令和3年11月20日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
兼題 「まさか」 宮本緑 選
|
昨日今日まさかの訣れつづく秋 |
赤井花城 |
|
堅物の友が浮気をしてたとは |
倉周三 |
|
ウィルスに梅干しが良く効くらしい |
荒岡浩志 |
|
モナリザが弄ばれて怒り出す |
前川淳 |
|
水代り石油飲んでる産油国 |
矢野野薫 |
|
まさかとは思うが犬の恩返し |
松本光江 |
|
朝は晴れまさかの雨で天あおぐ |
佐々木たみ子 |
|
大安を選んで式を挙げたのに |
盧光来 |
|
七番目にやっと生まれた御長男 |
黒田忠昭 |
|
サプライズ老女に届くバラの束 |
みぎわはな |
|
釣り人に短気多いと言うまさか |
村田博 |
|
大チャンスまさか4番が併殺打 |
山尾ふたば |
|
胃の中でまさかの種が発芽する |
樋口祐子 |
|
人の世はまさかまさかの走馬灯 |
黒嶋海童 |
|
コロナの嵐まさか二年余続くとは |
上野五柳 |
|
トレードした戦力外にしてやられ |
萩原正 |
|
初恋の相愛そして訃報知る |
岸本博子 |
|
枕元まさかを詰めた頭陀袋 |
松村數代 |
|
この時期にまさか転勤するなんて |
佐々木たみ子 |
|
コロナ失業娘息子に夫まで |
みぎわはな |
|
まつり上げられまさか負け犬とも知らず |
安部美葉 |
|
人生のまさかの時が勝負どき |
中尾恵子 |
|
ドン枝野まさかの負けで首落とす |
長野峰明 |
|
失せ物は大概まさかこんなとこ |
村岡義博 |
|
五十年目に妻がまさかの離縁状 |
伊東寿彦 |
|
ケロイドがまさかを語る原爆忌 |
延寿庵野 |
|
知っていたつもりの漢字でてこない |
矢野野薫 |
|
プライドがまさかと思う日の落差 |
野口修 |
|
診察日身内を連れて来いと言う |
両澤行兵衛 |
|
救急車に乗るのはまさかこの私 |
山内迪 |
|
まさかの出合い友とばったりクリニック |
山本さとし |
|
モリカケをまさか忘れてへんやろな |
北出北朗 |
|
この俺が手摺で階段昇り降り |
萩原正 |
|
絶え間なきまさかに鈍くなる恐さ |
久山節子 |
|
約款の裏にまさかの落し穴 |
延寿庵野 |
佳 |
真夜中に妻が包丁研いでいる |
辰巳和子 |
佳 |
十代の孫がまさかの早逝に |
前川淳 |
佳 |
九条はまさかの時に物を言う |
北出北朗 |
佳 |
ミラノ駅まさかあなたに会うなんて |
荒牧孝子 |
佳 |
秘境の湯何でオマエとここで遭う |
大窪千龍 |
人 |
隠蔽の片棒かつぐシュレッダー |
久山節子 |
地 |
総選挙まさかが起きずまた四年 |
上野五柳 |
天 |
退院が近いと聞いていたけれど |
倉周三 |
軸 |
ペットショップ高齢者には「売らない」と |
宮本緑 |
兼題 「味覚」 村田博 選
|
薄味になれてしまったかけうどん |
矢野野薫 |
|
下町の情に分厚いモダン焼き |
荒岡浩志 |
|
腕次第豆腐に四季の味覚あり |
上野五柳 |
|
飴色になるまで待った吊し柿 |
矢野野薫 |
|
明くる日のおでん夫婦の味がする |
北出北朗 |
|
土瓶蒸し秋の味覚のおもてなし |
田中おさむ |
|
コロナ禍に味覚の秋を縮められ |
村上氷筆 |
|
こだわりへ妥協をしないシェフの舌 |
延寿庵野 |
|
ファーストキッス忘れた脳も唇も |
村岡義博 |
|
さまざまな味覚を抱いて風になる |
東保節 |
|
山不作猿は畑の秋賞味 |
黒田忠昭 |
|
味覚オンチの夫で私は救われる |
佐々木たみ子 |
|
子の帰省秋の味覚をてんこ盛り |
辰巳和子 |
|
味覚よりシンプル競う料理本 |
延寿庵野 |
|
食進まぬ味覚の秋の一人膳 |
