平成28年11月27日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「力士」 久山節子 選
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鮮やかな紅葉の寺に力士像 |
井上登美 |
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古里(くに)の名を背負った力士敗けられぬ |
上野五柳 |
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横綱不在いつまで続く嘆き節 |
前川和朗 |
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髷結って力士の顔の初土俵 |
牧野和子 |
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勝ち力士グイと飲み干す力水 |
倉周三 |
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拍手喝采赤ちゃん力士笑みを撒く |
池田史子 |
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物言いにNHKがシャシャリ出る |
黒田忠昭 |
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日の本の横綱を待つ国技館 |
田原宏一 |
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美しい奥様娶る力士たち |
沼尾美智子 |
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はやされた豪栄道が名前負け |
前川淳 |
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乗りこえた怪我の苦力士のインタビュー |
古橋茂子 |
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モンゴルが揃い踏みする国技館 |
黒田忠昭 |
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わたくしの故郷自まん双葉山 |
樋口祐子 |
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冬場所が終ればうまいチャンコ鍋 |
斎藤功 |
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勝ち名乗り鼻息荒いインタビュー |
延寿庵野 |
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物言いがついて勝ち星不意になる |
山辺和子 |
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勝負どきモンゴル力士粘り勝つ |
山本としや |
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下積みの涙の苦さ知る土俵 |
古橋茂子 |
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応援の力士肴に盛り上がる |
水田蓉子 |
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国産の横綱力士ほしくなる |
桂ひろし |
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故郷の山を背負っている四股名 |
平井美智子 |
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?いても妻の力士が手強くて |
牧野和子 |
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チャンコ鍋店主は昔前頭 |
内藤夢彦 |
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モンゴルに勝てぬ日本の大相撲 |
矢野野薫 |
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ちょんまげの結えぬ力士に拍手わく |
矢野野薫 |
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両国の街角あつい力士像 |
大谷祝星 |
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入門五年綱を夢見て四股を踏む |
倉周三 |
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出身力士地方巡行盛り上がる |
森本佳子 |
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満身に闘志ひからせ四股を踏む |
安部美葉 |
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夏祭り子ども力士の勝ち名のり |
井上登美 |
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カラフルなまわしに夢がたんとある |
山辺和子 |
佳 |
エネルギー南大門の力士像 |
村岡義博 |
佳 |
目ぢからで若い力士の息づかい |
沼尾美智子 |
佳 |
初場所へ祝いの廻しまぶしくて |
牧野和子 |
佳 |
綱の夢破れ小さな相撲茶屋 |
平井美智子 |
佳 |
清めの塩ガバッと掴む新力士 |
沼尾美智子 |
人 |
長生きへ力士のようにシコを踏む |
樋口祐子 |
地 |
青い目の相撲甚句も耳に慣れ |
中桐徹 |
天 |
巡業で子らを育む力士達 |
矢野野薫 |
軸 |
引退の力士スーツがよく似合い |
久山節子 |
兼題 「リセット」 下山田靖子選
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くよくよせずに頭切り替え風呂にする |
中谷光男 |
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よく来たねリセットなしで五十年 |
中桐徹 |
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この私リセットしたい頭から |
今野美恵子 |
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何度でも過去をリセットする根性 |
荒岡浩志 |
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わたくしをリセットしては生き残る |
松本光江 |
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御破算に願いましてはTPP |
樋口祐子 |
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簡単にリセット出来ぬ我が姿勢 |
前川千津子 |
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くりかへすリセットからの不信感 |
丸田坡 |
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母ひとり残しリセットは出来ぬ |
山辺和子 |
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脳リセット私に余生ありません |
桂ひろし |
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リセットの効かぬ人生もて遊び |
