平成30年7月29日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「台風」 上野多惠子選
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ぎりぎりで去った台風いざ句会 |
盧光来 |
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台風禍迷彩服の頼り甲斐 |
村岡義博 |
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台風の目の中にいる青い鳥 |
井上登美 |
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何故西の方向オンチ12号 |
村岡義博 |
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台風よトラの負けぐせふっ飛ばせ |
上野五柳 |
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台風のニュースにひと日縛られる |
山辺和子 |
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ルール違反でしょう逆走台風 |
河合敏夫 |
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台風が逆行日本驚かす |
上野五柳 |
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台風の目の中に居て醒めている |
みぎわはな |
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迷走は気象庁まで大あわて |
山本さとし |
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土砂降りに傘間に合わぬ財務省 |
長川哲夫 |
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珍しく息子が電話嵐の夜 |
久山節子 |
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裕次郎嵐を呼んで五十年 |
矢野野薫 |
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ふるさとは台風銀座まん中で |
樋口祐子 |
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台風一過話にならぬ痴話げんか |
古橋茂子 |
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台風が亀の産卵消して行き |
延寿庵野 |
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血迷った台風今日は東から |
井上登美 |
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活用をしたい台風エネルギー |
上原翔 |
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わがマンション今日の台風大丈夫 |
内藤夢彦 |
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台風一過野山も我も生き返る |
黒嶋海童 |
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台風に予定変更迫られる |
山辺和子 |
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あの人と台風の渦左巻き |
黒嶋海童 |
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左巻きの台風曲者あばれ者 |
岸本博子 |
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台風が野菜値上げの導火線 |
河合敏夫 |
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豆台風帰った後の爪の跡 |
岸本博子 |
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大風で雨音耳に正座する |
今野美恵子 |
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台風で夫の存在価値を知る |
久山節子 |
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台風の慈雨嬉しくもあり悲しくも |
前川和朗 |
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台風の進路気になる旅鞄 |
倉周三 |
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被災地はよけて通ってネ台風さん |
池田史子 |
佳 |
台風は女コロコロ気が変る |
みぎわはな |
佳 |
台風が道に迷って動かない |
上野五柳 |
佳 |
台風の好みの位置にある日本 |
大谷祝星 |
佳 |
妻に似た迷走台風持て余す |
古橋茂子 |
佳 |
台風が迷いを溶かし吹き抜ける |
荒岡浩志 |
人 |
逆らわず台風一過じっと待つ |
岸本博子 |
地 |
台風一過急にお腹が減ってくる |
山辺和子 |
天 |
台風の針路は神がタクト振る |
古橋茂子 |
軸 |
台風がどうした這ってでも会いに |
上野多惠子 |
兼題 「夜景」 久山節子 選
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百万ドルの夜景と言えば我が神戸 |
奥西勇人 |
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裏町の哀を夜景の灯が隠す |
みぎわはな |
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神戸港クルーズ船で見る夜景 |
今津隆太 |
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迷宮入りの夜景になった恋模様 |
小山紀乃 |
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それぞれの夜景思い出玉手箱 |
井上登美 |
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六甲の夜景にそっと肩を抱き |
黒嶋海童 |
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此の街が見知らぬ街となる夜景 |
みぎわはな |
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雨風に神戸夜景の灯は消えず |
長川哲夫 |
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夜景さえ見れば豊かになる詩情 |
有岡敏晴 |
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宇宙葬夜景の空でそっと消え |
延寿庵野 |
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ふるさとは夜を語れる星がある |
野口修 |
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夜景今昼の醜さ消して咲き |
