令和3年3月25日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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兼題  「子供」  池田史子 選
いつまでも子供でいたい母匂う 安部美葉
陸奥にやっと子供の燥ぐ声 矢野野薫
子供からもらった金は使えない 田口春子
子返りの母くり返す子守歌 みぎわはな
子等巣立ちふたりの朝に香るモカ 山辺和子
子等の夢ユーチューバーのお金持ち 下山田靖子
八十路来て子供返りの思考力 樋口祐子
演技上手子役が決め手視聴率 田中おさむ
子供等へ平和な世界渡す義務 小倉修一
遊んでるだけで絵になるパンダの子 北出北朗
出生数減ってゆくのは誰のせい 前川淳
皿舐めたように子供は食べ盛り 北出北朗
次世代を担う子供に待つ試練 濱田英明
子供と言う甘酸っぱくて辛いもの 安部美葉
やっと今子供の頃の夢叶う 辰巳和子
母と子が別れる時は又おいで 松本光江
風邪ひきの子を預ってアニメ漬け 山尾ふたば
外遊び子供の靴も燥いでる 柳沼幸三
頼もしいガキ大将が居た昭和 柳沼幸三
人の道歩けと見せる父の背 野口修
子供達宇宙開拓する時代 小倉修一
実母でさえわが子虐待する事情 前川淳
よく走る子守頼まれもうダウン 今野美恵子
宇宙もアリも同じ目線の子供達 岸本博子
子どもから大人にならず老人に 水田裕子
日々迫る嬉し淋しい子の門出 池田美保子
ママチャリで子ら三人を育てあげ 村上氷筆
子をぶった痛みが残る夜明けまで 村上氷筆
子供等にひきわたさない負の遺産 下山田靖子
父さんのお膝を椅子にバスタイム 中内眞佐子
鯉のぼり負けずに跳ねた昭和の子 岸本博子
今もまだあの子が欲しい子取唄 赤井花城
犬も子もうちの子と呼びやゝこしい 中桐徹
野放図にのび過ぎる子らにご注意 宮本智美
ノルマには及ばなくても子沢山 有岡敏晴
叱るまい子らには子らの思惟がある 黒嶋海童
学卆だが令和の子らの名が読めぬ 田中おさむ
子の世話にならぬは希望絵空事 中桐徹
こども達大きなマスクに目々載っけ 中内眞佐子
子供ごころに親に気遣う小さな嘘 池田美保子
遊ぶ子の消えた砂場に風の私語 辰巳和子
辛抱が飛躍のバネになる子供 荒岡浩志
未だ子供そんな油断に火傷する 長野峰明
子供だと侮るなかれ確かな目 池田史子

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兼題  「座席」  村岡義博 選
新参の意見万座を唸らせる 村上氷筆
幹事役座席で頭悩ませる 村上氷筆
今上の桜となろう車椅子 池田美保子
順ぐりに下り上座へひとり入れ 大谷祝星
凡才も親七光り座席得る 大谷祝星
バス旅で窓際座席引き当てる 山本さとし
少年が譲る座席の温かさ 矢野野薫
桟敷席の扇子も止る大勝負 矢野野薫
ディスタンス座席は一つ空けておく 田中おさむ
牛丼屋得した気分美女の横 田中おさむ
幼子の特等席は母の膝 柳沼幸三
この時世座席は人を待っている 柳沼幸三
日溜まりはミーの指定に明け渡す 水田蓉子
忖度の座席はやはり上にある 野口修
夢に見る豪華シートのリニア酔い 小倉修一
食器洗い腰にやさしい椅子置いて 山内迪
先代をそっくりと継ぐ指定席 山内迪
間隔をとってS席の二人 上野多惠子
まぼろしとなるか五輪の座席券 上野多惠子
譲られた座席に老いがよく似合う 荒岡浩志
マスク付けスマホに見入る全座席 荒岡浩志
徳利が上座に頭下げまわり 濱田英明
落語会空席の分倍笑う 宮本緑
真うしろの座席にいつもいる刺客 安部美葉
座席にはそれぞれの貌花が咲く 安部美葉
窓際の席予約して春の旅 辰巳和子
若作りしても座席を譲られる 辰巳和子
この杖が目に入らぬかスマホ族 中桐徹
ハートマーク目に入り直ぐに席譲る 中谷光男
図書館の定席密で離される 中谷光男
場の空気最後列で読んでいる 盧光来
あの人の空席風が吹きぬける 山尾ふたば
一人分とって荷物が座ってる 山尾ふたば
パンデミック人類の席クライシス 大窪千龍
大国が宇宙のS席奪い合う 大窪千龍
阪急は六甲山並み追える席 岸本博子
何でだろう同じ座席へ足が向く 樋口祐子
寸志で済まぬ針のムシロだこの上座 倉周三
独り飲みたい人の座席もある屋台 北出北朗
ランドセルはみ出た手足席に着く 中内眞佐子
れんげ田は畑打つ母の自由席 桂ひろし
一人居のどこも自在の我が座席 水田蓉子
古民家のカフェに私の指定席 山辺和子
赤絨毯の椅子は身内に汚される 村岡義博

