令和元年7月21日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「逃げる」 桂ひろし 選
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炎暑きてふと逃げ水に涼を呼ぶ |
二宮千栄幸 |
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逃げないが恥ずかしいから顏隠す |
斎藤功 |
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トボトボと逃げれば影も付いて来る |
延寿庵野 |
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変わり身で逃げる男の生き上手 |
盧光来 |
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しがらみに関わらぬよう逃げておく |
内藤夢彦 |
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逃げられて未練たっぷり追う心 |
今野美恵子 |
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逃亡者手配写真も悪である |
村田博 |
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精進が悪いか福がすぐ逃げる |
黒嶋海童 |
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話すたび逃げた魚がデカくなる |
黒嶋海童 |
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逃げたいが三度の飯が食べられぬ |
今津隆太 |
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逃げられぬよう妻としっかり手を繋ぐ |
辰巳和子 |
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チェックインまず確める避難口 |
宇山昌成 |
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逃げて逃げて桂小五郎生き延びる |
村岡義博 |
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慣れたもの尻尾を切って逃げる術 |
荒岡浩志 |
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病魔から何とか逃げて古稀の今日 |
岸本博子 |
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男なら逃げるでないとあやす妻 |
盧光来 |
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リーダーに押され認知がとんでいき |
井上登美 |
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投票を逃げずにきゃびんに来ました |
今津隆太 |
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逃げ道をわざと作って叱る愛 |
宇山昌成 |
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青い鳥近くまで来て逃げて行く |
辰巳和子 |
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死神が逃がすものかとガスに火を |
長野峰明 |
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ふるさとへ逃げ帰りたい老後かな |
樋口祐子 |
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自己弁護して逃げをうつ人数多 |
水田蓉子 |
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逃げたけど今度会ったら謝ろう |
松本光江 |
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庭先の蝉の抜け殻秋の声 |
井上登美 |
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三高を望み婚期を逃がした娘 |
上野五柳 |
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こそこそと家路を辿る負け戦 |
河合敏夫 |
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逃げたとてどうせ私の手にかかる |
山内迪 |
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うちの犬何故逃げたのか幸せか |
松本光江 |
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泥棒に待てと言うのも無理なこと |
両澤行兵衛 |
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逃げる事出来ぬこの世の高い波 |
山内迪 |
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逃げ足が早いあの子はやはり申歳 |
岸本博子 |
佳 |
逃げるが勝ち相手をしてる時間無駄 |
みぎわはな |
佳 |
絵日記もほって逃げ出す水遊び |
二宮千栄幸 |
佳 |
逃げ隠れできない浮気ばれている |
倉周三 |
佳 |
国境を渡って逃げた生き延びた |
上野多惠子 |
佳 |
核心を突かれ俄かに認知症 |
大窪千龍 |
人 |
どの路を逃げても鬼はまっている |
前川和朗 |
地 |
鬼ごっこ心の彼は逃げたまま |
清水尚子 |
天 |
(都合により削除致しました) |
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軸 |
逃げぬよう老いらくの恋手をつなぐ |
桂ひろし |
兼題 「成り行き」 延寿庵野選
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成り行きで一緒になったとは言えず |
有岡敏晴 |
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成り行きに任せるだけは出世せず |
渡邉純子 |
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気負わずに成り行きに添う運不運 |
牧野和子 |
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成り行きに不安安心五分と五分 |
中谷光男 |
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成り行きでつかんだ小吉かず知れず |
中内眞佐子 |
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真子さまも成行きを待つ身のつらさ |
矢野野薫 |
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成り行きに任してかこつ自然体 |
山内迪 |
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成り行きに任せて生きる老いの知恵 |
宇山昌成 |
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成り行きで場を和ませるお人柄 |
松本光江 |
