平成30年9月16日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「長い」  黒田忠昭 選
タイガース守る時間が長すぎる 山本としや
長い夏待ちかねて鳴く秋の虫 水田蓉子
円満主義長いものには巻かれましょう 倉田雄登美
長生きをして飽きられている造花 盧光来
艱難辛苦なんのこれしき長い坂 池田史子
長生きした敵も味方もみなあの世 上野五柳
長く生き残せる一句まだ出来ず 牧野和子
相槌を打つたび長くなる話 平井美智子
ひらひらとロングスカート秋を舞う 山辺和子
長い坂越えて新たな僕になる 池田史子
長すぎる寿命を亀に問うてみる 岸本博子
別れ話長い夜道があけそめる 前川和朗
長いようで短い人生夢のよう 倉田雄登美
長生きも芸のうちだとギター引く 上野五柳
長いものには巻かれますが蛇はいや 細川花門
長い道時々止まり息を吐く 沼尾美智子
老人がもてあましてる夜長かな 大谷祝星
夜が長いサルトルを読む事にする 桂ひろし
九月の名月(つき)長い年月見てあきず 牧野和子
長時間勤務で稼ぐ主婦(ミセス)の子 山本としや
長い挨拶その上えらい口下手で 倉周三
長生きの秘訣は恋と腹八分 倉周三
長い道なれど秋の陽は高い 前川千津子
立ち話愚痴が愚痴呼び長くなる 荒岡浩志
長いもの鰻に穴子みな美味い 内藤夢彦
日本人うまいと聞けば長蛇の列 今野美恵子
留守二十日我が物顔で伸びる草 河合敏夫
百歳で長生きのコツ考える 荒岡浩志
ああしんど三本立ての長い夢 河合敏夫
長生きへ長針少しねむらせる 樋口祐子
いいこともあるさ人生長丁場 倉周三
傘寿すぎ思えば長い時間だな 山本としや
哀しみを癒してくれる長い影 荒岡浩志
真実を勝ちとるまでの長い道 山辺和子
長生きの秘訣をメモるティータイム 山辺和子
拉致の海旅の終りはまだ見えぬ 平井美智子
神の手と信じて託す長いオペ 盧光来
息の長い研究テーマ人の道 前川和朗
幾山河越えた絆のしなやかさ 池田史子
ゴキブリが三代生きた長い夏 黒田忠昭

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兼題  「味」  盧光来 選
とんとんときゅうり切る音今日は今日 沼尾美智子
過労死の危惧味わったこと数多 有岡敏晴
晩酌に一品足した旬の味 奥西勇人
世相混乱どの味もこの味も 青木公輔
人情の味しみじみと客三代 水田裕子
ベランダの旬をいただく朝の膳 田中俊子
サシスセソ男独りの味加減 奥西勇人
塩少々その塩梅が母の味 川端世紀子
敗戦の苦味居座る尾?骨 長野峰明
頑固だが味のある顔頼もしい 水田蓉子
味噌汁は亡き母の味妻の味 細川花門
目分量濃い味つくる老母(はは)の出汁(だし) 山本としや
素うどんにめしの苦学の頃の味 赤井花城
パナマを斜(ハス)にダンディ気取る味な奴 内藤夢彦
関西じゃ愛も薄口かもしれん 上野五柳
咀嚼して生きれば味の出るこの世 平井美智子
塩味で通した母のにぎり飯 山辺和子
薄味におつなお味とほめておく 二宮千栄幸
聞かれても返事に困る義母(ハハ)の味 倉周三
たくあん付き日の丸弁当父母の味 倉田雄登美
母の愛隠し味入れお味噌汁 牧野和子
母だけの味ミシュランの五つ星 赤井花城
こだわった我が家の味が薄くなる 水田蓉子
しみじみと古女房に別の味 樋口祐子
焼き茄子に甘く酸っぱい母の味 荒岡浩志
持ち味をひょいと引出す妻の腕 大谷祝星
旨かった素材生かした隠し味 河合敏夫
軽やかに溶ける氷にジャズの味 荒岡浩志
味までは見ていませんが毒見役 黒田忠昭
味占めた道楽の道抜けられぬ 前川淳
物産展試食を摘みティータイム 今野美恵子
秋しうれしい刺激五味五感 池田史子
客を呼ぶ一手間かけておもてなし 今野美恵子
ときどきの誤算人生味がある 古橋茂子
お品書き和紙に墨字も味のうち 川端世紀子
薄味で続く夫婦の箸の位置 辰巳和子
枯れ切って一句を詩う人間味 牧野和子
味のある言葉に出会い目にウロコ 前川和朗
手間かけた味は舌からハートへと 岸本博子
良い味になった息子の広い肩 平井美智子
かくし味たくさん持った人間味 黒田忠昭
伝統の老舗が誇る味の妙 盧光来

