平成29年7月23日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「ほどほど」 みぎわはな選
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傘寿やろ酒も女もほどほどに |
倉周三 |
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病んでみてほどほどと言う事を知る |
前川千津子 |
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ほどほどで暮らすも良いがおもろない |
内藤夢彦 |
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これからは猫の暮らしが丁度よい |
長川哲夫 |
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ほどほどと言うプライドの難しさ |
斎藤功 |
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何事もほどほどが好き身の軽さ |
清水尚子 |
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ほどほどがいい健康も蓄えも |
村岡義博 |
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ほどほどに食べて歌ってまだ此の世 |
平井美智子 |
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行ったり来たりいい運動の探しもの |
長川哲夫 |
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お祝いにいくら包めばほどほどか |
上野五柳 |
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ほどほどの友で可も無し不可も無し |
安部美葉 |
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暑いさなか自慢ばなしはほどほどに |
倉田雄登美 |
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ほどほどに聞き流しては怒る妻 |
今野美恵子 |
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ほどほどに急所外して攻める奴 |
河合敏夫 |
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燃えた恋ほどほどで炎(ひ)は消せぬもの |
牧野和子 |
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返り血を浴びない距離で怒鳴っとく |
盧光来 |
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一日一生分相応に生きている |
樋口祐子 |
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ほどほどは歯痒いと言い彼女逃げ |
内藤夢彦 |
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クーラーが寒い暑いと文句言い |
樋口祐子 |
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ほどほどに呑んで勘定頭割り |
山本としや |
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立つ腹を斜めにさせるほどの酒 |
長川哲夫 |
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母の言うほどほどやっと理解する |
前川千津子 |
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ほどほどに鉾を納める老いの知恵 |
大谷祝星 |
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長生きもほどほど嫁が睨んでる |
盧光来 |
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ほどほどで止まらないのが人の癖 |
牧野和子 |
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懸命にやれと孫から叱られる |
斎藤功 |
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ほどほどの愛も絡めて痴話喧嘩 |
盛無球 |
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優柔不断?あがらぬ日日憂い |
清水尚子 |
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聞き上手付かず離れず頷いて |
盧光来 |
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過不足なき匙加減知る道のりよ |
水田裕子 |
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貸し借りは無かった事にする別れ |
河合敏夫 |
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ほどほどに開いた百合の下心 |
岸本博子 |
佳 |
金持ちのほどほどぼくは払えない |
上野五柳 |
佳 |
美人薄命わたしぐらいがちょうどいい |
倉周三 |
佳 |
ほどほどに来た道先も曇り空 |
岸本博子 |
佳 |
ほどほどの距離の馴れという恐さ |
山内迪 |
佳 |
ほどほどが許せなかった赤い薔薇 |
平井美智子 |
人 |
番犬の鎖の距離にある自由 |
河合敏夫 |
地 |
ほどほどに好かれています生き上手 |
大谷祝星 |
天 |
ほどほどを火傷の跡に思い知る |
荒岡浩志 |
軸 |
ガッツンは母ほどほどは父の檄 |
みぎわはな |
兼題 「塩」 安部美葉 選
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鷲づかみ最後の塩を撒く力士 |
山本としや |
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良い話塩漬けにして取っておく |
奥西勇人 |
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五十年やっと解った塩加減 |
辰巳和子 |
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一人居は塩をきかせて生きている |
牧野和子 |
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塩断ちをしてくれたのも母の愛 |
赤井花城 |
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歯がゆいと粗塩振って弟子磨く |
みぎわはな |
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塩分は黙認し合う夫婦箸 |
赤井花城 |
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サシスセソ塩の力を知る砂糖 |
上野五柳 |
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つながれて牛は岩塩なめつくす |
桂ひろし |
