平成28年9月25日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「食欲」  前川淳 選
食欲旺盛何んでも食べる戦中派 山本さとし
腹八分なんて無理無理秋ですよ 倉周三
こつこつと生きてごつごつ食べている 野口修
へたばれぬ食い気と色気あるうちは 村岡義博
食欲が何処へも付いて来て困る 岸本博子
意地張ってみても辛抱しない腹 盛無球
食欲が出たとほめられ三分粥 久山節子
よく食べる相棒と居て胃酸過多 沼尾美智子
食欲の序曲か稲穂風に鳴る 桂ひろし
食欲を鼓舞して止まぬバイキング 斎藤功
だとしても体に悪い物うまい 鱸紅雷
減量の体操してはよく食べて 内藤夢彦
体重計乗るのが怖い食の秋 内藤夢彦
千手観音食欲出たらすごかろう 延寿庵野靏
幸か不幸か食欲だけが元気です 鱸紅雷
晩ごはんなあにと跳ねるスニーカー 平井美智子
食欲に比例しました体重計 安部美葉
食欲は写真で満たすダイエット 池田史子
食べて食べて食べてそれでもふとらない 青木公輔
秋よりも夏に食欲出る不思議 宇山昌成
食欲は有るのに太れない悲哀 黒田忠昭
食欲があって術後の小さい幸 大谷祝星
うなぎ屋の前で食欲あばれ出す 岸本博子
決め技は松茸飯のおもてなし 長川哲夫
場の空気読めば食欲また失くす 古橋茂子
食欲も体調良すぎこまる秋 下山田靖子
体調がよくて二合の米を炊き 矢野野薫
米櫃が満ちればうれしそうな母 久山節子
食欲の秋に戦後をかえりみる 大谷祝星
お代わりを叱られている病院食 荒岡浩志
食欲がないと言わせぬコマーシャル 中桐徹
わだかまり解けたか止まらないお箸 野口修
腹八分それができない美味い秋 内藤夢彦
食欲の秋の味覚が勢揃い 今野美恵子
お返しは中性脂肪血糖値 平井美智子
山の幸海の幸から招待状 安部美葉
重湯からお粥へ動き出す命 平井美智子
食欲が服を着てると冷やかされ 斎藤功
食欲が自分の命まで食べる 盛無球
俺の腹秋ばっかりで四季がない 中桐徹
食欲もいいけど欲しい知識欲 前川淳

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兼題  「山」  長川哲夫 選
ほめられて頂上めざす俺も古稀 南つかさ
五合目でまだ歩けるか夫が問う 豊野光子
登れぬ山どんどん増えた老いを知る 川畑めぐむこ
山を恋う恋の雫を抱きしめて 青木公輔
精一杯生きて亡父を越える山 南つかさ
もしもと言う松茸探す山歩き 黄茂山
阿蘇山に熊本地震落着かず 倉田雄登美
山越した父は安堵の寝息たて 河合敏夫
恥掻かずどう崩そうか見栄の山 斎藤功
帰省子にふる里の山知らん顔 桂ひろし
故郷の山が覚えている悪戯 山辺和子
山なりのボールに込める父の愛 荒岡浩志
アルプスに登る装備で生駒山 中桐徹
大声は山のてっぺん気持ち良し 井上登美
山芋の粘りが欲しいタイガース 宇山昌成
松茸山売れて間もなき父の逝く 山内迪
山や家取って置きたいこの景色 今野美恵子
登るより遠目が美人富士の山 長野峰明
カチカチ山へ移住のんびり暮らします 青木公輔
山頂のパノラマ見事皆無口 森本佳子
断捨離の念佛待たぬゴミの山 斎藤功
治山治水ふと忘却の頃荒れる 田原宏一
感動を山ほど貰いリオ終る 宇山昌成
宿代に河鹿の声も織りこまれ 村岡義博
山が無い関東平野降り立って 岸本博子
わらび取り穴場のがさぬ山育ち 山内迪
わが心の山河夏枯れせず残る 上野五柳
いつかいつかとマグマを抱いたままの山 平井美智子
山に添う母は静かにひとところ 久山節子
海も山も歩いて行ける神戸です 内藤夢彦
初めての山の日祝い先ずひるね 倉田雄登美
奥穂高登り切れない悔いを持つ 前川千津子
ご近所と早朝登山仲が良い 今津隆太
うつつ抜かした其処に山あったから 赤井花城
挨拶を交わして登る夏の山 田中俊子
手も触れず山なら二合目初な恋 倉周三
ライバルも暮色かすかに山が見え 樋口祐子
甲山見るたび浮ぶ鉄かぶと 矢野野薫
ロマンスを知ってる父の登山帽 前川千津子
老いてなお夢語り合う山仲間 赤井花城
九度山へ回る舞台が峠越え 長川哲夫