矢野野薫 |
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リセットに夫婦喧嘩という我が家 |
黒田忠昭 |
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宮仕え終えて趣味へと転げ込む |
前川和朗 |
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被災地の視察へリセットする心 |
大谷祝星 |
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人の死もリセットにするゲーム脳 |
久山節子 |
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リセットが出来ず夕陽を見てしばし |
前川千津子 |
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処分へとリセットしつつ読む余命 |
池田史子 |
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リセットをしたい一・一七友が逝き |
丸田坡 |
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三度目の顔リセットでもう他人 |
黒田忠昭 |
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リセットを紙いち枚に迫られる |
山辺和子 |
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リセットへ過去の自慢はエンドレス |
延寿庵野 |
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調子出てリセット忘れ我忘れ |
斎藤功 |
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リセットキー押すも反応ない彼女 |
内藤夢彦 |
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人間をリセットしたら神になる |
前川淳 |
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リセットキー押して私を初期化する |
辰巳和子 |
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リセットを二度した程に生きてます |
中桐徹 |
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年変わる日々をリセットしたくなる |
牧野和子 |
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再出発年金暮らし第二章 |
前川和朗 |
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深夜便明日の私にリセットし |
井上登美 |
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自分史の汚点リセットして綴る |
今津隆太 |
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夫婦仲リセットせずにルビー婚 |
川畑めぐむこ |
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その先はどうなろうともリセットす |
樋口祐子 |
佳 |
リセットの効かぬ昨日を悔いて冬 |
安部美葉 |
佳 |
ボタンはひとつリセットかけて夜の黙 |
安部美葉 |
佳 |
原発の賛否問われる再稼動 |
盛無球 |
佳 |
一日をリセット風呂の佐渡情話 |
荒岡浩志 |
佳 |
リセットの出来ぬ命を悔いはせぬ |
赤井花城 |
人 |
リセットが出来ぬ迷路に行き暮れる |
小山紀乃 |
地 |
じんわりと喜寿のリセット方丈記 |
井上登美 |
天 |
汗かかずボタン一つで消す怖さ |
岸本博子 |
軸 |
色どりそえてリセットすませ今が旬 |
下山田靖子 |
兼題 「留守」 盛無球 選
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あたふたと一日暮れる妻の留守 |
川畑めぐむこ |
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留守電に深々御辞儀して終る |
二宮千栄幸 |
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かしこまり留守番電話他人めく |
小山紀乃 |
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妻留守に独り暮しのリハーサル |
中谷光男 |
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留守電に昨日遠忌の母の声 |
丸田坡 |
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恋人は居ますが留守が長いだけ |
斎藤功 |
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爺とポチ仲良く今日もお留守番 |
上野五柳 |
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生活のリズムが狂う妻の留守 |
山辺和子 |
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思いの丈箇条書きして留守電へ |
水田蓉子 |
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ポケモンGO勉強留守になりました |
田中俊子 |
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心秘め訪ねた友は留守だった |
井上登美 |
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天国へかければ今日も留守電話 |
豊野光子 |
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飲んじゃ駄目言い付けて出る妻グルメ |
宇山昌成 |
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鍵っ子に猫のすり寄るお留守番 |
古橋茂子 |
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傷心に留守居の犬が慈愛の目 |
田原宏一 |
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ドアホンに居留守決めこむ添い寝中 |
久山節子 |
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留守電の才女の声に身構える |
青木公輔 |
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居留守よくつかうあの女何屋さん |
上野五柳 |
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女房が留守でご飯をよう食べん |
前川淳 |
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鳥籠の鳥がにぎやか妻の留守 |
桂ひろし |
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留守電へオレオレ詐欺を封じ込め |
