平成30年11月13日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「鞄」 辰巳和子 選
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わたくしのカバンの中にいる刺客 |
安部美葉 |
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思い出をどっさり詰めて旅鞄 |
長野峰明 |
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鞄からはみ出す何気ないひと日 |
安部美葉 |
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冷え性が鞄にそっと温湿布 |
大谷祝星 |
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愛用の鞄スッキリお人柄 |
池田史子 |
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ペコペコと後をついてく鞄持ち |
矢野野薫 |
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ルイヴィトンの鞄に母の紙おむつ |
上野多惠子 |
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ランドセルこんな高価とつゆ知らず |
前川和朗 |
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強盗は鞄の諭吉嗅ぎ分ける |
長野峰明 |
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も一人の僕は鞄の中に居る |
内藤夢彦 |
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難題が酒を鞄に詰めて来た |
盧光来 |
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人様に揶揄されている鞄持ち |
斎藤功 |
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防災鞄納まり切らぬ必需品 |
水田蓉子 |
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断捨離出来ぬ亡夫(つま)の思い出旅かばん |
下山田靖子 |
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レジ袋有料化へ向けエコバッグ |
久山節子 |
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夕焼けをリュックに詰めて児が帰る |
山辺和子 |
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山ガールザックにコスメ忍ばせて |
清水尚子 |
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鞄一つ持ち人生の旅に出る |
牧野和子 |
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旅鞄川柳ノート一つ入れ |
牧野和子 |
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旅廻り鞄一つで西東 |
久山節子 |
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思い出を鞄に入れて黄泉の旅 |
山辺和子 |
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鞄から昼のべんとう妻の顔 |
今野美恵子 |
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旅行かばん一つかかえてプチ家出 |
下山田靖子 |
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つうかあの友と紅葉の旅鞄 |
水田蓉子 |
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三日分の薬も詰めて旅鞄 |
倉周三 |
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社長となら地獄までもと鞄持ち |
上野五柳 |
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好きな鞄ボロになってもぼくの伴(とも) |
上野五柳 |
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手には杖肩に鞄の川柳子 |
細川花門 |
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終電車淋しくカバン車庫に入る |
長川哲夫 |
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歳相応安近短の旅鞄 |
盧光来 |
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手作りの鞄はみ出す母の愛 |
池田史子 |
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旅鞄そっとしのばすウイスキー |
大谷祝星 |
佳 |
いさかいの妻鞄一つで家を出る |
山本としや |
佳 |
鞄から宝が出るか蛇が出るか |
池田史子 |
佳 |
鞄一つで所帯を持った大晦日 |
山本としや |
佳 |
古都ひと日紅葉を詰めた旅カバン |
長川哲夫 |
佳 |
怪しげな鞄刑事の目が光る |
上野多惠子 |
人 |
くたびれた鞄がひとつ亡父の椅子 |
山辺和子 |
地 |
政治家の鞄は嘘がつまってる |
大谷祝星 |
天 |
山頭火鞄持たずに風枕 |
延寿庵野 |
軸 |
志鞄に詰めて始発駅 |
辰巳和子 |
兼題 「御陰」 久山節子 選
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おかげ様おかげ様でと生きる日々 |
川端世起子 |
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御蔭受けお礼参りの天満宮 |
奥西勇人 |
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石切りさんへガンのお礼に百度石 |
山本としや |
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親切を両手に受けて立ち直る |
山辺和子 |
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人生の旅路ふれ合う御蔭様 |
みぎわはな |
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趣味の会お陰でシニア咲きほこる |
松本光江 |
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蜜蜂の御蔭と今日も花エキス |
河合敏夫 |
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悪友がいるからうまい酒が飲め |
細川花門 |
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お蔭様この一言で丸くなる |
荒岡浩志 |
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神仏のお陰いただき百になる |
桂ひろし |
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御陰様平成の世を無事わたる |
