令和3年5月25日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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兼題  「たじたじ」  田中おさむ選 
自粛下に専守防衛穴籠もり 村田博
怪力の女がぼくに迫り来る 前川淳
ぬらくらと迷彩服で切り抜ける 盧光来
娘に注意したら十倍返しされ 河端世起子
大好きだ大声出され下を向く 河端世起子
たじろいてならぬと点る一つの灯 野口修
核心を突かれ愚の音も出ぬ夫 辰巳和子
弁が立つ返す言葉の隙がない 今野美恵子
トンネルを抜けると明るい顔に会う 東保節
彼女の年収知って男が手が出せぬ 倉周三
コロナには手も足も出ぬヒト科ヒト 矢野野薫
怯え方の上手さに遂に敗けました 青木公輔
決裁の裁断暫し躊躇する 水田蓉子
今日もまた誌上句会のご案内 中桐徹
目が合った監視カメラに後退り 北出北朗
頼もしい限り立派な口答え 上野多惠子
反論へ眉がピクリと動いたな 上野多惠子
嫁はんの猫なぜ声に腰が引け 北出北朗
鍵ここよメガネここよと五才児に みぎわはな
囲碁教えた義弟がすぐに強くなる 渡辺信也
防ぎよう無きコロナ禍に参ってる 水田蓉子
成人した孫に世間を教えられ 渡辺信也
男女平等猫も女も強くなり 宮本晋子
百本のバラ女房に贈りおおめだま 下山田靖子
小学生ネットに強く舌を巻く 今野美恵子
煮ても焼いても食えぬこの変異株 宮本晋子
新人のキー打つ早さ耳を攻め 久山節子
再就職ルーティンすべてカタカナ語 久山節子
朝帰り妻の詰問手厳しい 黒嶋海童
間違えた女性車輛に非難の目 村田博
「ママに聞いて」孫の何故何故ギブアップ 山尾ふたば
逃げたはず急にスピーチ指名され 荒牧孝子
追及に又も入院雲隠れ 池田美保子
ひるむまい起死回生の秘策あり 松村数代
コロナ禍にたじろぐまいぞ負けまいぞ 赤井花城
怯まずに歩くわたしの道がある 野口修
大谷にメジャーもあんぐりたじろいた 萩原正
孫がぶつ性教育を聞くお爺 黒田忠昭
柳腰いまは太鼓の怖い妻 みぎわはな
青春の青より青くラッパ吹く 樋口祐子
葉桜の闇にひとりの鬼がいる 平川厚子
児童からIT用語乱れ飛ぶ 大窪千龍
脱ぎますよ言われて男後ずさり 倉周三
別れるなら死ぬわと美女に迫られる 田中おさむ

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兼題  「地球」  大谷祝星 選
飽食も飢えも地球はただ寡黙 野口修
二酸化炭素に喘ぐは我が地球 山本さとし
コロナ攻めにたじろぐ地球哀れなり 前川淳
地球儀を回し世界を散歩する 二宮千栄幸
人間の智恵が地球を弄ぶ 黒嶋海童
紙面には悲喜こもごもの地球人 北出北朗
この地球(ほし)に乗り合いヘイトする人科 久山節子
人のエゴ歪み尖ってきた地球 岸本博子
コロナ禍で地球満身創痍なり 倉周三
壊れゆく地球へ辿る温暖化 野口修
ビルばかり建って地球が重くなる 山尾ふたば
地球はね人間だけのものじゃない 上野五柳
国境のない地球にはほど遠し 樋口祐子
戦する誰のものでも無い地球 久山節子
押さないで地球が終る核ボタン 荒牧孝子
またしても紛争止まぬこの地球 柳沼幸三
地球儀を回せばどこか戦火ある 渡辺信也
地球儀が軋む絶えない戦の火 山辺和子
地球儀をぐるぐる回し旅気分 荒牧孝子
地球儀と地図を拡げて旅気分 中谷光男
夢かうつつか地球のさけび聞いた朝 下山田靖子
生きている地球にもある裏表 杉村ひさこ
無作為に生きて地球の姦しい 安部美葉
古ぼけた地球儀まわし酒を酌む 東保節
月からみれば地球大きく青い星 渡辺信也
災害に耐えて地球はまだ丸い 荒岡浩志
コロナ明け歓喜轟く地球丸 盧光来
はやぶさ2地球はなれて次の旅 延寿庵野
つくづくと地球の丸さ星月夜 樋口祐子
卑下はせぬ地球の一人胸を張る 山内迪
地球のため何かいいことしましたか 上野五柳
この地球コロナ付きでも大好きだ 中内眞佐子
複雑な人間模様描く地球 濱田英明
瑠璃色の地球と今も信じたし 赤井花城
瑠璃色の地球に夢をふくらます 山辺和子
青いこの地球に要らぬ核とテロ 倉周三
傾いた地軸の恩み四季の彩 大窪千龍
蒼い星きょうも氷河の落ちる音 山尾ふたば
宇宙から青い地球を眺めたい 辰巳和子
地球儀を回し子供の夢数多 二宮千栄幸
此の地球太陽系の星仲間 長野峰明
待ったなし地球は喘ぐ温暖化 田中おさむ
歳時記を狂わす地球温暖化 辰巳和子
この地球子孫に残さぬ温暖化 大谷祝星