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一振りの塩が決め手のシェフの味 |
辰巳和子 |
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三分粥妻のやさしい塩加減 |
豊野光子 |
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笑顔して心ん中で塩をまく |
中内眞佐子 |
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ひとふりの塩梅客を唸らせる |
岸本博子 |
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三代目漬物石に浸みる塩 |
河合敏夫 |
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若葉萌え手塩にかけた子が育つ |
倉田雄登美 |
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娘が嫁ぐ手塩にかけた父無言 |
松本光江 |
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人情も塩も薄めをもてはやす |
岸本博子 |
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宿敵へ武士の情と塩送る |
倉周三 |
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新入も慣れた頃だと塩で揉む |
斎藤功 |
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また一軒盛り塩消えた小料理屋 |
内藤夢彦 |
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塩加減確かな母の指の数 |
丸田坡 |
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いい塩梅肩の凝らない位置にいる |
田中俊子 |
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炎天下塩おにぎりがご馳走で |
井上登美 |
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うす塩に素材の旨味倍加され |
池田史子 |
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塩効いて甘いですねと言う不思議 |
斎藤功 |
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勝ち名乗りよりも人気の塩の量 |
中桐徹 |
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塩でタレでと指図してくる焼き鳥屋 |
村岡義博 |
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敵に塩贈ってまでの機嫌取り |
山内迪 |
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真実は一つ塩分過多というカルテ |
野口修 |
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新米が何より美味い塩にぎり |
川畑めぐむこ |
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盛り塩の型も崩れる小糠雨 |
田中俊子 |
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諦めることも大事と塩昆布 |
平井美智子 |
佳 |
塩味がいちばん採れたてのトマト |
沼尾美智子 |
佳 |
おこげに塩握っためしは母の味 |
倉田雄登美 |
佳 |
塩すこし効かせたメール打っておく |
小山紀乃 |
佳 |
屈辱を呑んだ涙の塩辛さ |
長野峰明 |
佳 |
塩飴をカリリと夏へ立ち向かう |
平井美智子 |
人 |
人間が好きライバルに送る塩 |
山辺和子 |
地 |
大切な塩ひとつかみ母の味 |
井上登美 |
天 |
塩麹塗って私を熟成す |
みぎわはな |
軸 |
白すぎる塩に女は罪かくす |
安部美葉 |
兼題 「空く」 内藤夢彦 選
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鉛筆の芯が空しい文字を書く |
野口修 |
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手が空いた人から食べる農繁期 |
田中俊子 |
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いつからか隙間だらけの愛になる |
小山紀乃 |
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空っぽのこころに白い花が咲く |
豊野光子 |
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地方紙が空き間を埋めて旬の便 |
清水尚子 |
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席ひとつ取ってあるのに友が来ず |
前川千津子 |
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空きそうな座席一斉視線向け |
二宮千栄幸 |
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イケメンの隣り空席誰が来る |
牧野和子 |
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妻は旅今日は何んにもしない日に |
盛無球 |
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空腹を必死に耐えていた時代 |
赤井花城 |
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戦終ったあの夏の空きっ腹 |
赤井花城 |
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語り部の彼の見事さ胸が空く |
井上登美 |
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シルバーシート空くのを待って前に立つ |
山本としや |
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ユーレイが出るという部屋格安で |
みぎわはな |
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バリュームが満足させた空きっ腹 |
河合敏夫 |
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一人分こころ空かして待ってます |
岸本博子 |
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スカスカの脳に注入愛のムチ |
池田史子 |
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空けた穴黙って埋めてくれた母 |
平井美智子 |
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空っぽになった私は自由です |
松本光江 |
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スケジュール空いても体動かない |
