平成27年11月15日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「忙しい」  矢沢和女 選
忙しくゆれるひとつの木守柿 安部美葉
猫の手も借りたい程に秋実る 山辺和子
お誘いを断る理由多忙です 今津隆太
早割りの年賀状のできあがる 山本としや
川柳に追われ恋する暇が無い 長野峰明
忙しく趣味三昧に弾む老い 大谷祝星
年の瀬の忙しい時に買う日記 水田蓉子
忙しい人だな何時も小走りに 前川千津子
外出が出来る御蔭で忙しい 今野美恵子
人も酒も金も愛して日々多忙 上野五柳
急がしさのなか凩連れ帰る 田原宏一
忙しい心が亡びるほどでない 中桐徹
忙しくて帰りの電車舟を漕ぎ 倉田雄登美
忙しいと言い分けせず生きている 牧野和子
ままごと遊び親の真似して忙しい 森本佳子
八十路今忙しい日々感謝する 牧野和子
秋ひと日役員さんは忙しい 沼尾美智子
忙しいけど帰っておいで子ども達 沼尾美智子
静かだと見れば忙しい人不在 斎藤功
女房の依頼今日は多忙と家を出る 山本さとし
体育祭・紅葉狩りにと忙しい 矢野野薫
自炊する独り暮しの忙しさ 矢野野薫
久し振りの多忙に快い疲れ 田原宏一
無職です忙しい日々勲章に 岸本博子
退屈な耳噂を聞くと忙しい 鱸紅雷
朝刊で結婚夕刊で離婚 鱸紅雷
忙しい雅号に暇な本名だ 長野峰明
誘われて師走の手帳忙しい 辰巳和子
忙しい連呼しながら長電話 中桐徹
雨降りでホッと一息農繁期 池田史子
長針が朝の身支度追っかける 浜知子
紅葉も見に行きたいし蟹も目に 今野美恵子
一泊二日忙しい旅終えて雨 樋口祐子
忙しい日々をかかえて幸とする 安部美葉
小走りで妻のリズムについてゆく 平井美智子
牛丼を掻き込んでいるハイヒール 平井美智子
寒い日が続くと忙しい木魚 黒田忠昭
年金で左脳絞って暮らす日々 上野五柳
年の瀬は忙しいなとカタツムリ 中桐徹
家中の賞味期限が攻めてくる 平井美智子
野望など知らない忙殺の時計 矢沢和女

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兼題  「タレント」  山本さとし選 
タレントのサインいっぱい客ひとり 丸田坡
ジャリタレの母さん左うちわでホホホのホッ! 下山田靖子
出まくりの教授研究してますか 村岡義博
やかましいタレントTVにゲンコ三っつ 下山田靖子
初舞台もみじのお手手見得を切る 豊野光子
タレントの顔してポーズ五郎丸 浜知子
タレントの気分で歩く街神戸 安部美葉
赤ちゃんもペットも旬で勝負する 岸本博子
タレントの作家花火でよく稼ぎ 大谷祝星
タレントのしばらく母が同居する 前川千津子
流し目のゴリラになぜか惚れられる 山本としや
好きなタレント何故か亭主に似てる 古橋茂子
タレントを真似て長めのネックレス 沼尾美智子
タレントは天下御免の顔をして 樋口祐子
タレントの持ちネタが生む流行語 今津隆太
お笑いのタレント作り笑いする 沼尾美智子
タレントも反対意見安保法 今津隆太
喋くってタレント気取るみな仲間 斎藤功
タレントの何でも器用愛される 前川千津子
タレントの名前がすっと出て来ない 辰巳和子
芸の無いタレントはしゃぐバラエティー 辰巳和子
賞光り人気上昇漫才師 水田蓉子
タレント性あるのは内じゃ猫だけや 上野五柳
タレントの尻尾を掴む週刊誌 長野峰明
失礼な事を云いつつ主役の座 今野美恵子
タレントも駆り出されてる選挙戦 矢野野薫
安っぽいタレントが棲むブラウン管 樋口祐子
指先のタレントピアノ狂想曲 矢沢和女
人並みをブスで売り出す漫才師 山本としや
知名度でタレント本がよく売れる 古橋茂子
芸よりも脱いだ脱がぬで人気者 中桐徹
ジャリタレが新語生みだす六本木 矢野野薫
タレントの裏追いかける週刊誌 山辺和子
親の夢背負ってスター候補生 平井美智子
七光背負い二世という覚悟 平井美智子
願掛けの顔は真面目なコメディアン 黒田忠昭
タレントの夢が弾ける都市砂漠 長野峰明
下積みの長いタレント味がある 中桐徹
タレントを目指す子の夢親の欲 岸本博子
憧れに終るタレント江戸を発つ 田原宏一
タレントも色々レベルもいろいろ 山本さとし