安部美葉 |
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心では父母に感謝のことばかり |
長川哲夫 |
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両親のお蔭と思う骨太で |
樋口祐子 |
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諸々の命頂き生かされる |
辰巳和子 |
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人間のおかげで地球破綻する |
有岡敏晴 |
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寝込まずに生きてあれそれ共白髪 |
長野峰明 |
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婆ちゃんのおかげと言われ孫の守り |
細川花門 |
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妻の御陰で飲む食う寝るのフルコース |
盧光来 |
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一票のお陰はどこへ金バッヂ |
岸本博子 |
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そら豆といちごを植えた夜の雨 |
山内迪 |
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義母(かあさん)の御陰といつも言う嫁御 |
山本さとし |
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八十路来て何の御蔭か呆けもせず |
上野五柳 |
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双親の御影でニート食べている |
内藤夢彦 |
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数えきれないお蔭授かり今の僕 |
池田史子 |
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お互いの御蔭つないで五十年 |
みぎわはな |
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お陰様の言葉濁らす自尊心 |
長川哲夫 |
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オレのお陰と家族は誰も思わない |
村岡義博 |
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お蔭様なんときれいな日本語 |
倉周三 |
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気くばりのやさしい言葉おかげ様 |
下山田靖子 |
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運命が君のお蔭で深みゆく |
荒岡浩志 |
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失恋の御陰で今の妻と逢う |
宇山昌成 |
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やっと今あなたに出来る恩返し |
松本光江 |
佳 |
坂の街神戸足腰じょうぶ元気です |
下山田靖子 |
佳 |
健康の御蔭を忘れ愚痴こぼす |
今野美恵子 |
佳 |
お蔭様やさしくなれる言葉です |
井上登美 |
佳 |
川柳のお蔭あなたに会えたのも |
倉周三 |
佳 |
勝てたのはこれの御蔭と札の束 |
前川和朗 |
人 |
シューベルトの御陰で寝てたコンサート |
盧光来 |
地 |
つまずいた御陰で拾う五百円 |
宇山昌成 |
天 |
御陰さま傘寿を祝う菊の酒 |
大谷祝星 |
軸 |
年金を頂き機嫌よく暮らす |
久山節子 |
兼題 「改元」 桂ひろし 選
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改元に西暦はびくともしない |
有岡敏晴 |
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改元で連休10日もてあそぶ |
中谷光男 |
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改元へ希望の明日を信じたい |
奥西勇人 |
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平成の息を吸うのもあと少し |
田中俊子 |
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平成と共に去りゆくわが恋よ |
川端世起子 |
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改元の日取りに合わせ産む子供 |
宇山昌成 |
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改元をしても変らぬ暮らし向き |
宇山昌成 |
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懐メロになる平成の流行歌 |
岸本博子 |
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平成は消えても消せぬカレンダー |
赤井花城 |
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改元をバネに明日へジャンプする |
延寿庵野 |
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改元後も不戦の誓い忘れまい |
盧光来 |
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改元に二度も立ち合う我もまた |
松本光江 |
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改元に期待と共にある老後 |
今野美恵子 |
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改元へ夢のひとつを描(か)き替える |
山辺和子 |
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改元して続く世相に乞う期待 |
山内迪 |
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平成を静かにたたむ除夜の鐘 |
上野多惠子 |
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昭和生まれ西暦だけじゃ物足りん |
上野五柳 |
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改元で三代生きる幸せを |
内藤夢彦 |
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昭和平成次の世に捻子(ねじ)を巻く |
山辺和子 |
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元号の二字に古代の国想う |
長川哲夫 |
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元号は空欄のままカレンダー |
河合敏夫 |
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改元に陛下の姿まなうらに |
