令和3年9月20日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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兼題  「恥じる」  有岡敏晴 選
恥幾つ重ねて人は丸くなる 辰巳和子
平服の中モーニング俺一人 田中おさむ
タマと名付けられて恥ずかしそうな犬 北出北朗
フレイルをあきらめ今日は上を向く 東保節
直線に歩けば転ぶわたしです 平川厚子
国により恥じる概念違うらし 宮本緑
下手な字を恥じてばかりの半世紀 樋口祐子
馬齢のみ重ねて老獪を恥じる 前川淳
わたくしの轍だ悔いる事はない 安部美葉
恥一つ思えば今も火照る顏 赤井花城
読めぬ句多し浅学恥じるばかりです 山尾ふたば
恥じること多多あり老いは気にしない 大谷祝星
恥多きいのちどこまで生かされる 松村数代
恥じること十指に余る人生譜 黒嶋海童
恥を知る人は住めない永田町 大窪千龍
恥じらいを隠しきれない石榴の実 山辺和子
横審のあまさを憂ふ綱の格 中桐徹
恥の上塗り知った振りして掘る墓穴 倉周三
親のエゴ一寸度をこし子に恥じる 山本さとし
詫び状が雑で又もや恥晒す 久山節子
週刊誌恥部を捉えて飯の種 柳沼幸三
文春がペン先で斬る人の恥部 延寿庵野
赤木ファイル黒塗り恥じることもなく 宮本緑
先進国のプライド何処下の下 池田史子
森加計桜恥は無いのか議員殿 池田美保子
核軍縮批准をしない被爆国 大窪千龍
品性を問われる恥は恥ずかしい 久山節子
間違えて大きな呼名してごめん 村田博
変しいと書いてしまったラブレター 倉周三
恥かいた話日記にだけ話す 山辺和子
恥じるとは何傲りとは逆上とは 安部美葉
胸を張れ恥は金庫にしまっとけ 村岡義博
敗戦を恥じて終戦言い替える 水田蓉子
明日まで恥を持ち越す日記帳 濱田英明
恥らいで釣った男の味気なさ 長野峰明
上塗りをしても消せない恥の色 濱田英明
あんぱんにいつも負けてる血糖値 本山恵子
清貧に生きて恥じらうことはない 黒嶋海童
オリパラの一途さ僕の不甲斐なさ 池田美保子
捨石に沈んで恥じることはない 荒岡浩志
穏やかな笑顔へ隠す恥数多 野口修
羞恥心だけは萎えない歳の嵩 野口修
老耄は恥には非ず凛として みぎわはな
全没をそこまで恥じる事は無い 有岡敏晴

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兼題  「広々」  安部美葉 選
水平線眺め心も晴れ渡る 中尾恵子
菜園を広広使う豆知識 山内迪
ヤッホーと四方に叫び富士に立つ 村上氷筆
バンザイをしておりますわ君の留守 平川厚子
広大な心で君を守り抜く 東保節
広々と大河は悠然と流れ 有岡敏晴
継ぐ者がいない農家の広い土地 倉周三
大部屋で枕投げした日の平和 宮本緑
大の字へ大空見上げ夢無限 延寿庵野
天国も地獄も広い海と言う 本山恵子
朝一番夜明けの空にお辞儀して 池田美保子
トンネル抜けて視野広々と故郷の景 山辺和子
父の背な広々夢は見放題 濱田英明
わだかまり無くせば広く生きられる 大窪千龍
意地ひとつ捨てると広い広い天 黒嶋海童
そこまでと宇宙を往き来あと少し 池田史子
宇宙への探検尽きぬ人の脳 大窪千龍
おおらかな海の広さよふるさとよ 松本光江
広々とした海に渦巻くはかりごと 荒岡浩志
広々と大手を拡げ孫よ来い 長野峰明
広々と脳を耕す大辞典 桂ひろし
テロのない宇宙へ飛ばす竹とんぼ 辰巳和子
おさな児の瞳に碧い広い海 黒嶋海童
日向ぼこ亡母がいた日の広い縁 水田蓉子
草原を駆けたあの日の空の青 辰巳和子
広々と手足のばせる里の家 佐々木たみ子
一面の稲田飛び交う赤とんぼ 池田美保子
巣立つ子の前途に青い空がある 北出北朗
夕暮れの路地を抜けると広い海 樋口祐子
いっぱいの自由を謳歌する大地 野口修
どこまでも広い父の背母の胸 みぎわはな
荒野行く独りに蝶が従いてくる みぎわはな
モンゴルの草原に寝て見たい夢 赤井花城
籠放たれた蛍が飛んでゆく夜空 村岡義博
広大な北の大地で馬駆ける 矢野野薫
若冲のキャンバスまるで大宇宙 村田博
曠茫とした野原にたんぽぽの旅路 前川淳
カンバスは夜空にオリオンの雄姿 岸本博子
広大な宇宙にちっぽけなわたし 前川淳
清濁を併せ呑み込む広い胸 盧光来
大根も北の大地が恋しくて 樋口祐子
人間の争い観てる大銀河 柳沼幸三
果てしない大地に果てしない未来 野口修
広さ等競わぬわたくしのお城 安部美葉

