平成31年3月17日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「元気」 今津隆太 選
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目標は峰明さんのあの元気 |
黒嶋海童 |
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元気です白寿の母に芽の青葉 |
長川哲夫 |
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つい先日「健勝」ですと便りだし |
前川和朗 |
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浪人という手があると孫元気 |
中桐徹 |
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半分はぼけているけど元気です |
細川花門 |
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診察券五枚かかえて日に五キロ |
村岡義博 |
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たいがいは元気ですかと言うメール |
宇山昌成 |
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大声で大笑いする元気者 |
樋口祐子 |
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卒寿の父十年日記買って来た |
盧光来 |
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元気出る私健康優良児 |
斎藤功 |
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おかげさま足腰丈夫坂の街 |
下山田靖子 |
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いつまでも元気と信じ書けぬ遺書 |
盛無球 |
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酷使した順に元気が減る臓器 |
盧光来 |
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明日の元気搾り出すためもう一杯 |
盛無球 |
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元気だと言ったが手足じっと見る |
斎藤功 |
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病人が見舞客よりなお元気 |
荒岡浩志 |
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元気だけ取柄の妻は能天気 |
盛無球 |
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余生ゆく元気下さいもう少し |
前川和朗 |
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空元気だけが取り柄と妻が言う |
細川花門 |
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馬鹿だから長生きすると祖父元気 |
黒嶋海童 |
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ほどほどの酒と仲良く医者知らず |
辰巳和子 |
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元気なら遊びにおいで亡母(はは)の笑み |
下山田靖子 |
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黙ってはいるが行動力がある |
上野多惠子 |
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快食快眠快便続き一万歩 |
内藤夢彦 |
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傘寿半ばまだ更新をするバイク |
山内迪 |
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摩訶不思議孫の電話で元気出る |
斎藤功 |
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病院巡りしてる合間の空元気 |
盧光来 |
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元気だと言われて一寸恥ずかしい |
山内迪 |
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元気ならいいと思える歳になり |
大谷祝星 |
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傘寿なお片足立ちが出来る幸 |
黒嶋海童 |
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老妻は無口で元気なれば良い |
宇山昌成 |
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ジョギングの一周遅れまだ元気 |
長川哲夫 |
佳 |
千回目の喧嘩している老夫婦 |
上野五柳 |
佳 |
挨拶は元気ですかと同期会 |
井上登美 |
佳 |
声だけはでかい男の空元気 |
上野多惠子 |
佳 |
元気出し明日へ生き抜く覚悟する |
水田蓉子 |
佳 |
吾輩の元気の基は酒二合 |
細川花門 |
人 |
元気だと元気な奴が呼びにくる |
内藤夢彦 |
地 |
元気ねと言われて愚痴は引っ込める |
辰巳和子 |
天 |
死ぬること元気な時は怖くない |
大谷祝星 |
軸 |
用事有り行く所有り出る元気 |
今津隆太 |
兼題 「筋」 水田蓉子 選
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筋肉のうねりまぶしい大相撲 |
井上登美 |
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今ひとつ筋を通せよ右顧左眄 |
安部美葉 |
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これと言う筋書きもなく生きてます |
中桐徹 |
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筋のない句を吟味する昼炬燵 |
斎藤功 |
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筋道は生きるルールは守られる |
山内迪 |
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筋道を通し出世が遅くなり |
矢野野薫 |
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意地悪がこの筋に居た少年期 |
前川千津子 |
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筋いいとだれにでも言うわが師匠 |
上野五柳 |
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一筋の光明頼り拉致家族 |
