平成28年7月31日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「星」 延寿庵野選
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ポケモンGO参加国民星も見ず |
井上登美 |
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この人と目星をつけて矢をとばす |
安部美葉 |
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図星にも未だとぼけてる妙な顔 |
山本さとし |
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あと一つ白星足りず遠い綱 |
田原宏一 |
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この思い星の数ほどある未練 |
松本光江 |
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この町のスター五輪へ発つあなた |
小山紀乃 |
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あの頃は星の王子と呼ばれてた |
河合敏夫 |
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告白のチャンスをくれた星月夜 |
山辺和子 |
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日めくりの星占いに目が止まる |
今野美恵子 |
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こんなにも星が有ったか故郷の夜 |
黒嶋海童 |
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言い足りぬ願いを托す星祭 |
盛無球 |
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それぞれの星を眺めて老い二人 |
平井美智子 |
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火のいろに癒やされている星まつり |
大谷祝星 |
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この星の四季を惑わす温暖化 |
鱸紅雷 |
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日本にも星降る空はたんとある |
牧野和子 |
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星月夜甘え上手な片えくぼ |
大谷祝星 |
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悩まないなんとかなるさ星月夜 |
池田史子 |
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来し方を二人で語る星月夜 |
池田史子 |
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星三つ名ばかり光るレストラン |
岸本博子 |
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満天の星に祈ろう金メダル |
小山紀乃 |
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星が降る窓辺で亡母のユメをみる |
松本光江 |
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星空へ明日の自画像浮かばせる |
樋口祐子 |
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つい愚痴を星のあなたに告げている |
古橋茂子 |
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トンネルを抜けると星が降るような |
小山紀乃 |
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星キラリ轟音が消す基地の街 |
井上登美 |
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星空に祈り捧げる受験票 |
沼尾美智子 |
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星に願い子供と共に夢信じ |
前川和朗 |
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星が流れて恋の雫が溶けはじめ |
青木公輔 |
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ほろほろと銀河がこぼす賢治の詩 |
山辺和子 |
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金星しか見えぬ神戸の夜空です |
内藤夢彦 |
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星の下で暑さ忘れる大ジョッキ |
松下比ろ志 |
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満天の星が迎える露天風呂 |
鱸紅雷 |
佳 |
熱々のデートより添う星祭り |
斎藤功 |
佳 |
星回りいいと縁談勧められ |
二宮千栄幸 |
佳 |
手も触れず君と見ていた天の川 |
倉周三 |
佳 |
躓いた石に情けの星回り |
安部美葉 |
佳 |
サンゴにも天敵のあり鬼ヒトデ |
村岡義博 |
人 |
菩提樹の下で見る星母の星 |
矢野野薫 |
地 |
黎明の辺りまで来たボクの星 |
村岡義博 |
天 |
よく喋る星だチャックをしておこう |
青木公輔 |
軸 |
あかつきが金星の貌しかと剥ぎ |
延寿庵野 |
兼題 「未練」 青木公輔 選
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赤い薔薇未練残さぬ恋がたり |
豊野光子 |
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未練でしょうか夢であなたが会いに来た |
下山田靖子 |
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黄昏の恋未練が指にからみつく |
下山田靖子 |
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雫切る傘に未練の香が残る |
奥西勇人 |
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水玉の無くした傘が好きでした |
川畑めぐむこ |
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引出しの奥にしまってある未練 |
田中俊子 |
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未練など無いと言いつつ涙ぐむ |
黒嶋海童 |
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顔のない女に出会うクラス会 |
山本としや |
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番号を消せずに未練邪魔をする |
今野美恵子 |
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今日もなお未練が募り受話器持つ |
今野美恵子 |