山内迪 |
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行列の隣向かいも空いた店 |
岸本博子 |
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棚いっぱい空き箱残し母は逝き |
中桐徹 |
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極楽が空くまで待っているわたし |
樋口祐子 |
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空っぽの筈の頭が重くなる |
丸田坡 |
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必要に駆られて空きのない机上 |
山内迪 |
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どうしよう心が空(す)か空(す)か日の暮れる |
中内真佐子 |
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空いた椅子狙う目と目で火花散る |
盧光来 |
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もう一人座れる筈と目で数え |
中桐徹 |
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愛犬が逝って心に穴が空く |
山辺和子 |
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人生の長さ酒樽空にする |
長川哲夫 |
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ローカル線不埒な真似はできません |
村岡義博 |
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ガラ空きの電車に乗って読書旅 |
水田裕子 |
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大空へ心を空けて深呼吸 |
斎藤功 |
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空き腹に愛を沈めるロゼワイン |
安部美葉 |
佳 |
グイと空けたグラスに潜んでいた媚薬 |
みぎわはな |
佳 |
約束は反故にぽっかり空く時間 |
山辺和子 |
佳 |
お手空きならボランティアで熊本へ |
倉周三 |
佳 |
うたかたの恋の空く道雲流れ |
倉田雄登美 |
佳 |
空席を待つ生き方はしたくない |
牧野和子 |
人 |
しめ縄の向う千年神は留守 |
上野五柳 |
地 |
戦後からダイエットへと空腹史 |
村岡義博 |
天 |
空き時間自分磨きに励む夏 |
井上登美 |
軸 |
二杯目がなかなか空かぬ老い二人 |
内藤夢彦 |
兼題 「席」 二宮千栄幸選
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定員超過席を空けろと追い出され |
山本としや |
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とどめ刺す隅の席から手を上げる |
盧光来 |
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立たされた廊下の隅はボクの席 |
長川哲夫 |
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改憲まで席は譲らぬ安倍の意地 |
盛無球 |
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非常時に備えて席は通路側 |
中谷光男 |
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二百キロが飛び込んで来る砂被り |
盛無球 |
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堂々と家風を変える嫁の席 |
安部美葉 |
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新郎の席ほんとうは俺の筈 |
丸田坡 |
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婆ちゃんに席ゆずったに割込まれ |
倉田雄登美 |
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采配の妙満席にする講座 |
山内迪 |
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窓際の席も次来て押し出され |
上野五柳 |
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歌手が来る暑さに耐えて前の席 |
今野美恵子 |
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目途とする席はやっぱり百を越え |
野口修 |
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横顔のあなたが見える指定席 |
小山紀乃 |
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席順がはじまりでした冷えた仲 |
川畑めぐむこ |
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次は誰かと慰め合うた通夜の席 |
矢野野薫 |
|
席順を和みに変える順不同 |
荒岡浩志 |
|
駅裏の茶房に恋の指定席 |
山辺和子 |
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胸さわぎ隣の席のミステリー |
青木公輔 |
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頂点の席をゆすって居る野心 |
長野峰明 |
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宴会に上司の隣酔いもせず |
河端世起子 |
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親任せ祖父母気楽に外野席 |
岸本博子 |
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席順で話題異なる同期会 |
井上登美 |
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女子会の席の隣は要耳栓 |
みぎわはな |
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出囃子にひいきの高座華となる |
清水尚子 |
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犬が見る我が家の席次入れ替わる |
河合敏夫 |
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あと一人座れますよと詰める席 |
平井美智子 |
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火の粉被らぬ席で気楽な次男坊 |
倉周三 |
|
砂被り時に行司も飛んでくる |
中桐徹 |
|
頂点の席で梯子を外される |
延寿庵野 |
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後ろから二番目僕の指定席 |
樋口祐子 |
