平成29年5月28日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「緑」 上野五柳 選
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テロの無い緑の日本誇りたい |
長川哲夫 |
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お手植えに賑わう今日の植樹祭 |
清水尚子 |
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ふる里の緑なつかし若葉和え |
沼尾美智子 |
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旅友と心通わす緑茶の香 |
宇山昌成 |
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信号の緑を青と呼ぶ不思議 |
盛無球 |
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被災した牛の餌生む野原焼き |
山本としや |
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紫陽花のみどりに恋をした蛙 |
倉周三 |
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鯉のぼり緑の風に二日酔い |
中桐徹 |
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緑亀旅立ったまま戻らない |
延寿庵野 |
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緑百景恋も希望も爽やかで |
青木公輔 |
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枯木にも緑の芽吹きさあ青春 |
今野美恵子 |
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キッチンを緑で満たす水栽培 |
池田史子 |
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リハビリに新緑を浴び日焼けする |
荒岡浩志 |
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夏匂う詩歌の森は萌葱色 |
井上登美 |
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プロポーズ緑の風におんぶされ |
前川和朗 |
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脇役のパセリの位置が決まらない |
山辺和子 |
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母の樹に抱かれ緑を補充中 |
平井美智子 |
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廃屋では今も待ってる多年草 |
松本光江 |
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五月の恋はペパーミントの味がする |
下山田靖子 |
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帰ろかな山のあなたの故郷恋し |
松本光江 |
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緑なす黒髪なんて辞書の隅 |
中桐徹 |
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柩よ止まれみどりの風にきえた男(ひと) |
下山田靖子 |
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里かける風は緑で話し好き |
前川和朗 |
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箱苗の出揃いたくましい緑 |
山内迪 |
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母眠る里は緑か茶摘み唄 |
長川哲夫 |
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瘡蓋の下で芽吹いている緑 |
平井美智子 |
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青嵐に耳を澄ませば時鳥 |
矢野野薫 |
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ぞわぞわと緑になってゆく妬心 |
平井美智子 |
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草原を枕に我欲ぬぎすてる |
安部美葉 |
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緑さす山したたりて夏帽子 |
久山節子 |
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新緑に見え隠れする遍路笠 |
清水尚子 |
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終末はとても悲しい緑亀 |
河合敏夫 |
佳 |
発芽した十五の春は薄みどり |
倉周三 |
佳 |
煙突もくもく緑を消していくようだ |
青木公輔 |
佳 |
ビギナーが解った顔で芝目読む |
河合敏夫 |
佳 |
緑青の伽藍に足したハトの糞 |
村岡義博 |
佳 |
幸せはきっとこの色風みどり |
倉周三 |
人 |
松が枝に恋の未練が引っ掛かる |
みぎわはな |
地 |
万緑の中に一点私居る |
斎藤功 |
天 |
生き恥の重さと歩く青葉風 |
安部美葉 |
軸 |
小さい恋緑の風に乗って来た |
上野五柳 |
兼題 「空気」 井上登美 選
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頑固一徹空気は読めぬまま生きる |
豊野光子 |
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空気読む天才亡母のまぜご飯 |
沼尾美智子 |
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良い空気吸いませんかと美人から |
前川千津子 |
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若葉萌え緑の空気一人占め |
荒岡浩志 |
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戻ってきたサイフ空気も弾んでる |
田中俊子 |
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宇宙服空気きれいで若返る |
山本としや |
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感謝して朝の空気を手で抄う |
豊野光子 |
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正論を吐いて空気が尖り出し |
延寿庵野 |
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独り旅昭和の空気そっと吸う |
荒岡浩志 |
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空気抜けて形状記憶くずれ出す |
安部美葉 |
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赤ちゃんのあくびピンクになる空気 |