延寿庵野 |
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俄雨お隣蒲団干したまま |
倉周三 |
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留守番で飯の仕度の手間を知る |
中谷光男 |
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脳の留守年ごとに増え好々爺 |
村岡義博 |
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携帯に縛られ留守にしてくれぬ |
山内迪 |
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留守番に貧乏神が役に立ち |
丸田坡 |
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留守録の延々続く言葉尻 |
赤井花城 |
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仲良しの猫と犬とに頼む留守 |
赤井花城 |
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居留守してそっと覗いている小窓 |
水田蓉子 |
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長電話どこか掛けたい妻は留守 |
斎藤功 |
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まだ当てにされて嬉しいお留守番 |
松本光江 |
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新聞が溜まり気を揉む留守続き |
久山節子 |
佳 |
五日目はさすが応える妻の留守 |
黄茂山 |
佳 |
カレー煮込んで妻は明日も留守らしい |
辰巳和子 |
佳 |
二泊三日待っているのはゴミの山 |
樋口祐子 |
佳 |
一寸だけ不便でうれし妻の留守 |
下山田靖子 |
佳 |
ぽつねんと雲追う心留守にして |
安部美葉 |
人 |
留守電の言葉の奥をはかりかね |
井上登美 |
地 |
躾糸留守中に抜くこの気楽 |
田原宏一 |
天 |
背の羽が一尺伸びる妻の留守 |
宇山昌成 |
軸 |
留守電に誰が入れたかラブコール |
盛無球 |
兼題 「礼」 矢野野薫 選
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一陣の風が敬礼して通る |
田中俊子 |
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黙黙とただ黙黙と巡礼者 |
河端世起子 |
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介護する私に母は挙手の礼 |
辰巳和子 |
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医療費を払った方が礼を言い |
丸田坡 |
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礼状を縁取りにして怒られた |
森本高明 |
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孔明の居留守に対し三顧の礼 |
黄茂山 |
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あたたかい礼状が来る花切手 |
延寿庵野 |
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雨の日は朝刊取って軽く礼 |
古橋茂子 |
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礼の数諭吉だったか一葉か |
前川和朗 |
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過疎の村祭礼守るあみだくじ |
山本としや |
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祭礼へ五穀豊穣神楽舞い |
延寿庵野 |
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撃ち合いは礼砲だけにしなければ |
村岡義博 |
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柩見送るふかぶか尽きぬ一礼 |
古橋茂子 |
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凄い眼がお礼参りを示唆してる |
宇山昌成 |
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松茸の礼倍返し出来ぬまま |
樋口祐子 |
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勝ち名乗り手刀くらいちゃんとしろ |
中桐徹 |
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お歳暮が届かない間に礼状が |
内藤夢彦 |
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葬礼は他家の祭りよ傘寿われ |
上野五柳 |
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花一輪描いて送ったお礼状 |
盛無球 |
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ありがとう一言遺し母が逝く |
山辺和子 |
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礼節の加減極めず喜寿の春 |
井上登美 |
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突然の挨拶しどろもどろして |
山内迪 |
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最敬礼すれば不問の甘い民 |
盛無球 |
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おふくろの作法をたぐる糸車 |
桂ひろし |
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心ばかりの礼が彩る夫婦仲 |
田原宏一 |
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祭礼の義理声高に奉加帳 |
平井美智子 |
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お里が知れる礼儀作法の付け焼刃 |
内藤夢彦 |
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試合にも礼を説いてる負け戦 |
斎藤功 |
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十二月義理と言う礼また悩む |
樋口祐子 |
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茶道には外せぬ礼の数多あり |
牧野和子 |
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無礼でも本音引き出す毒を吐く |
山本としや |
佳 |
黙礼を交し哀しい喪を包む |
久山節子 |
佳 |
拝礼の手順隣りの人真似て |
倉周三 |
佳 |
美しい観音様へ最敬礼 |