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兼題  「古い」  野口修 選
古くなっても交換しない老二人 上野五柳
人生の古いページを読み飛ばす 荒岡浩志
デジタル化古い社員に居場所なし 宮本緑
吉四六の年代物に酔いしれて 矢野野薫
四十年愛用してる背広持つ 長野峰明
古備前の壷は誰にも触らせぬ 松村数代
土偶達掘り起されて語り出す 柳沼幸三
古くても役に立ちます生き字引 村田博
帰省の報賞味期限をチェックする 岸本博子
古民家の時塗り重ね黒い梁 岸本博子
古日記今も忘れぬ青春譜 松本光江
カタカナが溢れこの世が住みにくい 大窪千龍
欠け埴輪太古の歴史よく喋る 延寿庵野
解釈が古いジイジの国語辞書 濱田英明
今も昔もきつねうどんの世話になり 樋口祐子
彼岸花古い日記を読みふける 宮本晋子
いじめなど無かった頃の木の校舎 辰巳和子
八十路来て昔むかしの恋に会う 本山恵子
古伊万里の父の遺品を疑わず 松村数代
古女房何にも勝る宝です 有岡敏晴
渋沢へ新旧代る札の顔 延寿庵野
歳重ね思い出みんなセピア色 中尾恵子
古手紙燃やす私の過去燃やす 安部美葉
婆さんの古い話が役に立つ 黒田忠昭
古い服着て四つほど若返り 大谷祝星
古い顔で右脳を磨く電子辞書 矢野野薫
コロナ禍に老舗の暖簾消えてゆく 山辺和子
古釘は錆びて意固地を主張する 久山節子
古い奴とそっぽ向いてる電子器機 長野峰明
古希越えど尽きぬあれこれ好奇心 池田史子
生涯を歩き通した父の靴 赤井花城
粛然と古城松籟聞くばかり 黒嶋海童
古い靴足になじんで捨てられず 今野美恵子
お月見のだんごすすきも絵本から 今野美恵子
親父は古い俺も昔は言うていた 倉周三
見る影もない古民家となった城 赤井花城
巣ごもりに飽きてゆっくり古都を訪う 前川淳
新鮮な感動もらうリバイバル 村上氷筆
青春の嗚咽が滲む古日記 前川淳
古釘の頑迷材を腐らせる みぎわはな
頑固一徹古い男を演じ切る 黒嶋海童
追憶に抱かれる夜の古時計 荒岡浩志
古本屋黴の向こうにある歴史 水田蓉子
モノクロの写真あの日を過らせる 野口修

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兼題  「ペン」  延寿庵野選 
晩学のペンはゆっくり走りだす 黒嶋海童
ペン先の18金にある矜持 松村数代
反核の署名に願い込めたペン 北出北朗
ペン胼胝の指で一生平社員 黒嶋海童
ペン一本自分見詰めて私小説 水田蓉子
言い訳をたっぷり含むペンの先 濱田英明
ペン一本なにも書けない胸の内 今野美恵子
ペン持ってすぐ書き留める五七五 山本さとし
ペン止まる易しい漢字でてこない 山尾ふたば
幼児らにペンを持たせば芸術家 萩原正
なにかあるペンが虚しい文字を書く 野口修
一本の万年筆は持って逝く 赤井花城
ペン走るこの高ぶりを書きとめる 松本光江
ペン立てに父の定規と母の筆 池田史子
詩心が溢れ出ているペンの先 前川淳
2Bが知ってるぼくの作句力 上野五柳
ペンだこなど知らぬ若者タッチペン 宮本緑
百均で揃えたペンがよく走る 黒田忠昭
Thisisapenあれから進歩ない英語 中桐徹
詰襟に万年筆が洒落だった 村岡義博
つけペンが廃れ寂しいインク壺 村岡義博
優勝者テレビカメラにペンサイン 中谷光男
始末書のペンが雑だと差し戻し 久山節子
ペンに生き立花隆昭和掘り 水田裕子
ペン走る民意の武器で世を糺す みぎわはな
記帳するペンも震える悲しくて 濱田英明
コロナ禍にペンペン草も耐えている 村田博
ペン先はいつも未来へ向けておく 辰巳和子
芥川賞狙っていますペンの先 本山恵子
エンディングノートを綴るモンブラン 赤井花城
週刊誌暴走婚をペンで斬る 桂ひろし
ひらがなのペンの優しさ君想う 田中おさむ
銃よりもペンの力を信じたい みぎわはな
容赦なく政治の悪を暴くペン 村上氷筆
心無いペンに傷つく落ち椿 有岡敏晴
ペン先が語る平和な世界観 大谷祝星
正解を書けないペンと暮らす日々 荒岡浩志
学習も仕事も今やタッチペン 久山節子
観客と舞台はひとつペンライト 山辺和子
スランプを抜けたかペンがよく弾む 辰巳和子
一本のペンが切り裂く深い闇 柳沼幸三
推敲を重ねてペンは秋を詠む 松本光江
勇気あるペンが真実曝け出す 柳沼幸三
付けペンで今日も書いてる日記帳 延寿庵野

