令和4年1月20日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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兼題  「約束」  下山田靖子選 
食事だけで会う約束が朝のモカ 倉周三
約束は医者ばかりかなカレンダー 岸本博子
苦労などさせぬ約束だった妻 濱田英明
約束の担保は君の笑顔だな 村田博
以心伝心約束なんぞ要らん仲 池田史子
背徳の約束台風反古にする 有岡敏晴
遺産分け口約束で反古になり 延寿庵野
指切りの小指は今も待ちつづけ 松本光江
口約束そっとメモする老紳士 上野五柳
約束を果し足取り軽い帰路 山辺和子
約束を待たずに落ちた柘榴の実 垣内雅美
約束を破られつうは翔び去った みぎわはな
色褪せた約束睡る日記帳 加藤弘道
約束を果たし肩の荷軽くする 水田蓉子
約束の指切りゆるむ別れ時 宮本緑
百歳へ夢で約束守らねば 長野峰明
約束事もうしなくてもいい柩 盧光来
約束は約束五円返さねば 青木公輔
約束を果たして空が澄み渡る 荒岡浩志
デイサービス指切りをした人に会う 田中おさむ
再会を約した節くれの握手 野口修
コロナ明け飲もうと言った友の通夜 田中おさむ
公約は票がほしさのネタでした 矢野野薫
一歩進む昨日の約束忘れてる 宮本晋子
雪が降ろうと会いに行きますあなたには 荒牧孝子
地球は青のまま必ずバトンパス 大窪千龍
待つほどに想いがつのる初デート 伊藤寿彦
お互いの晩年に逢う雪の宿 赤井花城
げんまんを置いたまんまの里遥か 久山節子
老いました明日の約束さえ不安 原戸麻也
指切りの小指はヒミツ抱いたまま みぎわはな
約束を頼りにしてるカレンダー 今野美惠子
黄昏の街で約束うすれゆく 青木公輔
不確かな口約束に夕陽落ち 水田蓉子
ボクにとり約束の地は亡妻の許 北出北朗
約束は男の誓い反故はない 山本さとし
約束は今日だった筈赤トンボ 垣内雅美
雪女と約束かわす二十五時 桂ひろし
後(のち)の世は約束せぬと妻が言う 黒嶋海童
遠い日の約束がある里の駅 辰巳和子
再会を約した彼は雲上に 樋口祐子
約束へ急ぐ夕陽に背を押され 山辺和子
約束の都わすれの花切手 下山田靖子

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兼題  「湯」  濱田英明 選
手遅れの人で混んでる美人の湯 倉周三
おっさんも入っています美人の湯 北出北朗
不便さもいいね秘境の湯のけむり 盧光来
名月を両手で掬う露天風呂 柳沼幸三
湯巡りは心癒やすも足縺れ 加藤弘道
湯の町に残す君との影二つ 大窪千龍
温泉(ゆ)の街でばったり妻と鉢合わせ みぎわはな
長湯してタイルの富士の雪溶ける 荒岡浩志
鏡の中の私を湯のししています 樋口祐子
愚痴その他今日も屋台の湯気に溶け 原戸麻也
寒空に湯の香旅情をかきたてる 山本さとし
雪見酒浮かべてみたい露天風呂 両澤行兵衛
湯豆腐の湯気恋しくて南禅寺 伊藤寿彦
秘めた恋二人で浸かる冬の宿 河端世起子
温泉のはしごでいのち永らえる 前川淳
秘境の湯人猿鹿も皆笑顔 大窪千龍
チャーシューの湯気を知ってる作業服 大谷祝星
充実の一日だった湯も熱い 黒嶋海童
湯豆腐の鍋に独りが癒やされる 野口修
冬至風呂湯気のかたまり赤子抱く 桂ひろし
快癒への兆し重湯のうまい味 黒嶋海童
転勤の不安を癒やす道後の湯 久山節子
混浴のデビュー有馬の足湯から 有岡敏晴
柚子湯の柚子寄って来るのと逃げるのと 上野五柳
湯巡りで近親感を深くする 山内迪
味噌汁の湯気にひとりを温める 山辺和子
ふぐ鍋の湯気に心が解けて行く 辰巳和子
校正をすませ葛湯のうまいこと 上野多惠子
雪掻きの疲れを癒すしまい風呂 柳沼幸三
煮え湯を飲まされ人間しゃんとする 延寿庵野
産湯から長いドラマが描かれる 野口修
湯の町は別府生まれでございます 松村數代
朝いちの白湯でスタート今日も晴 池田史子
白湯で飲む薬まだまだ遠い春 赤井花城
ぬるま湯のゆとり教育いつかツケ 本山恵子
湯巡りの独りはさびし下駄の音 みぎわはな
年金の受領書浮ぶ草津の湯 中桐徹
しょうが湯を一服冬と立ち向かう 安部美葉
湯呑み茶碗グチという渋今日も付く 宮本緑
いいお湯だ湯舟の人に無い貧富 辻部さと子
美肌の湯あきらめ入る長寿の湯 山尾ふたば
ぬるま湯に浸って鈍くなる闘志 有岡敏晴
老いてなお反骨の湯が滾ってる 盧光来
鉄湯をあやす熟練工の汗 濱田英明

