令和元年9月23日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「世相」 前川淳 選
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知識欲湧かないままに乗る世相 |
山内迪 |
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知らないとかなり損するのが世相 |
今津隆太 |
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経の糸緯の糸合い世相生む |
大窪千龍 |
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井戸端も介護のはなし持ち切りで |
内藤夢彦 |
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断捨離は早く早くとメール来る |
樋口祐子 |
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ブランド米おにぎり用に贈られる |
荒岡浩志 |
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二千万貯めよと国は無理を言う |
上野五柳 |
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老いも若きもスマホならでは世が明けぬ |
村岡義博 |
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世相詠むポエムがうまい進次郎 |
山本としや |
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おばちゃんが車内でスマホする世相 |
宇山昌成 |
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居心地の悪い世相に耐えている |
大谷祝星 |
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あれやこれ二極化進む世となりぬ |
村岡義博 |
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平成の掃除もせずにアベ政治 |
上野五柳 |
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バスの中視線気にせず化粧する |
荒岡浩志 |
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敏感に世相写した一行詩 |
斎藤功 |
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殺伐と暗いニュースに目を被う |
今野美恵子 |
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スマホさえ有れば万事が済む世相 |
黒嶋海童 |
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世相斬る記事に忖度見え隠れ |
黒嶋海童 |
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世相にはついていけずに現金派 |
久山節子 |
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特ダネで世相をリードするメディア |
盧光来 |
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世相には疎くて金が貯まらない |
辰巳和子 |
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世相には惑わされずにマイウエイ |
大窪千龍 |
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ばっさりと世相切りとる老いの愚痴 |
大谷祝星 |
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世相切る勇気も丸くなる八十路 |
山内迪 |
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コップ酒世相を怨み身を嘆き |
黒嶋海童 |
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敏腕記者自由自在に世相斬る |
盧光来 |
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ラグビーのルール知らねど見るテレビ |
村田博 |
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天高く改憲論の世相斬る |
桂ひろし |
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へそ曲がり台風銀座花盛り |
井上登美 |
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手相には世相うつして何と出る |
斎藤功 |
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あちこちに乱立してるケアハウス |
樋口祐子 |
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食物廃棄あたりまえだと言う世相 |
池田史子 |
佳 |
家族葬の罷り通って行く世相 |
山内迪 |
佳 |
正論にこだわり世相見過ごした |
今津隆太 |
佳 |
世知辛い世相を愁う柿落葉 |
辰巳和子 |
佳 |
お隣も育児休暇の旦那さん |
樋口祐子 |
佳 |
世相とは見える角度で皆違う |
斎藤功 |
人 |
人情も売ったお店が又消えた |
矢野野薫 |
地 |
世相斬る鋭い舌とペンの先 |
みぎわはな |
天 |
年の瀬に漢字一字で斬る世相 |
辰巳和子 |
軸 |
乱れた世相誰が洗濯してくれる |
前川淳 |
兼題 「野」 荒岡浩志 選
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ジビエ店野生の命華となる |
大窪千龍 |
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庭の種飛んで野の花仲間入り |
渡邉純子 |
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野っ原に寝転んで見る青い空 |
今津隆太 |
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野仏と秋を分けあい柿供え |
内藤夢彦 |
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野生美が姿を消した街の中 |
清水尚子 |
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再起への野心ひそかに抱いている |
大谷祝星 |
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野に立てば赤々燃える彼岸花 |
二宮千栄幸 |
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彼岸花纏い微笑む野の仏 |
岸本博子 |
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ドンと来い野生育ちの底力 |
池田史子 |
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労りの言葉かけ合い野良終える |
黒嶋海童 |
