平成29年1月22日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「野」 小山紀乃 選
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枯野にも春を待ってる花がある |
盛無球 |
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旗の波_我も野に満つ反対派 |
斎藤功 |
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福島の野にも土筆が出たと言う |
矢野野薫 |
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予定では二泊三日の野宿です |
樋口祐子 |
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寒過ぎる年こそ美味い冬野菜 |
盛無球 |
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花いちもんめ野原いっぱい遊んだ日 |
井上登美 |
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受け継いだ田畑放棄野に返る |
水田蓉子 |
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開発の途中で放置した荒れ野 |
平井美智子 |
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青毛(あお)放つ雪野に凛と駈けてゆく |
牧野和子 |
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春を待つ僕も貴女も野の草も |
内藤夢彦 |
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しばらくは野に佇んで在りし日を |
前川千津子 |
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目立つのがとても苦手な野水仙 |
倉周三 |
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ベランダで野性の花がひっそりと |
樋口祐子 |
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極寒も気にせず走る草野球 |
樋口祐子 |
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野放図に弾けて飛んだ十五才 |
久山節子 |
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野バラにも棘があります手折れない |
村岡義博 |
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荒野のはてで背の荷おろした亡母に会う |
下山田靖子 |
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山野草春の訪れ待ちわびて |
前川和朗 |
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犬ふぐり咲いて小さな花野かな |
黒田忠昭 |
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野に咲いた小さな花へ声かける |
前川千津子 |
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観梅へ野点のお茶へ溶けて行く |
延寿庵野 |
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男一匹野点の席に畏まる |
河合敏夫 |
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生き抜いた野良犬の持つ自尊心 |
荒岡浩志 |
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野菊の道をトボトボ歩き消えた男(ひと) |
下山田靖子 |
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来し方はバラより野菊咲いていた |
岸本博子 |
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いつまでも独身ですね野の地蔵 |
上野五柳 |
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さよならも口には出せぬ野辺送り |
斎藤功 |
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外野席だから目につく誤字脱字 |
瀬島流れ星 |
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清濁を飲んで野性に戻りゆく |
久山節子 |
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荒野にも春には春の小さき花 |
久山節子 |
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父に似た羅漢を探す野辺の道 |
平井美智子 |
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野に咲くもこれが私のありったけ |
松本光江 |
佳 |
あの子待ってる野晒しの三輪車 |
安部美葉 |
佳 |
もうたくさん戦争という野外劇 |
村岡義博 |
佳 |
野仏に疲れた足をさすられる |
岸本博子 |
佳 |
草原を枕に父の声を聴く |
安部美葉 |
佳 |
強欲の塊捨てに冬の野へ |
前川淳 |
人 |
独り飲むグラスの底にある枯野 |
平井美智子 |
地 |
何も無い荒野ひたすら春を待つ |
岸本博子 |
天 |
反戦の声が湧き立つ大枯野 |
桂ひろし |
軸 |
野ぼとけの肌のぬくみよ冬陽差す |
小山紀乃 |
兼題 「話題」 桂ひろし 選
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トランプで持ち切りみぞれ降る巷 |
赤井花城 |
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話題呼ぶ就任式のトランプ氏 |
小山紀乃 |
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トランプの話題世界をかけめぐる |
下山田靖子 |
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トランプの話題で騒ぐツイッター |
盛無球 |
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にこにこと嫌な話題が寄って来る |
安部美葉 |
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連日の紙面賑わすトランプ氏 |
内藤夢彦 |
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ワイドショー話題のパズル解いてみる |
樋口祐子 |
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お見舞に楽しい話題提げて行く |
辰巳和子 |
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食事会話題をつれて参加する |
森本佳子 |
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やがて来るやがてで弾む老人会 |
久山節子 |
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もやもやの根元話題にならぬまま |
小山紀乃 |
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内向きで話題にのぼることはない |
今津隆太 |
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尽きた話題故郷の話盛り上がる |
川畑めぐむこ |
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しばらくは話題の種になって春 |
安部美葉 |
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兄妹が集う話題は母のこと |
沼尾美智子 |
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汚染水地盤沈下か摩訶不思議 |
井上登美 |
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赤ちゃんが居れば話題に事欠かぬ |
沼尾美智子 |
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話題かえ自慢話をカットする |
大谷祝星 |
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週刊誌賑わす三十路覗き見る |
山本としや |
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話題ならどのチャンネルも同じです |
今津隆太 |
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話題なく空疎に時は通り過ぎ |
盛無球 |
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人間が犬を咬んだら大ニュース |
中桐徹 |
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噛み合わぬ話題で終る初デート |
平井美智子 |
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初対面の話題をさぐる親同志 |
川畑めぐむこ |
