平成29年9月24日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「行楽」  桂ひろし 選
行楽の話飛び込む夏の果て 水田蓉子
熊注意実りの秋の登山道 河合敏夫
木道を渡る初秋の風さやか 清水尚子
秋天の真下で探す行楽地 野口修
鈍行の窓も楽しむ秋の旅 盛無球
子らが笑む弁当競う行楽地 荒岡浩志
地球儀を回して決める行楽地 宇山昌成
行楽も暮れて疲れにふと気づく 荒岡浩志
行楽は家族サービスくたびれる 倉田雄登美
故郷へ行楽かねて二年振り 上野五柳
初もみじ見たさに登る月見山 矢野野薫
行楽も色々迷うカラー刷り 今野美恵子
台風の進路気にする行楽地 倉周三
行楽は日帰りにした八十路です 宇山昌成
寄り道をして楽しんだ秋の午後 盛無球
好き勝手言えば決まらぬ温泉地 盛無球
カメラ手に行楽撮りの車椅子 山本としや
行楽地近場あれこれ模索する 大谷祝星
萩すすき小首かしげて秋ロマン 松本光江
利き酒でへろへろになる行楽地 矢野野薫
行楽にみんな生き生き輝いて 倉田雄登美
天の橋立おっくうになる股覗き 村岡義博
秋の野にくたびれ貰う行楽地 斎藤功
行楽は大納言入り赤飯で 樋口祐子
日本好きどこにでもある行楽地 宇山昌成
蜩が乾く舞台を秋にする 長川哲夫
ぶつかりそうスマホ片手の行楽地 井上登美
散る紅葉見ながら飲むは最高や 上野五柳
行楽の列を横目に送る園 池田史子
母の背を流して星の露天風呂 平井美智子
ななかまどに魅せられて一服す 清水尚子
穏やかな行楽地にもある死角 野口修
秋風がふわりと包む紅葉茶屋 平井美智子
外国に来たかと思う行楽地 中桐徹
ピクニック亡母の握りがなつかしい 安部美葉
老いの殻脱いで行楽楽しみぬ 大谷祝星
行楽地避けてゆっくり絵画展 山辺和子
行楽を兼ねて家族で稲を苅る 矢野野薫
行楽も苦手となった膝小僧 大谷祝星
行楽地鹿頭下げ寄って来る 延寿庵野
コスモスの迷路に遊ぶ行楽日 桂ひろし

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兼題  「宝」  水田蓉子 選
預かったお宝悪戯して困る 河合敏夫
お宝はあなた手に手を取って半世紀 下山田靖子
夫婦愛形持たない宝物 盛無球
欲しいまま手にした宝身につかず 安部美葉
いつの日か捨てられる身の玉手箱 清水尚子
家宝など無いが平和な共白髪 奥西勇人
お宝は鑑定までが熱こもる 中谷光男
ガラクタが子等には宝捨てられぬ 森本佳子
年重ね気の合う友は宝物 今野美恵子
最高の宝は共に来た月日 久山節子
宝塚生涯の趣味飽きず見る 森本佳子
晩節にお金は宝とも思う 牧野和子
杖をつき生きる力を宝とする 前川千津子
たくさんの人との出会い宝物 川畑めぐむこ
かけがえの無い友情という宝 赤井花城
鑑定に出すまでだった宝物 有岡敏晴
蝶や宝と育てた子らが牙を剥く 前川淳
アルバムの中で笑っている宝 平井美智子
うるわしき過疎にひびくよ呱呱の声 松本光江
お互いを宝と思い支えあう 辰巳和子
ありがとう感謝の心宝です 井上登美
脛齧る宝が二人うちに居る 中桐徹
健康が宝だと知る昨日今日 中桐徹
孫という宝に嫁はふれさせず 丸田坡
健康が宝ストレス無いように 小山紀乃
震災が価値観変えてガラクタに 岸本博子
お宝と信じ贋作握り締め 荒岡浩志
母子手帳子育てママの宝物 大谷祝星
鑑定に出すまで家宝だった壺 倉周三
おたがいに宝と信じ夫婦独楽 野口修
宝刀を出して止めを刺しておく 延寿庵野
お祭りも土地に根づいた宝物 今野美恵子
子は宝なんて思えぬ反抗期 有岡敏晴
働いたこの年金が宝です 今津隆太
お宝は妻と子供と諭吉さま 矢野野薫
宝石箱に女の見栄が詰めてある 矢野野薫
称賛も挫折も君のたから物 久山節子
北斎の命を刻む富士に逢う 長川哲夫
恙無く生きて元気と言う宝 奥西勇人
無二の友これ以上ない宝物 牧野和子
胎動の宝大事な母となる 水田蓉子