山辺和子 |
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打ち明けて空気の和む家族の和 |
斎藤功 |
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この頃は空気大事とホタル族 |
前川和朗 |
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父ちゃんが居ると空気が一変す |
矢野野薫 |
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睨まれてやっと悟った場の空気 |
盛無球 |
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もろもろの空気読めずに坂転ぶ |
山本としや |
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神戸好き美味い空気と君がいる |
宇山昌成 |
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生涯の何処かで空気洩れていた |
赤井花城 |
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修羅幾つ越えて空気になる夫婦 |
辰巳和子 |
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神域に入り空気が澄んでくる |
田中俊子 |
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年金とタダの空気で生きてます |
長野峰明 |
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家中の空気震わせ父の咳 |
平井美智子 |
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すぐ横に空気読めない妻がいる |
今津隆太 |
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新鮮な空気呼び込む模様替え |
奥西勇人 |
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きなくさい空気ただよう日本海 |
山本さとし |
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before_after明るい空気部屋に満ち |
延寿庵野 |
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空気だと思った妻が石になる |
安部美葉 |
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お人好し読めぬ空気に背を押され |
斎藤功 |
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場の空気読めずに通夜の厚化粧 |
平井美智子 |
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空気汚染負けぬ身体を鍛えねば |
牧野和子 |
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空気読んだりそんたくしたり世の闇は |
水田裕子 |
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湯気立てた二人も今は空気です |
内藤夢彦 |
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張り詰めた空気を好む咳の虫 |
岸本博子 |
佳 |
たかが空気されど空気のありがたさ |
赤井花城 |
佳 |
ユーモアで重い空気を入れ替える |
辰巳和子 |
佳 |
孫のひと言重い空気の座が和む |
倉周三 |
佳 |
ニアミスを避けた阿吽はもう空気 |
古橋茂子 |
佳 |
原色に空気を染めていくサンバ |
山辺和子 |
人 |
雑草は空気の旨さ知りつくす |
沼尾美智子 |
地 |
棘のある空気は嫌いシャボン玉 |
村岡義博 |
天 |
ジュークボックス昭和がひそと純喫茶 |
清水尚子 |
軸 |
空気読む落語の枕人を呑む |
井上登美 |
兼題 「元気」 延寿庵野 選
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元気出すときの呪文は決めてある |
田中俊子 |
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お金より元気がいいと負け惜しみ |
中谷光男 |
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お喋りが妻の元気のエネルギー |
奥西勇人 |
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ミサイルで墓穴掘る気か空元気 |
長野峰明 |
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あの曲でなぜか元気が湧いてくる |
古橋茂子 |
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わたくしの宝物とは元気です |
桂ひろし |
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元気元気と自分に暗示かけている |
平井美智子 |
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元氣出し盛り上げましょう「きやびん」会 |
内藤夢彦 |
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師の元気もらって帰る五月晴 |
前川千津子 |
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朝ごはん元気な証拠三杯目 |
矢野野薫 |
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パチンコの玉は元気によく跳ねる |
黒田忠昭 |
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手術から五年病は嘘のよう |
山辺和子 |
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お元気でお過ごしですか雲の上 |
赤井花城 |
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骨太に元気と墨書したハガキ |
山本としや |
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痛かっても負けずに動く空元気 |
山内迪 |
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故郷の風に元気を取り戻す |
山辺和子 |
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菖蒲湯につかる男にある元気 |
安部美葉 |
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顔だけの元気信じていた迂闊 |
赤井花城 |
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百山を踏破の気炎山ガール |
清水尚子 |
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口達者まだ当分は大丈夫 |
二宮千栄幸 |
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母上さまお元気ですか牡丹咲く |
