平成27年9月23日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「栗」 中桐徹 選
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栗林熊の立札遠まわり |
河合敏夫 |
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いが弾け花嫁になる明日の夢 |
古橋茂子 |
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憎らしい僕より先に栗の虫 |
斎藤功 |
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ベレー帽被り団栗得意顔 |
盛無球 |
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栗色に髪染め傘寿飛んでいる |
辰巳和子 |
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遠来の先祖もてなす栗ご飯 |
岸本博子 |
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淋しさの棘尖らせて栗の毬 |
平井美智子 |
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新米と地方紙詰めた栗届く |
大谷祝星 |
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どん栗でコマ廻しする里の秋 |
矢野野薫 |
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ブランディがあるのに栗はないという |
山内迪 |
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栗拾いで規則に反した日を詫びる |
山内迪 |
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栗の実コロリ笑い上戸になってゆく |
山辺和子 |
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栗の木を揺らし少年期に戻る |
山辺和子 |
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ほっこりを求めてぶらり栗拾い |
川人良種 |
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憎まれっ子いが栗頭いま紳士 |
前川和朗 |
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マロングラッセ初めて知った洋菓子屋 |
前川和朗 |
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甘栗をゆっくり剥いている夜長 |
黒田忠昭 |
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新米が栗を抱いてる秋の膳 |
黒田忠昭 |
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渋皮煮母の皮むき夜更けまで |
牧野和子 |
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栗ぜんざい最後に食べる栗一つ |
倉田雄登美 |
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栗のイガ盗難よけに特許中 |
田原宏一 |
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参道で栗拾ってる秋遍路 |
大谷祝星 |
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三年目今年は実る庭の栗 |
矢野野薫 |
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仏様天こ盛りです栗御飯 |
河合敏夫 |
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夕暮れて子等呼び寄せる栗御飯 |
松下比ろ志 |
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人生はオレとオマエの膝栗毛 |
みぎわはな |
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モンブラン提げて母訪う秋彼岸 |
辰巳和子 |
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うっぷんを晴らすかのよう栗爆ぜる |
前川淳 |
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栗めしが羅漢の前に置いてある |
田原宏一 |
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サルカニ合戦弾けた栗は敵役 |
山本としや |
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栗きんとんお供えしますお義母さま |
沼尾美智子 |
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ずっしりと重いケーキに丹波栗 |
今野美恵子 |
佳 |
はじめから落としてあった栗のいが |
前川淳 |
佳 |
勝馬は栗毛の馬と決めている |
井上登美 |
佳 |
毬とても栗の実守る自負がある |
豊野光子 |
佳 |
踏み付けて実の入り試す栗のイガ |
盛無球 |
佳 |
くちなしの実を取り置いて栗きんとん |
久山節子 |
人 |
煮え切らぬ男に投げる栗の毬 |
平井美智子 |
地 |
栗拾い大きくゆすりしかられる |
前川和朗 |
天 |
爆ぜぬ栗恋の火種が燃え尽きる |
長川哲夫 |
軸 |
栗羊羹切り様で栗が当たらない |
中桐徹 |
兼題 「人脈」 辰巳和子 選
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人脈を生かし伸ばした棒グラフ |
倉周三 |
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強引に人脈たどる選挙戦 |
久山節子 |
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党員の人脈金がものを言う |
大谷祝星 |
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人脈誇示タレント並べ選挙戦 |
倉周三 |
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人脈を張り巡らした女郎蜘蛛 |
岸本博子 |
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学閥が幅をきかせる大企業 |
矢野野薫 |
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人脈を頼りに入った社が潰れ |
河合敏夫 |
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人脈がもうできている幼稚園 |
平井美智子 |
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人脈で出世街道まっしぐら |
山本さとし |
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合併の憂き目人脈すべてパー |
瀬島流れ星 |
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人脈が太る二次会三次会 |
山辺和子 |
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人脈の太いパイプは宝物 |
川人良種 |
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人脈の一つかごめの輪の仲間 |
赤井花城 |
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人脈の多さに感謝はしご酒 |
山岡幸一 |
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人脈を掘って出ました埋蔵金 |
長野峰明 |
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人脈に人生の幅映される |
