平成31年1月20日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「丸」 下山田靖子選
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太陽のような嫁に姑も丸くなり |
みぎわはな |
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はてさてもどこに向うか日本丸 |
前川淳 |
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あの人が出てくりゃ丸くことがすむ |
黒田忠昭 |
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丸餅を焼いて悦子の民話聴く |
辰巳和子 |
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丸ひとつ減ったら買うぞ一軒家 |
盧光来 |
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両手挙げ合格知らす丸を描く |
黒嶋海童 |
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みかんのようにりんごのように愛されたい |
みぎわはな |
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一通のメールで本丸が落ちる |
安部美葉 |
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ひと言で心まあるく母の愛 |
安部美葉 |
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悩む子にまあるい月が顔を出す |
長川哲夫 |
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本来は無一物なり丸をかく |
桂ひろし |
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この歳で花丸もらい照れる筆 |
二宮千栄幸 |
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花丸が伸ばしてくれた子の未来 |
井上登美 |
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センター試験孫から丸が来たメール |
盛無球 |
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丸腰でも平和憲法守れます |
盧光来 |
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浮気だけしない亭主だ二重丸 |
上野五柳 |
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丸でなくバツならさらに飛躍する |
小倉修一 |
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〇送れそれしか用のない息子 |
中桐徹 |
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のっけから挨拶できぬ丸暗記 |
荒岡浩志 |
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若者に負けぬりんごの丸かじり |
前川淳 |
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半分に分けると丸くおさまった |
前川淳 |
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肩書きが取れて人格丸くなり |
大谷祝星 |
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近頃の五輪のマーク汚れてる |
樋口祐子 |
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今何が欲しいと言われ指で丸 |
倉周三 |
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丸く生き可愛く老いる術探す |
二宮千栄幸 |
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太陽も月も丸くて仲良しだ |
今津隆太 |
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丸付けた理由(わけ)が出て来ぬカレンダー |
盛無球 |
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家庭劇丸くおさめた母の背な |
井上登美 |
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日の丸に送られタイで散った兄 |
宇山昌成 |
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お雑煮は白味噌丸もち亡母(はは)を継ぐ |
岸本博子 |
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丸忘れ天然だよネと許される |
池田史子 |
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丸よりも三角が好き生きる知恵 |
安部美葉 |
佳 |
角がとれ丸くなってる余生かな |
大谷祝星 |
佳 |
諦観を極めて老母の背が丸い |
黒嶋海童 |
佳 |
日の丸は武器寄せつけず凛として |
岸本博子 |
佳 |
白寿まで丸く生きよと喜寿祝い |
長川哲夫 |
佳 |
満月へ想いは君のことばかり |
倉周三 |
人 |
丸書いてチョン私の人生チョンばかり |
みぎわはな |
地 |
丸ごとの私をどうぞ受け止めて |
辰巳和子 |
天 |
高僧の揮毫は軸に〇一つ |
村岡義博 |
軸 |
日本丸安全運航願う春 |
下山田靖子 |
兼題 「ケア」 前川淳 選
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少しお高いアフターケアで選ぶ店 |
水田裕子 |
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被災地へお世話したくて足伸ばす |
矢野野薫 |
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ケアされた恩を忘れず倍返し |
中谷光男 |
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アフターケア手を抜いたため台無しに |
前川和朗 |
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卒寿でも母は欠かさぬスキンケア |
有岡敏晴 |
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ケアハウスあの手この手の予約待ち |
今津隆太 |
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手が折れた介護ロボット血が出ない |
桂ひろし |
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母さんを子供の様にだっこする |
下山田靖子 |
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初恋の人とばったりケアハウス |
辰巳和子 |
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介護して自分の先は思案中 |
今野美恵子 |
