平成28年5月29日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「燕」 中桐徹 選
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こっそりと若いツバメと激カレー |
樋口祐子 |
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巣作りを歓迎出来ぬ家事情 |
岸本博子 |
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柿若葉つばめ旅立つつらい朝 |
下山田靖子 |
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ヨタヨタの燕か父の燕尾服 |
松下比ろ志 |
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子燕の声で始まる初夏の朝 |
盛無球 |
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注意して燕返しの反論に |
二宮千栄幸 |
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ハネムーン乗った思い出つばめ号 |
河合敏夫 |
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脱世間仕舞い込まれた燕尾服 |
斎藤功 |
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小次郎か燕返しの処世術 |
井上登美 |
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若い燕無理難題を吹っかける |
井上登美 |
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阪神にメチャクチャ強いスワローズ |
鱸紅雷 |
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ヒト科より燕の方が律儀です |
内藤夢彦 |
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家も巣も消え行く宛のない燕 |
村岡義博 |
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吹っ切れた迷い燕の宙返り |
山辺和子 |
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薫風にドラマ始めたつばめの巣 |
古橋茂子 |
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にぎやかな燕家族に感化され |
池田史子 |
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娘が嫁ぐ日に燕帰りおり |
矢沢和女 |
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燕の子五羽に可愛い名前付け |
荒岡浩志 |
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親燕泥を探して日に百里 |
上野五柳 |
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ビザも無く国境越えて来た燕 |
鱸紅雷 |
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雨近しツバメが低く飛んでくる |
矢野野薫 |
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滅多には口には出来ぬ燕の巣 |
長野峰明 |
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核兵器なき空へ飛ぶ燕の子 |
水田蓉子 |
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リフォームをしたが巣作りした燕 |
今津隆太 |
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補強した泥と藁との燕の巣 |
斎藤功 |
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ツバクロにも育メンがいてよく勵む |
松下比ろ志 |
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少子化を燕返しで切って見せ |
荒岡浩志 |
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職いろいろツバメになってみたい日も |
上野五柳 |
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シンプルでスマートですねツバメさん |
山本さとし |
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被災地を知らずに燕低く飛ぶ |
大谷祝星 |
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テロもなく平和信じて燕くる |
大谷祝星 |
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マイナンバー下げて燕がやってくる |
平井美智子 |
佳 |
マイホーム燕も人も苦労する |
岸本博子 |
佳 |
燕来るなのに子供は遠く住む |
斎藤功 |
佳 |
つばくろに賃貸してる昨日今日 |
井上登美 |
佳 |
店頭は駄目とも言えず燕の巣 |
倉周三 |
佳 |
子育ての極意が見える燕の巣 |
荒岡浩志 |
人 |
ヒロシマで鳩も燕も核談義 |
樋口祐子 |
地 |
生きめとて真一文字に飛ぶ燕 |
平井美智子 |
天 |
授業中つばめ追ってる一年生 |
河合敏夫 |
軸 |
温暖化帰燕まだかと気にかかる |
中桐徹 |
兼題 「無事」 二宮千栄幸選
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天寿全う母は介護ゼロのまま |
倉周三 |
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息災で無事に白寿の祝い終え |
矢野野薫 |
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無事祈る裏木戸そっと開けておく |
矢沢和女 |
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ピンチでも何とかなるさ無事ならば |
松本光江 |
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ヤレヤレと無事と解って騒ぎ終え |
斎藤功 |
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無事な時神仏のこと忘れてる |
上野五柳 |
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賞罰無し事なく過ぎて定年日 |
松下比ろ志 |
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平穏に暮れて感謝の香を焚く |
辰巳和子 |
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大手術無事の成功ただ祈る |