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兼題  「予定」  山本さとし選 
予定あり逝く日教えて閻魔さま 村岡義博
卒寿でも予定ぎっしり西東 村上氷筆
予定では輝く舞台だったのに 樋口祐子
すまんすまんと少し手前で走る 中桐徹
カレンダー妻の予定はすぐ埋まる 辰巳和子
少しだけ予定の入る新手帳 山尾ふたば
予定にはなかった友の訃報くる 垣内雅美
予定表ぎゅうぎゅう詰めで見栄をはる 荒牧孝子
人間のエゴが予定を変えていく 野口修
ごみ出しの予定に朝を起こされる 山内迪
予定は未定今出来ること楽しまん 原戸麻也
ドタキャンもこりず次々予定入れ 水田裕子
予定にはなかった花を買う何か 安部美葉
傘寿超え明日も生き抜く予定書く 中谷光男
逝き急ぐ事もないので締めなおす 松本光江
予定変え乗った電車は事故遅延 加藤弘道
本日もなしで始まる予定表 荒岡浩志
独居人(びと)予定表と会話する 中内眞佐子
晩節も予定が埋まる幸福度 前川淳
おおまかに寄り道ばかり予定外 水田裕子
診察券五枚もあって忙がしい 両澤行兵衛
ウィズコロナ_ケセラーセラと口ずさむ 岸本博子
コロナ禍に溜息もれる予定表 山辺和子
予定では明日が挙式だったのに 青木公輔
友見舞う予定にはない途中下車 山辺和子
予定など組めぬ波乱の物語り 池田美保子
予定では風花にのり空を舞う 久山節子
明日は雪ふとんかぶって寝る予定 上野多惠子
リハビリの待合室で会う予定 上野多惠子
それからの予定は未定今日も暮れ 松村數代
予定表逢い引きの日は赤い点 桂ひろし
白寿まで予定ギッシリ寝ちゃおれぬ 池田史子
予定など要らぬ明日がある限り 濱田英明
予定より早い赤字に大慌て 北出北朗
いい天気予定もなくて猫をだく 下山田靖子
句会には大物ゲスト来るらしい 田中おさむ
隙間風孤独を誘う予定表 荒岡浩志
予定表狂う財布の謀叛劇 村田博
予定通り朝が来るから生きられる 長野峰明
一年の計はいずこへ年の暮れ 盧光来
金婚へ比翼の鳥となる予定 有岡敏晴
山頭火予定は立てず風枕 延寿庵野
花手帳余白うずめるさみしがり 下山田靖子
通院日だけが記入されてる予定表 山本さとし

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兼題  「ラーメン」  上野多惠子選 
カップラーメン有難かった一・一七 村田博
カップ麺のカップが貯まる家ごもり 山尾ふたば
偶にですがカップラーメン欲しくなる 原戸麻也
おせち飽きラーメン食すこの平和 今野美惠子
黙食のラーメン邪魔な仕切り板 田中おさむ
ラーメンを品良く食べる人が好き 荒牧孝子
苦学の日チキンラーメン見て想う 有岡敏晴
うす汚れたのれんに並ぶ中華そば 山辺和子
エンディングノートラーメン食べながら 盧光来
伸び切ったラーメンを喰う長電話 延寿庵野
ラーメンあれば何も要らない楽な人 池田史子
酔いどれが最後行き着くラーメン屋 盧光来
にわか雨ラーメン屋にて愛語る 荒牧孝子
家のラーメンどこよりも旨かった 青木公輔
ラーメンは御汁が命残さない 山内迪
味噌醤油豚骨さえも店の味 両澤行兵衛
ラーメンのバリエーションに飽き知らず 池田美保子
ラーメンの嵩留学の子に送る 赤井花城
ラーメンの本場を超えたいい味だ 前川淳
醤油か味噌か些細なことで揉め初め 山尾ふたば
ラーメンの御代り阻む血圧計 野口修
血圧値気にしつラーメン食べ歩き 大谷祝星
ラーメンを食べ一日をしめくくる 桂ひろし
ラーメンは今や日本料理です みぎわはな
ラーメンだけじゃ栄養不足だよあんた 上野五柳
残業も終えてラーメン啜る幸 黒嶋海童
受験生夜食ラーメン脳休め 加藤弘道
チャーシューの一枚おまけ路地の店 宮本緑
ラーメンを啜る素顔の君を知る 野口修
ラーメンのにおいに負けてまわれ右 下山田靖子
ラーメンに合う酒未だ見つからぬ 村田博
呑ん兵衛の仕上げ屋台のラーメン屋 有岡敏晴
定食は飯とラーメンだった頃 宮本晋子
美味いラーメン求め足代惜しまない 北出北朗
ラーメンのスープに愛の隠し味 荒岡浩志
ラーメンにしとけと男別れる気 倉周三
ラーメンを食べつつ考える人に 辻部さと子
ラーメン好き貧乏ゆすりしつつ食べ 辻部さと子
即席のラーメン拓く世界地図 加藤弘道
ラーメンは悲しい味だ亡弟よ 松本光江
貼り紙に世話になったとラーメン屋 田中おさむ
カップラーメン私を不精者にした 樋口祐子
ラーメンと不安をすする受験生 大窪千龍
遠距離恋愛ラーメンで乾杯 上野多惠子