二宮千栄幸 |
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パンドラの箱元号が出番待つ |
延寿庵野 |
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改元へ踏み出す一歩雅号変え |
池田史子 |
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改元で以後は波乱か平穏か |
山本さとし |
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あとわずか平成いずれ懐古され |
松本光江 |
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住みなれた平成新居はまだ不明 |
安部美葉 |
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改元へ優勝願う虎ファン |
大谷祝星 |
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改元へ夢膨らます待つ日の出 |
牧野和子 |
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平成は淡雪となり流れ行く |
樋口祐子 |
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改元の歴史の流れ試運転 |
井上登美 |
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改元を間近に控え冬仕度 |
細川花門 |
佳 |
年号がいかなるものか待ち侘びる |
矢野野薫 |
佳 |
両陛下昭和一桁老いにけり |
細川花門 |
佳 |
改元の狭間に生きるしあわせ度 |
井上登美 |
佳 |
平成を継ぐ足音に身が締まる |
荒岡浩志 |
佳 |
元号も変わるし再婚することに |
上野多惠子 |
人 |
改元で昭和も一寸遠くなる |
山本さとし |
地 |
改元に進歩を遂げる月旅行 |
今野美恵子 |
天 |
改元のラッパに蛇も穴を出る |
上野五柳 |
軸 |
改元を楽しみにして生きる今 |
桂ひろし |
兼題 「兄弟(姉妹)」 前川和朗 選
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三姉妹集えば夜長すぐ明ける |
奥西勇人 |
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三姉妹食(は)み出た一人の胸の波 |
中内眞佐子 |
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九人もよう産んだなあ国の為 |
上野多惠子 |
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姉ひとり近くて遠く離れ住む |
赤井花城 |
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早世の兄がよく立つ夢枕 |
赤井花城 |
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兄弟で親の遺産を奪い合い |
矢野野薫 |
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姉として言うべき事に持つ自信 |
山内迪 |
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プロポーズ間違いました双生児 |
河合敏夫 |
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四姉妹話尽きない宿浴衣 |
辰巳和子 |
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九人の弟妹が居た賑やかさ |
長野峰明 |
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師の句碑を慕い師弟の絆増し |
延寿庵野 |
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五人兄弟何んで僕だけ低い鼻 |
倉周三 |
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泣きながらしっかり見てる遺産分け |
盧光来 |
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兄弟も育った後はみな他人 |
斎藤功 |
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五女に生まれておまけの様な私です |
下山田靖子 |
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近況をデンワですます弱い足 |
今野美恵子 |
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味方にも敵にも変わる姉の虫 |
岸本博子 |
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元気かと聞いてやるのもおもいやり |
山内迪 |
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小遣いを呉れた兄には低姿勢 |
樋口祐子 |
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姉ちゃんは四十の弟叱ってる |
中内眞佐子 |
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細雪旧家の暮らしモダニズム |
井上登美 |
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健やかに姉妹新たな春迎え |
牧野和子 |
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七人兄弟七つの海泳ぐ |
樋口祐子 |
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女ばかりの家系にできたご長男 |
山本としや |
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お転婆とやんちゃな孫に母苦戦 |
中谷光男 |
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四姉妹と言えば細雪想い出す |
青木公輔 |
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妹のお古うれしく着ています |
田中俊子 |
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叱られた妹庇う姉五才 |
奥西勇人 |
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兄妹が揃う墓石の前の幸 |
牧野和子 |
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兄弟姉妹得意科目は皆違う |
山辺和子 |
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兄弟の血と血遺産に飛びかかる |
荒岡浩志 |
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七回忌母さんぽつり艶話 |
下山田靖子 |
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姉妹でも聞いてはならぬ過去の恋 |
松本光江 |
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ライバル姉妹神に預ける夫運 |
