令和元年5月26日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「令」 二宮千栄幸選
|
令和迎え昭和平成遠く去る |
倉田雄登美 |
|
昭和生まれ令和の令は令状だ |
上野五柳 |
|
平和な世戒厳令がない日本 |
大谷祝星 |
|
体罰も度が過ぎ怪我が問題し |
今野美恵子 |
|
子供には宿題忘れ虐待に |
今野美恵子 |
|
律令とか日本史ブーム到来か |
井上登美 |
|
わが子には命令であると家長ぶり |
前川和朗 |
|
うちの人命令形で五十年 |
樋口祐子 |
|
老人の命令無視の横社会 |
斎藤功 |
|
法令の解釈遺憾民の声 |
井上登美 |
|
少しずつ令和の響き耳に馴れ |
今野美恵子 |
|
法令の意味を味わう事故の後 |
荒岡浩志 |
|
いま貴方マナーモードにしてますか |
河合敏夫 |
|
神さまが破いた私との誓い |
河合敏夫 |
|
命令を依頼に替えていい職場 |
池田史子 |
|
新令和朝日と共に起きて飲む |
倉田雄登美 |
|
令和の風昭和製の鼻で吸う |
盧光来 |
|
法令を遵守していて出す過失 |
水田蓉子 |
|
令和元年慣れるでしょうそのうちに |
内藤夢彦 |
|
消費税延期の省令期待して |
内藤夢彦 |
|
妻が出す倹約令をさらり無視 |
荒岡浩志 |
|
煩悩の席で揺れてる誤命令 |
大谷祝星 |
|
望郷の父の遺言(いごん)に頭垂れ |
長川哲夫 |
|
令夫人風に振る舞う後妻業 |
宇山昌成 |
|
令和にはAIスマホ再軍備 |
宇山昌成 |
|
命令をすればパワハラなど言われ |
宇山昌成 |
|
傘寿過ぎ妻は呆けたか令夫人 |
山本としや |
|
令嬢かブランドづくめ品が無い |
岸本博子 |
|
平和への奇跡を繋ぐメイ首相 |
山本としや |
|
もう少し磨けば私それなりに |
松本光江 |
|
法令は素直に順守もつ矜持 |
大谷祝星 |
|
命令につい背く癖関西人 |
岸本博子 |
佳 |
おばちゃんを令室にする弔電報 |
岸本博子 |
佳 |
朝練の号令子等の弾む声 |
清水尚子 |
佳 |
法令の底に編み込む情の網 |
池田史子 |
佳 |
妻が呼ぶ愚痴か命令身構える |
盧光来 |
佳 |
火に油注ぐ結果の緘口令 |
池田史子 |
人 |
新元号守って欲しい第九条 |
長川哲夫 |
地 |
新令和青い地球よ永遠に |
清水尚子 |
天 |
令和からきっぱりやめた酒煙草 |
倉周三 |
軸 |
命に生き命に殉じた特攻隊 |
二宮千栄幸 |
兼題 「注文」 清水尚子 選
|
まっ先に大根注文するおでん |
桂ひろし |
|
注文も取らず死神来る無礼 |
長野峰明 |
|
注文を済ませ話に花が咲く |
小山紀乃 |
|
相撲道待った待ったの仕切り線 |
長川哲夫 |
|
注文は腹八分目で丁度いい |
中内眞佐子 |
|
注文の多い夫の好き嫌い |
二宮千栄幸 |
|
今日もまたネット通販咲き乱れ |
樋口祐子 |
|
注文にハズキルーペまだ来ない |
山本としや |
|
極秘事項ぎっしり詰まる注文書 |
斎藤功 |
|
オーダーをしてから気付くトロは時価 |
倉周三 |
|
注文はタッチパネルか孫まかせ |
岸本博子 |
|
注文の多い男にある驕り |
宇山昌成 |
|
条件に注文多くまだ独り |
長野峰明 |
|
初月給父母に鰻丼上を取り |
みぎわはな |
|