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席替えへ悲喜交々な新学期 |
倉周三 |
佳 |
次の世も君の隣を予約する |
平井美智子 |
佳 |
空席を狙う野望が群れを為す |
野口修 |
佳 |
にんげんの温み持ってる自由席 |
長野峰明 |
佳 |
末席が本意をついてくる気配 |
安部美葉 |
佳 |
席替えて長引く話や西日射す |
中内真佐子 |
人 |
新快速席はゆずれぬ距離長い |
丸田坡 |
地 |
天敵と相席になる五時の酒 |
山本としや |
天 |
神がくれたかキャンセルで取れた席 |
赤井花城 |
軸 |
昼席で暑さ忘れてアハハハハ |
二宮千栄幸 |
兼題 「備える」 斎藤功 選
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ひと日ひと日備えの綱は離さない |
樋口祐子 |
|
貴重品入れた袋は父の役 |
前川千津子 |
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最終章何を備えて生きようか |
牧野和子 |
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嫁ぐ日へ備えこつこつ貯めている |
山辺和子 |
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準備万端静かに夜明け待つ戦 |
安部美葉 |
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万一に備えています頭陀袋 |
赤井花城 |
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見廻って田の状態を把握する |
山内迪 |
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元気ですコンドロイチン飲んでます |
松本光江 |
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災害へ備えるつもりいのち綱 |
水田蓉子 |
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寿命延び備えの資金底みせる |
中谷光男 |
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非常食無駄になる日のありがたさ |
奥西勇人 |
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消火器を備えて花火打ち上げる |
桂ひろし |
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念のためバケツに水を汲んで寝る |
辰巳和子 |
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治に居て乱を忘れず握りめし |
倉田雄登美 |
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台風に備え側溝掃除する |
井上登美 |
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神様も備え不足で被災する |
丸田坡 |
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期限切れ効けよと祈る常備薬 |
荒岡浩志 |
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守備範囲広げて巡る酒のれん |
延寿庵野 |
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母さんは笑顔の予備を持っている |
平井美智子 |
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リリーフエースピンチに備え肩慣らし |
倉周三 |
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エンディングノートを終えて今朝の凪 |
清水尚子 |
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万一に備えた諭吉消える夏 |
盛無球 |
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安売りにのった言い訳備蓄です |
岸本博子 |
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何の備えもしてない次女が先嫁ぐ |
盧光来 |
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枝豆も冷えたビールも帰宅待つ |
小山紀乃 |
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備え良し後はチャンス待つばかり |
長野峰明 |
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三拍子備えた息子来ない嫁 |
今津隆太 |
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再婚に備え寝室模様替え |
矢野野薫 |
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百年を生きる備えは怠らぬ |
野口修 |
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織り込んだ嘘思い出す備忘録 |
荒岡浩志 |
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「備忘メモ」という言い訳知りました |
水田裕子 |
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散骨へ備え海辺を見て回る |
樋口祐子 |
佳 |
呼名する声に気遣い飴一つ |
河合敏夫 |
佳 |
南海トラフ役立つかなあ此のザック |
みぎわはな |
佳 |
手術前もしもに備えサインする |
盧光来 |
佳 |
断捨離の次は終活遺言書 |
内藤夢彦 |
佳 |
現状の維持へ備えるコラーゲン |
大谷祝星 |
人 |
飢餓はいや備蓄している皮下脂肪 |
村岡義博 |
地 |
備えあり憂いもあって独り酌む |
山本としや |
天 |
半分は明日に残しておく笑顔 |
平井美智子 |
軸 |
冗舌も逝く日に備えたんと吐く |
斎藤功 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
大谷 祝星 |
丸田 坡 |
牧野 和子 |
盧 光来 |
延寿庵野 |
河合 敏夫 |
倉田雄登美 |
山本としや |
清水 尚子 |
水田 裕子 |
中内真佐子 |
盛 無球 |
中桐 徹 |
二宮千栄幸 |
斎藤 功 |
沼尾美智子 |
上野 五柳 |
山辺 和子 |
岸本 博子 |
今野美恵子 |
村岡 義博 |
荒岡 浩志 |
平井美智子 |
井上 登美 |
前川千津子 |
山内 迪 |
松本 光江 |
倉 周三 |
内藤 夢彦 |
みぎわはな |
長川 哲夫 |
安部 美葉 |
池田 史子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
奥西 勇人 |
水田 蓉子 |
長野 峰明 |
辰巳 和子 |
川畑めぐむこ |
矢野 野薫 |
野口 修 |
今津 隆太 |
豊野 光子 |
森本 高明 |
田中 俊子 |
河端世起子 |
小山 紀乃 |
桂 ひろし |
青木 公輔 |
中谷 光男 |
前川 和朗 |
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