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兼題  「罪」  倉周三 選
火を付けて無言で去った罪な人 辰巳和子
罪のない幼児の寝顔こそ天使 山本さとし
捨てられた犬が悲しい顔をする 松本光江
どちらが罪真っ赤な嘘と白い嘘 荒牧孝子
蟻を踏む罪の意識は無いままに 有岡敏晴
弁護の余地無き戦争という大罪 岸本博子
人間の罪か大地がゆれている 東保節
デジタルの時計が罪を吐いている 平川厚子
新緑のシャワー流している微罪 山辺和子
辺土の月罪のない身で見る独り 宮本緑
針千本飲む気か海に汚染水 盧光来
略奪愛泣いてる人が気にかかり 河端世起子
野のすみれ我が家の鉢に移すとき 中内眞佐子
罪のない赤子を抱いて夕端居 桂ひろし
夏が来るまた新しい罪を抱く 安部美葉
胸に手を当ててかぞえる罪の数 濱田英明
三波四波コロナの罪は数知れず 赤井花城
殺生の罪を重ねているヒト科 長野峰明
罪深い人だったなあ通夜の席 二宮千栄幸
罪深い男だ美女を泣かせてる 黒嶋海童
医を奪う五輪開催もはや罪 大窪千龍
シュレッダー罪を知りつつ噛み砕く 柳沼幸三
世間には顔向けできぬ罪一つ 矢野野薫
容疑より多い余罪を持つ弱み 村田博
微罪数多許す許さぬ匙加減 池田文子
マスク忘れて罪悪感にさいなまれ 山本さとし
ヒトの罪アダムとイブの昔から みぎわはな
愛の咎背負うた罪に苛まれ 久山節子
あおり運転罪の意識のない輩 水田蓉子
モテ過ぎて罪なやっちゃと揶揄される 中桐徹
クレオパトラ美しすぎるゆえの罪 佐々木たみ子
罪ないと言えど盗めぬ他所の花 山内迪
花盗人にお返ししたね薔薇の棘 上野五柳
罪ですか日記に書けぬ隠しごと 松本光江
罪のない顔が素敵な川柳家 黒田忠昭
活字中毒には罪な休刊日 北出北朗
奥さんもわたしも好きと罪な人 上野多惠子
既婚者を好きになるのは罪ですか 田中おさむ
恋敵を危めた罪深い女 前川淳
罪一つ裁いて海は凪いでいる 野口修
合掌の指に微罪が絡みつく 辰巳和子
修羅いくつ積んだ私の罪と罰 樋口祐子
懺悔する罪滅ぼしに彫る阿修羅 延寿庵野
忍ぶ宿罪人二人チェックイン 倉周三

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兼題  「手」  辰巳和子 選
二手先が読めず駆け引きなど出来ぬ 田中おさむ
手厳しい父母のお陰で今の僕 池田史子
手の平の「人」を飲み込む舞台袖 濱田英明
手加減はしない厳父の平手打ち 黒嶋海童
握手して温さを計る恋ごころ 長野峰明
手をかけた分だけ育つ花も子も 佐々木たみ子
山の手にに住んでおりますオホホホホ 矢野野薫
抜き手奥の手世の荒波を泳ぎぬく 池田史子
手刀をゆっくり切って謝意伝え 延寿庵野
手作りのマスクに愛を込めて縫う 水田蓉子
手洗いばかり手の温もりを忘れそう 岸本博子
繋いだ手離して夫は星になる 宮本緑
手間掛けた料理を残す不埒者 村田博
握手さえままならず膝つき合わす 佐々木たみ子
感情線が互にふるえてる握手 黒田忠昭
対コロナ決めの一手が出て来ない 大窪千龍
弥陀の手の中で踊っている私 渡辺信也
つないだ手そっとほどいた駅あかり 二宮千栄幸
飛花落花春を一枚手のひらに 延寿庵野
ああ言えばこう言う奴で手に負えん 北出北朗
ごつい手で母はおカネを数えてた 上野多惠子
あの世では両手広げて母が待つ 上野五柳
ご用心心にナイフ手には花 中内眞佐子
じゃんけんぽん純なこころを弾ませる 野口修
わたくしの手には負えない私権主義 樋口祐子
手料理で男心をわし?み 北出北朗
老斑の手に手を重ね退院日 渡辺信也
凡庸に生きて手痛い疵を抱く 久山節子
いろいろと手があるものよ特殊詐欺 上野五柳
凍る手を息で温めてくれた愛 赤井花城
神の手に握られている余命表 大谷祝星
差し延べるやさしさ温い介護の手 柳沼幸三
騙されぬあの手この手のなりすまし 柳沼幸三
晴れて今日手塩にかけた娘が嫁ぐ 黒嶋海童
手の平の上で男を弄ぶ 倉周三
握り合う手から流れる愛の水 みぎわはな
手を焼いたその子がこの手引いてくれ 中桐徹
手の平にためらいがある陽は真上 安部美葉
合いの手が四角い会話丸くする 大窪千龍
人の道外れて風の平手打ち 久山節子
奥の手の自信温める懐手 長野峰明
一筋の光奈落で仏の手 倉周三
節榑の母の手指の労苦知る 野口修
哀しみを包む温い手大きい手 辰巳和子

