平成28年3月27日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「菜の花」 上野多惠子選
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菜の花が春だ春だと姦しい |
盛無球 |
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菜の花の真ん中にいて早春賦 |
桂ひろし |
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菜の花を茹でて長生きしています |
桂ひろし |
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菜の花を漬けて独りの春御膳 |
平井美智子 |
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菜の花パスタシャキシャキ会話よく弾む |
辰巳和子 |
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菜の花は童女の髪に良く似合う |
斎藤功 |
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菜の花の歌が昭和を呼んで来る |
長野峰明 |
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弱そうで強い菜の花から学ぶ |
前川千津子 |
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菜の花の海_父を恋う母を恋う |
平井美智子 |
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菜の花の海で未練を遊ばせる |
盛無球 |
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羽化をする娘を包む菜花の黄 |
平井美智子 |
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菜の花になってお嫁に行きました |
沼尾美智子 |
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菜の花が咲いて子供がほしくなる |
桂ひろし |
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菜の花の海に情念泳がせる |
辰巳和子 |
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司馬遼に会える気がする菜の花忌 |
倉周三 |
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この国の行方案じる菜の花忌 |
辰巳和子 |
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浪高し日本の沖を遼太郎 |
両澤行兵衛 |
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菜の花の黄色に染まる里の墓地 |
水田蓉子 |
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TPP休耕田に咲く菜種 |
河合敏夫 |
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菜の花を手折れば春のやわらかさ |
黒田忠昭 |
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菜の花月夜にふと抱きしめたくなった |
青木公輔 |
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菜の花の私語にぎやかに春の風 |
みぎわはな |
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菜の花の向こう太郎の秘密基地 |
沼尾美智子 |
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菜の花のブーケに稚(ちさ)い恋思う |
山本としや |
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菜の花が見ていた恋の一部始終 |
古橋茂子 |
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菜の花に思いを寄せる揚羽蝶 |
倉周三 |
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菜の花をバックに写るこれだあれ |
今野美恵子 |
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菜種梅雨花見の予定狂わせる |
矢野野薫 |
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空にまで菜の花畑続きそう |
森本佳子 |
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アリバイ工作菜の花をだしにして |
青木公輔 |
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旧姓で呼ばれ菜の花そよがせる |
古橋茂子 |
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菜の花の一枝_時間を止めたがる |
矢沢和女 |
佳 |
菜の花の黄色に溶かすわだかまり |
山辺和子 |
佳 |
天国もきっとおんなじ菜花の野 |
池田史子 |
佳 |
菜の花が夕陽に少しお辞儀する |
前川千津子 |
佳 |
黄色皆使っても使っても花の海 |
瀬島流れ星 |
佳 |
菜の花が咲いた私も華咲かそ |
盛無球 |
人 |
菜の花の向こうに見える再軍備 |
中桐徹 |
地 |
菜の花の饒舌_海がよく似合う |
矢沢和女 |
天 |
一面の菜の花_乗り越える予感 |
矢沢和女 |
軸 |
男の好きな菜の花漬けを百グラム |
上野多惠子 |
兼題 「願い」 倉周三 選
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ただ一途平和を願う避難民 |
盛無球 |
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フクシマの願い空しく再稼動 |
辰巳和子 |
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拉致家族本当に願い届くのか |
牧野和子 |
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生還を一途に願う拉致家族 |
山辺和子 |
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財政難_長寿の願い叶い過ぎ |
中桐徹 |
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甲子園勝利を叫ぶ日焼け顔 |
倉田雄登美 |
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叶うなら二十歳の肌に戻りたい |
河端世起子 |
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お願いと言われてのびる鼻の下 |
山内迪 |
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女房の願い聞かされ深酒す |
樋口祐子 |
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うた暦ロマンの春を訪ねたい |