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兼題  「色」  倉周三 選
話題沸騰なおみ一色盛り上がる 水田蓉子
色も香も北川景子一途です 中谷光男
カラフルな色に自分史書き直す 盧光来
自分史の表紙の色もまだ未定 斎藤功
好奇心もって人生多色刷り 奥西勇人
一人しか愛せず枯れた花の色 赤井花城
余白の美七色の虹散りばめて 牧野和子
フェルメール青の深さに恋をして 水田裕子
人と会うマニキュア今朝は深緑 中内眞佐子
活花も一足先に秋模様 二宮千栄幸
むっつりのぼくだが好きな色話 上野五柳
保護色が危険と知った通夜帰り 河合敏夫
ジイチャンよ「たまにネクタイ赤しめて」 内藤夢彦
性格の弱さではない淡い色 前川千津子
脚色でマンガも重いテーマ持ち 荒岡浩志
わっと湧く桜色したパステル画 斎藤功
恋数多色は匂えど花と散り 赤井花城
霞草引立て役の一生で 内藤夢彦
シャガールの青の世界に浸る秋 辰巳和子
柿熟れて夕日の色に同化する 河合敏夫
色艶が良いとほめられ古鏡 中内眞佐子
初恋の色に染めあげ妻を恋う 桂ひろし
色紙に祈りを込めて鶴に折る 岸本博子
言訳へひと色足りぬ虹がたつ 山辺和子
篠笛は郷愁そそる音色なり 大谷祝星
色々とあったが喜寿になりました 細川花門
本命の君には出来ぬ色仕掛 井上登美
カラフルな錠剤呑んで喜劇産む 牧野和子
ぽっかりと浮く風船を割る花火 山本としや
まぎらわしい色だ恋なのか愛なのか 青木公輔
娘妻母で異なる口紅(べに)の色 有岡敏晴
訃は不意にセピアになっていくこころ 山辺和子
何色に染まるか孫の未来地図 盧光来
ふる里はあの駅舎まで父の色 古橋茂子
十色ではまだ物足りぬ君の色 前川和朗
赤青黄サラダボールに旬を盛る 細川花門
何色に染めよう晩節の余白 辰巳和子
保護色を脱いで飛び立つシニアコン 池田史子
大好きな紫を着て会いに行く 樋口祐子
少しずつおばさん色になる手足 平井美智子
癌克服スカイブルーの空仰ぐ 倉周三

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兼題  「うっかり」  前川淳 選
へそくりの在り処うっかり口走る 奥西勇人
あとの祭りが三日続いたのにぐらり 青木公輔
うっかりと口をすべらせ四面楚歌 辰巳和子
うっかり夫人チャッカリ夫人友と我 水田裕子
へそくりを隠した本が見つからず 川端世紀子
うっかりのいい訳まずはテレ笑い 中内眞佐子
うっかりの一言努力風に散る 古橋茂子
うっかりと花芽をつんだ草?り 田中俊子
ディフェンスのうっかりオウンゴール呼ぶ 有岡敏晴
ルビコンを渡ったけれどケセラセラ 井上登美
うっかりと押されはせぬか核ボタン 池田史子
入歯忘れて私幹事のクラス会 池田史子
うっかりと寝過ごした日を責められる 水田蓉子
うっかりと見落していた但し書き 平井美智子
うっかりさんの渾名だったな君の名は 樋口祐子
うっかりを暑さのせいに出来た夏 岸本博子
うっかりと吐いた言葉で首が飛ぶ 牧野和子
ブレーキとアクセルうっかり踏み違え 倉周三
病室で部下の昇進喋る奴 河合敏夫
笑顔ではいけない場所でうっかりと 内藤夢彦
電話器を切ったつもりの内緒ごと 黒田忠昭
うっかりが今日も居座る去年今年 水田蓉子
うっかりが日常となる退職後 斎藤功
うっかりで済ませぬ癌の影深し 盧光来
うっかりと逢い引き忘れ春田打つ 桂ひろし
胃カメラの前に楽しくランチする 荒岡浩志
お祝いに新札忘れのし袋 今野美恵子
運転中のうっかりが命取り 上野五柳
不味いなどうっかり妻に言えません 細川花門
また迷ううっかりですか痴呆かな 前川和朗
暗合句異口同音に呼名され 赤井花城
うっかりして車内居眠り掏摸に合う 倉田雄登美
うっかりの火種思わぬ人災に 岸本博子
欲が出てうっかり乗った口車 奥西勇人
うっかりと浮気の匂い消し忘れ 桂ひろし
電話口はずんだ声もみな聞かれ 二宮千栄幸
文春に尾行されてた二十五時 平井美智子
シャボン玉うっかり悪の風に乗る 山辺和子
うっかりと内緒を風に攫われる 山辺和子
ペテン師の疑似餌を食った日の不覚 河合敏夫
猿でさえ筆を誤ることがある 前川淳