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兼題  「行方」  倉周三 選
成るように成って恙無き行方 山内迪
いい人のままで行方が定まらず 大谷祝星
悠久の旅へ行方を問わぬまま 豊野光子
行方不明の妻が映っていたテレビ 平井美智子
会者定離神のみが知るその行方 野口修
行方知れぬ祖母を探せば夕焼ける 山本としや
魂の行方を探る風は秋 辰巳和子
貧乏性募金の行方気にかかる 矢野野薫
消息も絶えて朽ちゆく無縁墓 久山節子
虎の子が行方不明の空財布 盛無球
終焉の行方気になる年となる 水田蓉子
飛行機雲の行方を知った無言館 長川哲夫
行く先はちゃんと妻には言ってある 山本さとし
煩悩の行方あちこち月に問う 井上登美
10万の目がイチローの打球追う 村岡義博
人気など風の行方ですぐ変る 奥西勇人
好奇心それでそれでと追い回す 鱸紅雷
デンワ帳昔の友の影もなく 今野美恵子
かんしゃくの「く」の字を捨てた吾が行方 桂ひろし
貴方の仕事国の行方を左右する 前川和朗
夕陽へと群れ飛ぶ鳥の行方追う 岸本博子
行方くらます寅さんの名演技 青木公輔
亡娘の行方探す真夏の夜の静寂 沼尾美智子
今もなお風しか知らぬ身の行方 赤井花城
うちだけに来ない天下の回りもの 黒田忠昭
アールグレイ心の行方と秋の暮れ 井上登美
さ迷うた恋の行方を訪ね秋 盛無球
星空に恋の行方を訊いてみる 池田史子
身の丈に届かぬ恋の行方など 下山田靖子
それからの恋の行方は霧の中 長野峰明
百花繚乱恋の行方は問いもせず 豊野光子
君に似た雲の行方が気にかかる 古橋茂子
この諭吉明日はどなたへ飛んで行く 樋口祐子
あの世では行方くらまし逢えぬ妻 上野五柳
徘徊の父にスマホを縫いつける 今津隆太
笹舟の行方睡りの中にいる 安部美葉
五時からの行方はいつも縄のれん 宇山昌成
デジタルの波に行方を見失う 辰巳和子
探さないで下さい月へ帰ります 平井美智子
長命の行方にあった紙オムツ 鱸紅雷
その先はみんなが辿る白い骨 野口修
ポケモンを追ったら着いた善光寺 黒田忠昭
僕もそのうち徘徊迷子札付けて 倉周三

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兼題  「横」  平井美智子選 
横道をのぞいてからの失語症 豊野光子
うな重の特上食べる妻の横 中谷光男
横書きは書きにくいですお詫状 川畑めぐむこ
横槍をうけて乱れる蟻の列 田中俊子
気が付けば横にあんたが居て夫婦 倉周三
倚り懸るつもりはないが横座り 川畑めぐむこ
手を伸ばせばいつも横には君がいる 久山節子
カタカナ語の横で笑っているギャル語 宇山昌成
横顔は君にそっくりモンタージュ 黒田忠昭
横書きに馴れて筆順忘れかけ 沼尾美智子
横顔に取り柄があって片えくぼ 長川哲夫
横道に逸れて人気のある授業 河合敏夫
難問は見るのも嫌と横に置く 斎藤功
横車ばかり押してる天邪鬼 矢野野薫
人材の不足政界横並び 大谷祝星
横からの煽りに弱い庇護の船 久山節子
縦と横糸引き合って和を紡ぐ 岸本博子
抜擢をされて横槍嫉妬の日 倉周三
横風にスキを突かれて背を正す 池田史子
時々は横になりたい仁王像 山辺和子
横道へ外れて幸運を掴む 前川淳
へべれけの横で宥める千鳥足 宇山昌成
遺産分け嫁が横から口を出す 鱸紅雷
絶景を横断幕が邪魔をする 山本さとし
天辺に立てば横風向かい風 野口修
横道へ逸れた話に盛り上がる 荒岡浩志
深夜二時ポストもそっと横になる 鱸紅雷
横手から手持ち無沙汰の野次が飛ぶ 斎藤功
横向いて耳はしっかり聞いている 長野峰明
飲む話首を横には振らぬ友 上野五柳
両横が美人で身動きがとれぬ 黒田忠昭
横道に一度も逸れたことが無い 赤井花城
横槍が入り正座を崩せない 南つかさ
伸びて来た横からの手にある作為 安部美葉
横槍を入れて楯突くヘソ曲り 延寿庵野靏
飲み込んだ本音が腹で横になる 黄茂山
横車押して孤独の岸に立つ 辰巳和子
横しまな心横切る赤トンボ 桂ひろし
花火散るたび横顔が美しい 赤井花城
本当の貌は横顔かも知れぬ 野口修
味方だと勘違いした横の席 平井美智子