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一行のメールの中にある話題 |
野口修 |
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川柳の話題通じる趣味の味 |
今野美恵子 |
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下馬評で寄ると触ると騒がしい |
赤井花城 |
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話題尽きそっと時計を見る別れ |
久山節子 |
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広辞苑話題の人が見つからぬ |
樋口祐子 |
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雑学が好きで話題に事欠かぬ |
奥西勇人 |
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お天気と病気の話して別れ |
黒田忠昭 |
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話題切れつなぐアルバム出してくる |
瀬島流れ星 |
佳 |
マドンナの話題は尽きぬクラス会 |
中桐徹 |
佳 |
共通の病気の話題弾み出す |
大谷祝星 |
佳 |
待望の賜杯涙の稀勢の里 |
内藤夢彦 |
佳 |
トランプの話題が皿に盛り切れず |
前川淳 |
佳 |
診察券五枚話題に事欠かぬ |
村岡義博 |
人 |
アメ舐めて話題途切れぬおばあちゃん |
みぎわはな |
地 |
トランプ氏酒の肴に丁度いい |
矢野野薫 |
天 |
話題には事欠きません東京都 |
矢野野薫 |
軸 |
ぴんぴんころりいつもの話題 |
桂ひろし |
兼題 「アメリカ」 黒田忠昭 選
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いつ落着くのか揺れすぎるではないか |
青木公輔 |
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トランプに飴ちゃんやって黙らせる |
中桐徹 |
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法螺貝を吹きアメリカよ何処へ行く |
赤井花城 |
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アメリカは自由平等まだ半ば |
小倉修一 |
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トランプのアメリカファースト何処へ行く |
盛無球 |
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アメリカがくれたギブミーチョコレート |
沼尾美智子 |
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雲行きが怪し日米安保かな |
大谷祝星 |
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トランプの超舌鋒が始動する |
水田蓉子 |
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州境を直線でひく大雑把 |
村岡義博 |
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アメリカの友へ贈った雛あられ |
豊野光子 |
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親しんでアメリカの傘捨てられず |
荒岡浩志 |
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大投手アメリカばかり行きたがる |
矢野野薫 |
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アメリカがあかん言うたらあかんのや |
倉周三 |
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トランプの風で地球儀風邪を引き |
延寿庵野 |
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アメリカの火の粉をかわし売る車 |
荒岡浩志 |
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アメリカンコーヒーを飲む負けた日は |
安部美葉 |
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アメリカという良識を信じたし |
赤井花城 |
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トランプへ伸るか反るかの大博打 |
田中俊子 |
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良き時代ジョン・ウェインの西部劇 |
村岡義博 |
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アメリカも私も昔輝いて |
岸本博子 |
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アメリカと同床異夢のお付合い |
野口修 |
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アメリカの鶴ヒロシマに舞い降りる |
田中俊子 |
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行く手阻まれUSAは迷路旅 |
山本としや |
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大リーグ日本背負うイチロー氏 |
中谷光男 |
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アメリカの頑張りだけでテロ勝てず |
小倉修一 |
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米政権発足マグマ抱く平和 |
古橋茂子 |
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アメリカと言えばターザン_インデアン |
矢野野薫 |
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飛行機が嫌いなんです娘はシカゴ |
松本光江 |
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起きぬけの心鎮めるアメリカン |
川畑めぐむこ |
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憧れのアメリカだった青春期 |
小山紀乃 |
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星条旗真っ直ぐに立て胸を張る |
井上登美 |
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トランプが先祖返りの花火揚げ |
瀬島流れ星 |
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アメリカも移民なければただの国 |
前川和朗 |
佳 |
若い頃大好きだったウエスタン |
前川和朗 |
佳 |
意にそわぬ話もあろう星条旗 |
河合敏夫 |
佳 |
アメリカが変れば歪む世界地図 |
盛無球 |
佳 |
アイハブアペンでアメリカ旅行する |
久山節子 |
佳 |
終戦後アメリカなしに語れまい |
沼尾美智子 |
人 |
アメリカが咳をしたならルル三錠 |
中桐徹 |
地 |
トランプ旋風漸く注視していよう |
牧野和子 |
天 |
アメリカよ世界平和を譲らんか |
牧野和子 |
軸 |
ジョーカーを握りしめてるトランプ氏 |
黒田忠昭 |
兼題 「石」 長川哲夫 選
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孤立した石のひとつへ初日射す |
野口修 |
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苔むした石に勇者のものがたり |
豊野光子 |
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石庭は枯山水が似合う寺 |
今津隆太 |
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投げた石波紋広げて行方絶つ |
川畑めぐむこ |
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宝石より好きな着物へ目が走り |
山内迪 |
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わたくしの頭に堅い石がある |
樋口祐子 |
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石けんの泡で流した淡い恋 |
延寿庵野 |
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凛として動かぬ石に身を倣う |
荒岡浩志 |
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石垣が城を立派に見せている |
森本佳子 |
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癌を患う親友(とも)を祈って百度石 |
前川淳 |
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石を蹴っても晴れぬ思春期のもや |
古橋茂子 |
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逢いに行く愛染坂の石畳 |
倉周三 |
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石仏に手を合せてる健気な子 |
矢野野薫 |