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兼題  「知る」  盧光来 選
昇り詰め初めて知ったのは孤独 田中おさむ
生かされてこの世の無情知らされる 田中おさむ
黒塗りの機密知ってるシュレッダー 柳沼幸三
甘い蜜知ってしまった出世魚 柳沼幸三
児の日記のぞいて知った児の悩み 山辺和子
幼稚で甘い世間知らずの総務省 山本さとし
知っているくせに記憶が無いと言う 北出北朗
一人では及びもしない文殊の智慧 山内迪
知らないでよいことの有り閉じる口 山内迪
知っているけれど先輩立てておく 上野多惠子
知るほどに興味湧き出すスキャンダル 濱田英明
うちのおかずを隣の猫は知っている 黒田忠昭
知りそめしほのかな恋の寒椿 安部美葉
防災を知って揃える非常食 今野美恵子
有能な人は引き際知っている 辰巳和子
脳老いて知ってたことが消えてゆく 上野五柳
知った為思わぬ渦に巻き込まれ 青木公輔
一勝の難しさ知るサヨナラ打 山尾ふたば
運不運紙一重だと知る浮き世 黒嶋海童
知らんでもいいこと知ってほぞをかむ 峯明子
一票の口惜しさ知っている次点 有岡敏晴
名刹と知って張り込むお賽銭 有岡敏晴
古里に知る人も無し墓仕舞い 倉周三
森氏「無知」おおさかなおみ切り返し 水田裕子
雪やなぎにっこり咲いて愛を知る 樋口祐子
ニュースで知る世の中の広いこと 田口春子
やぶ椿咲いてあなたの心知る 宮本晋子
姑は百科辞典かふと思う 本山恵子
そのヒミツぐっと握って知らんぷり 中内眞佐子
駆け寄って肩をたゝけど知らぬ人 中内眞佐子
知らんふりするのも愛のかたちです 荒牧孝子
知らぬが仏アホーになりきっています 荒牧孝子
知らぬこと星の数ほどあると知る 村上氷筆
発展家みんな知人にしてしまう 村上氷筆
知識源スマホ一台あればいい 池田美保子
覆ってもここぞで光る博識度 池田史子
民の知る権利を国はないがしろ 北出北朗
露地の奥百科辞典の爺が棲む みぎわはな
追伸の一言母の温さ知る 山辺和子
あなたを知り人を愛することを知る 上野五柳
一球の怖さを知っているエース 黒嶋海童
知るほどに不思議なあなたとの出会い 上野多惠子
知るは喜び今日も書を読み人に会う 辰巳和子
戦後の高いバナナを知っている八十路 盧光来

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兼題  「すんなり」  中桐徹 選
冴えている今日は次々句が浮ぶ 田中おさむ
シャンシャンと審議程々蓋をする 柳沼幸三
すんなりとその手は喰わぬ詐欺の罠 柳沼幸三
すんなりと受けた馳走が難を呼ぶ 野口修
すんなりと行かぬ人生九十九坂 みぎわはな
自治会長すんなり決まる歳の順 村岡義博
すんなりとあなたの胸に着地する 山辺和子
すんなりと負けを認めていさぎよし 山本さとし
札束を見るとすんなり通す壁 北出北朗
すんなりと決まるいい人達ばかり 山内迪
すんなりした足の履きたいハイヒール 山内迪
税関をすんなり抜けた悪だくみ 濱田英明
大吉のおみくじまではすんなりと 黒田忠昭
生き地獄すんなり行けぬ亡夫の星 宮本緑
すんなりと吐けないものが胃の底に 安部美葉
スムーズに年をとっても百が壁 上野五柳
体調ですんなりゆく日ごてつく日 中谷光男
針に糸すんなり通り春うらら 山尾ふたば
ごめんねが一瞬で消すわだかまり 大窪千龍
やっかいをすんなりにする袖の下 大窪千龍
友と飲む酒はすんなり胃に溶ける 黒嶋海童
すんなりと大学までは出たけれど 岸本博子
値札通り売れれば利益出るのだが 村田博
すんなりと行かぬ富豪の遺産分け 有岡敏晴
菓子折りさえあればすんなり済む話 有岡敏晴
すくすくときれいに咲いた娘の容姿 樋口祐子
百聞は一見君に耳を貸す 本山恵子
すんなりと消えうせたまえコロナ君 下山田靖子
後手後手でオリンピックは泣いている 中内眞佐子
すんなりと指輪入った日は遠く 荒牧孝子
あっけなくトラブル回避した怖さ 荒牧孝子
楓浜にすんなり決まりデビューする 村上氷筆
忖度がすんなり議決通らせる 村上氷筆
難局をスルリと抜ける百錬磨 池田史子
すんなりと名前が出ないもどかしさ 長野峰明
すんなりといかぬ弁護士の会話 青木公輔
イヤイヤ姫今日はどうしたすぐハイと 山尾ふたば
生き上手すんなり二兎を手に入れる 盧光来
超難関すんなり越えた日々の汗 池田史子
喉越しの良い酒僕を帰らせぬ 村田博
すんなりと言えば良かった好きだった 松本光江
真心はすんなり受けて春うらら 樋口祐子
引っ越して行った皆喜んでいる 上野多惠子
すんなりと今年は優勝タイガース 中桐徹