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未練捨てあなたを強くピリリ裂く |
延寿庵野 |
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からかんで未練が芽ばえ今の妻 |
延寿庵野 |
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この世にはまだまだ未練なまず食う |
上野五柳 |
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絶ち切れぬ未練小指がまた疼く |
山辺和子 |
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思いが切れずまだ缶を蹴り続け |
斎藤功 |
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未練断ち明日へと向うまだ若い |
盛無球 |
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風まかせ綿毛に未練などはない |
村岡義博 |
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未練断つ旅と知ってるパスポート |
黒嶋海童 |
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たらたらと未練がましいことを言う |
大谷祝星 |
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くるりと日傘未練ひとつを断ち切って |
山辺和子 |
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今少し生きたい未練蝉時雨 |
安部美葉 |
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未練などないんだ過去は引きずらぬ |
今津隆太 |
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立ち読みの本に残して来た未練 |
鱸紅雷 |
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叶わぬと恋が刃物を持つ未練 |
長野峰明 |
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もう逢わぬと決めた合鍵捨てられぬ |
倉周三 |
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未練など捨ててしまえと青い空 |
二宮千栄幸 |
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梅雨空がカラッと晴れて涌く未練 |
田中俊子 |
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未練持ち別れの味を深くする |
斎藤功 |
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試着室行ったり着たりワンピース |
沼尾美智子 |
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捨てられぬ毛皮のコート止まぬ雨 |
岸本博子 |
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ペット逝く温もりしばし抱きしめん |
松本光江 |
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ミルクチョコ程の未練を持て余す |
小山紀乃 |
佳 |
別れるとひときわ深…くなる未練 |
牧野和子 |
佳 |
逢いたいなムクゲの花は咲いたのに |
松本光江 |
佳 |
用もない空の桐箱しまってる |
鱸紅雷 |
佳 |
断ち切れぬ未練を残す古手紙 |
村岡義博 |
佳 |
沈む陽を見つめ男にある未練 |
安部美葉 |
人 |
未練かな古い手紙を読み返す |
二宮千栄幸 |
地 |
枯れた手で書いた未練が息を吹き |
樋口祐子 |
天 |
少年になりきり鮎の影を追う |
長川哲夫 |
軸 |
未練たっぷりあの山もこの街も |
青木公輔 |
兼題 「無理」 山内迪 選
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無理をするしないで過ごす幸もある |
前川千津子 |
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これ以上無理だ無理だと飲んでいる |
平井美智子 |
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片べりの靴無理はしないでお父さん |
下山田靖子 |
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無理ばかりいつも叶えてくれた亡母 |
今津隆太 |
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泣き止まぬ赤児に下手な子守唄 |
丸田坡 |
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過労気味無理が溜っているカルテ |
奥西勇人 |
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結婚を無理矢理通し後悔す |
倉田雄登美 |
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終点が無理なく視野に入る余生 |
古橋茂子 |
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無理をした報いが迫る齢になる |
山本としや |
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美しく老いたいなんて無理を言う |
河合敏夫 |
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無理強いはしない二十才の祝い酒 |
沼尾美智子 |
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これ以上飲めぬとコップ伏せている |
松下比ろ志 |
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十五貫無理と言われた大相撲 |
矢野野薫 |
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達筆に書くには少し無理がある |
樋口祐子 |
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無理するな言うて残業てんこ盛り |
長野峰明 |
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厚化粧五つは若く見えますか |
倉周三 |
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Mサイズ無理を押し込む腹回り |
池田史子 |
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権力のバロメーターと無理通す |
斎藤功 |
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無理無理と逃げる店主へまだねぎる |
山本さとし |
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無理の文字捨てて元気に老春譜 |
大谷祝星 |
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無理ですかポックリ寺へ願を掛け |
豊野光子 |