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兼題  「旅情」  赤井花城 選
夢の客船飛鳥が見える神戸港 山本さとし
絵はがきがまた旅ごころ駆り立てる 原戸麻也
地魚と地酒訪ねる港町 村田博
窓近く白鳥飛来す津軽路よ 中内眞佐子
白樺林詩人の顔で散策す 荒牧孝子
猪鍋を友と分けあう旅の宿 矢野野薫
サンセット心に染みた船の旅 伊藤寿彦
湯の街の旅情をそそる浴衣下駄 池田史子
想像の旅情に浸る地図の旅 有岡敏晴
久し振りに旅情味わう千ヶ峰 前川淳
香港夜景スター気分でポーズとる 荒牧孝子
あの町の人の情けで居住決め 村上氷筆
湯巡りをおもてなしする国訛り 濱田英明
朝市の布草履売る国訛り 岸本博子
湯上がりの妻が酌する旅の宿 盧光来
一人旅見知らぬ人と国自慢 濱田英明
駅の名に惹かれて降りた無人駅 垣内雅美
哀愁を帯びて溶け行く瞽女の三味 延寿庵野
帰宅して五感に旅がまだ残る 大窪千龍
朝市の匂い掻き立てするめ買う 河端世起子
旅心打ち消すコロナまた延期 中谷光男
山峡の駅の座布団ほっこりと 垣内雅美
密やかに旅情を挿む時刻表 荒岡浩志
ハネムーン同じ経路のフルムーン 中桐徹
春の旅ふる里に似た山に会う 山尾ふたば
とうちゃこの正平見れば旅心 両澤行兵衛
スキーかついで歌ったよな北帰行 上野多惠子
横光の旅愁携えチロル旅 伊藤寿彦
摩周湖の霧が霽れてるフルムーン みぎわはな
歩幅合い心軽やか夫婦旅 柳沼幸三
駅弁に土地の訛も付いてくる 柳沼幸三
方言に包まれ足湯浸る旅 黒嶋海童
ローカル線の車窓肴に酒を酌む 盧光来
旅情なお雪のみちのく瑞巌寺 有岡敏晴
梅ちらほら相合い傘のいで湯宿 田中おさむ
風連れて如月の旅遥かまで 久山節子
旅情忘れ二年の寂が埋まらない 宮本緑
バーチャルな旅でがまんの去年今年 樋口祐子
地吹雪を枕の下に北の旅 安部美葉
百歳を視野に収めて温い旅 長野峰明
流氷に焦がれ三度のオホーツク 岸本博子
内外の旅情を侶に妻は逝き 加藤弘道
玉音に拾った命旅の風 長野峰明
島の夜の旅の情けが身に沁みる 赤井花城

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【出席者】 (順不同・敬称略)

【投 句】
青木 公輔 池田 史子 池田美保子 田中おさむ 大谷 祝星 柳沼 幸三
加藤 弘道 長野 峰明 延寿庵野 みぎわはな 大窪 千龍 矢野 野薫
上野多惠子 上野 五柳 北出 北朗 久山 節子 山内  迪 荒岡 浩志
水田 蓉子 中内眞佐子 河端世起子 村上 氷筆 山辺 和子 中桐  徹
山尾ふたば 下山田靖子 前川  淳 安部 美葉 原戸 麻也 中谷 光男
野口  修 黒嶋 海童 濱田 英明 辰巳 和子 村田  博 宮本  緑
盧  光来 岸本 博子 今野美惠子 本山 恵子 宮本 晋子 杉村ひさこ
水田 裕子 垣内 雅美 伊藤 寿彦 山本さとし 松本 光江 倉  周三
辻部さと子 桂 ひろし 村岡 義博 両澤行兵衛 有岡 敏晴 荒牧 孝子
松村 數代 樋口 祐子 赤井 花城

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