長川哲夫 |
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ラムネ菓子ひとつ元気を取り戻す |
内藤夢彦 |
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田植期へ出せる元気は惜しまない |
山内迪 |
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顔上げて声高らかに空元気 |
斎藤功 |
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美味いもの食べるとすぐに出る元気 |
黒田忠昭 |
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口だけは達者で困る要介護 |
中桐徹 |
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幸せは妻が元気で無口です |
宇山昌成 |
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ロボットがルンバしてます妻は留守 |
清水尚子 |
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書道展ずらり元気が並んでる |
河合敏夫 |
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母便りいつも結びは元気でと |
久山節子 |
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幸せの数をかぞえて元気出す |
田中俊子 |
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朝体操シニアは派手なシャツで来る |
村岡義博 |
佳 |
やんちゃです泣いて笑って三才児 |
松本光江 |
佳 |
一病が元気印に喝を入れ |
岸本博子 |
佳 |
好きな事出来る間はまだ元気 |
今野美恵子 |
佳 |
健康だ朝な夕なに日々感謝 |
山本さとし |
佳 |
まだ五欲燃えております好奇心 |
浜知子 |
人 |
前うしろ児を乗せママチャリ風を切る |
みぎわはな |
地 |
雑草は元気大地をわし掴み |
村岡義博 |
天 |
清も濁もどんと呑み込む鯉幟 |
みぎわはな |
軸 |
一万歩歩き元気を貰ってる |
延寿庵野 |
兼題 「転ぶ」 山辺和子 選
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赤チンが転んだ膝で威張ってた |
岸本博子 |
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ひと言に転ぶ大吉ひいた日も |
安部美葉 |
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転んでも今年のトラは立ち上がる |
上野五柳 |
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転倒を防ぐ杖ならよろこんで |
二宮千栄幸 |
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四才児転ばないでとおしゃまな子 |
松本光江 |
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転んでもタダでは起きぬ浪速っ子 |
井上登美 |
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文科省転げた駒が裏返る |
長川哲夫 |
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また転ぶバリアフリーに変えたのに |
赤井花城 |
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転んでも影とセットで起ち上がる |
荒岡浩志 |
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七転び負けじ魂火をつける |
池田史子 |
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七転び八起で来たが雑魚のまま |
宇山昌成 |
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転ぶ度新たなドラマ巡り合う |
牧野和子 |
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ウィンクをされて一転裏返る |
みぎわはな |
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転ぶなと母の日杖のプレゼント |
盛無球 |
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転び上手な女に何か有りそうで |
青木公輔 |
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故郷帰り転寝の癖が直らない |
矢野野薫 |
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フルムーン転ばぬように手を繋ぐ |
河合敏夫 |
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寝転んでひととき宇宙を手に入れる |
平井美智子 |
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大回転全神経が修羅となる |
清水尚子 |
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風邪引くな転ばないでと娘のメール |
辰巳和子 |
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長生きの掌から錠剤転げ落ち |
河合敏夫 |
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はや八十路転ばぬ先の杖しかと |
前川和朗 |
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一直線ノドを転がすハイボール |
延寿庵野 |
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つまずいて転んでボクの色になる |
浜知子 |
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手術あとの転ばぬ自信杖持たず |
山内迪 |
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転結はどこへ終りのないドラマ |
安部美葉 |
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鉛筆を転ばせ決める散歩道 |
荒岡浩志 |
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はんなりと軽やかワルツけつまずく |
井上登美 |
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アリバイ工作ここで転んでおく事に |
青木公輔 |
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ころころと丸薬追って笑う声 |
川畑めぐむこ |
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空転を重ね陽のさす時を待つ |
古橋茂子 |
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末法を手毬が転ぶどちらにも |
