二重底 松本光江
へそくりも気前良すぎて底を付く 今野三恵子
猜疑心底なし沼へ落ちていく 森廣子
どん底を知って女の意地みせる 吉村めぐみ
横綱にやっぱりあった底力 上野五柳
哀しみは心の底にそっと置く 川村やまと
雑草の暑さで育つ底力 山内迪
町工場ロケット部品底力 柳沼幸三
底辺を歩く三色ボールペン 安部美葉
どん底で出会った人の暖かさ 森廣子
どん底にキラリ一粒愛見つけ 荒牧孝子
耳底に残る亡母(ボウボ)の「ごはんだよ」 盧光来
どん底の暮しで知った人の情 倉周三
何処からか底力湧き母介護 岸本博子
どん底が来るのだろうかケセラセラ 渡辺純子
どん底でお寺の鐘に諭される 松本光江
底辺の暮しに笑顔忘れない 山内迪
底抜けの青空ロマン無限大 池田史子
母の一言こころの底に沁み透る 山辺和子
今日の欝そっと沈める瓶の底 山尾ふたば
頼られてると知って湧き出た底力 盧光来
どん底でなお信じてるペンの先 荒岡浩志
糠床の祖母の酵母が蘇る 中谷光男
底辺を彷徨ってきたわが履歴 前川淳
人生のどん底で読む歎異抄 桂ひろし
怒りひとつポッケの底に鎮ませる 原戸麻也
海底に眠る昭和の悲の歴史 山辺和子
底辺で希望と諦観に揺れる 北出北朗
身の底に未だ情念の火の粉舞う 辰巳和子
底抜けに明るい妻で平和です 矢野野薫
どん底で拾う一本の藁?(しべ) 安部美葉
南溟の底ひに今も恋う祖国 赤井花城

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【出席者】 (順不同・敬称略)

【投 句】
田中おさむ 柳沼 幸三 延寿庵野 加藤 弘道 青木 公輔 みぎわはな
川村やまと 上野 五柳 野口  修 山内  迪 安部 美葉 山辺 和子
北出 北朗 吉村めぐみ 渡辺 純子 久山 節子 荒岡 浩志 水田 蓉子
黒田 忠昭 藤井 俊秀 原戸 麻也 村岡 義博 山尾ふたば 中桐  徹
辰巳 和子 盧  光来 宮本  緑 長川 哲夫 前川  淳 中尾 恵子
矢野 野薫 村田  博 黒嶋 海童 倉  周三 岸本 博子 松本 光江
桂 ひろし 今野美惠子 有岡 敏晴 濱田 英明 中谷 光男 長野 峰明
宮本 晋子 東保  節 平川 厚子 荒牧 孝子 伊藤 寿彦 垣内 雅美
池田美保子 倉本 未生 本山 恵子 佐々木たみ子 二宮千栄幸 森  廣子
水田 裕子 池田 史子 樋口 祐子 赤井 花城

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