盛無球 |
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陶酔をさせて蛍の乱舞する |
野口修 |
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路地裏の貧しき夜景ホタル舞う |
桂ひろし |
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繁栄の不夜城と成る街神戸 |
牧野和子 |
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熱愛中だから夜景が美しい |
有岡敏晴 |
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青春を語るか六甲の夜景 |
小山紀乃 |
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わが村の夜景きらめく天の川 |
内藤夢彦 |
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百万ドル神戸の夜景値上せず |
大谷祝星 |
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展望に何万ドルか試算する |
荒岡浩志 |
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観覧車夜景に溶ける港町 |
延寿庵野 |
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夏の華夜空を焦がす大花火 |
矢野野薫 |
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不夜城のコンビナートをツアーがゆく |
岸本博子 |
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遠花火単身赴任の人想う |
上野多惠子 |
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富士山をライトアップで見たいもの |
岸本博子 |
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夜景など見ていなかった手の温み |
河合敏夫 |
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夜景見ずわたしばかりを見てた君 |
上野五柳 |
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働き方を思案深夜のビルの窓 |
村岡義博 |
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百の灯に百のドラマを持つ夜景 |
平井美智子 |
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夜景には写らぬ闇で伸びる牙 |
池田史子 |
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大橋を潜れば神戸明るい灯 |
黒嶋海童 |
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あの日から復興遂げた夜景です |
牧野和子 |
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コンビニの明かりが夜をリードする |
荒岡浩志 |
佳 |
素晴らしい夜景に熱くなる会話 |
山辺和子 |
佳 |
とんぼりの夜景に映えるグリコの絵 |
田中俊子 |
佳 |
砂丘に沈む夕陽見たくて途中下車 |
倉周三 |
佳 |
ふる里の海にイカ釣り舟が出る |
平井美智子 |
佳 |
過疎の里客をもてなす月と星 |
盧光来 |
人 |
復興の姿夜景に見る安堵 |
赤井花城 |
地 |
どの灯にも宿る命がある夜景 |
赤井花城 |
天 |
茜色の夜景今度こそ叶う夢 |
井上登美 |
軸 |
円高で夜景の価値も変わりゆく |
久山節子 |
兼題 「友情」 上原翔 選
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友情の鈍行で行く長い旅 |
山内迪 |
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友人に君の名記す悪しからず |
長川哲夫 |
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傷口を友と舐めあうコップ酒 |
河合敏夫 |
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五指十指友情の数折ってみる |
赤井花城 |
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友情の証それぞれ道半ば |
井上登美 |
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友情を確かめに行くクラス会 |
赤井花城 |
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かたくなな心やんわりほぐす友 |
久山節子 |
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友情が深まる此処だけの話 |
田中俊子 |
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友情の絆が緩んできたようだ |
上野多惠子 |
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友情の厚さは趣味の輪の硬さ |
山内迪 |
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友情の芽ばえメロスを読んでから |
矢野野薫 |
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友情を噛みしめ仰ぎ見る遺影 |
内藤夢彦 |
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友情を温め合って喜寿迎え |
大谷祝星 |
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友情の中にちょっぴり恋心 |
倉周三 |
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無二の友あって人生花が咲き |
牧野和子 |
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異性との友情もある老いの道 |
岸本博子 |
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友情という名の絹糸で縛る |
みぎわはな |
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友情を試す3万借りに行く |
村岡義博 |
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学び舎に友情の芽が今もある |
荒岡浩志 |
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友情と言うに幼い銀の匙 |
長川哲夫 |
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友情のひと皮むけばエゴかもね |
池田史子 |