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兼題  「本当」  赤井花城 選
コロナウィルスほんとはどこが震源地 上野五柳
嘘のような本当の話聞かされる 青木公輔
本当は敗退なのに転進だ 長野峰明
本当を恐れて黒い塗りつぶし 大窪千龍
あの人の本当の顔見てしまい 宮本晋子
真実は常に善ではないほんと 前川淳
社長だけ知らない本当の話 黒田忠昭
真実は墨で消します永田町 中桐徹
本当に頭が下がるボランティア 辰巳和子
永遠の二十歳本当は古希です 川端世紀子
本当か嘘かの見分け目でわかる 山本さとし
本当は父にあげたいカーネーション 矢野野薫
この舌は真の味を知っている 樋口祐子
ほんまのこと言えばとっくに離婚沙汰 倉周三
正直に言っていい時悪い時 中尾恵子
噂話ほんとのことも混ぜてある 山尾ふたば
本当のことしか言えぬ野暮である 山尾ふたば
本当を言えば毀れる夫婦仲 宮本緑
真実一路夫に捧げた五十年 矢野野薫
「本当」は嘘の後ろに隠れてる 宮本緑
本心が見抜けぬあなた野暮なひと 田中おさむ
本当は誰も知らない明日の事 村田博
本当を語れば丸く済む話 桂ひろし
偽物は甘い本物は苦い みぎわはな
本当を暴いてしまうDNA 村上氷筆
本当をブレずに進む者が勝つ 池田美保子
真実か虚偽か歴史が解き明かす 濱田英明
本当の絆を結ぶ赤い糸 長野峰明
本当のこころ伝える貌がある 野口修
本当の川柳探しまだ千里 中桐徹
本当にやる気だ彼は真剣だ 山本さとし
本当を写す鏡と距離をおく 山辺和子
本当に愛し愛されたは一人 松村数代
噛み締めてみる本当の人の味 荒岡浩志
本当の声が届いた真正面 野口修
本当の心が読める手書き文 有岡敏晴
本物の愛は静かであたたかい 盧光来
本当につらい時には泣けはせぬ 黒嶋海童
本当の答は神様も知らぬ 黒田忠昭
今はただホントに好きと言うてほし 村上氷筆
本心に触れたか風が動きだす 山辺和子
真実は真実の眼でしか視えぬ みぎわはな
真実を見ぬく心の眼を磨く 辰巳和子
本当は今わの際に言うつもり 赤井花城

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【出席者】 (順不同・敬称略)

【投 句】
田中おさむ 青木 公輔 延寿庵野 柳沼 幸三 矢野 野薫 大谷 祝星
みぎわはな 上野 五柳 山本さとし 安部 美葉 北出 北朗 中桐  徹
長野 峰明 山内  迪 村岡 義博 萩原  正 倉  周三 水田 蓉子
前川  淳 大窪 千龍 野口  修 村上 氷筆 荒岡 浩志 宮本  緑
久山 節子 黒嶋 海童 辰巳 和子 有岡 敏晴 河端世起子 山辺 和子
今野美恵子 岸本 博子 濱田 英明 松本 光江 中谷 光男 山尾ふたば
黒田 忠昭 中尾 恵子 村田  博 宮本 晋子 東保  節 水田 裕子
本山 恵子 平川 厚子 佐々木たみ子 松村 数代 池田 史子 盧  光来
桂 ひろし 池田美保子 樋口 祐子 赤井 花城

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