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兼題  「地球」  矢野野薫 選
昨今の地球の上は疎ましい 二宮千栄幸
地震水害地球のさけび聞いた朝 下山田靖子
異常気象きっと地球の病む姿 奥西勇人
八十余年住めば地球を見失う 山内迪
ずっとずっと輝けますか青い星 長川哲夫
地球発銀河鉄道夢の国 河合敏夫
老いて知る地球があって人が居る 上野五柳
青い地球その後の沙汰はまだ聞かぬ 野口修
温暖化地球の傷が治らない 山辺和子
地球まるごとおれの城だと虚勢張る 安部美葉
硝煙が絶えぬ地球がよく軋む 延寿庵野
カッシーニ地球へ送る未知の絵図 延寿庵野
地球での旅人だったこの命 長川哲夫
夕焼けの美麗地球は保たねば 盛無球
地球汚せばしっぺ返しの罪がくる 中谷光男
反戦を歌い続けている地球 山辺和子
地球病み天災人災波寄せる 水田蓉子
近頃の地球に起こる不整脈 河合敏夫
海は羊水地球誕生物語 村岡義博
地球には未来への夢あふれてる 森本佳子
よくもまあ争い好きなこの地球 中桐徹
青い地球子子孫孫にゆずりたい 桂ひろし
人間にあきたら地球離れます 田中俊子
人間が消えれば地球蘇る 宇山昌成
母は地球に舞い降りた天使です 森本高明
まごころの転がっているこの地球 樋口祐子
地球お前も恋の雫が欲しいのか 青木公輔
痴話喧嘩もこじれりゃ地球規模になる 有岡敏晴
漠然と地球に住んで愚痴こぼす 今野美恵子
神様の領土で起こす小競り合い 平井美智子
地球一周しよう毎日歩いてる 沼尾美智子
エアコンを僕も欲しいという地球 黒田忠昭
美しい青い地球は壊されぬ 牧野和子
ふあふあと地球も我も浮いている 中内眞佐子
宙に浮く青い地球を擁く夢 荒岡浩志
人間のエゴに地球が痩せて行く 辰巳和子
わがままのヴェール息苦しい地球 岸本博子
悠久に青い地球でいて欲しい 奥西勇人
断層が網目模様に這う地球 安部美葉
地球儀がまわる静かに血が匂う 桂ひろし
悪魔のツール地球を壊す日が迫る 山本としや
飽食と飢餓に地球のウラオモテ 清水尚子
地球には神も仏も匙を投げ 矢野野薫

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兼題  「伝える」  山辺和子 選
「おやすみあなた」となり部屋から着メール 下山田靖子
呆けぬ間に妻へ伝える「ありがとう」 大谷祝星
長トイレ津波警報聞きそびれ 黒田忠昭
白塗りで見栄切る子等の村歌舞伎 清水尚子
母さんの秘伝肉じゃが玉子焼 小山紀乃
ミサイルは打つなと北へ伝書鳩 前川淳
草枕地球の呼吸じわじわと 池田史子
連綿と子子孫孫が継ぐ口伝 赤井花城
後世へ伝える原爆の悲惨 盛無球
文字の無い文化言葉で受け継がれ 有岡敏晴
脈々と父子相伝の芸の道 赤井花城
柩にも感謝伝える文一通 水田蓉子
ベンチから打てのサインを出すコーチ 矢野野薫
あれ程に念を押したが遠い耳 二宮千栄幸
玉音が負けを伝えた過去拾う 桂ひろし
中国語わたしの手話が四苦八苦 河合敏夫
ぜいたくは敵と伝えた戦前派 宇山昌成
後世に伝えなければ戦の愚 辰巳和子
恋しいと祈り伝える鼻濁音 井上登美
スピードはあるが電話じゃ物足りず 山内迪
なにもかもスマホに頼り無口です 今野美恵子
遠い訃へそっと伝える永遠の愛 久山節子
親友に伝える私への物議 前川千津子
糸電話聞こえますかと無邪気な子 矢野野薫
もがいても伝え切れない胸の奥 荒岡浩志
延命はいらぬと記す覚え書き 平井美智子
火の門をくぐる裸の伝道者 前川淳
誤字脱字なれど伝わるのはこころ 野口修
秋ですよ銀杏一枚落ちてくる 浜知子
木簡にうっすら浮かぶ古代文字 田中俊子
幸せを亡母に伝える秋彼岸 平井美智子
ゆずり葉が子等の芽吹きを待っている 長川哲夫
伝言ゲーム終れば消えていた噂 青木公輔
伝えたい紙ヒコーキに本音載せ 岸本博子
住職の遷化伝えるクジラ幕 桂ひろし
の秋伝えてくれた赤トンボ 松本光江
映像で知るふるさとは水浸し 樋口祐子
消しては書いた伝言板に浮く未練 安部美葉
さよならと書けないそっと旅に出る 荒岡浩志
無人駅降りて伝わる季の巡り 野口修
絵手紙に添えた一言胸を打ち 山辺和子