以心伝心注文なしでわかる仲 |
池田史子 |
|
議員さん注文服で毒を吐き |
井上登美 |
|
出来過ぎた夫に注文などはない |
辰巳和子 |
|
「聞いてね」と自慢ばなしと長電話 |
松本光江 |
|
和解案注文つけて受け入れる |
大谷祝星 |
|
混んでても注文うまく捌く店 |
中谷光男 |
|
珈琲と決めてメニューに目を通す |
荒岡浩志 |
|
その昔靴はオーダーきめてたが |
前川和朗 |
|
ママのメモ手にお買物してるパパ |
盧光来 |
|
使い分け今日はひだ牛三田牛 |
松本光江 |
|
オーダーは殆どテイクアウトです |
有岡敏晴 |
|
老いらくの恋に注文するうなぎ |
桂ひろし |
|
常連の客おまかせのひと言に |
小山紀乃 |
|
それ急げラストオーダーあと五分 |
赤井花城 |
|
注文は愛の深さに反比例 |
池田史子 |
|
注文へ誘導うまいテレショップ |
中谷光男 |
|
トランプの唯我独尊目に余る |
井上登美 |
佳 |
メニューにはでっかいアワビ載っていた |
前川和朗 |
佳 |
リハビリの靴の注文待つ長さ |
今野美恵子 |
佳 |
居酒屋でおすすめ料理頼む主義 |
宇山昌成 |
佳 |
注文は先ずキンキンのビールから |
岸本博子 |
佳 |
大口の注文とれて湧く自信 |
倉周三 |
人 |
ラストオーダーさらさらうまいのり茶づけ |
下山田靖子 |
地 |
得意先まわって受けるご注文 |
矢野野薫 |
天 |
NASAからも注文届く町工場 |
盧光来 |
軸 |
ブルジョアの気分で「レア」と太っ腹 |
清水尚子 |
兼題 「都合」 盧光来 選
|
都合ならいつでも付けるあなたなら |
赤井花城 |
|
デートなら万事都合をつけて行く |
上野五柳 |
|
貴女のためならどんな都合が悪くとも |
前川和朗 |
|
都合上宿泊名簿妻と書く |
有岡敏晴 |
|
和尚と医師けさと白衣で都合つけ |
倉田雄登美 |
|
売る方の都合優先コマーシャル |
斎藤功 |
|
都合よく年齢詐称妻の歳 |
河合敏夫 |
|
現し世の都合も聞かず桜散る |
荒岡浩志 |
|
カメラ質に都合をつけてやったのに |
内藤夢彦 |
|
都合つけ事あるごとに寄る在所 |
二宮千栄幸 |
|
一身上の都合の正体枯尾花 |
長野峰明 |
|
青信号つづき一日都合よく |
みぎわはな |
|
都合よく無印でしたカレンダー |
矢野野薫 |
|
都合付いたら行くと幹事を困らせる |
内藤夢彦 |
|
お財布の都合は見せぬ母の知恵 |
池田史子 |
|
「都合により閉店」とある朽ちたカフェ |
清水尚子 |
|
国のご都合十連休はもう結構 |
下山田靖子 |
|
都合よく老いと若さが顔を出す |
荒岡浩志 |
|
飲み会では懐都合が優先し |
前川和朗 |
|
都合悪いと顏ぶれを見て言いだした |
倉周三 |
|
都合よく風向き変わり立ちなおる |
大谷祝星 |
|
目くばせが都合悪いという知らせ |
小山紀乃 |
|
お役所の都合で番号にされる |
宇山昌成 |
|
御都合主義でいやな令の字が届く |
青木公輔 |
|
遊びならどんな都合もつけましょう |
牧野和子 |
|
逢引きへ都合つかぬと嘘をつく |
桂ひろし |
|
都合よい時間に合わせフリーター |
中谷光男 |
|
幹事です自分の都合最優先 |
水田蓉子 |
|
都合良くあなたの横の席があく |
小山紀乃 |
|
病院の都合で転院させられる |