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あとは野になるんだろうな樹木葬 |
黒田忠昭 |
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少年期野菊の君を思い出す |
斎藤功 |
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野仏に捧げる野辺の白い花 |
奥西勇人 |
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パワハラで野心ある者潰される |
久山節子 |
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権力を握ると視野が狭くなる |
辰巳和子 |
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理不尽に抗いおとこ野に下る |
盧光来 |
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野にすすき風の吹くまま運任せ |
今野美恵子 |
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野の風が迷いと病拭い去る |
池田史子 |
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花野来て老いらくの恋靴が鳴る |
桂ひろし |
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窓際の席で野心を燃やしてる |
村田博 |
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野の恵みあれこれ摘んで秋の膳 |
盧光来 |
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野仏にそっと一輪草の花 |
辰巳和子 |
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新しく芽吹けと野火が燃え盛る |
黒嶋海童 |
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草の香をまとい野良着の妻と居る |
今津隆太 |
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野宿して満天の星仰ぎ見る |
矢野野薫 |
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孫よりも心弾かれる野のすみれ |
樋口祐子 |
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広野ゆく豆粒の牛草を喰む |
岸本博子 |
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花野往く独りは淋しひとり言 |
みぎわはな |
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野のかかし令和の風を纏わせる |
井上登美 |
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野のすみれ楚々と咲いてる君が好き |
倉周三 |
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野良帰り一番風呂の待つ至福 |
山内迪 |
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故郷の野原は今や過疎団地 |
宇山昌成 |
佳 |
野に下り雑草の根に諭される |
みぎわはな |
佳 |
ポケットの隅で納得する野心 |
前川和朗 |
佳 |
職を退き野心も捨てて好好爺 |
奥西勇人 |
佳 |
何よりも野菜が好きと言う身体 |
青木公輔 |
佳 |
孫の手も借りて昭和の野良仕事 |
大谷祝星 |
人 |
青汁に化けて野菜が胸を張る |
長野峰明 |
地 |
野焼きして新たな自分芽吹かせる |
大窪千龍 |
天 |
父に似た羅漢へ野辺の歩がゆるむ |
清水尚子 |
軸 |
練りに練り湯船で野望温める |
荒岡浩志 |
兼題 「励ます」 辰巳和子 選
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励ましのパワーもらって壁突破 |
池田史子 |
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アスリートへ励ます声もソプラノで |
矢野野薫 |
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誉め諭し励ます人に輪が出来る |
奥西勇人 |
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老いてなお背筋伸ばせと屋台骨 |
清水尚子 |
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ねぎらいの言葉身に泌む元気出る |
山内迪 |
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アクティブな妻の発破に励まされ |
宇山昌成 |
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寝たきりの母を励ます祭り笛 |
桂ひろし |
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没の句も好きよと妻に励まされ |
河合敏夫 |
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励まされ嫌な事でも出すやる気 |
水田蓉子 |
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励ましの言葉探せぬガン見舞い |
今津隆太 |
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励まされやっと十両昇進す |
倉田雄登美 |
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手は出さずわが子の背に熱視線 |
大窪千龍 |
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「父ちゃんがんばれ」子供がさけぶ運動会 |
下山田靖子 |
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叱咤激励我が身に浴びせ富士登山 |
岸本博子 |
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頑張れは言うまい両の手で握る |
赤井花城 |
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ショボくれた気が立ち直る大ジョッキ |
みぎわはな |
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人生に痛い言葉は道標 |
井上登美 |
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励ましてくれる薬は酒だろう |
前川淳 |
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パワハラにならぬ程度の激飛ばす |
中谷光男 |
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励まされ鬼手仏心に救われる |
奥西勇人 |
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老夫婦励ましあって生きている |
大谷祝星 |
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励ましたつもりが逆に励まされ |