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戦前も戦後も生きた無理数多 |
前川千津子 |
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無理はもう出来ぬと悟る喜寿の坂 |
辰巳和子 |
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美しく老いたいなんて無理言いな |
倉周三 |
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白髪と杖無理を通せる武器とする |
鱸紅雷 |
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無理をせず身軽く生きてみませんか |
牧野和子 |
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七転び無理はしないで寝て待とう |
丸田坡 |
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怒るのも無理はないなと振り返る |
小山紀乃 |
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無理むりむり言いつ二才のスベリ台 |
沼尾美智子 |
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ふたり目は男を産めと祖父の無理 |
黒嶋海童 |
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無理をして買った家にも雨がもり |
今野美恵子 |
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あの世まで一緒だなんて言わないで |
松本光江 |
佳 |
無理しない程度でよいと寄付たのむ |
前川和朗 |
佳 |
無理やりにウンと言わせた孫の顔 |
二宮千栄幸 |
佳 |
無理に無理かさねて曲る傘の骨 |
山辺和子 |
佳 |
無理に無理重ねて付けはきっと来る |
牧野和子 |
佳 |
無理せずに持病ひとつと夏を越す |
黒嶋海童 |
人 |
家中の無理を笑顔に変えた母 |
平井美智子 |
地 |
無理をして懐寒い夏休み |
盛無球 |
天 |
これ以上無理と教えたキノコ雲 |
長野峰明 |
軸 |
年金内に治めて無理をせぬ出費 |
山内迪 |
兼題 「メリット」 小山紀乃 選
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一番のメリット君に逢えたこと |
田中俊子 |
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よろこばれる夏の野菜の作り甲斐 |
山内迪 |
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気の長いのが自慢だが聞き上手 |
井上登美 |
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メリットは笑顔真夏のボランティア |
盛無球 |
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デメリット蓋して流すコマーシャル |
岸本博子 |
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メリットを声高に言うコマーシャル |
沼尾美智子 |
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バックします車が喋る清掃車 |
松本光江 |
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袖の下すぐメリットが顕れる |
黒嶋海童 |
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ボロ家には子宝という恵み物 |
長川哲夫 |
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メリットは問わぬ男は心意気 |
豊野光子 |
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食費抑えて体形を崩さない |
村岡義博 |
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メリットを提げて詐欺師の口車 |
長野峰明 |
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メリットは何も無いのに寄ってくる |
森本高明 |
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幅広くメリット使い店を持つ |
今野美恵子 |
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メリットがちょっとずつありまだ夫婦 |
上野五柳 |
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友達もメリット抜きの長続き |
今野美恵子 |
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日本なら四季のあじわい楽しめる |
川畑めぐむこ |
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デメリット並べていても進めまい |
辰巳和子 |
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メリットを計算ずくの処世術 |
松下比ろ志 |
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メリットは望まぬ父母の愛がある |
安部美葉 |
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若い人の輪にいて少しずつ背伸び |
南つかさ |
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子育ては褒めて伸ばして良しとする |
牧野和子 |
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古民家が人気となった過疎の里 |
内藤夢彦 |
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有難く陛下と同じ時代(とき)を生き |
長川哲夫 |
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メリットが無くても動くそれは愛 |
池田史子 |
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メリットを求め大樹のかげに寄る |
前川淳 |
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メリットは求めぬ母という器 |
辰巳和子 |
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メリットはひとつ古傷ねむらせる |
安部美葉 |
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その価値は知ってる人にだけ見える |
牧野和子 |
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足して掛けてメリットの嵩模索する |
樋口祐子 |
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メリットの裏で泣いてる人もいる |
松下比ろ志 |
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友達の長所を学ぶ昨日今日 |
