令和4年5月23日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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兼題  「顔」  岸本博子 選
生き方があなたの顔をメーキャップ 大窪千龍
満足の顔いつもより大きくて 樋口祐子
平静のふりをしてても眉ピクリ 中尾恵子
初孫の顔ふくよかに歯が二本 黒嶋海童
ニコニコの顔を残した良い知らせ 久山節子
ゆで玉子みたいな顔で軽い嘘 下山田靖子
往年の放蕩息子すまし顔 川村やまと
わが余生だんだん消える顔馴染み 大谷祝星
にらめっこ仁王さんにはかなわない 延寿庵野
お見舞いへ笑顔いっぱい持っていき 河端世起子
母親の顔色を見て飯を食う 宮本晋子
努力した汗が溢れている素顔 野口修
ブサカワですぐに貰い手ついた猫 久山節子
菫なおキュートにむらさきの笑顔 安部美葉
笑顔の裏早く帰れと小姑 宮本緑
犬でさえ客の顔色みてねだる 吉村めぐみ
男はな顔と違うで心やで 北出北朗
煉獄で静かな人の顔になる 荒岡浩志
あの角を曲がれば妻の顔になる 辰巳和子
それがねと秘密を話す顔になる 山尾ふたば
顔は勿論支払い振りも男前 上野五柳
横顔が素敵ねと云うほめ言葉 伊藤寿彦
かけがえのない顔でした亡弟よ 松本光江
熱燗と目刺しがあれば恵比須顔 倉周三
面窶(やつ)れした顔が寄るコロナ明け 赤井花城
私には夫も知らない顔がある 下山田靖子
あんな笑顔わたしに見せた事がない 原戸麻也
世渡りは笑顔会釈が第一歩 池田史子
隠したい賞味期限の切れた顔 中桐徹
合格を顔文字メール孫の春 加藤弘道
友笑うマスクの余白使い切り 垣内雅美
カマキリの顔が笑っている天下 森廣子
ゼレンスキーの顔で結束ウクライナ 村岡義博
笑ってはいるが振られた顔のよう 田中おさむ
この顔を使って明日も泣き笑い 濱田英明
泣き虫を大人の顔にする祭 村田博
ホーホケキョ顔は見せぬが魅せる声 佐々木たみ子
どの顔にいつも仮面を取り替えて 水田裕子
外来種大きな顔で占拠する 池田美保子
アフガンのブルカが覆う顔悲し 加藤弘道
ママの似顔絵皺まで描いて大目玉 倉周三
祭りの灯消えて素顔に戻る街 山辺和子
百歳の性別見えぬ仏顔 みぎわはな
七十路来てポーカーフェイス下手なまま 岸本博子

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兼題  「ぎっしり」  池田史子 選
ぎっしりとカードばかりの空財布 黒嶋海童
ぎっしりのおせち孫達の迷い箸 加藤弘道
寿司詰で怖怖みてる美術館 矢野野薫
ぎっしりの草掻き分けてわらび取り 山内迪
初夏眩し豌豆の実のぎっしりと 岸本博子
行きたいな満天の星見える丘 川村やまと
おでん種肩を寄せあう鍋の中 川村やまと
脳味噌がぎっしり詰まり恙無し 前川淳
朝夕をギューギュー詰め込んだ電車 松村數代
やっと来たバス満員で通過する 有岡敏晴
隙間なく詰める形の木の葉寿司 村岡義博
お愛想ぎっしり積んで選挙カー 大窪千龍
行列の鯛焼尻尾まであんこ 原戸麻也
タンポポが義経道を埋めつくす 桂ひろし
ぎっしりと並ぶマスクに安堵する 佐々木たみ子
最下位でも超満員の甲子園 倉周三
悲と哀を一杯詰めて生きる民 赤井花城
ぎっしりと語彙を詰めたい春キャベツ 村岡義博
人気者笑いの種をポケットに 荒牧孝子
花丸がにぎやかに咲く予定表 長川哲夫
チョコレートぎっしり詰めた箱ちょうだい 水田裕子
ぎっしりと恋が詰まっている小箱 青木公輔
十年をぎっしり詰めた貯金箱 佐々木たみ子
つめほうだい独居暮らしをふとわすれ 下山田靖子
バイキング折りにぎゅう詰めサザエさん みぎわはな
何時の間か家財道具は一杯に 宮本晋子
ぎっしりと蔵書積読ために買い 濱田英明
ぎっしりと旅の土産は土地の風 柳沼幸三
何処いった「三密」ダメと言ったはず 田中おさむ
ぎゅう詰めの英単ついに役立たず 上野五柳
胸奥にぎっしり夢の山がある 安部美葉
ぎっしりの稲穂額に光る汗 加藤弘道
難問がぎっしり詰まる石頭 森廣子
真心をぎっしり詰めた人の背 野口修
ぎっしりと昭和私の日記帳 垣内雅美
ぎっしりの暮らしは止めてミニマリスト 久山節子
些事雑事ぎっしり詰る母子手帳 延寿庵野
余命まで詰め放題の夢希望 池田美保子
夢あまた命ひとつじゃ足りません 松本光江
予定ぎっしり心のすき間うめている 荒牧孝子
一笑に付して泡立草(あわだち)咲きほこる 松本光江
ふところにぎっしり詰めた悔悟の実 本山恵子
ぎっしりと触れ合う肩の蟠り 長川哲夫
智恵と欲_詰め放題に透けて見え 池田史子