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兼題  「鉛筆」  上野五柳 選
鉛筆はトンボと決めて半世紀 沼尾美智子
6Bで太く黒々自己主張 斎藤功
鉛筆を削れぬ子らに抱く不安 赤井花城
パソコンで鉛筆机上から消えた 大谷祝星
スマホ止め鉛筆持って数独に 中谷光男
鉛筆を舐めたと解かる孫の文 河合敏夫
鉛筆書きの残暑見舞いが着いて秋 有岡敏晴
消しゴムの跡懸命なハガキ来る 中内眞佐子
鉛筆と消しゴム時に大喧嘩 倉周三
消しゴムが知ってる鉛筆の本音 田中俊子
4Bの芯に込めてる天地人 田中俊子
新型の鉛筆天の句が書ける 有岡敏晴
川柳も鉛筆頼み浅い知恵 今野美恵子
鉛筆の芯が詩情を弾き出す 前川淳
エンピツの芯まるくして平和論 桂ひろし
一本の鉛筆が不戦を誓う 前川淳
改憲へエンピツの芯尖らせて 桂ひろし
4Bが幅をきかせるペンケース 黒田忠昭
筆箱のガチャガチャうれしランドセル 倉周三
鉛筆の転がる先にある迷い 山辺和子
鉛筆の転がる先で迷い解け 奥西勇人
一本のトンボ鉛筆から発火 平井美智子
減る鉛筆に見てしまう我が余生 古橋茂子
鉛筆がぽきぽき折れる申告書 辰巳和子
席題へあせる鉛筆芯が折れ 奥西勇人
恋しいと書けばポキンと折れた芯 平井美智子
秋を描く色鉛筆は十二色 山辺和子
鉛筆の想い届かぬ涙恋 長野峰明
鉛筆を削ろう心晴れるまで 辰巳和子
鉛筆で昔に書いたラブレター 今野美恵子
鉛筆の芯とがらせて倦怠期 二宮千栄幸
まっすぐに芯を一本通してる 岸本博子
鉛筆で描かれた皺のうつくしさ 水田裕子
鉛筆で背中掻いてるひとり者 盧光来
気がつけば君の笑顔を描いていた 川端世紀子
鉛筆は消しては書けるのが強み 細川花門
鉛筆のサイン真偽の嵐オークション 池田史子
いつかきっと山を動かす青いペン 牧野和子
6Bの鉛筆が奪る地の席次 山本としや
はじまりはトンボ鉛筆母の顔 樋口祐子
4Bで抜いて欲しいと書く句箋 上野五柳

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【出席者】 (順不同・敬称略)
大谷 祝星 倉  周三 井上 登美 岸本 博子 今野美恵子 山本としや
盧  光来 水田 蓉子 桂 ひろし 二宮千栄幸 倉田雄登美 河合 敏夫
牧野 和子 沼尾美智子 斎藤  功 上野 五柳 荒岡 浩志 前川 和朗
黒田 忠昭 山辺 和子 平井美智子 内藤 夢彦 細川 花門 前川  淳
水田 裕子 前川千津子 池田 史子 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
中内眞佐子 青木 公輔 古橋 茂子 奥西 勇人 田中 俊子 中谷 光男
辰巳 和子 有岡 敏晴 長野 峰明 川端世紀子

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