川端世起子 |
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励ましの言葉掛け合い助け合い |
山内迪 |
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同室の患者励まし励まされ |
荒岡浩志 |
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あの世から今も励ます父と母 |
岸本博子 |
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背中から励まされてるから元気 |
森本高明 |
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塩味を効かせ励ます姉ごころ |
樋口祐子 |
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転んでも励まし続け母の声 |
今野美恵子 |
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超後期同志励まし合う句会 |
黒田忠昭 |
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喜びの顔がみたくて励む日々 |
池田史子 |
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頑張れの言葉ばかりで追い詰める |
井上登美 |
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踏まれても踏まれても咲く犬ふぐり |
みぎわはな |
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無い知恵でも何とかなると励まされ |
前川和朗 |
佳 |
千人針に励まし受けた負戦 |
長野峰明 |
佳 |
励ました後の空しい喪の知らせ |
倉周三 |
佳 |
貴方ならできると妻に励まされ |
前川和朗 |
佳 |
亡母さんの口ぐせいつも大丈夫 |
下山田靖子 |
佳 |
ガンバレと部活の孫へにぎり飯 |
黒嶋海童 |
人 |
百歳へ院長背中押して呉れ |
長野峰明 |
地 |
傷心の友へ熱燗酌いでやる |
黒嶋海童 |
天 |
明日は明日沈む夕陽に励まされ |
荒岡浩志 |
軸 |
失意の日励ましくれるみつをの詩 |
辰巳和子 |
兼題 「満足」 村岡義博 選
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兄弟はみな不満足遺産分け |
黒田忠昭 |
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子の奢り満足でした回る寿司 |
奥西勇人 |
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満足な地位難題は先送り |
大谷祝星 |
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フルムーン背に聞いてる満足度 |
河合敏夫 |
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我が妻で大満足の半世紀 |
宇山昌成 |
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井の中で満足してる痩せ蛙 |
盧光来 |
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満ち足りて平和ボケだと囁かれ |
矢野野薫 |
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満足を両手にぶら下げ帰省客 |
中内眞佐子 |
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満ち足りて乳首離して子が寝息 |
倉周三 |
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すやすやの顏見てるだけ至福の日 |
井上登美 |
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満ち足りぬまま年金の先細り |
赤井花城 |
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生涯修行満足はない芸の道 |
辰巳和子 |
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満足を知った時から下がる士気 |
大窪千龍 |
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太閤も予は満足と大阪城 |
倉田雄登美 |
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好きな事自由満喫遅い春 |
今野美恵子 |
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缶詰の秋刀魚頬張り秋満ちる |
荒岡浩志 |
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大あたり亡夫と私の五十年 |
下山田靖子 |
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満足な食事はグルメより我家 |
青木公輔 |
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特売所思う存分買いました |
斎藤功 |
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満足の妥協はしない上めざす |
池田史子 |
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満足な出来映えうんと誉めてやる |
二宮千栄幸 |
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誰よりも先に釣り竿弧を描く |
今津隆太 |
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いい一生だったと言って終りたい |
前川淳 |
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五体満足でも金儲け下手なぼく |
上野五柳 |
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バイキングたらふく食べて元取れて |
川端世起子 |
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満足は出来ぬ不識の八十路坂 |
みぎわはな |
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満足は腹から笑い転げ出る |
斎藤功 |
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満足の顏が感謝を伝えてる |
池田史子 |
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満足と言うて逝くため日々励む |
黒嶋海童 |
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足るを知り老後の歩み自然体 |
盧光来 |
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ローン完済満額残す二千万 |
山本としや |
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頬張った客の破顔が物語る |