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兼題  「手」  長川哲夫 選
やわらかな手触りで選る介護服 田中俊子
無理かなと百八歳へ手を伸ばす 小山紀乃
計算が早い男の細い指 浜知子
里山も手入れ仰げず淋しそう 中谷光男
来年の手帳平成最後やね 今津隆太
老いた手が今日の縺れを解く風呂場 荒岡浩志
母介護疲れた両手じっと見る 桂ひろし
君を抱くための両手を空けてある 平井美智子
初恋の目隠しなんてセピア色 井上登美
手は今日も掴んでみたり離したり 野口修
手抜きにもめげず育ちし子が眩し 清水尚子
不器用に成ってしまった節くれ手 斎藤功
いつからか亡母に似てきた甲の染み 沼尾美智子
丸腰と素手で勝負する勇気 岸本博子
手にしたら試したくなるのが兵器 盛無球
手にホタルあなたと思い抱きしめる 桂ひろし
手だけは掛けさせまいと娘を思い 前川淳
指折って字余り一つ消せぬまま 野口修
国宝が器用な手から生まれてる 森本佳子
ふと触れた手に走ったは何んだろう 二宮千栄幸
母の手は千手さまより行き届き 丸田坡
素手ですと手の内みせる土俵入り 村岡義博
字をなぞる母の手の指忘られず 倉田雄登美
ジャンケンポン千手観音には負ける 河合敏夫
握手しただけで終った夏の海 宇山昌成
母送る虚しい風を手に握る 安部美葉
撥にぎる手はゴツゴツと秋祭り 矢野野薫
母の背を撫ぜる手に降る蝉時雨 荒岡浩志
手を合わす泪が白い花になる 水田裕子
手の平に少し残っている昨日 山辺和子
握られた手の温もりにかけてみる 水田蓉子
もみじの手でっかい夢をつかんでね 河端世起子
手つなぎはきっと介護に見えるだろ 二宮千栄幸
手間掛ける子供の駄々に苦笑い 斎藤功
次の手を待って人生強くなる 中内眞佐子
流暢な手話の十指のあたたかさ 赤井花城
病む母の握り返した手の温み 松本光江
千手観音わたしを救う手を探す 河合敏夫
美しい手だねと病夫に誉められる 豊野光子
握り合うベッドの妻の手が細い 宇山昌成
手で拭いた涙私怒ってる 前川千津子
次郎ちゃんがお手手にくれたさくら貝 下山田靖子
杖を持つ手はあきらかに陽に焼けた 前川千津子
五穀豊穣猫の手借りる過疎の村 長川哲夫

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【出席者】 (順不同・敬称略)
大谷 祝星 山本としや 久山 節子 中桐  徹 水田 蓉子 矢野 野薫
宇山 昌成 前川千津子 岸本 博子 今野美恵子 桂 ひろし 平井美智子
清水 尚子 安部 美葉 山辺 和子 盛  無球 延寿庵野 沼尾美智子
野口  修 斎藤  功 河合 敏夫 森本 佳子 上野 五柳 牧野 和子
長川 哲夫 二宮千栄幸 村岡 義博 山内  迪 下山田靖子 荒岡 浩志
青木 公輔 倉田雄登美 丸田  坡 松本 光江 井上 登美 池田 史子
前川  淳 倉  周三 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
奥西 勇人 森本 高明 豊野 光子 今津 隆太 有岡 敏晴 田中 俊子
河端世起子 川畑めぐむこ 水田 裕子 中谷 光男 浜  知子 黒田 忠昭
辰巳 和子

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