平成30年5月20日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「踊る」 みぎわはな選
|
スキップで帰ろう今日のいい知らせ |
二宮千栄幸 |
|
神戸祭りだ踊るアホーになり切って |
倉周三 |
|
踊る字もまだ元気です一行詩 |
長川哲夫 |
|
阿波踊り阿呆がいなくて行き詰まる |
山本としや |
|
ラストダンスのムードに怪しげな歩幅 |
倉周三 |
|
踊るのは貴方私が糸を操る |
黒嶋海童 |
|
トランプの一言世界踊らされ |
上野五柳 |
|
もうあかんアベノミクスに踊らされ |
桂ひろし |
|
答弁に疑惑の炎舞い上がる |
盧光来 |
|
祷りへと続く故郷の盆踊り |
平井美智子 |
|
ブラジルじゃサンバは村の盆踊り |
中桐徹 |
|
おだてには弱い吾輩すぐ踊る |
細川花門 |
|
頑張れるうちが花だよソソラソラ |
松本光江 |
|
お開きになれば始まるタコ踊り |
樋口祐子 |
|
お人好し踊るアホーのままあの世 |
中桐徹 |
|
一年生背で踊らすランドセル |
河合敏夫 |
|
するめ焼く網の上では蛸おどり |
河合敏夫 |
|
花がつお踊らせている冷や奴 |
村岡義博 |
|
好きという文字が踊っている手紙 |
平井美智子 |
|
ピエロにはなれず踊りの輪を抜ける |
安部美葉 |
|
連獅子の阿吽に火花散る舞台 |
岸本博子 |
|
差す手引く手玉三郎に酔い痴れる |
村上氷筆 |
|
ときめきを十七文字に踊らせる |
矢野野薫 |
|
山車の上男の意地が舞い踊る |
盧光来 |
|
盆踊り一つ踊れぬ無骨者 |
山本さとし |
|
深酒が寡黙な人も踊らせる |
盧光来 |
|
唐突に妻がはじめたフラダンス |
細川花門 |
|
呆け防止老女はじめたフラダンス |
大谷祝星 |
|
ダンスをすれば床がキシキシ音たてる |
沼尾美智子 |
|
二刀流です花柳流とサンバです |
樋口祐子 |
|
妻の掌の上で一生踊る幸 |
上野五柳 |
佳 |
句会とサンバどっち選ぼう五月晴 |
池田史子 |
佳 |
盆踊りワルツを許す伎芸天 |
桂ひろし |
佳 |
森加計のええじゃないかの総踊り |
今津隆太 |
佳 |
ラストワルツ踊る相手は決めてある |
山辺和子 |
佳 |
今もなおラストダンスを待っている |
井上登美 |
人 |
妻の手で踊る私の浅い読み |
前川和朗 |
地 |
世話役で踊っていたのは私だけ |
池田史子 |
天 |
踊らねば女の旬はすぐ過ぎる |
黒嶋海童 |
軸 |
踊り狂ううちにだんだんアホになる |
みぎわはな |
兼題 「身軽」 山内迪 選
|
風まかせ足の向くまま山頭火 |
倉周三 |
|
身軽さをばねにあちこち顔を出す |
宇山昌成 |
|
カタツムリ家を担いで独り旅 |
長野峰明 |
|
身ひとつで見果てぬ夢を持ち続け |
水田裕子 |
|
結婚も離婚も百均の判子 |
平井美智子 |
|
すっぱりと断捨離をして無一物 |
みぎわはな |
|
身軽さの虚勢ほんとは淋しん坊 |
大谷祝星 |
|
しがらみを捨てる身軽く成れる径 |
牧野和子 |
|
義経が八艘とんだ身の軽さ |
長野峰明 |
|
誘われた句会ひょこひょこやって来た |
細川花門 |
|
寅さんは鞄一つで旅に出る |
宇山昌成 |
|
空っぽになった私は自由です |
松本光江 |
|
スキップに足も心も弾んだ日 |
岸本博子 |
|
雲梯を孫と競っている身軽 |