大窪千龍 |
佳 |
山頂の大パノラマを一人占め |
今津隆太 |
佳 |
自己満足してれば文句ないだろう |
前川淳 |
佳 |
満足を演じ疲れる故里帰り |
河合敏夫 |
佳 |
敬老の日曽孫を抱いて揃い踏み |
内藤夢彦 |
佳 |
銀で泣き銅で満足する選手 |
倉周三 |
人 |
乳足りてちっちゃな手足大の字に |
岸本博子 |
地 |
蛇口から水ほとばしる日々好日 |
みぎわはな |
天 |
満足は無いと匠のぶっきらぼう |
久山節子 |
軸 |
シャボン玉満足そうだみな丸い |
村岡義博 |
兼題 「やっぱり」 内藤夢彦 選
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買物に二の足を踏むキャッシュレス |
清水尚子 |
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九十の姉ちゃんやっぱり指図する |
中内眞佐子 |
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期待込め新入閣の若き獅子 |
清水尚子 |
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何故かしら私やっぱり立ち上がる |
渡邉純子 |
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進む道迷いやっぱり好きな道 |
渡邉純子 |
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振られたな電話やっぱり繋がらぬ |
村田博 |
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てるてる坊主せぬとやっぱり雨が降る |
盧光来 |
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三ツ星より行き馴れている立ち飲み屋 |
村田博 |
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叱られてもやっぱりママにしがみ付き |
倉周三 |
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同窓会やっぱり避ける毛の話 |
今津隆太 |
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茶柱の立った通りの今日の首尾 |
赤井花城 |
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やっぱりね空頼みだと肩落す |
失名 |
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この暑さやっぱピリ辛ししの鍋 |
水田裕子 |
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CTの画像に映る黒い豆 |
山本としや |
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モナリザはやっぱり私見て笑う |
辰巳和子 |
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変な痛みだあれはやっぱり癌だった |
前川淳 |
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白バラもやっぱり染まる群れの中 |
樋口祐子 |
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やっぱりと思う事あり懐かしい |
斎藤功 |
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忖度が下手でやっぱり左遷され |
桂ひろし |
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美味しいがやっぱり母の旬の味 |
大窪千龍 |
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先頭に立てばやっぱり当たる弾 |
久山節子 |
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やっぱりね返事ないのが答えかな |
井上登美 |
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立つ煙やっぱり火種あったのね |
みぎわはな |
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声高の熱い公約どこへやら |
大窪千龍 |
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野次馬はやはり外野に居ればこそ |
斎藤功 |
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まゆつばの話やっぱり裏がある |
黒嶋海童 |
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俺の子もやっぱり嫁の言うがまま |
盧光来 |
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息子ってやっぱり嫁の肩を持つ |
辰巳和子 |
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やっぱりの少し手前で立ち止まる |
下山田靖子 |
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気楽でもやっぱり淋しひとり者 |
大谷祝星 |
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御利益は賽銭ほども無いと知る |
河合敏夫 |
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欠礼を思えどやっぱり盆みやげ |
中内眞佐子 |
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学歴とコネがやっぱり効く浮き世 |
黒嶋海童 |
佳 |
新米はやはり旨いと箸すすむ |
矢野野薫 |
佳 |
高学歴高収入にあった闇 |
久山節子 |
佳 |
やっぱりの他人は他人線を引く |
水田蓉子 |
佳 |
天国地獄境界線の無いあの世 |
村田博 |
佳 |
亡母に似る血は争えぬ器用な手 |
山内迪 |
人 |
やっぱりやっぱりやっぱり嘘だった |
樋口祐子 |
地 |
好奇心やはり捨てれぬモダニズム |
大谷祝星 |
天 |
無神論者で方舟には乗れなんだ |
前川淳 |
軸 |
二十世紀やっぱり梨の王様だ |
内藤夢彦 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
村岡 義博 |
大谷 祝星 |
宇山 昌成 |
岸本 博子 |
今野美恵子 |
下山田靖子 |
山本としや |
水田 蓉子 |
山内 迪 |
黒嶋 海童 |
辰巳 和子 |
今津 隆太 |
内藤 夢彦 |
盧 光来 |
上野 五柳 |
斎藤 功 |
荒岡 浩志 |
倉田雄登美 |
二宮千栄幸 |
前川千津子 |
井上 登美 |
矢野 野薫 |
桂 ひろし |
河合 敏夫 |
森本 佳子 |
みぎわはな |
久山 節子 |
大窪 千龍 |
前川 淳 |
村田 博 |
倉 周三 |
池田 史子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
青木 公輔 |
前川 和朗 |
中内眞佐子 |
奥西 勇人 |
渡邉 純子 |
森本 高明 |
川端世起子 |
黒田 忠昭 |
牧野 和子 |
水田 裕子 |
長野 峰明 |
中谷 光男 |
清水 尚子 |
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