宮本緑 |
|
スーパーの駅弁フェアに舌鼓 |
山尾ふたば |
|
天し私の味覚研ぎ澄ます |
松村數代 |
|
足が向く故郷の味出逢う店 |
中尾恵子 |
|
不味いとは絶対言わぬレポーター |
倉周三 |
|
妻の味どっぷり漬かり凭れてる |
水田蓉子 |
|
味覚良し成長したよ太鼓腹 |
前川淳 |
|
味覚糖アメちゃんポッケあの上司 |
水田裕子 |
|
四季のある国で味蕾がご満悦 |
村上氷筆 |
|
モンローに舌舐めずりをした輩 |
北出北朗 |
|
ミサイルにおびえたカニは味がない |
桂ひろし |
|
桑の実がスイーツだった遠い日よ |
村岡義博 |
|
カンツォーネ染みてワインとハーモニー |
荒牧孝子 |
|
一枚の舌ゆっくりと秋を食む |
野口修 |
|
御歳暮へ秋の味覚が手を挙げる |
長野峰明 |
|
当たりめを噛めばドラマに味が出る |
荒岡浩志 |
|
四季問わぬ味覚が並ぶ味気なさ |
赤井花城 |
|
娘の料理わが家の味になってきた |
山辺和子 |
|
野良仕事塩おむすびに口が笑む |
柳沼幸三 |
|
行間に味覚の鼓動書き添える |
樋口祐子 |
|
麦飯を見ると悲しくなってくる |
樋口祐子 |
|
甘かった記憶の中のさつまいも |
中内眞佐子 |
佳 |
新婚の舌は何でもオイシイヨ |
みぎわはな |
佳 |
辛口の嫁の味覚に馴らされる |
倉周三 |
佳 |
添い遂げる人かどうかを咀嚼する |
大窪千龍 |
佳 |
秋深むプライド高くきのこ飯 |
安部美葉 |
佳 |
禁煙をすると味覚が甦る |
黒嶋海童 |
人 |
カニふぐのテレビ見ながら湯豆腐か |
岸本博子 |
地 |
松茸も秋刀魚も遠い秋の空 |
両澤行兵衛 |
天 |
炊出しの豚汁の味身に沁みる |
山辺和子 |
軸 |
若者のこってり味に泣く和食 |
村田博 |
兼題 「ムード」 矢野野薫 選
|
ほろ酔いで「ダニィボーイ」を心地よく |
松本光江 |
|
露天風呂一句詠みなと満月が |
萩原正 |
|
コロナ解禁楽観ムード世に満ちる |
松村數代 |
|
心配を一気に弾く呱呱の声 |
野口修 |
|
てくてくとレトロの町を蝶といる |
本山恵子 |
|
雰囲気を高める人がいて和む |
野口修 |
|
いいムードきっと今夜は夢叶う |
黒嶋海童 |
|
かげろうの視野にムードのあるカフェ |
安部美葉 |
|
夕日背に寄り添う二人のシルエット |
伊東寿彦 |
|
ジェットストリーム語りで夢に誘われる |
伊東寿彦 |
|
恐持ての彼がムードに弱いとは |
山本さとし |
|
快男児沈滞ムードガラリ変え |
村上氷筆 |
|
悪臭にムードの粋は吹き飛んだ |
樋口祐子 |
|
妖しげなムードで迫る曲タブー |
村田博 |
|
ムードなど何処へ自粛も二年越え |
みぎわはな |
|
世はコロナコロナで夜も日も明けぬ |
赤井花城 |
|
クリスマスムードにまたも散る財布 |
岸本博子 |
|
五人寄ればムードメーカー一人いる |
上野五柳 |
|
時としてストーリー無しいい気分 |
宮本晋子 |
|
大スター芋を剥いても様になる |
中桐徹 |
|
そこそこのムードを醸す夜の星 |
東保節 |
|
「ムーンリバー」こんなムードで如何でしょ |
山尾ふたば |
|
醸し出す大人のムードロゼワイン |
田中おさむ |
|
雰囲気を察し二人にしてくれた |
村上氷筆 |
|
その時のムードでOKしたのです |
上野五柳 |
|
デュエットで恋のムードに包まれる |
辰巳和子 |
|
見詰めあう二人に空気甘くなる |
山辺和子 |
|
マスクした方がムードの出るお顔 |
黒田忠昭 |
|
ボスの意に息つめなびく皆の衆 |
峯明子 |
|
MCが素敵なムード醸し出す |
前川淳 |
|
美術展の帰りに買ったベレー帽 |
盧光来 |