黒嶋海童 |
|
胸中を吐露して今朝の身が軽い |
荒岡浩志 |
|
理屈抜き身軽に動く叩き上げ |
盧光来 |
|
身の軽さ気取って落ちた水溜まり |
斎藤功 |
|
無位無官やっと身軽になれました |
大谷祝星 |
|
独り者ちょっとパリまでジーパンで |
倉周三 |
|
八十路もう身軽く生きる道が好き |
牧野和子 |
|
良縁に恵まれないでまだ独身 |
前川和朗 |
|
健康で身軽なだけが取り得です |
井上登美 |
|
軽量の力士切れ味魅せる土俵際 |
山本としや |
|
軽装でひょいと乗ってく一人旅 |
二宮千栄幸 |
|
賞味期限切れて身軽になる身分 |
盛無球 |
|
子が巣だち身軽になって孤独です |
松本光江 |
|
身辺整理いつでも迎えに来ておくれ |
内藤夢彦 |
|
元気なら一人暮らしは気楽やで |
矢野野薫 |
|
天才棋士身軽に段を飛び越える |
盧光来 |
|
肩の荷を降ろしふたりのティータイム |
山辺和子 |
|
背負う荷の軽さが時に重荷です |
中内眞佐子 |
|
身を軽く生きて命がなお重い |
荒岡浩志 |
|
期待され身軽になれぬ独りっ子 |
盛無球 |
佳 |
身軽ってこんなにのどか深呼吸 |
沼尾美智子 |
佳 |
独身のせんべいぶとん身軽だな |
倉田雄登美 |
佳 |
介護終え自由な風を掌に |
山辺和子 |
佳 |
身軽さが受けてあちこち声かかり |
山本さとし |
佳 |
身軽さを満喫余生の独り旅 |
池田史子 |
人 |
身軽さと腰の低さは苦労人 |
有岡敏晴 |
地 |
身軽になる代りに受け入れた孤独 |
田中俊子 |
天 |
気が向けばひょいと出掛けるひとり旅 |
小山紀乃 |
軸 |
身軽さの中責任は持っている |
山内迪 |
兼題 「無念」 村岡義博 選
|
墓じまい息子も孫も異教徒に |
宇山昌成 |
|
幾万の兵の無念が眠る海 |
辰巳和子 |
|
殿のご無念晴らしましたぞ大石が |
上野五柳 |
|
理不尽に負けた夜酔えぬ梯子酒 |
みぎわはな |
|
無念さを心のばねと置きかえて |
二宮千栄幸 |
|
無念無想大道を行く小気味良さ |
村上氷筆 |
|
元彼があれほど出世するなんて |
清水尚子 |
|
究極の無念己に負けたこと |
盧光来 |
|
知覧入り無念の空の青思う |
岸本博子 |
|
妻だけが無念の涙理解する |
大谷祝星 |
|
幼な子が明石の浜で無念の死 |
矢野野薫 |
|
色と金無念無想の邪魔をする |
村上氷筆 |
|
利き酒の途中酩酊してしまう |
平井美智子 |
|
無念すて次のファイトへ心燃え |
山本さとし |
|
あの時にああもすればと言う涙 |
長野峰明 |
|
特攻機死んで帰れとそんな無茶 |
倉田雄登美 |
|
想っても言えず無念の字が重い |
古橋茂子 |
|
犯人逮捕しても返ってこぬ命 |
倉周三 |
|
風に散る花の無念をふと思う |
山辺和子 |
|
悲しい知らせ五月の樹下の車椅子 |
下山田靖子 |
|
冤罪は晴れず無念の涙跡 |
山辺和子 |
|
免罪の無念償う術はない |
池田史子 |
|
無念だが免許更新せず返す |
中谷光男 |
|
メモが無い時に名句がよく浮かぶ |
松本光江 |
|
花道の幕の向こうに落とし穴 |
細川花門 |
|
多情仏心君と私の過去すてる |
下山田靖子 |
|
美しく育てて嫁に出す無念 |
辰巳和子 |
|
ソ連から袈裟斬り食った後ろから |
長野峰明 |
|
レジ済んで半額セール始まった |