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ケアホームわたくし色に塗って住む |
みぎわはな |
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スキンケアもう手遅れという鏡 |
倉周三 |
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子の名前忘れた母の介護する |
桂ひろし |
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ケアハウス終の栖になる予感 |
赤井花城 |
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僕のケア土の匂いと美味い酒 |
宇山昌成 |
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ケアハウス覗き尻込みする若さ |
安部美葉 |
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ケアされることを拒否して杖の道 |
みぎわはな |
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ケア受ける余生生き抜く低姿勢 |
大谷祝星 |
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手つなぎがケアかと紛う老い二人 |
二宮千栄幸 |
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ケアマネのいつも笑顔に励まされ |
水田蓉子 |
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介護する母には観せぬ震災忌 |
盛無球 |
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デイケアのバスまるで廃品回収車 |
倉周三 |
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平穏な日にケアマネの手が温い |
桂ひろし |
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格付けに一喜一憂ケアハウス |
井上登美 |
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アフターケアしない男だ離婚され |
上野五柳 |
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老人に強い味方のケアマネジャ |
山本さとし |
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介助する優しい声よ夜は深い |
中内眞佐子 |
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ダブルケアの言葉も生んだ高齢化 |
小山紀乃 |
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女ですお肌のケアは続けます |
宇山昌成 |
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五十年アフターケアも期限切れ |
岸本博子 |
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お迎えと呼ばれるケアの送迎車 |
今津隆太 |
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アフターケア町の電気屋怠らぬ |
水田蓉子 |
佳 |
他人事のように見ていたケアハウス |
盧光来 |
佳 |
八十路来てそろそろ練ろうケアプラン |
井上登美 |
佳 |
生きてまだつづくケアレスミステーク |
赤井花城 |
佳 |
コンビニとケアハウスだけふえる街 |
黒嶋海童 |
佳 |
ケアされて心も解け出る笑顔 |
二宮千栄幸 |
人 |
ケアされる母の瞳に光るもの |
田中俊子 |
地 |
老老介護ほそぼそ青き山はるか |
樋口祐子 |
天 |
夕陽見る命が燃えるケアハウス |
荒岡浩志 |
軸 |
運命なのか老老介護迫り来る |
前川淳 |
兼題 「拘る」 内藤夢彦 選
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拘りを捨てると開くドアの前 |
小山紀乃 |
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裏漉しへ拘りがあるシェフの舌 |
延寿庵野 |
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拘りをひとつ捨てればひとつ楽 |
中内眞佐子 |
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財産があれば容姿はこだわらず |
有岡敏晴 |
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抜けなんだ句を又今日も出してみる |
黒田忠昭 |
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初物に拘る人の味音痴 |
宇山昌成 |
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拘りを捨てた人生生き易い |
水田蓉子 |
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こだわりを捨てて心の殻を脱ぐ |
大谷祝星 |
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拘りの一品そえて祝い膳 |
下山田靖子 |
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ねばならぬ拘り捨てて軽くする |
武市清香 |
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有終の美に拘っている命 |
赤井花城 |
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食鮮度君の拘りやや異常 |
前川和朗 |
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器にも拘る母のお惣菜 |
辰巳和子 |
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雑魚寝なら気にはならない北枕 |
村岡義博 |
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あのことに拘ってるな笑みがない |
二宮千栄幸 |
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拘りを捨てれば消えた肩の凝り |
辰巳和子 |
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暖かい冬陽こだわり消えている |
前川千津子 |
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家柄に拘る親を持て余す |
宇山昌成 |
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拘って生きる愚直さそのままに |
盛無球 |
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ご破算にしてもこだわりわだかまり |
大谷祝星 |
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マッサンに惚れてニッカを友とする |
長川哲夫 |