長川哲夫 |
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願望が多くて絵馬も忙しい |
青木公輔 |
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健康を願う一汁一菜そして愛 |
沼尾美智子 |
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願い事風にまかせて揺れる絵馬 |
木村稔 |
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お百度を踏んでる母の丸い背 |
二宮千栄幸 |
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叶うなら夫の痛みに効く薬 |
平井美智子 |
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そりゃ無理と口に出せない子の願い |
斎藤功 |
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一病にさくらは咲いてから黙る |
古橋茂子 |
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安産へ願いをこめた岩田帯 |
大谷祝星 |
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子に託す願いはひとつ平和な世 |
大谷祝星 |
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花見する願い叶わぬ介護の手 |
川畑めぐむこ |
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御身拭いした大仏に懸ける願 |
長川哲夫 |
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麻酔切れ一盃の水乞い願う |
山本としや |
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混迷の時代を生きる願いごと |
樋口祐子 |
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満願へ晴れて誇りの朱印帳 |
田中俊子 |
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お国の為に命落した志願兵 |
矢野野薫 |
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快復の願いかたちに寺巡る |
古橋茂子 |
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平身低頭しても達磨は目を開けず |
両澤行兵衛 |
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一口のお粥にたくす青写真 |
南つかさ |
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長引いた病_神様仏様 |
前川千津子 |
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一羽ずつ願いを込めた千羽鶴 |
奥西勇人 |
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願い事ただ一つですピンコロリ |
みぎわはな |
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願わくば元気でころり黄泉の国 |
水田蓉子 |
佳 |
亡父を描く願いもあった死刑囚 |
矢沢和女 |
佳 |
百歳を願い百薬の長を飲む |
長野峰明 |
佳 |
願望を抱いて少年海渡る |
上野多惠子 |
佳 |
合掌の十指の先にある願い |
奥西勇人 |
佳 |
氏神に願う早春告げる鐘 |
山本としや |
人 |
願わくはうまい酒つき蓮の席 |
村岡義博 |
地 |
もの言えぬ老母の願いを聴く瞳 |
みぎわはな |
天 |
満願の夕日ほほえむ百度石 |
河合敏夫 |
軸 |
流れ星あなたとうまくいくように |
倉周三 |
兼題 「ノート」 みぎわはな選
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啄木のノート見つめる赤い靴 |
樋口祐子 |
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青空はノート大きな夢だった |
矢沢和女 |
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ひそやかに君棲むノート開けて春 |
南つかさ |
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卒業のノート_騒乱罪がある |
矢沢和女 |
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ノートしたノートはどこや今朝もまた |
上野五柳 |
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ノートにはスパイ擬きのマル秘文字 |
大谷祝星 |
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創作へ苦悩が滲む古ノート |
田中俊子 |
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古いノートくせ字の亡父の懐かしさ |
河端世起子 |
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ラブレターの下書きもある古ノート |
黒田忠昭 |
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ノートさま様_当てにならない記憶 |
古橋茂子 |
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ハナマルが満開の夢句会帳 |
岸本博子 |
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古ノート迷い苦しむ青春記 |
池田史子 |
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なれそめはノート貸し出し桜の日 |
井上登美 |
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B面に本音を書いておくノート |
山辺和子 |
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裏帳簿夫の知らない金ウフフ |
瀬島流れ星 |
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穴あけた帳簿の穴は首で埋め |
長野峰明 |
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マイノート自分の文字が読みにくい |
沼尾美智子 |
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サイフより大事なノート秘密メモ |
森本佳子 |
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夭折を悼み離せぬ母子手帳 |
瀬島流れ星 |
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ノートした自分の文字を他人に聞く |
中桐徹 |