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兼題  「雲」  安部美葉 選
寄り添う雲あれは確かに父と母 岸本博子
雲つかむ話社長になると孫 黒嶋海童
青雲を追いかけ野望膨らます 池田史子
雲ふわり心もふわり軽くなる 中尾恵子
喜々として流れる雲にある自在 野口修
世の憂い素知らぬふりの流れ雲 宮本緑
暗雲を突き抜け蒼い空へ跳ぶ みぎわはな
見たくない見せてはならぬキノコ雲 田中おさむ
一瞬の雲の流れに甘い夢 水田蓉子
お疲れ様焦らないでと茜雲 池田史子
雲を呼ぶ梅雨の気配を嗅ぐ田んぼ 長川哲夫
雲掴む話に乗ってはまる罠 辰巳和子
水色に流れて一人雲と居る 山尾ふたば
天国の雲の切れ間に亡母の声 桂ひろし
流れる雲の百態に似た私小説 北出北朗
やみ雲に探せど愛は見つからぬ 荒牧孝子
雲の怒りがコップの中に浮いている 樋口祐子
逆上がり夕焼け雲につつまれる 山辺和子
夕焼雲明日もいい日に海光る 佐々木たみ子
通り雨雲間に覗く虹の橋 延寿庵野
空想ばかり思いを馳せる雲の上 森廣子
雲ゆきを読んでる老いの処世術 大谷祝星
ぼんやりと浮雲みたいやなあんた 上野五柳
八十路まだ挑み続ける雲の峰 原戸麻也
やるだけやった暗雲いつか晴わたる 池田美保子
望郷の念掻き立てる茜雲 倉周三
あかね雲戦争などは似合わない 原戸麻也
雲行きが怪しい印は押さぬまま 田中おさむ
真相は流れる雲の上にある 野口修
水田の雲をかき分け苗植機 加藤弘道
病窓の千変万化雲百態 水田蓉子
青い空天使の雲がおりてくる 荒牧孝子
百態の入道雲を見て飽かず 赤井花城
ゆっくりと流れる雲に想い馳せ 二宮千栄幸
雲海の神秘に見入る空の旅 有岡敏晴
雲悠々わたしも旅に出ようかな 赤井花城
雲ひとりお前も親にはぐれたか 長川哲夫
嘘のない身で白雲と対峙する 荒岡浩志
ちぎれ雲悲しい恋の分岐点 青木公輔
あかね雲逢わせて欲しい人がいる 辰巳和子
浮き雲よ恋のもろさを知りました 松本光江
風刺画のまん中にある雲ひとつ 樋口祐子
母と見たあの日も白い雲でした 荒岡浩志
雲ふわり産れ故郷に戻ろかな 安部美葉

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兼題  「気配」  黒嶋海童 選
栄転の気配机が少し揺れ 青木公輔
ちぐはぐな会話別れが忍び寄る 山尾ふたば
老母の寝息聞こえて襖そっと閉め 盧光来
どことなく腹をたててる気配あり 大谷祝星
気がきくね気配察する杯満たす 水田裕子
足許に来たよな気配ペットロス 二宮千栄幸
うつろな目気配感じる冷めた恋 伊藤寿彦
パドックの気配で買えぬ本命馬 村田博
相愛の気配残して又振られ 池田史子
転職の孫は明かるい気配して 久山節子
背な押したあれは亡母さんだったかも 森廣子
姿変えウイルス忍び寄る気配 赤井花城
いつか来た道に還っている気配 辰巳和子
よい気配妻が御猪口をもってくる 吉村めぐみ
うたた寝をそっと撫でたは君の風 みぎわはな
機嫌取り一寸ゴメンを匂わせる 大窪千龍
わたくしに気があるような気配あり 前川淳
新しい生命の気配孫夫婦 加藤弘道
立ち直る気配か笑顔見え始め 原戸麻也
モナリザの瞼瞬きした気配 加藤弘道
温暖化四季の気配が消えてゆく 赤井花城
求愛の気配歩幅が合ってきた 倉周三
言い訳の裏も知られている気配 荒岡浩志
かあさんの気配をのこす四帖半 下山田靖子
昨日の夜の気配残しているベッド 村岡義博
それなりの気配が有ったあの二人 青木公輔
初詣神いる気配しましたか 上野五柳
性善説踏みにじられてゆく気配 岸本博子
漁師らは三毛の気配で雨を知り 矢野野薫
長梅雨の気配さっぱり髪を切る 東保節
遠くから気配で解かる犬の耳 今野美惠子
地球から氷河が消えてゆく気配 松村數代
酒盛りの気配あわてて風になる 樋口祐子
気配でも好きになりそうそんな君 中桐徹
忍び寄る戦争気配身が縮む 伊藤寿彦
子の便り何かあるよな気配する 中尾恵子
避けている気配の見える目の動き 野口修
まだ亡妻の気配が残る台所 北出北朗
亡母が来る気配だカンナ揺れている 松本光江
叱られる気配に子供しおらしい 大谷祝星
熱燗よアナタ灯明ふと揺れる みぎわはな
いい気配妻のハミング日本晴れ 吉村めぐみ
誘われる気配に紅を引き直す 辰巳和子
灯明が揺れて亡母の気配する 黒嶋海童