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こだわりが宇宙ラーメン作り上げ |
長川哲夫 |
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二つ三つ拘りあって呆けられぬ |
上野五柳 |
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拘泥の皿から正論が落ちる |
安部美葉 |
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ブランドに拘る人の満艦飾 |
水田蓉子 |
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才色兼備拘り過ぎて未だ独り |
村岡義博 |
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拘った揚句の呆気ない結果 |
みぎわはな |
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題がどう選者がどうと抜けたい病 |
中桐徹 |
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拘りの一品添える箸添える |
樋口祐子 |
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ブラックに拘る朝のティータイム |
黒嶋海童 |
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私にこだわりは無い青い空 |
前川千津子 |
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バツイチが同じタイプを好きになる |
盧光来 |
佳 |
野球は阪神ビールはアサヒしか飲まぬ |
倉周三 |
佳 |
楢山へ来たら拘り捨てなはれ |
上野五柳 |
佳 |
三途の川の浅いところを調べてる |
黒田忠昭 |
佳 |
「自然体」生きてゆこうと拘って |
下山田靖子 |
佳 |
拘りを解けば明日はきっと晴れ |
斎藤功 |
人 |
じいさんと呼んだ人には返事せぬ |
今津隆太 |
地 |
改元後も昭和の話するつもり |
盧光来 |
天 |
永遠の青に拘るフェルメール |
赤井花城 |
軸 |
イケメンに拘りつづけアラフォーに |
内藤夢彦 |
兼題 「先行き」 大谷祝星 選
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先行きは悠々自適だったはず |
有岡敏晴 |
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先行きが案じられてる消費税 |
矢野野薫 |
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先行きは大吉とでた運のよさ |
田中俊子 |
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明日の不安あれど行末乗り越える |
牧野和子 |
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先行きは金と命の匙加減 |
田中俊子 |
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先行きは子等に託してケセラセラ |
池田史子 |
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センセイより先行き読める少女棋士 |
岸本博子 |
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先行きがぼんやり見えてきた八十路 |
山本さとし |
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先行きを思案している猛吹雪 |
安部美葉 |
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老いらくの恋の先行き不安です |
桂ひろし |
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先行きは不安ばかりの世と思う |
前川千津子 |
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先行き不安朝な夕なの独り言 |
下山田靖子 |
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先行きを見越して妻へ機嫌とり |
樋口祐子 |
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老人の重さに沈みゆく日本 |
上野五柳 |
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先行きが分からないので一服だ |
前川淳 |
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子には子の目指すもの有り春を待つ |
山内迪 |
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少子化へ先行き不安日本丸 |
倉周三 |
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先行きは孤独地獄の核家族 |
黒嶋海童 |
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この先は到底読めぬガンの伸び |
山本としや |
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成るように成ると信じてやることに |
山内迪 |
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先行きへ不安の続く株相場 |
宇山昌成 |
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先行きが怪しい気配流れ星 |
井上登美 |
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先行きは若者頼りデジタル化 |
今野美恵子 |
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先行きの読めぬ財布がよく開く |
安部美葉 |
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小走りで先行く妻の後を追う |
盧光来 |
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年金の先行き不安あおる株 |
小倉修一 |
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先行きを見越した勝負覚悟です |
二宮千栄幸 |
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先行きの不透明さと年明ける |
赤井花城 |
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先行きに幸あれかしと新元号 |
中桐徹 |
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先行きは神もわからぬ未来です |
山本としや |
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先行きはどうあれ辿るマイウェイ |
みぎわはな |
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先行きは流れに任せ花筏 |
辰巳和子 |
佳 |
この国の未来案じて夜が白む |
辰巳和子 |
佳 |
キナ臭い東アジアの空模様 |