小山紀乃 |
|
雑兵の無念の声を聞く城址 |
田中俊子 |
|
全没の無念吹き飛ぶ五月晴れ |
岸本博子 |
|
表沙汰にしない無念の泣き寝入り |
山内迪 |
佳 |
ああ無念こんなよいのがなぜ独身 |
前川和朗 |
佳 |
来世こそ容姿端麗神に乞い |
清水尚子 |
佳 |
この歳で恋がつかめず無念です |
桂ひろし |
佳 |
スポーツの我が正道を踏みにじる |
長川哲夫 |
佳 |
離婚成立雨は斜めに降ってくる |
平井美智子 |
人 |
後輩に抜かれ上司に見放され |
黒嶋海童 |
地 |
マナーモード身をふるわせて訃の知らせ |
下山田靖子 |
天 |
無念にも耐えねばならぬ喪主の席 |
矢野野薫 |
軸 |
秀次の無念ぽつりとしずく高野槙 |
村岡義博 |
兼題 「明暗」 二宮千栄幸選
|
明暗は神のみが知る |
祈るのみ沼尾美智子 |
|
非情とや二者択一という裁き |
野口修 |
|
列車事故明暗きめる運の良さ |
今野美恵子 |
|
全没も落ちこみません明と暗 |
山内迪 |
|
一電車遅れて明暗分けた事故 |
河合敏夫 |
|
明暗の過去は語らぬ主義主張 |
水田蓉子 |
|
明暗をくっきり映し人模様 |
荒岡浩志 |
|
偽善者は笑みと涙を武器とする |
盧光来 |
|
明暗を分けたあの日の雨宿り |
矢野野薫 |
|
飛行機の後部座席で拾う運 |
平井美智子 |
|
ワンランク下げて難関突破する |
清水尚子 |
|
躓いた石に小さくある明暗 |
安部美葉 |
|
暗に蓋明を信じて耐えた道 |
池田史子 |
|
明暗を辿る双六道中記 |
赤井花城 |
|
友だけを勝たせた神の悪ふざけ |
前川淳 |
|
地獄極楽神の裁きを掌に受ける |
山辺和子 |
|
別れ道貧乏神に取りつかれ |
樋口祐子 |
|
明暗を公平にする日の神よ |
長野峰明 |
|
どの神が決めたか人生明と暗 |
盛無球 |
|
世は情け友と明暗分かち合う |
山内迪 |
|
明と暗振り子の機嫌問うてみる |
岸本博子 |
|
暗い顔してるが金は持ってはる |
今津隆太 |
|
明と暗運命線は信じない |
赤井花城 |
|
明暗の岐路に隠れている女神 |
有岡敏晴 |
|
明暗の岐路にサタンと神が立つ |
辰巳和子 |
|
暗闇に一閃のあり一行詩 |
長川哲夫 |
|
明暗のカギを操る運命線 |
長野峰明 |
|
列車事故五分遅れた運不運 |
倉周三 |
|
ちょっとコツ掴んで日の当たる椅子に |
小山紀乃 |
|
胸騒ぎ覚えて避けたバスの旅 |
田中俊子 |
|
明暗に分割できぬ綾がある |
斎藤功 |
佳 |
紙一重明暗分けた大津波 |
倉周三 |
佳 |
勝敗の一瞬に吹く浜の風 |
長川哲夫 |
佳 |
鮮やかに明暗を描く水墨画 |
辰巳和子 |
佳 |
土石流美田一夜で変り果て |
倉田雄登美 |
佳 |
明暗を分ける封書が今朝届く |
黒嶋海童 |
人 |
鼻の差で明暗分ける競馬場 |
矢野野薫 |
地 |
天使から時に魔女にもなる介護 |
盧光来 |
天 |
全没と天との友が両脇に |
黒嶋海童 |
軸 |
陰影をつけて文章盛り上げる |
二宮千栄幸 |
兼題 「縺れる」 黒嶋海童 選
|
人間模様編んで縺れてまた解き |
清水尚子 |
|
いじるほどほどけなくなる縺れ糸 |
村岡義博 |
|
千枚田遺産相続縺れ出す |
倉田雄登美 |
|
縺れるとめんどいものよ夫婦仲 |
松本光江 |
|
金と愛執着心でもつれ合う |
小倉修一 |
|