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兼題  「世界」  赤井花城 選
世界中マスクの花が咲いた春 中内眞佐子
コロナ禍でてんやわんやや世界中 上野五柳
パッチワーク私の世界縫い上げる 山辺和子
世界で二番目に旨いコーヒ屋を探す 青木公輔
待つ事を蜘蛛の世界に教えられ 長野峰明
パンデミック終息見えず立往生 水田蓉子
奔放に生きようシャンソンの世界 荒牧孝子
にくいやつコロナは世界かけめぐる 下山田靖子
感染の数におびえた世界地図 矢野野薫
世界を目指せスポーツ界のアスリート 山本さとし
世界地図折り目折り目に血が匂う 桂ひろし
それぞれの世界尊重して仲間 みぎわはな
ひっそりと変わる世界の隅に生き 荒岡浩志
芸能界つついて暴く週刊誌 村岡義博
世界観違うあなたと別れます 倉周三
パンデミック猿の世界かふと思う 樋口祐子
立ち位置を変えると見えて来た世界 前川淳
ウィルスの勢力範囲世界規模 前川淳
パソコンを通してリモート世界旅 二宮千栄幸
電子辞書抱いて彷徨う句の世界 黒嶋海童
人恋し地球儀まわし君のこと 本山恵子
世界地図覇権がじわり染めてゆく 岸本博子
北極と南極痩せてきたマップ 黒田忠昭
旅の夢見たいだけ見る世界地図 山尾ふたば
世界にもいろいろレモン齧ってる 宮本晋子
呼名無き句会孤独な世界かな 有岡敏晴
住む世界違って話噛み合わぬ 辰巳和子
手と手と手世界はみんなお友だち 盧光来
病む地球世界平和は夢の夢 中桐徹
コロナ軍団世界を股に駆け巡る 長野峰明
川柳で世界平和を謳いあげ 矢野野薫
核の無い世界を皆が待ち望む 北出北朗
世界からなぜ争いがなくならぬ 大谷祝星
乾杯の余韻に浸る孤の世界 山辺和子
感謝感謝趣味の世界に浸る幸 池田美保子
別世界さがし求めている詩人 上野多惠子
世界中こころ貧しきことばかり 濱田英明
待ってます池江璃花子の世界新 村田博
リモートを知って広がる新世界 村上氷筆
わたくしの世界文机と電子辞書 上野多惠子
十本の指の世界が創る技 野口修
寛容と多様が紡ぐ世界の和 大窪千龍
此処からは私の世界わたし色 みぎわはな
無観客東京五輪待つ世界 赤井花城

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【出席者】 (順不同・敬称略)

【投 句】
矢野 野薫 田中おさむ 長野 峰明 柳沼 幸三 水田 蓉子 野口  修
みぎわはな 小倉 修一 大谷 祝星 村岡 義博 山辺 和子 山本さとし
北出 北朗 山内  迪 上野多惠子 荒岡 浩志 濱田 英明 黒田 忠昭
宮本  緑 二宮千栄幸 前川  淳 安部 美葉 今野美恵子 辰巳 和子
松本 光江 上野 五柳 中桐  徹 青木 公輔 中谷 光男 盧  光来
山尾ふたば 大窪 千龍 黒嶋 海童 岸本 博子 峯  明子 村田  博
有岡 敏晴 倉  周三 水田 裕子 田口 春子 宮本 晋子 本山 恵子
桂 ひろし 下山田靖子 中内眞佐子 荒牧 孝子 村上 氷筆 池田 史子
宮本 智美 池田美保子 樋口 祐子 赤井 花城

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