前川千津子 |
佳 |
メリットの影に哀しい風が吹く |
荒岡浩志 |
佳 |
メリットなど期待してないボランティア |
倉周三 |
佳 |
今日の鬱流す田畑に先ず感謝 |
山内迪 |
佳 |
つらかった介護今でも役に立つ |
南つかさ |
佳 |
日本のメリットは何_平和です |
桂ひろし |
人 |
君が居るただそれだけで座が和む |
山辺和子 |
地 |
メリットが先走りして出した錆 |
水田蓉子 |
天 |
メリットは考えもせず出会いの日 |
岸本博子 |
軸 |
見落した隅メリットが落ちていた |
小山紀乃 |
兼題 「もしも」 黒嶋海童 選
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もしボクがあなただったら振っている |
村岡義博 |
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天下取るもしも男に生れたら |
豊野光子 |
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粛々ともしもに備え遺言状 |
鱸紅雷 |
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季は巡りもしももしもの花が咲く |
安部美葉 |
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防災の袋に入れてあるもしも |
田中俊子 |
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宝くじifがあるから今日も買う |
延寿庵野 |
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もしもから始まる明日に賭けてみる |
小山紀乃 |
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もしももしもと欲の深さよ目の色よ |
松下比ろ志 |
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レモン噛むもしも青春もどるなら |
山辺和子 |
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もしも良い話ならばと聞いておく |
大谷祝星 |
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この浮気もしもばれたらどうしよう |
桂ひろし |
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もしものリスク常に脳裏の角にあり |
山本さとし |
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私をもしもの時は助けてね |
沼尾美智子 |
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奔放な気性もしもは考えぬ |
倉周三 |
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飛べたなら一直線に君の傍 |
平井美智子 |
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天に選ばれたら赤飯で祝う |
河端世起子 |
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巡り会いガラスの靴が履けたなら |
岸本博子 |
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宝くじもしももしもは夢の中 |
沼尾美智子 |
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美人なら引くてあまたの別世界 |
今野美恵子 |
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寝てる間にあの世とならば有り難い |
水田蓉子 |
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百歳をもしも生きたらどうしよう |
上野五柳 |
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会えるかももしもの準備さりげなく |
池田史子 |
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危ない世もしももしもが付き纏う |
盛無球 |
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九条がもしもを守る日章旗 |
延寿庵野 |
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憂きときはもしもで遊ぶ術を持つ |
古橋茂子 |
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あのときのもしもを悔いる別れ際 |
山本としや |
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生まれ変わることが万一できたなら |
前川淳 |
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昨日のもしも明日は現実世の移り |
村岡義博 |
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もしももしもがまだまだ続く五十年 |
長川哲夫 |
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掌にもしも転がし夢を見る |
山辺和子 |
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ご破算に出来ぬもしもを抱いて生き |
樋口祐子 |
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もしももしもと馬鹿なレールが伸びてゆく |
松下比ろ志 |
佳 |
俺の子なのにもしももしもと期待した |
鱸紅雷 |
佳 |
現実を離れもしもに花が咲き |
矢野野薫 |
佳 |
願望が叶う妄想して生きる |
牧野和子 |
佳 |
墓建てたもしも何時でもござんなれ |
長野峰明 |
佳 |
煮え切らぬ男もしもを繰り返す |
辰巳和子 |
人 |
逢えるかももしもに賭ける脳の奥 |
盛無球 |
地 |
君が今独身ならば飛んでゆく |
上野五柳 |
天 |
振り返る我が人生にあるもしも |
河合敏夫 |
軸 |
世の中はもしもで廻る糸車 |
黒嶋海童 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
延寿庵野 |
牧野 和子 |
前川 和朗 |
長野 峰明 |
村岡 義博 |
古橋 茂子 |
今野美恵子 |
岸本 博子 |
桂 ひろし |
田原 宏一 |
大谷 祝星 |
水田 蓉子 |
井上 登美 |
二宮千栄幸 |
倉田雄登美 |
斎藤 功 |
河合 敏夫 |
長川 哲夫 |
安部 美葉 |
盛 無球 |
上野 五柳 |
山本としや |
黒嶋 海童 |
中桐 徹 |
山辺 和子 |
前川千津子 |
鱸 紅雷 |
倉 周三 |
山内 迪 |
沼尾美智子 |
小山 紀乃 |
山本さとし |
山本りえ子 |
矢野 野薫 |
松本 光江 |
今津 隆太 |
松下比ろ志 |
平井美智子 |
内藤 夢彦 |
青木 公輔 |
前川 淳 |
池田 史子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
豊野 光子 |
森本 高明 |
荒岡 浩志 |
田中 俊子 |
奥西 勇人 |
河端世起子 |
丸田 坡 |
南 つかさ |
川畑めぐむこ |
中谷 光男 |
辰巳 和子 |
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