倉周三 |
|
問うなかれ一身上という都合 |
赤井花城 |
|
都合よく聞こえなんだり聞こえたり |
河合敏夫 |
佳 |
都合など聞いてもらえず夏日来る |
長川哲夫 |
佳 |
不都合が続く八十路の痩せ我慢 |
矢野野薫 |
佳 |
入退院も医者の都合に左右され |
樋口祐子 |
佳 |
人間の都合で森が消えて行く |
辰巳和子 |
佳 |
アメリカの都合で日本どうにでも |
有岡敏晴 |
人 |
友好も先ずは自国の都合から |
岸本博子 |
地 |
都合によりあんたとたぶん離婚する |
上野五柳 |
天 |
都合よく使いばっさり派遣切り |
辰巳和子 |
軸 |
都合よく記憶が消えた財務省 |
盧光来 |
兼題 「寺」 長川哲夫 選
|
寺の辻曲がれば寺に出逢う京 |
有岡敏晴 |
|
寺子屋で育っていった開拓者 |
矢野野薫 |
|
寺参り私花見が良かったな |
渡邉純子 |
|
みやげもの売って嫁いだ花の寺 |
桂ひろし |
|
現代の駆け込み寺も要るような |
小山紀乃 |
|
由緒あるお寺だけれど檀家無く |
みぎわはな |
|
静かです歴史積んでる寺の鐘 |
牧野和子 |
|
菜の花に沈むみ寺よふるさとは |
中内眞佐子 |
|
写経書くお寺で磨く書の技法 |
宇山昌成 |
|
禅寺の窓に悟りを見る境地 |
荒岡浩志 |
|
由緒ある菩提寺誇り訪う忌日 |
水田蓉子 |
|
煩悩を一つ消し去り寺の町 |
前川和朗 |
|
三井の晩鐘湖国に平和響かせる |
池田史子 |
|
女捨て煩悩を捨て尼寺へ |
倉周三 |
|
経の意味わからぬままに読経終え |
松本光江 |
|
農作業終える合図は寺の鐘 |
盧光来 |
|
来歴ある本願寺には遠い足 |
水田蓉子 |
|
木魚に眠りを誘うリズミカル |
今野美恵子 |
|
院号に負けぬ生き方出来たかな |
井上登美 |
|
寺子屋の何でも先生懐かしい |
斎藤功 |
|
東大寺南大門で正す襟 |
赤井花城 |
|
山門をくぐれば亡母に会えそうで |
樋口祐子 |
|
宿坊で鶯お経我に問う |
水田裕子 |
|
説法はジャズにマンガと路線変え |
岸本博子 |
|
京の寺砂で渦書く朝の業 |
今野美恵子 |
|
寺に生まれ五十の今は落語家や |
上野五柳 |
|
寺まいり目立たぬ地味な服にする |
大谷祝星 |
|
写経部屋冷え冷え老いが押し寄せる |
荒岡浩志 |
|
山門の仁王たまには笑ってよ |
赤井花城 |
|
押売りと午後のお茶して風の寺 |
下山田靖子 |
|
寺院の格の違いは寄付による |
斎藤功 |
|
亡父の声亡母の声する寺の鐘 |
河合敏夫 |
佳 |
ぽっくり寺へ行く石段だ昇らねば |
倉周三 |
佳 |
新妻が駆け込み寺に急ぎ足 |
河合敏夫 |
佳 |
山門をくぐるや亡母の風が呼ぶ |
清水尚子 |
佳 |
野路菊がお似合いですね過疎の寺 |
盧光来 |
佳 |
スイーツはお寺でもらう隣り組 |
池田史子 |
人 |
石楠花の寺に残した恋一つ |
二宮千栄幸 |
地 |
寺の鐘許してくれた親不幸 |
松本光江 |
天 |
寺ブーム先祖の墓は置き去りに |
岸本博子 |
軸 |
向かい風吹けば夫婦の須磨の寺 |
長川哲夫 |
兼題 「ドナー」 斎藤功 選
|
胃腸なら自信を持ってドナーにも |
岸本博子 |
|
老いた今ドナーカードも年が切れ |
前川和朗 |
|
小さいがドナーにしてと子がサイン |
長川哲夫 |