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自分史のノートは悔いることばかり |
盛無球 |
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口惜しさをいっぱいためてあるノート |
上野多惠子 |
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手帳ビッシリ生真面目亡父の家族愛 |
池田史子 |
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病床のノート苦悩が叫んでる |
二宮千栄幸 |
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本音だけはノートの中に仕舞い込む |
木村稔 |
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酒好きの亡父のノートに匂う酒 |
山辺和子 |
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ノートから漏れてくるのが独り言 |
森本高明 |
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玉音を聞いた涙を知るノート |
長野峰明 |
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父の死に書けぬと書いた母の手記 |
岸本博子 |
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生き様を今日もノートに刻み込む |
荒岡浩志 |
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0戦の兄のノートを陽に曝す |
桂ひろし |
佳 |
予定表妻は私を避けている |
河合敏夫 |
佳 |
狂わねば恋のページは綴れない |
辰巳和子 |
佳 |
花栞_ノートは白いまま終る |
南つかさ |
佳 |
仕事着を脱ぐと詩人になるノート |
奥西勇人 |
佳 |
エンディングノートに見栄を足している |
平井美智子 |
人 |
生き様を綴るノートが手に重い |
二宮千栄幸 |
地 |
ノートして頭の中を軽くする |
山内迪 |
天 |
手も足も伸ばせるノート無地がよい |
村岡義博 |
軸 |
空白のページ詰まってるのは涙 |
みぎわはな |
兼題 「半分」 大谷祝星 選
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人生の夢半分は叶えられ |
牧野和子 |
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読経始まるいつも半分眠りだす |
前川和朗 |
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半分は僕が作った母の皺 |
辰巳和子 |
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家を売り半分ずつに分けました |
川畑めぐむこ |
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折り返し時点で運が向いてきた |
上野多惠子 |
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預貯金の半分以上妻の功 |
上野五柳 |
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半分は妻に聞かせるひとり言 |
桂ひろし |
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嫁さんを半分誉めて棚に上げ |
樋口祐子 |
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陽が当る蔭半分が耐えている |
木村稔 |
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半分こ欲と遠慮が凌ぎ合う |
岸本博子 |
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半分は涙でくもる娘の挙式 |
山辺和子 |
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折半の後もくすぶる遺産分け |
池田史子 |
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半額のセールの前で動けない |
田中俊子 |
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半分は自慢のような愚痴を聞く |
辰巳和子 |
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半分は夢半分に持つ期待 |
盛無球 |
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半分は異国言葉の観光地 |
黒田忠昭 |
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半分は聞かせる為の独り言 |
長野峰明 |
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半分はあきらめている若返り |
樋口祐子 |
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これまでは遊び半分今本気 |
水田蓉子 |
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羞恥心半分にして老い気楽 |
丸田坡 |
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訳ありげ惣菜半値待つスーツ |
村岡義博 |
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半分にするのにもいる台秤 |
山内迪 |
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半分はあなたが提げるレジ袋 |
沼尾美智子 |
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胃半分切って二次会三次会 |
倉周三 |
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彼女への愛半分以上本気です |
前川和朗 |
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半分にして大きい方を子の皿へ |
山内迪 |
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始まりは遊び半分だった恋 |
倉周三 |
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目標のやっと半分出来て今 |
盛無球 |
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半分はまだ信じてる君の嘘 |
平井美智子 |
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末っ子に半々はない依怙贔屓 |
瀬島流れ星 |
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仲良しと半分こしたコッペパン |
水田蓉子 |
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妻の眼に酒は五杓で止めにする |
両澤行兵衛 |