上野五柳 |
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不器用な生きざまだけど筋通す |
宇山昌成 |
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筋書きと違う人生だったかも |
前川淳 |
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窓際に筋金入りの無位無官 |
盧光来 |
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一筋の光明求め花遍路 |
井上登美 |
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コンビニが競い合ってる筋向い |
有岡敏晴 |
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京の街上る下るで筋違い |
中谷光男 |
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青筋を立てた上司を誉め殺し |
奥西勇人 |
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出世コース筋より技がいるみたい |
渡邉純子 |
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筋を通すといつでも肩が凝ってくる |
内藤夢彦 |
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職人は頑固なほどに筋通し |
川端世起子 |
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一筋縄ではいかんこの話 |
青木公輔 |
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パワハラの筋道不問世の憂い |
清水尚子 |
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御堂筋昭和の恋を置き去りに |
樋口祐子 |
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平成の次の筋書きまだ立たぬ |
赤井花城 |
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寝たきりはならぬ足腰筋鍛え |
盛無球 |
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心にも筋力つけるスクワット |
今津隆太 |
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老いてなお衰え知らぬ力瘤 |
赤井花城 |
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貧乏も筋金入りとよく言われ |
細川花門 |
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愚直にも筋を通して無位無官 |
倉周三 |
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スカウトに目を付けられた筋の良さ |
長野峰明 |
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「世の中は甘くないぞ」と父正座 |
下山田靖子 |
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筋通す昭和を生きて来た律義 |
野口修 |
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一筋の光も見えぬ拉致の海 |
辰巳和子 |
佳 |
筋通すと浴びた切り傷掠り傷 |
盧光来 |
佳 |
筋道を通せば溶けるわだかまり |
大谷祝星 |
佳 |
ひと筋に開花信じて歩む道 |
池田史子 |
佳 |
一筋に信じて散った若桜 |
長野峰明 |
佳 |
誠実に一筋父の商魂か |
岸本博子 |
人 |
強引で筋が通らぬ都構想 |
盛無球 |
地 |
筋通す人に未来を託したい |
小倉修一 |
天 |
老いてなお筋目きっちり母は立て |
黒嶋海童 |
軸 |
青筋を立てて怒りをぶちまける |
水田蓉子 |
兼題 「迫る」 安部美葉 選
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元号が迫り静かな波の音 |
今野美恵子 |
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あとわずか迫る元号胸躍る |
矢野野薫 |
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子の悲鳴仕付けを盾に迫る鬼 |
清水尚子 |
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必要に迫られ書いた遺言書 |
水田蓉子 |
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落せない手形が迫る冬の街 |
黒嶋海童 |
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ノンフィクション地球の終り迫り来る |
水田裕子 |
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小気味良いペンが暗部をえぐりだす |
盧光来 |
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冷奴角より崩し愛迫る |
桂ひろし |
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退職のアーチ明日と言うひと日 |
前川千津子 |
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択一を迫られ銭の裏表 |
長野峰明 |
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小遣を上げろと妻に言ったけど |
細川花門 |
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壁どんで迫られ遂に折れました |
村岡義博 |
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入籍を迫ると横を向くあなた |
倉周三 |
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豹柄を着て老いらくの恋迫る |
桂ひろし |
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明日期限決算徹夜所得税 |
内藤夢彦 |
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締め切りが迫って焦るペンの先 |
辰巳和子 |
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迫りくる終章へふと立ち止まる |
樋口祐子 |
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攻めて来る妻の気迫に角が有る |
盛無球 |
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我が妻は横綱並みのど迫力 |
今津隆太 |