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兼題  「今度」  赤井花城 選
コロナ禍に今度会う日がままならぬ 佐々木たみ子
「また今度」何度言ったかマスク越し 中桐徹
何回目閉店セールする今度 村田博
約束もあてに出来ない又今度 今野美惠子
今度こそ巨人を倒す底力 青木公輔
大トロを横目で眺めレジへ行く 大窪千龍
また今度約したままで早二年 二宮千栄幸
プロポーズ次の逢瀬でするつもり 有岡敏晴
お人好し今度も上手く騙される 森廣子
また今度なんと儚く脆いもの 安部美葉
今度こそクジラ解体してみせる 桂ひろし
来世も一緒になろうと言う夫 河端世起子
又今度と安請合いに重いつけ 池田美保子
今度また二人で歩く花の道 久山節子
また今度何時と聞きたい青リンゴ 岸本博子
今度こそ今度こそはと二浪の子 黒嶋海童
夢持てばなんとかなるよこの次は 荒牧孝子
今度何時元気なまゝで会えるかな 伊藤寿彦
今度今度とまだ唇も許さない 倉周三
遠花火今度の出合い待っている 吉村めぐみ
今度こそ今度こそはと夢を追う 辰巳和子
今度から国旗は出そうこどもの日 矢野野薫
今度こそいつも思うが思うだけ 中谷光男
また今度固い約束結ぶ紐 柳沼幸三
ようやっと今度の波に乗ると決め 水田蓉子
次は男にヒッチハイクの世界旅 池田史子
柳に跳ぶ蛙に声援を送る みぎわはな
お互いに本音を隠しまた今度 荒岡浩志
今度という今度プーチン許されぬ 上野五柳
年寄りに「また今度ね」はタブーだよ 川村やまと
今度会う時にきっちり返事する 大谷祝星
今度また会える日はいつ流れ星 濱田英明
今度という救いがあって生きられる 原戸麻也
大事なこと今度会う時話します 長川哲夫
今度こそ逃がさぬ風に乗るチャンス 松村數代
今度こそ期待集まる直木賞 加藤弘道
今度こそそんな今度を待っている 垣内雅美
先がない今度じゃなくて今でしょう 中尾恵子
今度は無いついて行きたい愛信じ 宮本緑
生きている限りは回ってくる御鉢 山内迪
またの日を会う約束の手話の指 野口修
生きてゆくまたと今度がある限り 村岡義博
今度こそ朗報を待つハルキスト 山辺和子
この星に今度も生まれ君と逢う 赤井花城

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【出席者】 (順不同・敬称略)

【投 句】
延寿庵野 田中おさむ 下山田靖子 青木 公輔 大谷 祝星 上野 五柳
柳沼 幸三 倉  周三 みぎわはな 大窪 千龍 加藤 弘道 野口  修
北出 北朗 山辺 和子 吉村めぐみ 宮本  緑 安部 美葉 垣内 雅美
川村やまと 原戸 麻也 久山 節子 前川  淳 水田 蓉子 荒岡 浩志
岸本 博子 濱田 英明 村岡 義博 辰巳 和子 矢野 野薫 山尾ふたば
桂 ひろし 河端世起子 長川 哲夫 山内  迪 宮本 晋子 中尾 恵子
黒嶋 海童 本山 恵子 今野美惠子 荒牧 孝子 田口 春子 水田 裕子
松村 數代 東保  節 池田 史子 二宮千栄幸 森  廣子 池田美保子
中谷 光男 有岡 敏晴 中桐  徹 松本 光江 伊藤 寿彦 佐々木たみ子
盧  光来 村田  博 樋口 祐子 赤井 花城

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