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成り行きで三三九度の盃の席 |
みぎわはな |
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邂逅の成り行き見てる赤い糸 |
岸本博子 |
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一喜一憂成り行きに任せる世 |
赤井花城 |
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成り行きというが大関いない場所 |
長川哲夫 |
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成り行きで内緒の話ついしゃべる |
今津隆太 |
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成り行きを黙って見てる娘の恋路 |
黒嶋海童 |
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成り行きは出たとこ勝負気にならず |
大谷祝星 |
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成るようにしか成らぬこの世と知る八十路 |
上野五柳 |
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成り行きで生きた半生ほろ苦い |
山本としや |
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成り行きを見守る親の長い冬 |
山内迪 |
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成り行きで役員になり荷を増やす |
小倉修一 |
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成り行きで売られたケンカ買うた悔 |
みぎわはな |
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成り行きに文句の持っていき場なし |
水田蓉子 |
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成り行きを見極めている妥協案 |
大谷祝星 |
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成り行きで返事をしたがいま後悔 |
二宮千栄幸 |
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道なりという成り行きに任すナビ |
赤井花城 |
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成り行きに任せて生きる終の章 |
辰巳和子 |
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成り行きで添うて今年はダイヤ婚 |
黒嶋海童 |
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成り行きに任せた株がおお化けに |
内藤夢彦 |
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成り行きに任せ生きてたもう八十路 |
前川和朗 |
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当選か成り行きを見るダルマの目 |
小倉修一 |
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成り行きにあきらめつつも持つ期待 |
水田蓉子 |
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待ってご覧溜めた涙に架かる虹 |
長川哲夫 |
佳 |
成り行きで味方のような握手する |
松本光江 |
佳 |
成り行きに任せ生き延び福掴む |
奥西勇人 |
佳 |
成り行きで連れ添ってきた鍋と蓋 |
岸本博子 |
佳 |
成り行きでひと肌ふた肌最後まで |
池田史子 |
佳 |
都合よく成り行きに乗る風見鶏 |
樋口祐子 |
人 |
死ぬ覚悟せんでええ死ぬ時は死ぬ |
盧光来 |
地 |
屁理屈に負けて横面張っただけ |
両澤行兵衛 |
天 |
万事塞翁が馬凹むことはない |
村岡義博 |
軸 |
目差しが成り行きを見る亀の孵化 |
延寿庵野 |
兼題 「苦手」 みぎわはな選
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何をどう詠むのか雑詠は苦手 |
倉周三 |
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数学は苦手川柳なお苦手 |
長川哲夫 |
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一番の苦手は妻の泣く涙 |
黒嶋海童 |
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数字見りゃ鳥肌本はお友達 |
渡邉純子 |
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魚苦手がチリメンジャコだけよく食べる |
内藤夢彦 |
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貯金苦手老後に二千万足りん |
上野五柳 |
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苦手など見せぬ女房の底力 |
大谷祝星 |
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座禅は苦手警策が飛んで来る |
延寿庵野 |
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これ苦手スマホパソコン山の神 |
奥西勇人 |
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べんちゃらが苦手な父の菜っ葉服 |
黒嶋海童 |
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老老の断捨離苦手ゴミの山 |
長野峰明 |
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カラオケの誘い断るのが苦手 |
今津隆太 |
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苦手だという手でマイク引き寄せる |
辰巳和子 |
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食べず嫌い克服をして知る旨さ |
水田蓉子 |
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素で生きる私に小細工は苦手 |
有岡敏晴 |
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お隣りが匂いぷんぷんさせている |
今津隆太 |
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苦手からいつか一途の仕事人 |
池田史子 |
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得手不得手共に補い老い二人 |
中谷光男 |
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お話は苦手おしゃべりは得意 |
上野多惠子 |
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妻の留守苦手な酒を毒見する |
長川哲夫 |