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半分はお世辞だけれど心地良い |
奥西勇人 |
佳 |
五分咲きの桜見ながら来た句会 |
黒田忠昭 |
佳 |
優しさが気になる兄の半分っ子 |
河合敏夫 |
佳 |
食べ物をきらくに分ける友の情 |
今野美恵子 |
佳 |
半分に桃割れ童話生み落とす |
山辺和子 |
佳 |
善と悪心の中で鬩ぎ合う |
みぎわはな |
人 |
ダイエット饅頭半分食べ残す |
山本としや |
地 |
半分はもう許してる痴話げんか |
古橋茂子 |
天 |
半分は明日の糧とする気力 |
二宮千栄幸 |
軸 |
我儘と甘え天秤_五分と五分 |
大谷祝星 |
兼題 「一筋」 長川哲夫 選
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あなた一筋これまでもこれからも |
沼尾美智子 |
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五十年欠かさず母の朝ごはん |
今津隆太 |
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一筋に愛を貫く花の芯 |
田中俊子 |
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一筋を違えた左折戻れない |
川畑めぐむこ |
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唯一筋天空を指し若木伸び |
木村稔 |
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農一筋母の笑顔は誇らしげ |
樋口祐子 |
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正論一筋アメ玉にコロリ |
みぎわはな |
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一筋に拉致の家族へつのる思慕 |
水田蓉子 |
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不器用でただ一筋に孤を愛す |
山辺和子 |
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先生と呼ばれる人にある根性 |
今野美恵子 |
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ひと筋の煙同志がもつれだす |
黒田忠昭 |
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三十年詩吟一筋この程度 |
前川和朗 |
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一筋の涙を駅においてきた |
上野多惠子 |
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こぶし咲く光り一筋からませて |
桂ひろし |
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あああいつ一筋縄でいかん奴 |
上野五柳 |
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あなたあなた他の男に目も呉れず |
倉周三 |
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一筋の光に消えてゆく不安 |
山辺和子 |
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足切りの線一筋が狂わせる |
荒岡浩志 |
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一筋の恋をつないだラブレター |
山本としや |
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一筋に守る王道師の紋太 |
水田蓉子 |
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一筋にいかぬは恋と金儲け |
中桐徹 |
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柳一筋左右の脳と戯れて |
前川和朗 |
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一筋の光が欲しい仮設窓 |
盛無球 |
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一筋の紐にもあった使い道 |
河合敏夫 |
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一筋に愛した人の骨拾う |
辰巳和子 |
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一筋に励む球児へ温い声 |
斎藤功 |
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病む吾子へ一心に踏む百度石 |
倉周三 |
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喜怒哀楽すべては虎と酒を汲み |
両澤行兵衛 |
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一筋の涙の意味を白椿 |
井上登美 |
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飛ぶ夢を心に秘めて金次郎 |
井上登美 |
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一筋と言って耐えてる単調さ |
斎藤功 |
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追想の重なるひとすじの煙 |
矢沢和女 |
佳 |
きのうまで射してた一筋のあかり |
上野多惠子 |
佳 |
顕微鏡のぞくひたすら命追う |
矢沢和女 |
佳 |
一筋の糸から弾む亡父母のこと |
南つかさ |
佳 |
彼一筋他人のことは知りません |
上野五柳 |
佳 |
ひたむきに竹串作る父と母 |
前川千津子 |
人 |
一茎に一花_一途に愛し抜く |
平井美智子 |
地 |
あみだくじ一筋加え大当り |
山本としや |
天 |
祖母そして母も一途な草木染 |
前川千津子 |
軸 |
腸に春一筋の粥の味 |
長川哲夫 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
青木 公輔 |
大谷 祝星 |
盛 無球 |
古橋 茂子 |
長野 峰明 |
河合 敏夫 |
両澤行兵衛 |
桂 ひろし |
二宮千栄幸 |
倉田雄登美 |
水田 蓉子 |
森本 佳子 |
長川 哲夫 |
上野 五柳 |
瀬島流れ星 |
今野美恵子 |
荒岡 浩志 |
山本としや |
辰巳 和子 |
みぎわはな |
平井美智子 |
山辺 和子 |
中桐 徹 |
山内 迪 |
前川千津子 |
矢野 野薫 |
斎藤 功 |
沼尾美智子 |
上野多惠子 |
倉 周三 |
前川 和朗 |
井上 登美 |
黒田 忠昭 |
村岡 義博 |
矢沢 和女 |
池田 史子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
木村 稔 |
森本 高明 |
南 つかさ |
岸本 博子 |
牧野 和子 |
丸田 坡 |
奥西 勇人 |
今津 隆太 |
田中 俊子 |
河端世起子 |
中谷 光男 |
川畑めぐむこ |
樋口 祐子 |
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