桂ひろし |
佳 |
ばあちゃんの転び方にも美学あり |
樋口祐子 |
佳 |
老いて春転ばぬ様に手をつなぐ |
下山田靖子 |
佳 |
寝転んで父母の雲らし行方追う |
岸本博子 |
佳 |
ピンチにも呪文転がせ穴開ける |
池田史子 |
佳 |
移ろうて未練転がす五月雨 |
久山節子 |
人 |
転んだら虚実が換わる明日今日 |
盛無球 |
地 |
あの世でも転んでいるか森光子 |
矢野野薫 |
天 |
悪友と転ぶあの世の果てまでも |
浜知子 |
軸 |
美しく転びたいねと終の章 |
山辺和子 |
兼題 「様々」 赤井花城 選
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様々な顔がいそいそ朝の駅 |
内藤夢彦 |
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様々な薬上手に飲んでます |
黒田忠昭 |
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様々のサプリメントで買う命 |
平井美智子 |
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様々な愚痴も願いも聞く羅漢 |
豊野光子 |
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千手観音様々な声しかと聞き |
延寿庵野 |
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様々な意見頂き伸びている |
井上登美 |
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敗戦もバブルも知っている昭和 |
平井美智子 |
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器用さを様々に持ち愛される |
前川千津子 |
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様々な角度で試す人間味 |
安部美葉 |
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らっきょの顔さまざまに笑いかけ |
樋口祐子 |
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様々に燃える想いの曼珠沙華 |
荒岡浩志 |
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様々な手と手がつなぐ介護の輪 |
斎藤功 |
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様々と呼んで小遣いねだります |
山本さとし |
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様々な意見押し切る多数決 |
盛無球 |
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人生様々恋も希望も満ち満ちて |
青木公輔 |
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様々な人生乗せる終電車 |
河端世起子 |
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坪庭を満艦飾にする野菜 |
清水尚子 |
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様々なことに笑って又泣いて |
二宮千栄幸 |
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様々な願い受け止め辻地蔵 |
久山節子 |
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坊さんを三人も呼ぶ家族葬 |
山内迪 |
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人間のこころ様々顔もまた |
中桐徹 |
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記憶する様々背負う向こう傷 |
山本としや |
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十人十色カラフルに生きている |
樋口祐子 |
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様々な人生スマホの海で難波中 |
下山田靖子 |
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人生色々口ずさんでは立ち直る |
下山田靖子 |
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泣き笑い様々あって今至福 |
松本光江 |
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様々な人生模様又楽し |
二宮千栄幸 |
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様々な運命生きてゆく人科 |
牧野和子 |
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様々な個性が光る大きな輪 |
牧野和子 |
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立ち位置で言葉微妙に変わってる |
井上登美 |
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様々な憂き世重ねて散る桜 |
長川哲夫 |
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様々な仕事一途に生きた道 |
今津隆太 |
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様々なドラマ探しに行く始発 |
松本光江 |
佳 |
ひと様様わたしは私ぶれはせぬ |
田中俊子 |
佳 |
様々の楽器鳴らしている家族 |
山辺和子 |
佳 |
紫陽花のこころのままを映す彩 |
長川哲夫 |
佳 |
さまざまな別れがあった花筏 |
浜知子 |
佳 |
人の世は色とりどりのあぶり出し |
安部美葉 |
人 |
悲喜交々ドラマ始まる始発駅 |
倉周三 |
地 |
恋は様々占いの灯が揺れる |
山辺和子 |
天 |
十指では足りぬ私の愛の彩 |
みぎわはな |
軸 |
様々の過去形見せて雲疾る |
赤井花城 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
延寿庵野 |
二宮千栄幸 |
宇山 昌成 |
牧野 和子 |
沼尾美智子 |
清水 尚子 |
倉 周三 |
長川 哲夫 |
河合 敏夫 |
下山田靖子 |
山本としや |
みぎわはな |
久山 節子 |
斎藤 功 |
盛 無球 |
今野美恵子 |
岸本 博子 |
山内 迪 |
上野 五柳 |
平井美智子 |
前川千津子 |
山辺 和子 |
荒岡 浩志 |
松本 光江 |
井上 登美 |
前川 和朗 |
山本さとし |
青木 公輔 |
黒田 忠昭 |
内藤 夢彦 |
村岡 義博 |
安部 美葉 |
矢野 野薫 |
池田 史子 |
中桐 徹 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
水田 裕子 |
長野 峰明 |
川畑めぐむこ |
田中 俊子 |
河端世起子 |
桂 ひろし |
辰巳 和子 |
浜 知子 |
奥西 勇人 |
今津 隆太 |
豊野 光子 |
古橋 茂子 |
中谷 光男 |
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