|
続編をドナーカードに賭けてみる |
長川哲夫 |
|
この世での最後の奉仕胃をあげる |
上野五柳 |
|
ドナーになる自信はゼロの臓器持つ |
長野峰明 |
|
ドナー登録したいのにダメと九十歳 |
みぎわはな |
|
遺言にドナー登録したと書く |
有岡敏晴 |
|
わたしにもドナーになれる日があった |
小山紀乃 |
|
保険証にドナーカードも携帯し |
二宮千栄幸 |
|
ドナーカード絆で繋ぐ人と人 |
水田蓉子 |
|
若者の熱き血潮を待つドナー |
下山田靖子 |
|
助かった命ドナーに手を合わす |
倉周三 |
|
でも恐いドナーカードは揺れやまず |
池田史子 |
|
異国でのドナー提供待つ募金 |
中谷光男 |
|
あかね雲ドナーの父母の立ち姿 |
中内眞佐子 |
|
ドナーカードも作れぬ程の歳になり |
矢野野薫 |
|
迫り来るドナーの重み胸騒ぐ |
今野美恵子 |
|
高齢化ドナー待ちの長い列 |
牧野和子 |
|
ごめんなさいドナー献血気持ちだけ |
渡邉純子 |
|
シリアスに生きるドナーを自覚して |
有岡敏晴 |
|
子供にはドナーに寄せる募金箱 |
今野美恵子 |
|
その人に上げたい生きたこの臓器 |
赤井花城 |
|
ドナー待ち幼い命渡米の日 |
二宮千栄幸 |
|
命いただく命を継いで手を合わす |
水田裕子 |
|
深重にドナー考え身を護る |
水田蓉子 |
|
ドナーカード夢の続きは君と居る |
松本光江 |
|
顏知らぬドナーに生きる神の域 |
荒岡浩志 |
|
ドナー待つ宿命と言う寂しい日 |
大谷祝星 |
|
献血のドナーを言えば数百回 |
長野峰明 |
|
念のためドナー登録しています |
辰巳和子 |
|
ドナーから受けた命を大切に |
小山紀乃 |
|
見も知らぬ御方の命もらい生く |
みぎわはな |
佳 |
ドナーからもらった命灯をとぼす |
倉周三 |
佳 |
決心のドナー登録やっと終え |
樋口祐子 |
佳 |
真っ新な空がまぶしい移植の日 |
清水尚子 |
佳 |
ドナーカード無理はお止しと言う家族 |
河合敏夫 |
佳 |
ドナー登録不安と使命鬩ぎ合う |
池田史子 |
人 |
決意込めドナーカードに太く書く |
荒岡浩志 |
地 |
お百度を踏んでドナーを待つ不安 |
清水尚子 |
天 |
身を正すドナーとなってからの日々 |
赤井花城 |
軸 |
酔ってたととても言えない提供者 |
斎藤功 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
大谷 祝星 |
長川 哲夫 |
清水 尚子 |
宇山 昌成 |
岸本 博子 |
今野美恵子 |
倉田雄登美 |
山本としや |
水田 蓉子 |
松本 光江 |
斎藤 功 |
河合 敏夫 |
上野 五柳 |
前川 和朗 |
下山田靖子 |
盧 光来 |
二宮千栄幸 |
倉 周三 |
荒岡 浩志 |
内藤 夢彦 |
井上 登美 |
池田 史子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
青木 公輔 |
中内眞佐子 |
牧野 和子 |
渡邉 純子 |
小山 紀乃 |
有岡 敏晴 |
矢野 野薫 |
みぎわはな |
水田 裕子 |
長野 峰明 |
桂 ひろし |
中谷 光男 |
辰巳 和子 |
※作品の著作権は、全てきやびん川柳会に帰属しています。無断転載、無断使用はご遠慮ください。