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兼題  「楽観」  上野五柳 選
楽観に拳骨呉れた十六号 長野峰明
あの暑さ知らん顔して雲は秋 古橋茂子
四季報へ楽観できぬ棒グラフ 延寿庵野靏
惜しからぬ齢気楽に生きて吉 田原宏一
北からの礫に楽観は出来ぬ 安部美葉
楽観をさせるもんかと北の核 長野峰明
傘のない野良もどこかで雨宿り 荒岡浩志
主治医信じて俎板の鯉になる 辰巳和子
悲観せず楽観もせず遠花火 田原宏一
濡れるのもええやないかと雨の中 平井美智子
楽観的そんな夫で医者知らず 河合敏夫
この世のことは収まるもんだ卵かけ 村岡義博
泣いた夜のあっけらかんと高鼾 安部美葉
八分通り出来た昼寝でもするか 田中俊子
コーヒーとケーキで観てる竜虎戦 中桐徹
九回の裏でも楽観できぬトラ 山本としや
内定はまだでも齧る臑がある 古橋茂子
楽間主義と心配性が同居する 森本高明
長寿国なんとかなると竹を踏む 樋口祐子
楽観のできる束の間蓮の花 斎藤功
もうあかんと思ったことない楽天家 倉周三
年金で食えて行ければそれでいい 矢野野薫
幸せな振りして時をやり過す 久山節子
ケセラセラ今頃届くツケの束 岸本博子
嫁さんは来んけど婆さん元気やし 黒田忠昭
左団扇わが家の経理妻任せ 前川和朗
大ピンチ何とかなると呪文かけ 荒岡浩志
誰かする楽観してる都職員 井上登美
楽観が豊洲市場の空の穴 長川哲夫
楽観の亀の歩幅で生きてゆく 奥西勇人
家系は美形婚活なんかしませんの 内藤夢彦
百歳の私に手紙書いている 鱸紅雷
楽観のうしろに鬼が佇っていた 青木公輔
あわてまい未だ10年は残ってる 村岡義博
楽観は出来ない今日の誤字脱字 野口修
紅引いてまだイケテルと言う過信 黄茂山
未だ恋が出来るとなでる薄い髪 宇山昌成
楽観と悲観を天秤にかける 前川淳
楽観は立前はらはらが本音 山内迪
「本来ハ無一物ナリ」と楽観 桂ひろし
乾杯と万歳男気楽です 鱸紅雷
老後資金すこし足りんがまあいいか 上野五柳

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【出席者】 (順不同・敬称略)
山本としや 青木 公輔 荒岡 浩志 二宮千栄幸 下山田靖子 延寿庵野靏
矢野 野薫 長野 峰明 宇山 昌成 上野 五柳 平井美智子 前川 和朗
大谷 祝星 水田 蓉子 沼尾美智子 今野美恵子 岸本 博子 井上 登美
桂 ひろし 前川千津子 村岡 義博 鱸  紅雷 黒田 忠昭 盛  無球
今津 隆太 久山 節子 山辺 和子 牧野 和子 野口  修 古橋 茂子
山内  迪 中桐  徹 倉田雄登美 倉  周三 田原 宏一 斎藤  功
前川  淳 長川 哲夫 河合 敏夫 森本 佳子 安部 美葉 内藤 夢彦
山本さとし 池田 史子 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
黄  茂山 奥西 勇人 川畑めぐむこ 森本 高明豊野 光子 中谷 光男 南 つかさ
田中 俊子 辰巳 和子

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