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兼題  「突然」  赤井花城 選
オリンピック中止のニュース正夢か 青木公輔
ドラ息子カーネーションで不意を突く 中内眞佐子
ワクチンとイタチごっこの変異株 村岡義博
やいコロナ突然変異とは卑劣 長野峰明
コロナ来襲次は南海トラフかも 黒田忠昭
コンビニへ走る夜中の訪問者 矢野野薫
突然の指名に動じない祝辞 倉周三
にわか雨相合傘で帰りましょ 荒牧孝子
突然に僕は女と言われても 渡辺信也
大人の顔で孫五年振りやってくる 樋口祐子
突然に里から母がやって来た 大谷祝星
何度でも大歓迎のサプライズ 池田美保子
コロナ化を理由に突然不採用 萩原正
突然の友の電話で声はずむ 佐々木たみ子
一日の予定狂わす不意の客 有岡敏晴
泣き止んだ視線の先に紋白蝶 久山節子
青天の霹靂襲う脳梗塞 水田蓉子
ピンコロリ悲しいけれど妬ましい 盧光来
老いて知る別れは突如やってくる 上野五柳
突然のフリで度量を試される 池田史子
無防備のままでコロナ戦に挑む 東保節
病気など無縁の友の突然死 前川淳
サドン・デス神よコロナ禍止め給え 松村数代
急な判断救命順位トリアージ 中谷光男
恋は突然爪の先まで火が走る 辰巳和子
狂暴化ヒト科を襲う変異株 村田博
神様は突然意地悪をなさる 上野多惠子
突然のコロナが奪う「当たり前」 岸本博子
人心はオセロ突然裏返る 有岡敏晴
突然死必然に変え受け止める 宮本緑
突然死思い様では羨まし 中桐徹
大地震突然襲う地の謀反 柳沼幸三
不意の風オープンカフェの私語さらう 山辺和子
突然の訃報竹馬の友が逝く 黒嶋海童
突然の離農時世に逆えず 山内迪
命乞いする間なかった冷凍魚 松本光江
スマホから突然届く呱呱の声 延寿庵野
スケジュール突然狂う春あらし 安部美葉
突然の別れに言葉風になる 山尾ふたば
不条理が突然春の真ん中に 野口修
頬撫でた風はあなたか夜半目覚め みぎわはな
森伊蔵抱えひょっこり朋友(とも)が来る 田中おさむ
見えぬ敵日常の色裏返す 大窪千龍
小夜更けてトントン扉叩く風 赤井花城

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【出席者】 (順不同・敬称略)

【投 句】
延寿庵野 矢野 野薫 青木 公輔 田中おさむ 水田 蓉子 大谷 祝星
山内  迪 中桐  徹 山辺 和子 北出 北朗 みぎわはな 村岡 義博
安部 美葉 上野多惠子 宮本  緑 長野 峰明 渡辺 信也 下山田靖子
斎藤  功 宮本 晋子 山本さとし 有岡 敏晴 濱田 英明 久山 節子
荒岡 浩志 黒嶋 海童 村田  博 柳沼 幸三 前川  淳 黒田 忠昭
大窪 千龍 盧  光来 河端世起子 野口  修 辰巳 和子 今野美恵子
本山 恵子 東保  節 倉  周三 山尾ふたば 上野 五柳 萩原  正
岸本 博子 中内眞佐子 二宮千栄幸 平川 厚子 中谷 光男 松本 光江
荒牧 孝子 桂 ひろし 佐々木たみ子 池田 史子 池田美保子 松村 数代
杉村ひさこ 水田 裕子 樋口 祐子 赤井 花城

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