長野峰明 |
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ひとり旅五官も無事で発芽する |
古橋茂子 |
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先ず無事を確かめあった震度七 |
田中俊子 |
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スロースロー先ずは転ばぬ事ですよ |
鱸紅雷 |
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晩酌の美味さが無事を知っている |
長野峰明 |
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検査無事のどにゴクゴク旨い酒 |
池田史子 |
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長生きの母に似たのか無事傘寿 |
水田蓉子 |
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被災地へ無事確かめるスマホなり |
牧野和子 |
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大難でなければ無事とする老後 |
黒田忠昭 |
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揺れるたび絆の無事を確かめる |
赤井花城 |
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何よりも今日一日の無事感謝 |
川畑めぐむこ |
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被災地の友の無事知りまず安ど |
山本さとし |
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無事ひまご生れいのちの座標知る |
倉田雄登美 |
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再会に無言の涙光る無事 |
荒岡浩志 |
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手術中無事を祈って神仏 |
沼尾美智子 |
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次世代に青い地球を無事わたす |
下山田靖子 |
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七人のドン無事に去る賢島 |
樋口祐子 |
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今日も無事介護日記は二重丸 |
奥西勇人 |
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無事に勝るものなし願いごと |
斎藤功 |
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どきどきがワクワクになり共白髪 |
井上登美 |
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今日の無事見届け夕日染める朱 |
岸本博子 |
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無事知らすポットが繋ぐ親子愛 |
池田史子 |
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事故多く無事な顔見て安堵する |
今野美恵子 |
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度重なる戦禍天災無事生きる |
倉田雄登美 |
佳 |
無事退院妻の毒舌蘇る |
鱸紅雷 |
佳 |
今日も無事まだすることがあるらしい |
山内迪 |
佳 |
家計簿がプラマイゼロで事も無し |
松下比ろ志 |
佳 |
無事祈る母の願いに嘘はなく |
山内迪 |
佳 |
核ボタンしまい込んでる黒カバン |
桂ひろし |
人 |
膝枕首に馴染んで今日も無事 |
古橋茂子 |
地 |
反抗期無事に脱皮した様子 |
河合敏夫 |
天 |
G7無事に終った英虞の海 |
盛無球 |
軸 |
母子共に元気と聞いて安堵する |
二宮千栄幸 |
兼題 「ペン」 今津隆太 選
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ディス・イズ・ア・ペン英語嫌いになりました |
村岡義博 |
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ペンの勇士たこ出来るほど仕事せず |
倉田雄登美 |
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赤ペンが権利ばかりを主張する |
平井美智子 |
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ペン持つ手妙に震える恋かしら |
二宮千栄幸 |
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ペン百態離婚届にサインする |
松下比ろ志 |
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訃報手に慰めのペン動かない |
川畑めぐむこ |
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被爆者の願いを語るペン強く |
牧野和子 |
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うそほんとペンが知ってる囲み記事 |
丸田坡 |
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人真似をする度ペンが痩せてゆく |
山辺和子 |
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ペン走る邪心キリキリ胸を裂く |
樋口祐子 |
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筆ペンで丁寧に書く遺言書 |
黒田忠昭 |
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告白のレターに似合うペンの色 |
荒岡浩志 |
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ボケよけのペンが徘徊句にならぬ |
池田史子 |
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ペンネーム私は二重人格者 |
河合敏夫 |
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追伸に時間が滲むペンを措く |
赤井花城 |
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赤ペンの師の添削がなつかしい |
松本光江 |
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ペン先へ心を込めたラブレター |
大谷祝星 |
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ペン先が自由奔放愛語る |
水田蓉子 |