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兼題  「地下鉄」  黒田忠昭 選
地下鉄はコスモスの丘見て走る 樋口祐子
地下鉄をつないで今日も傘いらず 前川和朗
地下鉄を降りて銀杏の黄に染まる 山辺和子
地下鉄の出口を違え別の街 山本としや
つり皮を掴むチャンスも無いメトロ 山本さとし
地下鉄で運ぶ私の影法師 田中俊子
地下鉄の口が呑み込むゲリラ雨 荒岡浩志
轟音の地下鉄睡魔乗り合わす 田原宏一
約束を忘れた地下鉄のベンチ 矢沢和女
地下鉄でお受けしましたプロポーズ 豊野光子
地下鉄を出て秋空へ背をのばす 大谷祝星
地下鉄は動き出したかテロの街 矢沢和女
地下鉄に方向音痴試される 長野峰明
地下鉄網伸びに伸びたり地下迷路 牧野和子
地下鉄で右往左往の震度七 辰巳和子
地下鉄で迷い地上でまた迷い 平井美智子
いつの間に掘っていたのかメトロ街 矢野野薫
真夜中のメトロを奔る青い恋 安部美葉
乗客の傘の雫で雨と知る 岸本博子
地下鉄の駅まで送る子の巣立ち 沼尾美智子
おのぼりが地下の乗り継ぎ四苦八苦 鱸紅雷
愛される地下鉄神戸の足である 前川千津子
地下鉄も地下街も無い我が故郷 安部美葉
発車ベル指もスマホに滑り出す 古橋茂子
地下鉄の窓を鏡に引くルージュ 河端世起子
地下鉄が地上に抜ける爽快さ 川畑めぐむこ
地下鉄で戦闘準備整える 木村稔
地下鉄のオーム・サリンの傷癒えぬ 奥西勇人
地下鉄で足を踏まれてからの縁 辰巳和子
大阪人も迷う地下鉄の路線 倉周三
地下鉄は落葉も知らず闇走る 丸田坡
地下鉄を上がるくらくらビルの群れ 沼尾美智子
朝のメトロドアが吐き出すひとヒト人 鱸紅雷
地下鉄を降りて会社の顔作る 森本佳子
デパ地下へ直行便は地下鉄で 中谷光男
メトロの恋地上で開花子沢山 池田史子
地下鉄を乗り継ぎ句会菊日和 水田蓉子
神戸地下鉄花も星もと見え楽し 樋口祐子
夕暮れの地下鉄秋刀魚乗ってくる 南つかさ
地下鉄が川柳タイム幾星霜 池田史子
階段を紅葉が降りてくるメトロ 黒田忠昭

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兼題  「包む」  田原宏一 選
あなたがくれた両手につつむ熟し柿 下山田靖子
臍の緒を包む和紙にはアサの五時 丸田坡
ふるさとの新聞で来る柿野菜 黒田忠昭
スカーフにそっと包んだ片想い 小山紀乃
身を包み憂いをとかす日の光 斎藤功
風呂敷で包んだ嘘のかず数多 木村稔
本心を包みかくさず吐く墓穴 安部美葉
大安を袱紗につつむ秋日和 山辺和子
小包の中から母の愛のぞく 大谷祝星
花に包まれ母が最後の足袋を履く 倉周三
包むから神秘をかもす曲線美 長野峰明
畳紙に女は四季を包みこむ 辰巳和子
ふんわりと包もう母のもの忘れ 平井美智子
吐く弱音包んでくれた広い胸 川畑めぐむこ
被災地の悲しみ深く胸包む 前川和朗
真心も義理も包んだ熨斗袋 田中俊子
包み紙老舗和菓子屋すぐわかる 河端世起子
田舎の家包む風呂敷が欲しい 森本高明
チューインガムで包む私の胸の内 樋口祐子
子の過ちを包み込んでる母の愛 矢野野薫
弁護士の風呂敷包み今スマホ 今津隆太
紫の袱紗に包む義理の数 辰巳和子
国民をマイナンバーで包み込み 上野五柳
素晴らしい一日だったラップする 山辺和子
とろけそうあなたの愛に包まれて 河端世起子
その先は企業秘密と包み込む 鱸紅雷
傷ついた心を包む国なまり 豊野光子
石鹸の泡に包んで流す欝 斎藤功
些少でも孫に握らす包み金 大谷祝星
負の部分ベールに包み添い遂げる 古橋茂子
帰宅した父の包みに皆笑顔 今津隆太
沢山の愛に包まれ七五三 水田蓉子
オブラート包み飲み込む今日の恥 岸本博子
愛いっぱい母の包みがもう来ない 前川千津子
常温のあなたにいつも包まれる 浜知子
言いすぎてごめんね母の肩包む 古橋茂子
再々婚なんぼ包もと値踏みされ 倉周三
お弁当ぼやきも一つ包み込む 岸本博子
ちりめん皺包んで今日も逢いに行く 樋口祐子
無造作に紙に包んで子の土産 沼尾美智子
子の嘘も優しく包む母の愛 鱸紅雷
どこをどう折るのか祖母の包む愛 田原宏一