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友情の通じぬ背なをじっと見る |
樋口祐子 |
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友情が恋に変身した夕べ |
小山紀乃 |
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恋情の変型かもね友情は |
上野五柳 |
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あの日から遠慮の要らぬ無二の友 |
野口修 |
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友情が交差ドラマがややこしい |
青木公輔 |
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友達のままでいようね月明かり |
山辺和子 |
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塩むすび友情を呼ぶボランティア |
延寿庵野 |
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途切れずに友の絵手紙半世紀 |
奥西勇人 |
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友情があるから傷も舐められる |
野口修 |
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アホ・ボケと気楽に言える友がいる |
矢野野薫 |
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続いたね付かず離れず半世紀 |
岸本博子 |
佳 |
球友が今も親友(とも)とし六十年 |
山本さとし |
佳 |
友だから金は借りぬと決めている |
平井美智子 |
佳 |
友情を再度固めるクラス会 |
荒岡浩志 |
佳 |
古い友情仕舞い込んでる古箪笥 |
みぎわはな |
佳 |
八起き目の支えになってくれた友 |
倉周三 |
人 |
刎頸の友で生涯ライバルで |
黒嶋海童 |
地 |
病む友の快癒願って百度石 |
盛無球 |
天 |
友情のひとつ知らないふりもする |
黒嶋海童 |
軸 |
朽ちはせぬ友情蘇る同期 |
上原翔 |
兼題 「呼ぶ」 山辺和子 選
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もう死語ですねオイと呼ぶ代名詞 |
赤井花城 |
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手傳いに呼ばない人が来たという |
山内迪 |
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観光客増えて食材高く成り |
牧野和子 |
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ひと前で爺ちゃんなどと呼ぶでない |
盧光来 |
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サン付けから呼び捨て一線越えたらし |
倉周三 |
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爺さんを君づけで呼ぶ同窓会 |
岸本博子 |
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豆腐売り決まった時間にフエで呼ぶ |
今野美恵子 |
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聞こえない振りする妻を三度呼ぶ |
河合敏夫 |
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古伊万里が呼吸を交わす花の露 |
長川哲夫 |
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猛酷暑涼を呼ぶのはかき氷 |
盛無球 |
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グラビアの美女が呼んでる週刊誌 |
有岡敏晴 |
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大声で呼べば居留守が顔を出し |
青木公輔 |
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掛け声でその気にさせる膝小僧 |
河合敏夫 |
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紗を着て涼を呼んでる京の路地 |
延寿庵野 |
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呼びもせぬ病勝手に来て困る |
矢野野薫 |
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じいさまに呼ばれ素直にハイと言う |
樋口祐子 |
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生き延びて呼べど答えぬ友ばかり |
赤井花城 |
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呼びリンの故障ドラマが空転す |
青木公輔 |
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呼びかける友ありて幸思い知る |
井上登美 |
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旧姓を呼ばれふっと夢の中 |
中内眞佐子 |
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空の青呼んでドラマを創り出す |
荒岡浩志 |
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パーティに呼ぶよと言ったまま疎遠 |
小山紀乃 |
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三途の川呼び戻されて得た命 |
池田史子 |
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声掛けて見れば昔の知った顔 |
山内迪 |
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救急車呼ぶことになる一気飲み |
上原翔 |
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お呼びがないお金を貸せと言うてから |
内藤夢彦 |
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軒下の緑のカーテン涼を呼ぶ |
井上登美 |
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オアシスと呼べば煙草が旨くなる |
荒岡浩志 |
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海鳴りへ子の名を呼んだ母も老い |
久山節子 |
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宣伝のうまい話術で客を呼ぶ |
今野美恵子 |
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冗談のひとことが呼ぶ乱気流 |
黒嶋海童 |