吉田節城 |
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妹を老々介護お姉さん |
内藤夢彦 |
佳 |
四姉妹父には誰も似ていない |
上野多惠子 |
佳 |
兄弟は神様からの贈り物 |
井上登美 |
佳 |
八十の兄弟労り合う電話 |
前川千津子 |
佳 |
つくものがつけば兄弟溝が出来 |
有岡敏晴 |
佳 |
DNA良いとこ全部兄弟に |
中谷光男 |
人 |
兄弟が寄れば議論になる介護 |
宇山昌成 |
地 |
弟に手加減された腕相撲 |
河合敏夫 |
天 |
頭あがらぬ賢兄愚弟いまもなお |
内藤夢彦 |
軸 |
皆様にほめられ先に逝った姉 |
前川和朗 |
兼題 「暮れ」 斎藤功 選
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名も知らぬ花に癒され黄昏れる |
盧光来 |
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クリスマスソングの似合う街神戸 |
牧野和子 |
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人間の老いと季節の黄昏と |
赤井花城 |
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年金にもボーナス欲しい年の暮れ |
宇山昌成 |
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夕暮れに人は猫背で帰宅する |
荒岡浩志 |
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探し物ばかりで一日が暮れる |
倉周三 |
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君思うひと日もあるさもう師走 |
松本光江 |
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恙無く暮れて夕陽の朱に染まる |
山辺和子 |
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暮れる前ひときわ朱く今日染める |
岸本博子 |
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歳の暮れ待たずに御節買えという |
延寿庵野 |
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夕焼けの空から亡母の声を聴く |
みぎわはな |
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年金で暮らせる日々に感謝する |
大谷祝星 |
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自販機の釣り銭の音秋の暮 |
上野多惠子 |
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カギッ子に砂場ひとつが暮れ残る |
山辺和子 |
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夕暮れの屋台が愚痴を聞いてくれ |
河合敏夫 |
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干し柿へ夕日寂しく照らしおり |
樋口祐子 |
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日暮れ道学童保育子等の声 |
二宮千栄幸 |
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空っぽの心が重い秋の暮れ |
辰巳和子 |
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年の暮診察券も忙しい |
今野美恵子 |
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暮れ急ぐ私もいそぐポスト迄 |
前川千津子 |
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夕暮れをカラスの急ぐ母性愛 |
長野峰明 |
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夕暮れのカモメと帰る大漁旗 |
河合敏夫 |
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又一人アドレス削除年の暮れ |
倉周三 |
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夕暮に調子出て来た耕運機 |
上野五柳 |
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染み染みと三井(みい)の晩鐘心打つ |
奥西勇人 |
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公園の薄暮の子らに母の声 |
細川花門 |
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何を捨て何を掬うて年の暮れ |
辰巳和子 |
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日暮れ来て独りの闇が育ちゆく |
久山節子 |
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暮れの悩み無事に新年日は昇る |
山内迪 |
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日の暮れるまでに決断せよという |
上野多惠子 |
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煩悩を消して除夜です鐘をきく |
前川和朗 |
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夕暮れに家族の靴がみな揃う |
田中俊子 |
佳 |
する事はなんぼでもある年の暮れ |
有岡敏晴 |
佳 |
暮れ泥む空に缶蹴り止められず |
二宮千栄幸 |
佳 |
暮の声軋む心身せきたてる |
池田史子 |
佳 |
夕暮れを待ち侘びている飲み仲間 |
盧光来 |
佳 |
有金の勘定するも年の暮 |
上野五柳 |
人 |
蜜柑剥きゆるり今年を締める暮れ |
荒岡浩志 |
地 |
年の暮れ遠い思い出消去する |
松本光江 |
天 |
IT化途方に暮れる古時計 |
岸本博子 |
軸 |
本年の暮れも近づき忙しない |
斎藤功 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
牧野 和子 |
松本 光江 |
大谷 祝星 |
山内 迪 |
長野 峰明 |
宇山 昌成 |
山本としや |
今野美恵子 |
盧 光来 |
辰巳 和子 |
水田 蓉子 |
清水 尚子 |
久山 節子 |
山辺 和子 |
村岡 義博 |
上野 五柳 |
斎藤 功 |
河合 敏夫 |
前川 和朗 |
荒岡 浩志 |
矢野 野薫 |
延寿庵野 |
井上 登美 |
山本さとし |
長川 哲夫 |
上野多惠子 |
下山田靖子 |
岸本 博子 |
倉 周三 |
安部 美葉 |
二宮千栄幸 |
前川千津子 |
吉田 節城 |
桂 ひろし |
内藤 夢彦 |
池田 史子 |
みぎわはな |
細川 花門 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
奥西 勇人 |
中内眞佐子 |
有岡 敏晴 |
田中 俊子 |
川端世起子 |
中谷 光男 |
水田 裕子 |
青木 公輔 |
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