|
ムーン・リバーメロディーに酔う午後のモカ |
延寿庵野 |
|
燃える恋氷砂糖がすぐ溶ける |
柳沼幸三 |
|
雰囲気に呑まれいつやら異次元へ |
水田蓉子 |
|
ムードには遠く武骨なプロポーズ |
安部美葉 |
|
日が落ちたご飯ムードで猫帰る |
中内眞佐子 |
佳 |
気取っても気品は出ないがらっぱち |
峯明子 |
佳 |
だとしてもコロナムードはまだ解けぬ |
松村數代 |
佳 |
険悪な空気に猫も近寄らず |
両澤行兵衛 |
佳 |
手のひらを仄かに照らし飛ぶ蛍 |
荒岡浩志 |
佳 |
戸を叩く風に残り火紅を引く |
長野峰明 |
人 |
百万ドルの夜景にそっと腕を組む |
山辺和子 |
地 |
パリの散歩このまま住んでいいですか |
荒牧孝子 |
天 |
甘言と知りつつ酔った夢一夜 |
久山節子 |
軸 |
ライトアップのムードに酔った紅葉狩 |
矢野野薫 |
兼題 「目立つ」 黒田忠昭 選
|
万国旗はためく中の日の丸よ |
峯明子 |
|
目立たない利息通帳ちょんと付き |
延寿庵野 |
|
てきぱきと仕事する娘で明眸で |
黒嶋海童 |
|
言訳が下手で余計に目立つ嘘 |
山辺和子 |
|
感染数減れば値上げが目立つ世に |
宮本緑 |
|
目立つかと妻に聞いてる後頭部 |
黒嶋海童 |
|
ハワイでは気にもならないメタボ腹 |
伊東寿彦 |
|
目立つわよ言われ慌てて式挙げた |
倉周三 |
|
AI(エーアイ)越え少年棋士の輝いて |
田中おさむ |
|
目立つのは影で咲く花案外に |
水田裕子 |
|
冠雪が一際目立つ冨士の山 |
萩原正 |
|
異星人10頭身のモデルたち |
大窪千龍 |
|
目立つより目立たぬ花に水をやり |
樋口祐子 |
|
目立つのは苦手裏方引き受ける |
辰巳和子 |
|
売れっ子を車上に載せて選挙カー |
両澤行兵衛 |
|
ひっそりと目立たぬように爪をとぐ |
下山田靖子 |
|
ハロウィンと勘違いする新監督 |
中尾恵子 |
|
目立たずとも持論しっかり持っている |
山内迪 |
|
目鼻立ち目立つクラスの人気者 |
赤井花城 |
|
若者の街へ昭和のファッション |
平川厚子 |
|
隅っこで黙ってるのに指名され |
みぎわはな |
|
血の巡りカズレーザーは赤がウリ |
村岡義博 |
|
目立ちたがりや今夜も唄う安来節 |
青木公輔 |
|
大袈裟にきらめきバレた偽ダイヤ |
久山節子 |
|
目立たずに生きた生涯悔い多少 |
松村數代 |
|
目立たない振りで男の抱く野望 |
野口修 |
|
寄る年や人より赤を重ね行く |
本山恵子 |
|
人文字のひとり遅れているリズム |
山辺和子 |
|
同窓会目立ち過ぎない服選ぶ |
荒牧孝子 |
|
曼珠沙華真赤に咲いて野に目立つ |
桂ひろし |
|
人生は目立ってなんぼやビッグボス |
中桐徹 |
|
船場、祖母「目立ちなはんな」これ家訓 |
水田裕子 |
|
巣籠りで目立って脚が弱くなり |
長野峰明 |
|
摩天楼バスケのチーム電車内 |
大窪千龍 |
|
潔(イサギヨ)い引き際目立つ責任者 |
大谷祝星 |
佳 |
大声が耳の遠さを目立たせる |
長野峰明 |
佳 |
代議士は目立つ所を先ず探す |
村田博 |
佳 |
戦術にコロナが目立つ選挙戦 |
矢野野薫 |
佳 |
八十路来てはやりの服はジロジロと |
峯明子 |
佳 |
投げて良し打っても凄い二刀流 |
柳沼幸三 |
人 |
紅一点すみっこで咲く花の彩 |
樋口祐子 |
地 |
コーラスに少し外れる元気な子 |
荒岡浩志 |
天 |
目印は黄金(きん)の雨降る大銀杏 |
みぎわはな |
軸 |
黄昏に溶け込んでいる花泥棒 |
黒田忠昭 |
兼題 「文字」 赤井花城 選
|
枯蔦が土塀に残す文字模様 |
大谷祝星 |
|
逆さまに読んでいましたアラビア語 |