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苦手とは折り合いながら苦虫つぶす |
水田裕子 |
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トラブルは苦手ベンツと距離保つ |
辰巳和子 |
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英数が苦手蛙の子は蛙 |
奥西勇人 |
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千手観音苦手はいわず全部聞き |
延寿庵野 |
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女性には苦手でお見合いもそぞろ |
前川淳 |
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讃岐の娘うどんが苦手そばが好き |
矢野野薫 |
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目立つのは苦手うぶなんですわたし |
上野多惠子 |
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ゴキブリは嫌殺すのはもっと嫌 |
松本光江 |
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食べ物に苦手はなくてメタボ腹 |
上野五柳 |
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自尊心高い男と飲んだ酒 |
盧光来 |
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納豆と聞いて朝メシ後ずさり |
清水尚子 |
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香辛料アジアのツアーに歯止めかけ |
岸本博子 |
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人参を細切れにする思い遣り |
荒岡浩志 |
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猫と美人は化けて出るから大苦手 |
矢野野薫 |
佳 |
数学と自慢と茹だる暑さかな |
岸本博子 |
佳 |
脈拍が上がり苦手と叫んでる |
大窪千龍 |
佳 |
声聞いただけでもあかんあの人は |
二宮千栄幸 |
佳 |
挨拶が苦手印象悪い僕 |
井上登美 |
佳 |
媚び売れず褒賞の道遠くする |
山本としや |
人 |
カタカナ語苦手で耳を遠くする |
長野峰明 |
地 |
両手でも足りない計算は苦手 |
村田博 |
天 |
AIのことは笑顔で擦り抜ける |
前川淳 |
軸 |
玄関の靴見てソロリ引き返す |
みぎわはな |
兼題 「塗る」 上野五柳 選
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おしろいを念じる様に塗り二十歳 |
渡邉純子 |
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塗りたくる哀れピエロのメーキャップ |
奥西勇人 |
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すり傷に塩を塗り込む相撲道 |
矢野野薫 |
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心にもたっぷりと塗る美容液 |
辰巳和子 |
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絵の具では描き切れない花盛り |
大窪千龍 |
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傷心の塗って上げたい力水 |
今野美恵子 |
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苦も楽も塗り込め白壁凛と立つ |
池田史子 |
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白梅の白で令和の朝を塗る |
赤井花城 |
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三度塗り重ねてやっとウソ隠す |
みぎわはな |
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バランスを時々くずし塗り直す |
松本光江 |
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ファンデ塗りルージュを引いて急ぎ下車 |
中谷光男 |
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すっぴんが見事に化けて三ノ宮 |
両澤行兵衛 |
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塗り込めた壁に遺言書映しだす |
山本としや |
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頬紅をちょっと塗り過ぎおてもやん |
有岡敏晴 |
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幾重にも漆を塗ったような人 |
大窪千龍 |
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塗ることを忘れた顔にふと出合う |
前川淳 |
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今更にでもやっぱりと塗るファンデ |
井上登美 |
|
世界地図自国の色に塗りたがる |
長川哲夫 |
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開発という名で地図を塗り変える |
辰巳和子 |
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嫌な過去私も黒く塗りつぶす |
盧光来 |
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教科書を黒々塗った昭和の子 |
赤井花城 |
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CMに騙されて塗る化粧品 |
宇山昌成 |
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許すのはここまで口紅を塗り直す |
倉周三 |
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キスしても落ちない紅を塗る娘 |
河合敏夫 |
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心決め化粧で治す恋の傷 |
荒岡浩志 |
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釉薬を替えて挑んだ新境地 |
山本としや |
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責任を塗りつけられたまま闇に |
上野多惠子 |
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塗り込んだ嘘の隙間にもがく夢 |
荒岡浩志 |
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壁に愚痴たっぷり塗るかよっぱらい |
長野峰明 |
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男から見れば女性は塗り過ぎよ |
宇山昌成 |