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無防備を残り時間に迫られる |
村岡義博 |
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迫真の演技たましい奪われる |
井上登美 |
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侵入禁止迫り来る老い追い返す |
岸本博子 |
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人生の航路に絶壁が迫る |
前川淳 |
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開演が迫るセリフが覚束ぬ |
黒嶋海童 |
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醍醐味は三分間の小宇宙 |
井上登美 |
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逆風に迫られおとこ腹くくる |
斎藤功 |
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夜桜やチャンスは今と背をおす |
下山田靖子 |
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瞽女の三味哀愁迫る旅の宿 |
延寿庵野 |
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だんだんと迫力を増す女偏 |
野口修 |
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山裾に迫る緑に会いに行く |
長川哲夫 |
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さてどうするかふっと止まった無の時間 |
牧野和子 |
佳 |
響く弦迫る音符の花びらよ |
水田裕子 |
佳 |
100本の鍵であなたをこじあける |
下山田靖子 |
佳 |
終末へ手を拱いてなど居れぬ |
赤井花城 |
佳 |
必要に迫られ流す春の汗 |
山内迪 |
佳 |
核心にじりじり迫る聞き上手 |
辰巳和子 |
人 |
改宗を迫る踏絵のある歴史 |
宇山昌成 |
地 |
ペン先が筋を通して世相切る |
延寿庵野 |
天 |
本質に迫る思いの経を読む |
荒岡浩志 |
軸 |
胸底に得体の知れぬ影迫る |
安部美葉 |
兼題 「そっくり」 上野多惠子選
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そっくり返りしないホントの偉いひと |
盧光来 |
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頂いた恩義そっくり返す番 |
盧光来 |
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お似合いの夫婦と言われ口つぐむ |
今津隆太 |
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争えぬおっちょこちょいは親譲り |
村岡義博 |
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法事にて遺影の父に間違われ |
斎藤功 |
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そっくりな鼻が並んでいる法事 |
辰巳和子 |
|
パパそっくり言われて娘しょげている |
倉周三 |
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そっくりな後姿にハグをした |
安部美葉 |
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じいちゃんとそっくりなのに悩む孫 |
今津隆太 |
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ジジの咳そっくり真似る九官鳥 |
延寿庵野 |
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私に似た人善人でいてほしい |
前川千津子 |
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そっくりな靴が多いね八十代 |
渡邉純子 |
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「お帰り」と妻そっくりに言うオウム |
奥西勇人 |
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赤信号隣にそっくりさんが立つ |
山本としや |
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そっくりが隣に入居うっとうし |
内藤夢彦 |
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嫌なことそっくり忘れ秘境の湯 |
宇山昌成 |
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妹は母そっくりで母思い |
黒嶋海童 |
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だるまさんにそっくりらしいこの私 |
樋口祐子 |
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そっくりに真似ても尻尾つい動く |
岸本博子 |
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君そっくりお地蔵様のいる路ばた |
前川和朗 |
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母乳にそっくり液体ミルクです |
井上登美 |
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そっくりを車内で目にし乗り過ごす |
内藤夢彦 |
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父親にそっくり言われ自己嫌悪 |
大谷祝星 |
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五欲などそっくり捨てて写経する |
宇山昌成 |
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合せ鏡の中から亡母が笑みかける |
安部美葉 |
|
全財産をそっくり君に差し上げる |
前川淳 |
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することがそっくりなので意見せず |
山内迪 |
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そっくりさん本物よりもよく稼ぐ |
岸本博子 |
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寝言までピタリ双子のハーモニー |
荒岡浩志 |
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似顔絵が特徴だけの壁の花 |
今野美恵子 |
|
歳重ねだんだん母に似てきたわ |
川端世起子 |
|
今日というそっくりな日に出会えない |
水田蓉子 |
佳 |