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一線を進む石ころ蹴りながら |
安部美葉 |
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石も必要耕すほどに気にならず |
山内迪 |
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つまずいた石からドラマ転げ出す |
小山紀乃 |
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手の内に石を握って風見鶏 |
久山節子 |
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さざれ石巌になれず老いにけり |
赤井花城 |
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捨て石の罠にまんまと丸裸 |
瀬島流れ星 |
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石だけの骨箱だった_父だった |
平井美智子 |
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靖国の砂利は時代の音で鳴る |
みぎわはな |
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うっすらと亡父のおもかげ石仏 |
小山紀乃 |
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石の上に三年居たが芽が出ない |
前川淳 |
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石垣の石それぞれに持つ悲鳴 |
斎藤功 |
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石投げて記憶の底を手繰り寄す |
水田蓉子 |
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売りことば高値で石になる買い手 |
古橋茂子 |
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大石の波紋に世界揺れ惑い |
盛無球 |
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じゃりじゃりとお寺に続く禅の道 |
今野美恵子 |
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「亡母(かあ)さん楽になったね」釘をうつ白い石 |
下山田靖子 |
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難民を石もて追うている悲劇 |
赤井花城 |
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石も駒も泣かす人工の知能 |
樋口祐子 |
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お百度の満願の石踏み外す |
山本としや |
佳 |
石を投げられるまで分からなかった |
森本高明 |
佳 |
名所から石持ち帰り名をしるす |
前川千津子 |
佳 |
しきたりを見詰めつづける庭の石 |
安部美葉 |
佳 |
引出しに石蹴り石もある故郷 |
黒田忠昭 |
佳 |
イミテーション貴女つけると本物に |
前川和朗 |
人 |
人も石も光るまで磨いて行こう |
牧野和子 |
地 |
上品にしときと石ころに悟す |
青木公輔 |
天 |
石段を見上げお参りパスをする |
大谷祝星 |
軸 |
日本の誇りは捨てぬさざれ石 |
長川哲夫 |
兼題 「美しい」 赤井花城 選
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一月の雪美しい国に住む |
長川哲夫 |
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臈長けたお方に逢えた松の内 |
水田蓉子 |
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美しい日本語使う僕の祖母 |
川畑めぐむこ |
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アラフォーがやはり一番美しい |
村岡義博 |
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美人の傍へすぐ行きたがるチューリップ |
内藤夢彦 |
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大輪の花も美人も散りやすい |
田中俊子 |
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見飽きないかの落陽の地平線 |
前川淳 |
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美しい四季と和食をもつ日本 |
森本佳子 |
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美しい立ち居ふるまいすばらしい |
森本佳子 |
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プロポーション美しすぎてぞっとする |
前川和朗 |
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手遅れの人で混んでる美人の湯 |
倉周三 |
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おもてなし言葉で飾る美の世界 |
小倉修一 |
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バラの棘美しいうそありがとう |
下山田靖子 |
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美しい写真遺影に取っておこ |
黒田忠昭 |
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美しい楷書で届くお断り |
久山節子 |
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たらればが叶えばワタシ超美人 |
瀬島流れ星 |
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美しいから許される事ではない |
森本高明 |
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椅子育ち八頭身の娘がずらり |
樋口祐子 |
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美しい記憶の底に降る桜 |
辰巳和子 |
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夢のまた夢_美しく老いるなど |
古橋茂子 |
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美しいこころで美しい余生 |
野口修 |
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美しい嘘で結び目解きほぐす |
奥西勇人 |
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過疎になり美田も荒れて竹林 |
中谷光男 |
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美しい変身を見る蝶の羽化 |
延寿庵野 |
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心根で美(うま)しく熟す尉と姥 |
みぎわはな |
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美しい人だと想う筆の跡 |
辰巳和子 |
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美しい話の裏にある野望 |
野口修 |
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座っても立っても若さ美しい |
中桐徹 |
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あれた手に母は菩薩の笑顔して |
豊野光子 |
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無垢にして輝く稚児の美しさ |
盛無球 |
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昭和経た母の祈りは美のかたち |
古橋茂子 |
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美しい心で居たい_水鏡 |
池田史子 |
佳 |
美しい嘘に揺れてる冬の耳朶 |
田中俊子 |
佳 |
断捨離による美しき無一物 |
斎藤功 |
佳 |
旅だから雪も棚田も美しい |
中桐徹 |
佳 |
美しい心と涙持って生き |
前川千津子 |
佳 |
美しい誤解もあって良しとする |
安部美葉 |
人 |
心根が美しいから人が寄る |
矢野野薫 |
地 |
生命まで美しくなる笑い声 |
矢野野薫 |
天 |
思い出は美しいまま語り継ぐ |
山内迪 |
軸 |
美しい話に心飢えて日々 |
赤井花城 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
下山田靖子 |
桂 ひろし |
山本としや |
みぎわはな |
延寿庵野 |
岸本 博子 |
村岡 義博 |
小山 紀乃 |
前川 淳 |
河合 敏夫 |
【投 句】 |
辰巳 和子 |
青木 公輔 |
森本 高明 |
矢野 野薫 |
瀬島流れ星 |
小倉 修一 |
長川 哲夫 |
斎藤 功 |
前川 和朗 |
前川千津子 |
井上 登美 |
黒田 忠昭 |
樋口 祐子 |
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