近頃は艫と舳先で縺れない |
中桐徹 |
|
骨揚げの箸が縺れる喉仏 |
古橋茂子 |
|
縺れたまま夫婦喧嘩はエンドレス |
前川和朗 |
|
清貧で縺れる金もない平和 |
中桐徹 |
|
ていねいに解く夫婦の縺れ糸 |
村上氷筆 |
|
春の雲縺れほどいて笑ってる |
水田裕子 |
|
酌み合えばするりと解ける縺れ糸 |
辰巳和子 |
|
操りのマリオネットが縺れだす |
水田蓉子 |
|
父母が逝きとことん縺れだす絆 |
安部美葉 |
|
感情が出すぎて仲が縺れだし |
山本さとし |
|
話すにも舌が縺れてどんならん |
矢野野薫 |
|
痴話喧嘩仲裁入りなお縺れ |
みぎわはな |
|
ゆっくりと解こう親と子の絆 |
平井美智子 |
|
愛が有る間は解ける縺れ糸 |
盛無球 |
|
人間模様縺れぬように蝶結び |
田中俊子 |
|
一言がこんな縺れになろうとは |
二宮千栄幸 |
|
核心を衝かれもつれる脳回路 |
山辺和子 |
|
結び目が縺れ苛立つ五指十指 |
野口修 |
|
やましさに舌の縺れるご答弁 |
村上氷筆 |
|
もつれつつ扶け合いつつ来た縁 |
池田史子 |
|
初デート縺れた舌でプロポーズ |
河合敏夫 |
|
諸事情で縺れましたと澄まし顔 |
斎藤功 |
|
あっけなく縺れることもない別れ |
荒岡浩志 |
|
一言で縺れ家裁で更に揉め |
細川花門 |
|
忖度をした役人がもつれさす |
今津隆太 |
|
もつれても諭吉配れば仲直り |
今津隆太 |
|
慶弔に馴れぬ言葉が縺れ出す |
河合敏夫 |
|
これも愛嘘と誠が縺れ合い |
盛無球 |
佳 |
天と地の縺れ試練に生きている |
岸本博子 |
佳 |
昭和製の左脳がついに縺れだす |
盧光来 |
佳 |
母の一言もつれた仲を縒り戻す |
山辺和子 |
佳 |
嫁姑縺れぬうちにさようなら |
上野五柳 |
佳 |
脚のもつれ老いは顔からダイビング |
村岡義博 |
人 |
縺れ糸気長に解く年の功 |
長野峰明 |
地 |
結局は金の話という縺れ |
平井美智子 |
天 |
握手した指が縺れてからの乱 |
野口修 |
軸 |
愛憎の縺れ火となる水となる |
黒嶋海童 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
大谷 祝星 |
長川 哲夫 |
長野 峰明 |
山内 迪 |
牧野 和子 |
松本 光江 |
水田 蓉子 |
小倉 修一 |
岸本 博子 |
今野美恵子 |
沼尾美智子 |
森本 佳子 |
河合 敏夫 |
盛 無球 |
上野 五柳 |
宇山 昌成 |
倉田雄登美 |
前川 和朗 |
山本としや |
今津 隆太 |
桂 ひろし |
荒岡 浩志 |
村上 氷筆 |
二宮千栄幸 |
安部 美葉 |
山辺 和子 |
細川 花門 |
斎藤 功 |
盧 光来 |
みぎわはな |
中桐 徹 |
前川千津子 |
倉 周三 |
村岡 義博 |
井上 登美 |
内藤 夢彦 |
黒嶋 海童 |
野口 修 |
平井美智子 |
下山田靖子 |
清水 尚子 |
山本さとし |
矢野 野薫 |
前川 淳 |
池田 史子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
中谷 光男 |
有岡 敏晴 |
古橋 茂子 |
田中 俊子 |
中内眞佐子 |
水田 裕子 |
小山 紀乃 |
辰巳 和子 |
※作品の著作権は、全てきやびん川柳会に帰属しています。無断転載、無断使用はご遠慮ください。