村田博 |
|
文字化けに思わず笑い手が止まる |
中桐徹 |
|
精一杯心を込めて書く句箋 |
久山節子 |
|
一家担うその貫禄が文字に出る |
山内迪 |
|
女文字そこにトリック有りました |
青木公輔 |
|
達筆で味もあるけど読めません |
大窪千龍 |
|
わ行のゐの字使ったことがありますか |
盧光来 |
|
絵文字横文字スマホ私をこまらせる |
下山田靖子 |
|
下手な文字いつもメールに助けられ |
佐々木たみ子 |
|
一文字を書く時期迫る十二月 |
中谷光男 |
|
達筆で暑中見舞いも捨てられず |
中桐徹 |
|
達筆な草書拝啓だけ判り |
両澤行兵衛 |
|
半分は絵文字で寄越す中二の娘 |
村岡義博 |
|
応援の人文字揺れる早慶戦 |
大谷祝星 |
|
歌舞伎座の名前が上がる個性文字 |
今野美惠子 |
|
百態の文字が個性を語り出す |
辰巳和子 |
|
奇麗な字きっと心が澄んだ人 |
山本さとし |
|
やんわりと優しく包むおんな文字 |
延寿庵野 |
|
デジタル化文字の優しさ消してゆく |
宮本緑 |
|
ひら仮名が光源氏を生み出せり |
上野五柳 |
|
奥深い十七文字に魅せられて |
水田蓉子 |
|
濃淡の墨が彩なす書の世界 |
村上氷筆 |
|
小さくは絶対書けぬ鬱の文字 |
倉周三 |
|
手紙より声が聞きたい家ごもり |
荒牧孝子 |
|
収賄で選良の字を虚仮にする |
北出北朗 |
|
カタカナ語増えて昭和が遠くなる |
松本光江 |
|
この思い文字に出来ないもどかしさ |
荒岡浩志 |
|
人生の余白に文字をデカく書く |
柳沼幸三 |
|
あの時の波紋に愛と言う一字 |
安部美葉 |
|
肩寄せて大文字焼見上げた日 |
みぎわはな |
|
文字ならばこんなに好きと言えるのに |
長野峰明 |
|
祖父逝ってアラビア文字の置時計 |
黒田忠昭 |
|
一文字に空気が変わる句の世界 |
岸本博子 |
|
美しい文字に二度ぼれするばかり |
樋口祐子 |
佳 |
勘亭流のまねきが誘う古都ひと日 |
山辺和子 |
佳 |
原田マハ読むほど文字が泣いてくる |
山尾ふたば |
佳 |
黒塗りで消される文字はやるせない |
柳沼幸三 |
佳 |
人という字は支え合い愛し合い |
みぎわはな |
佳 |
スマホ手に文字を忘れていく現世 |
野口修 |
人 |
巻き戻す時の憂いに沈む文字 |
荒岡浩志 |
地 |
スカーレットレターに秘める深い恋 |
村上氷筆 |
天 |
薄墨の文字に涙の跡がある |
辰巳和子 |
軸 |
心友の金釘流に諫められ |
赤井花城 |
【投 句】 |
両澤行兵衛 |
延寿庵野 |
田中おさむ |
青木 公輔 |
矢野 野薫 |
水田 裕子 |
峯 明子 |
宮本 緑 |
みぎわはな |
山本さとし |
山内 迪 |
野口 修 |
安部 美葉 |
佐々木たみ子 |
山辺 和子 |
荒岡 浩志 |
大窪 千龍 |
長野 峰明 |
前川 淳 |
上野 五柳 |
水田 蓉子 |
大谷 祝星 |
黒田 忠昭 |
萩原 正 |
久山 節子 |
村上 氷筆 |
山尾ふたば |
倉 周三 |
宮本 晋子 |
柳沼 幸三 |
盧 光来 |
辰巳 和子 |
中谷 光男 |
中桐 徹 |
黒嶋 海童 |
村田 博 |
今野美惠子 |
桂 ひろし |
岸本 博子 |
中尾 恵子 |
北出 北朗 |
伊東 寿彦 |
荒牧 孝子 |
村岡 義博 |
東保 節 |
本山 恵子 |
平川 厚子 |
下山田靖子 |
松村 數代 |
杉村ひさこ |
松本 光江 |
中内眞佐子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
※作品の著作権は、全てきやびん川柳会に帰属しています。無断転載、無断使用はご遠慮ください。