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重ね塗り普通きれいになるのにな |
今津隆太 |
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下塗りの修行実ってプロになる |
斎藤功 |
佳 |
知ったふり恥の上塗りしてしまう |
上野多惠子 |
佳 |
嘘の上塗りへ本音がポロリ落ち |
延寿庵野 |
佳 |
爪を塗る女につらい過去がある |
黒嶋海童 |
佳 |
裏のある話は媚薬塗って来る |
黒嶋海童 |
佳 |
重ね塗りしても土台が悪過ぎる |
倉周三 |
人 |
地獄絵に塗りつぶされた京アニメ |
長川哲夫 |
地 |
塗り固めたウソが罅割れ滲み出す |
みぎわはな |
天 |
ポジションを逆手に虚偽の重ね塗り |
清水尚子 |
軸 |
築五十いくら塗っても垢抜けず |
上野五柳 |
兼題 「年々」 黒嶋海童 選
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年輪を刻み続ける胴回り |
岸本博子 |
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どの薬効いたか年々若返る |
上野多惠子 |
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粛々と年々進む温暖化 |
有岡敏晴 |
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趣味多才友が年々若くなる |
辰巳和子 |
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背くらべ年々孫に追い越され |
矢野野薫 |
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郷愁の道が年々遠くなる |
荒岡浩志 |
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異常気象年々酷くなる気配 |
辰巳和子 |
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体重が年年減った癌だった |
前川淳 |
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年年の値上げラッシュに悲鳴あげ |
大谷祝星 |
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ふる里は年々過疎化しています |
桂ひろし |
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年輪に見る年々の奮戦記 |
村田博 |
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妻の皺年々増やしてた私 |
盧光来 |
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年々歳々ただ高齢化生きている |
前川和朗 |
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好奇心年々趣味が増えていく |
上野多惠子 |
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年々に思わぬ人の訃に出会う |
二宮千栄幸 |
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老いたりな夢も年々浅くなる |
赤井花城 |
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煩悩も愚痴も年々増え達者 |
大窪千龍 |
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老後資金年々減っていく不安 |
上野五柳 |
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さくらさくら年々見てもまたさくら |
盧光来 |
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墓参り年々足が重くなる |
荒岡浩志 |
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年々に老いても妻に惚れてます |
桂ひろし |
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年々に花愛おしむ齢来て |
二宮千栄幸 |
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マドンナへ年々褪せてくる慕情 |
赤井花城 |
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年金の手取り年々減っていく |
宇山昌成 |
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年ごとに詫び状ばかり増え続け |
長川哲夫 |
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しょうがない年々増える飲み薬 |
宇山昌成 |
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物故者が年年ふえる住所録 |
延寿庵野 |
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年々と歩く速度も年を取る |
今野美恵子 |
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年年歳歳人並み以上歳をとる |
前川淳 |
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年と共に減ってわずかに残る脳 |
上野五柳 |
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摩崖仏年々顔が丸くなり |
延寿庵野 |
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特殊詐欺年々スキルアップする |
有岡敏晴 |
佳 |
年々に秋刀魚よお前何処へ行く |
長川哲夫 |
佳 |
年々に伸びて行く根と枯れる根と |
みぎわはな |
佳 |
年毎にどうにもならぬ物忘れ |
長野峰明 |
佳 |
年々と長く感じるズボン丈 |
樋口祐子 |
佳 |
体力知力美貌までもが孫に負け |
岸本博子 |
人 |
気力体力年々萎えるやはり歳 |
倉周三 |
地 |
年々歳々老々介護花盛り |
前川和朗 |
天 |
年ごとに歳の所為だと医者は言う |
松本光江 |
軸 |
年々に妻と財布が軽くなる |
黒嶋海童 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
倉 周三 |
長野 峰明 |
延寿庵野 |
斎藤 功 |
桂 ひろし |
大谷 祝星 |
荒岡 浩志 |
宇山 昌成 |
山本としや |
水田 蓉子 |
松本 光江 |
長川 哲夫 |
小倉 修一 |
村岡 義博 |
山内 迪 |
盧 光来 |
二宮千栄幸 |
河合 敏夫 |
黒嶋 海童 |
岸本 博子 |
今野美恵子 |
今津 隆太 |
両澤行兵衛 |
みぎわはな |
内藤 夢彦 |
辰巳 和子 |
上野 五柳 |
村田 博 |
大窪 千龍 |
前川 和朗 |
清水 尚子 |
前川 淳 |
上野多惠子 |
井上 登美 |
池田 史子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
中内眞佐子 |
中谷 光男 |
渡邉 純子 |
牧野 和子 |
有岡 敏晴 |
奥西 勇人 |
矢野 野薫 |
水田 裕子 |
青木 公輔 |
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