その批判そっくり返す熨斗付けて |
荒岡浩志 |
佳 |
背の曲がり俺そっくりの影法師 |
大谷祝星 |
佳 |
そっくりな意見に塩を一つまみ |
前川和朗 |
佳 |
同姓同名見つけうれしくなる名前 |
山内迪 |
佳 |
遺伝子の不思議爪まで親に似る |
辰巳和子 |
人 |
声かけたそっくりさんに睨まれた |
水田蓉子 |
地 |
俺の子だすぐに火となる修羅となる |
黒嶋海童 |
天 |
そっくりでないが似てるぞちょっと署へ |
上野五柳 |
軸 |
そうですか山田花子に似てますか |
上野多惠子 |
兼題 「代」 上野五柳 選
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代返で皆勤賞を頂いた |
内藤夢彦 |
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代弁はするが責任は持たない |
細川花門 |
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親子へと代代つなぐ美人相 |
小倉修一 |
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代替わり実家の風も冷えて来る |
黒嶋海童 |
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守られるこの代の春を謳歌する |
山内迪 |
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スマホ持ち翻弄される時代の差 |
盛無球 |
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私よりうまい代役どうしよう |
前川千津子 |
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新品にすれば良かった修理代 |
今津隆太 |
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代々のお宝まさか二千円 |
岸本博子 |
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そうだった代理が目立ちすぎたよう |
前川和朗 |
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AIに代われぬ知恵が頼もしい |
荒岡浩志 |
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三猿で若い世代と同居する |
宇山昌成 |
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やがてひとつの時代をこえて花が咲く |
安部美葉 |
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崩御なき御世交代に湧く旗日 |
池田史子 |
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大化けか停滞なのか次の御代 |
前川淳 |
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次世代に残さないもの残すもの |
上野多惠子 |
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二千年の風を纏って新天皇 |
牧野和子 |
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入れ代り知事市長の立候補 |
長野峰明 |
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代金はあとでいいから飲み放題 |
山本としや |
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好物は代々続く酒と色 |
盧光来 |
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方言に代れば酔うて来た証 |
盛無球 |
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飲み代は何時も割勘長続き |
奥西勇人 |
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本代も酒に化けてた青春譜 |
中桐徹 |
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パンドラの箱から代打ひょいと出る |
延寿庵野 |
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うかうかと出来ぬ代役のうまさ |
前川千津子 |
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レプリカと言うが大した代物だ |
有岡敏晴 |
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青山に湧く一滴の一代記 |
長川哲夫 |
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芋の茎食べて凌いだ負の時代 |
黒嶋海童 |
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君が代に直立不動する世代 |
宇山昌成 |
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代々の墓が嫌いで樹木葬 |
桂ひろし |
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もみじの手に握られている新時代 |
前川淳 |
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別人に代わるペンネームの魅力 |
清水尚子 |
佳 |
戦禍無き時代災害という試練 |
岸本博子 |
佳 |
団塊の世代三途の川も皆一緒 |
長川哲夫 |
佳 |
妻に代り子供産めるか言われても |
長野峰明 |
佳 |
追伸のあたりに代筆されている |
野口修 |
佳 |
傘寿でもまだ伸び代は残ってる |
倉周三 |
人 |
農を継ぎ代代土を抱いている |
延寿庵野 |
地 |
君が代を民が代にして歌いたい |
桂ひろし |
天 |
表彰台君が代に和すとき祖国 |
赤井花城 |
軸 |
先祖代々ちゃらんぽらんのわが家系 |
上野五柳 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
倉 周三 |
下山田靖子 |
清水 尚子 |
大谷 祝星 |
延寿庵野 |
小倉 修一 |
内藤 夢彦 |
山内 迪 |
宇山 昌成 |
山本としや |
盛 無球 |
村岡 義博 |
水田 蓉子 |
長野 峰明 |
中桐 徹 |
辰巳 和子 |
今津 隆太 |
岸本 博子 |
上野 五柳 |
黒嶋 海童 |
盧 光来 |
荒岡 浩志 |
安部 美葉 |
長川 哲夫 |
前川千津子 |
斎藤 功 |
井上 登美 |
桂 ひろし |
前川 和朗 |
前川 淳 |
上野多惠子 |
細川 花門 |
池田 史子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
奥西 勇人 |
川端世起子 |
牧野 和子 |
青木 公輔 |
有岡 敏晴 |
水田 裕子 |
矢野 野薫 |
野口 修 |
渡邉 純子 |
中谷 光男 |
中内眞佐子 |
小山 紀乃 |
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