前川千津子 |
佳 |
早々に礼状出して心晴れ |
井上登美 |
佳 |
お礼してせんべいねだる奈良の鹿 |
久山節子 |
人 |
巡礼へゆっくり過去を立て直す |
山辺和子 |
地 |
おはようございます礼儀正しいランドセル |
沼尾美智子 |
天 |
礼状も電話ですます筆離れ |
今野美恵子 |
軸 |
葬礼が多くて黒衣しまえない |
矢野野薫 |
兼題 「呂律」 斎藤功 選
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川柳の披講呂律に個性ある |
今津隆太 |
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ぼぼ僕とけけけ結婚して下さい |
河端世起子 |
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語尾不明昔飲み過ぎ今認知 |
黄茂山 |
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ライト浴び過ぎて呂律が回らない |
小山紀乃 |
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へたな嘘二枚の舌がもつれ合う |
山辺和子 |
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受付に呂律あやしいロボットさん |
黒田忠昭 |
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酔うほどに好きだ好きだと言う呂律 |
古橋茂子 |
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久しぶり酔えば呂律が回りだす |
沼尾美智子 |
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ロボットの呂律まろやか秋の天 |
安部美葉 |
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割り勘へ呂律怪しくトイレ逃げ |
延寿庵野 |
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ウグイスの笹鳴き恋はまだ遠い |
村岡義博 |
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回らない呂律に入歯拍車かけ |
矢野野薫 |
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飲むほどに酔えば嬉しいホニャラララ |
松本光江 |
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回らない舌で弱みを突く五歳 |
平井美智子 |
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呂律まだ廻らぬ孫がねだるハグ |
盛無球 |
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飲みすぎて呂律の効かぬ二枚舌 |
矢野野薫 |
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一番に呂律確かめ救命士 |
水田蓉子 |
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横文字に回らぬ呂律舌を噛む |
古橋茂子 |
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モーニング呂律たしかめ箸をとる |
樋口祐子 |
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若者の「ら抜き」言葉が聞きづらい |
大谷祝星 |
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身の上話呂律もあやしなわのれん |
下山田靖子 |
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声裏返ることも少なくなって秋 |
牧野和子 |
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焼き芋があつくて呂律まわらない |
桂ひろし |
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少し酔うと呂律まわらぬのに誘う |
田原宏一 |
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舌も老いる酔ってないけど呂律変 |
上野五柳 |
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アリバイが崩れ怪しくなる呂律 |
平井美智子 |
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寝たきりの母の呂律に吾子を見る |
安部美葉 |
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留守電は苦手緊張する呂律 |
辰巳和子 |
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幼な児の回らぬ舌に和む部屋 |
小山紀乃 |
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酔客の呂律に稚児はご満悦 |
丸田坡 |
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ひれ酒に酔えば呂律も艶を増す |
田中俊子 |
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論点が呂律を抱いてずれて消え |
荒岡浩志 |
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さすがだねアナウンサーの早口言葉 |
河端世起子 |
佳 |
呑みすぎてろれつこぼれて拾ってる |
倉田雄登美 |
佳 |
電話口ふにゃへにゃほにゃと孫が出る |
宇山昌成 |
佳 |
酒のんで呂律まわらぬ平和論 |
桂ひろし |
佳 |
正論も呂律乱れて意味不明 |
前川和朗 |
佳 |
おはようの呂律チェックで今日も良し |
池田史子 |
人 |
締め出され回らぬ口でオイ開けろ |
久山節子 |
地 |
ガチガチで呂律怪しいプロポーズ |
盛無球 |
天 |
クラス会呑んで笑って咲く呂律 |
沼尾美智子 |
軸 |
何も無い話に呂律回りすぎ |
斎藤功 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
宇山 昌成 |
森本 佳子 |
山本としや |
田原 宏一 |
盛 無球 |
大谷 祝星 |
内藤 夢彦 |
倉田雄登美 |
中桐 徹 |
久山 節子 |
上野 五柳 |
古橋 茂子 |
延寿庵野 |
桂 ひろし |
斎藤 功 |
安部 美葉 |
牧野 和子 |
下山田靖子 |
今野美恵子 |
村岡 義博 |
水田 蓉子 |
矢野 野薫 |
黒田 忠昭 |
前川千津子 |
倉 周三 |
前川 和朗 |
山内 迪 |
平井美智子 |
前川 淳 |
山辺 和子 |
松本 光江 |
沼尾美智子 |
井上 登美 |
池田 史子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
青木 公輔 |
辰巳 和子 |
中谷 光男 |
荒岡 浩志 |
丸田 坡 |
今津 隆太 |
小山 紀乃 |
岸本 博子 |
二宮千栄幸 |
田中 俊子 |
豊野 光子 |
黄 茂山 |
河端世起子 |
森本 高明 |
川畑めぐむこ |
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