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恋文を書くペン先に溜まる熱 |
辰巳和子 |
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続編へまだまだペンは外せない |
田中俊子 |
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口下手がペンに持ち替えすらすらと |
中谷光男 |
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悪魔にも天使にもなるペンの先 |
矢沢和女 |
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スクープへ一気に走る記者のペン |
倉周三 |
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ペンよりもついEメールしてしまう |
赤井花城 |
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語る愚者黙ってペンを研ぐ賢者 |
鱸紅雷 |
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ペン先を替えしたためる胸の内 |
井上登美 |
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ペン先が語った嘘は消しにくい |
上野五柳 |
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いよいよのけじめをつけたペンを置く |
下山田靖子 |
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ペン先が一人歩きをして困る |
二宮千栄幸 |
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ひらめかずペンが欠伸をする夜更け |
盛無球 |
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意地張ったペン先芯の折れやすき |
矢沢和女 |
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哀しみは形見となった父のペン |
山辺和子 |
佳 |
ペン先に平和あつめたヒロシマ忌 |
桂ひろし |
佳 |
推敲を重ねてペンもよくしゃべる |
松本光江 |
佳 |
幸せなことだけを書く母のペン |
平井美智子 |
佳 |
為せば成るペン持った手の農作業 |
山内迪 |
佳 |
ペンよりも4B好きと言う句箋 |
内藤夢彦 |
人 |
マスコミのペンが怖いと秘密法 |
上野五柳 |
地 |
恋のペン男一人を釣り上げる |
古橋茂子 |
天 |
弱者から心の声を託すペン |
牧野和子 |
軸 |
広島からオバマのペンが全世界 |
今津隆太 |
兼題 「誇る」 樋口祐子 選
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ささやかな誇り皆勤賞もらう |
山辺和子 |
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別嬪でないけど気立ていゝ娘 |
二宮千栄幸 |
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学歴はバックボーンにしまっとく |
岸本博子 |
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ふるさとの景色が誇り自慢する |
森本佳子 |
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我が町の誇り紅葉と滝がある |
倉周三 |
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健康に生れ育って来た誇り |
大谷祝星 |
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八十路まだ誇る一句の出来なくて |
牧野和子 |
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今時はスローフードも誇れそう |
川畑めぐむこ |
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オラが山万緑染めてそびえ立つ |
池田史子 |
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誇らしげピアノを競う両隣 |
河合敏夫 |
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勝ち誇る場面はスーと逃げていく |
井上登美 |
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医者にまで痛いと言えぬ誇り持つ |
斎藤功 |
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飽き性で人に誇れる趣味もない |
今野美恵子 |
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百点の答案わざと無造作に |
中桐徹 |
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エンブレム真似の出来ない咳ばらい |
堀切登 |
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誇れるものが何も無いからやれる |
森本高明 |
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憲法の理念誇りとして生きる |
小山紀乃 |
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正直が誇りで媚は売らぬ意地 |
大谷祝星 |
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丸腰を誇る姿は富士の山 |
岸本博子 |
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長持ちの中に爺さんの角帽 |
黒田忠昭 |
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弱ったな誇れるものが何も無い |
鱸紅雷 |
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職人の誇りが練った土にある |
荒岡浩志 |
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誇りみな捨てると世間住み易い |
二宮千栄幸 |
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稲の苗の成長を見て出す意欲 |
山内迪 |
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健康を誇りに思うDNA |
矢野野薫 |
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身の丈を超えた誇りにけつまずく |
村岡義博 |
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賞もなく罰もないのが誇りです |
中桐徹 |
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勝ち負けの勝ちをいつ迄ひけらかす |