井上登美 |
佳 |
北方領土未だ先行き不透明 |
盧光来 |
佳 |
地球規模先行き不安温暖化 |
水田蓉子 |
佳 |
年金も置いてけぼりの消費税 |
長川哲夫 |
人 |
先行きは混沌夢を練り直す |
桂ひろし |
地 |
神だって知らないだろうわが余命 |
前川淳 |
天 |
先行きの多幸を嫁ぐ娘に祈る |
黒嶋海童 |
軸 |
先行きを案じ先祖の墓仕舞い |
大谷祝星 |
兼題 「時間」 赤井花城 選
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決まってるスーパー値引き混む時間 |
今津隆太 |
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一日も無駄には出来ぬ持ち時間 |
清水尚子 |
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忍耐力待合室で試される |
盧光来 |
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残生に寝付きの悪い無の時間 |
大谷祝星 |
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唯一無二の残照にあるマイタイム |
清水尚子 |
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山頭火時間気にせず風と旅 |
延寿庵野 |
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わくわくと御来光まであと五分 |
田中俊子 |
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癌告知残り時間が愛おしい |
前川淳 |
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命とや時間じゃないネ濃密さ |
池田史子 |
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逢引きの時間忘れて春田打つ |
桂ひろし |
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黄昏れて時間稼ぎが出来ぬ脳 |
井上登美 |
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急がねば後幾許の持ち時間 |
辰巳和子 |
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みつめ合う二人は時間止めている |
川端世起子 |
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カレンダー一つ一つを埋める日々 |
牧野和子 |
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有って無い時間を生きるひとり旅 |
みぎわはな |
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神さまに時間ですよと言われそう |
樋口祐子 |
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お粗末にできない今という時間 |
前川淳 |
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老後には老後に見合う時間表 |
宇山昌成 |
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待ち時間四時間もあるローカル線 |
宇山昌成 |
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ロスタイムみたいな八十路生きて行く |
黒嶋海童 |
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あと少し残る時間が持つ重み |
盛無球 |
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晴耕雨読ゆるりゆるりと時が行く |
盧光来 |
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待たせるのは平気待つのは大嫌い |
倉周三 |
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急いでもゆっくりしても一時間 |
中谷光男 |
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小刻みに時間を食べる砂時計 |
延寿庵野 |
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ルーレットが止まる輝かしい時間 |
青木公輔 |
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珍しく時間どおりに皆揃う |
前川千津子 |
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孫がつぶやく今日は楽しい時間割 |
山本さとし |
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訃報聞く静かに時が胸過る |
安部美葉 |
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時間通りの列車に思う世の平和 |
山内迪 |
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時計の針止め温ま湯に浸ってる |
みぎわはな |
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生存の時間差ペット諦める |
中桐徹 |
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悠久の時を背負って語る月 |
岸本博子 |
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たっぷりの時間楽しむ筈だった |
小山紀乃 |
佳 |
5・46忘れられない震度7 |
内藤夢彦 |
佳 |
過ぎ去った時間戻せば幸せか |
山本としや |
佳 |
象の時間を蟻の時間が急き立てる |
村岡義博 |
佳 |
悠久の時間詰まっている氷河 |
有岡敏晴 |
佳 |
紫雲待つ時間惜しんで指を折る |
盛無球 |
人 |
飛ばされる枯葉に乗っていく時間 |
安部美葉 |
地 |
芳醇の時を奏でるワイン倉 |
池田史子 |
天 |
フェルメール青に溶け行く無の時間 |
辰巳和子 |
軸 |
残り時間誰に聞いたらいいですか |
赤井花城 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
前川千津子 |
長川 哲夫 |
今野美恵子 |
岸本 博子 |
山本としや |
水田 蓉子 |
宇山 昌成 |
延寿庵野 |
小倉 修一 |
二宮千栄幸 |
みぎわはな |
盛 無球 |
大谷 祝星 |
清水 尚子 |
今津 隆太 |
黒嶋 海童 |
山内 迪 |
村岡 義博 |
中桐 徹 |
武市 清香 |
安部 美葉 |
辰巳 和子 |
盧 光来 |
荒岡 浩志 |
内藤 夢彦 |
前川 淳 |
桂 ひろし |
上野 五柳 |
斎藤 功 |
山本さとし |
下山田靖子 |
黒田 忠昭 |
倉 周三 |
井上 登美 |
池田 史子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
前川 和朗 |
水田 裕子 |
中谷 光男 |
田中 俊子 |
小山 紀乃 |
中内眞佐子 |
川端世起子 |
青木 公輔 |
有岡 敏晴 |
矢野 野薫 |
牧野 和子 |
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