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薫風を病める詩人の庭に呼ぶ |
長川哲夫 |
佳 |
類は類僕のレベルはどの辺り |
上野多惠子 |
佳 |
腹式呼吸鍛錬かさね吟を読み |
山本さとし |
佳 |
ヤッホーと呼べば山々響き合う |
みぎわはな |
佳 |
歯切れ良い声が客呼ぶ魚市場 |
古橋茂子 |
佳 |
天と地の怒りが呼応する文月 |
平井美智子 |
人 |
胸底に呼んでもいない君が棲む |
古橋茂子 |
地 |
炎暑なお連合い呼ぶか蝉の示威 |
上原翔 |
天 |
お盆には戻ってこいと呼ぶお経 |
矢野野薫 |
軸 |
淋しがりやの羅漢ひとつが風を呼ぶ |
山辺和子 |
兼題 「楽々」 黒嶋海童 選
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昨年の服らく楽と着る嬉しさよ |
樋口祐子 |
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楽々と行かぬ傘寿の癌告知 |
奥西勇人 |
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部活の子ペロリ三合の飯を食い |
矢野野薫 |
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年金で楽して暮らすおばあちゃん |
河端世起子 |
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北のミサイル楽々日本越えて飛び |
上野五柳 |
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猛暑日にエアコン付けて筆遊ぶ |
今野美恵子 |
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ケーブルで楽々山頂須磨の浦 |
大谷祝星 |
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楽らくと出来ると言ったのを悔やむ |
小山紀乃 |
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楽々と歩む毎日今は夢 |
井上登美 |
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畳んでくれる洗濯機を買いました |
倉周三 |
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ケセラセラそんな男が生きる道 |
河合敏夫 |
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割り切れば余生楽々ダンス靴 |
古橋茂子 |
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無理せぬと決めれば道はなだらかに |
山内迪 |
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楽々と仮想通貨に嵌り込む |
久山節子 |
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楽々とカジノ法案可決せり |
矢野野薫 |
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人踏み台に楽々世間渡る奴 |
山本さとし |
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楽々と入試問題サクラ咲く |
井上登美 |
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二度の職天下る椅子用意され |
倉周三 |
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幸せは楽々と翔ぶ水溜まり |
赤井花城 |
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年金で楽々暮らせ貯金なし |
前川和朗 |
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他人(ひと)は他人(ひと)私は私マイウェイ |
河合敏夫 |
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共稼ぎには楽々の余命表 |
上原翔 |
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楽々と手足を伸ばす妻の留守 |
平井美智子 |
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スマホなど楽々出来る言ったけど |
盛無球 |
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百歳を楽々越して何するの |
上野五柳 |
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楽々と出来た昔の鍬使い |
山内迪 |
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楽々の老後発泡酒と笑う |
岸本博子 |
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ゆったりと生きて苦労の皺がない |
野口修 |
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末っ子で兄らの後についていた |
盧光来 |
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ローン完済楽々となる家計の灯 |
延寿庵野 |
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楽々とスタイル隠すマタニティー |
延寿庵野 |
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がれき処理迷彩服が頼もしい |
村岡義博 |
佳 |
楽々を演じてかくす過去の傷 |
久山節子 |
佳 |
お姫さま抱っこされてる夢を見る |
みぎわはな |
佳 |
片意地を張らず義理にも縛られず |
平井美智子 |
佳 |
スルッと産まれスクスク育ちまだ独り |
池田史子 |
佳 |
心配はするな資金はたんとある |
上野多惠子 |
人 |
人生に楽々行ける道は無い |
みぎわはな |
地 |
ハードルを下げて楽々飛ぶ天狗 |
荒岡浩志 |
天 |
歳はただ楽々として刻まれぬ |
長川哲夫 |
軸 |
楽々と片足立ちがまだ出来る |
黒嶋海童 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
河合 敏夫 |
古橋 茂子 |
大谷 祝星 |
長川 哲夫 |
久山 節子 |
前川 和朗 |
盛 無球 |
平井美智子 |
山内 迪 |
延寿庵野 |
岸本 博子 |
黒嶋 海童 |
荒岡 浩志 |
今野美恵子 |
上野 五柳 |
牧野 和子 |
矢野 野薫 |
村岡 義博 |
上原 翔 |
盧 光来 |
山辺 和子 |
山本さとし |
倉 周三 |
みぎわはな |
上野多惠子 |
内藤 夢彦 |
井上 登美 |
池田 史子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
今津 隆太 |
奥西 勇人 |
野口 修 |
有岡 敏晴 |
森本 高明 |
桂 ひろし |
田中 俊子 |
中内眞佐子 |
河端世起子 |
中谷 光男 |
水田 裕子 |
青木 公輔 |
小山 紀乃 |
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