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兼題  「丁寧」  赤井花城 選
丁寧に杭打たなんだ大きいツケ 上野五柳
丁寧に丁寧重ねうそっぽい 河端世起子
丁寧に磨きなさいと歯医者さん 今津隆太
拭いた後女房がまた拭き直す 木村稔
ていねいな説明よけい解からない 小山紀乃
お返しに又お返しが大き過ぎ 水田蓉子
退職日妻丁寧に祝い酒 倉田雄登美
馬鹿丁寧嘘を感じる隙間風 丸田坡
丁寧な仕事が光る日本製 岸本博子
丁寧に偽造データー貼り合わす 黒田忠昭
丁寧に説明できぬ安保法 上野五柳
丁寧な言葉使いで買わされる 沼尾美智子
丁寧語使うと他人めいてくる 小山紀乃
トークショー使いこなせぬ丁寧語 前川和朗
丁寧な売り場財布のヒモゆるむ 山岡幸一
ボーイさん丁寧すぎて肩が凝る 今野美恵子
丁寧な仕事で老いの技ひかる 大谷祝星
丁寧にお断りする長電話 山本さとし
丁寧な言葉使いに見る品位 奥西勇人
踏ん張って生きてきました丁寧に 水田蓉子
丁寧に歩いてきたか影が問う 矢沢和女
丁寧な仕事にこもる心意気 田原宏一
自販機からガタンと落ちる丁寧語 南つかさ
丁寧な仕事は信頼の証 山本さとし
丁寧に落穂拾ったその昔 安部美葉
殿様気分にさせる女将のおもてなし 倉周三
普段着のお喋り期待してたのに 青木公輔
丁寧に言われて背骨まで寒い 浜知子
丁寧に洗う廃車となる明日 奥西勇人
願い込めていねいに折る千の鶴 山辺和子
丁寧に生きねばたまゆらの命 辰巳和子
最後の札所一礼は丁寧に 古橋茂子
丁寧なお辞儀を返す秋桜 田中俊子
丁寧に育てた森が谺する 南つかさ
ひと針づつ繕う哀しみ癒えるまで 矢沢和女
ていねいに洗う小さな母の背な 平井美智子
丁寧に生きたい日々が速すぎる 村岡義博
丁寧に生きて深みを増す余命 田中俊子
丁寧に水はかたちに添う流れ 古橋茂子
丁寧にこころ映していく写経 山辺和子
コンビニのお釣り両手で包まれる 赤井花城

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【出席者】 (順不同・敬称略)
牧野 和子 水田 蓉子 浜  知子 古橋 茂子 今野美恵子 長野 峰明
岸本 博子 森本 佳子 山本としや 前川千津子 沼尾美智子 田原 宏一
辰巳 和子 矢沢 和女 安部 美葉 大谷 祝星 山辺 和子 上野 五柳
鱸  紅雷 山本さとし 今津 隆太 矢野 野薫 中桐  徹 倉田雄登美
黒田 忠昭 倉  周三 斎藤  功 池田 史子 平井美智子 樋口 祐子
赤井 花城

【投 句】
森本 高明 南 つかさ 木村  稔 田中 俊子 河端世起子 奥西 勇人
豊野 光子 川畑めぐむこ 中谷 光男 下山田靖子 田口 春子 村岡 義博
山岡 幸一 荒岡 浩志 青木 公輔 小山 紀乃 前川 和朗 丸田  坡

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