赤井花城 |
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プライドを取り違えてる虚栄心 |
内藤夢彦 |
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おふくろの味が誇れる大家族 |
桂ひろし |
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嘘つかず媚びず頑固に生きている |
平井美智子 |
佳 |
卆寿なお酒に好かれている誇り |
長野峰明 |
佳 |
明石焼きどこの蛸より柔らかい |
沼尾美智子 |
佳 |
何一つ誇るものなし無位無冠 |
倉周三 |
佳 |
伝統を誇る老舗のロゴを書く |
丸田坡 |
佳 |
健やかで食べて動けて老い自慢 |
中谷光男 |
人 |
レクィエム聞いてさくらは散り誇る |
古橋茂子 |
地 |
誇らしく沈む夕日をひとり占め |
松本光江 |
天 |
責任と誇りで吊り橋を渡る |
矢沢和女 |
軸 |
わたしの誇りセコイ生き方はせぬ |
樋口祐子 |
兼題 「前触れ」 矢沢和女 選
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茶柱が立った準備は出来ている |
田中俊子 |
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いい便り来そう前触れ雨上る |
奥西勇人 |
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そう言えばチョイチョイ娘里帰り |
川畑めぐむこ |
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前触れの膝痛み出す明日は雨 |
奥西勇人 |
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いい事が待っているよな前触れだ |
山本さとし |
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そっと来る前触れって意地悪ね |
岸本博子 |
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五輪への前触れ熱気炎えている |
牧野和子 |
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前触れもなく真夏の空を仰ぎ見る |
樋口祐子 |
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赴任地に前ぶれもなく妻が来る |
辰巳和子 |
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前触れは夢の途中でパッと起き |
井上登美 |
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前触れも無くて全く無視される |
森本高明 |
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前触れもなくニキビが出たり恋したり |
松下比ろ志 |
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泣くよりも笑う別れが近いから |
斎藤功 |
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前触れはあれだったのか妻の乱 |
二宮千栄幸 |
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触れ太鼓さあ行列へ気が逸る |
岸本博子 |
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何の前触れだろう雲が泣いている |
青木公輔 |
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インフレの前触れスカートが短い |
井上登美 |
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何の前触れ街の鴉が騒がしい |
山辺和子 |
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案の定朝から妻が物言わぬ |
今津隆太 |
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一本松地震の前触れ知っていた |
上野五柳 |
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わかれの予感あじさいの雨降りやまず |
下山田靖子 |
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前触れを無視し奈落の底にいる |
荒岡浩志 |
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街角で私を誘う葬式屋 |
黒田忠昭 |
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前触れのあって気持にゆとりでき |
水田蓉子 |
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前触れもなく召された兄の聴診器 |
沼尾美智子 |
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前触れもなく採決をとると言う |
大谷祝星 |
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前ぶれに気付かぬ人間の愚か |
辰巳和子 |
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予告なく訪れる訃に声もない |
小山紀乃 |
佳 |
庭先の花が咲いたら逢いに行く |
田中俊子 |
佳 |
前触れのように軍靴の音がする |
平井美智子 |
佳 |
ふらり来て夢をつつんで渡された |
下山田靖子 |
佳 |
虎の尾の前触れもなく今朝の花 |
丸田坡 |
佳 |
前触れにしてはきれいな虹でした |
赤井花城 |
人 |
気がかりは笑顔の減った母のこと |
山辺和子 |
地 |
髪型に恋の終わりを予感する |
荒岡浩志 |
天 |
今にして思えば赤い雲だった |
赤井花城 |
軸 |
雷鳴は近い結論急がねば |
矢沢和女 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
山辺 和子 |
井上 登美 |
牧野 和子 |
河合 敏夫 |
荒岡 浩志 |
今野美恵子 |
岸本 博子 |
松本 光江 |
上野 五柳 |
桂 ひろし |
倉田雄登美 |
大谷 祝星 |
盛 無球 |
斎藤 功 |
古橋 茂子 |
山本さとし |
下山田靖子 |
中桐 徹 |
倉 周三 |
森本 佳子 |
水田 蓉子 |
長野 峰明 |
鱸 紅雷 |
松下比ろ志 |
今津 隆太 |
山内 迪 |
矢沢 和女 |
矢野 野薫 |
平井美智子 |
沼尾美智子 |
内藤 夢彦 |
二宮千栄幸 |
村岡 義博 |
青木 公輔 |
池田 史子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
森本 高明 |
奥西 勇人 |
小山 紀乃 |
堀切 登 |
田中 俊子 |
丸田 坡 |
中谷 光男 |
黒田 忠昭 |
川畑めぐむこ |
辰巳 和子 |
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