井上登美 |
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真ごころを染めて人脈伸びてゆく |
黒田忠昭 |
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人脈に頼ったことがない両手 |
小山紀乃 |
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人脈はないが多くの人に助けられ |
川畑めぐむこ |
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人脈をたどって走る選挙戦 |
矢野野薫 |
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タクト振る母でふくらむかごめの輪 |
古橋茂子 |
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あの世では今の人脈役立たぬ |
上野五柳 |
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人脈の列に並んで寄付がくる |
水田蓉子 |
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誘い合う趣味の人脈いま宝 |
斎藤功 |
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マイペースで生きて人脈無関心 |
樋口祐子 |
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人脈をたくみにつかう友がいる |
前川和朗 |
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人脈が出来る男の面構え |
大谷祝星 |
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人脈をたぐる臭覚生き上手 |
池田史子 |
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人脈が広いというて女子ばかり |
みぎわはな |
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役に立つ人脈づくり金かかる |
山本としや |
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父逝って人脈崩れ蚊帳の外 |
瀬島流れ星 |
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人脈をうまく使えず平のまま |
前川和朗 |
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人脈は問わぬ孤高に凛と生き |
豊野光子 |
佳 |
人脈の広さ妻にはかなわない |
川人良種 |
佳 |
人脈が分かる葬儀の長い列 |
奥西勇人 |
佳 |
財産と思う人脈温める |
沼尾美智子 |
佳 |
人脈の光で己れ耀かす |
みぎわはな |
佳 |
人脈の底を流れるコネと金 |
長野峰明 |
人 |
煩わしい人脈どんどん消す手帳 |
盛無球 |
地 |
スマホから拾う人脈影がない |
南つかさ |
天 |
人脈を頼らず生きて来た矜恃 |
赤井花城 |
軸 |
人脈の広さを知った父の通夜 |
辰巳和子 |
兼題 「素足」 桂ひろし 選
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お百度の素足が救う母の癌 |
荒岡浩志 |
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天高し自慢の素足肥えてくる |
樋口祐子 |
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早速に蛭に噛まれている素足 |
山内迪 |
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鳴き砂の素足くすぐる心地よさ |
倉田雄登美 |
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鳴き砂へ素足さらして過去にする |
水田蓉子 |
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青竹を踏み美しく歳をとる |
山辺和子 |
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国宝を素足で歩く天守閣 |
沼尾美智子 |
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踊りの輪素足の男女で盛り上る |
今野美恵子 |
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冷たさに素足しびれる谷の水 |
赤井花城 |
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パンストを脱いで色気の増す素足 |
久山節子 |
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お百度を踏み続けてた母の足 |
平井美智子 |
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ふと触れた素足足湯でのぼせてる |
みぎわはな |
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その昔運動会はみな裸足 |
矢野野薫 |
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サンダルを下げて砂丘のイヤリング |
大谷祝星 |
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みとれてる素足美人の長い足 |
大谷祝星 |
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ハイヒール綺麗な素足みせつける |
前川和朗 |
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素足には過ぎしあの日の思い出が |
山本さとし |
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会えばすぐ素足で走るクラス会 |
鱸紅雷 |
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素足だけ綺麗になって嫁に行く |
森本高明 |
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湯上りに扁平足の跡がつく |
田中俊子 |
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コミカルに歩いて来たと言う素足 |
奥西勇人 |
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生き方の素足を残す芸の道 |
斎藤功 |
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パンストを脱いで私を解き放つ |
辰巳和子 |
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みな元気素足で走る保育園 |
奥西勇人 |
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肩書きを捨てて裸足の心地良さ |
平井美智子 |
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寝たきりの素足だんだん柔らかに |
久山節子 |
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土俵の土しっかり掴む足の裏 |
松下比ろ志 |
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素足にゆかたえらいこっちゃと阿波の夜 |
下山田靖子 |
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しっかりと素足が掴む土俵際 |
川畑めぐむこ |
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しあわせが靴も履かずに逃げてゆく |
前川淳 |
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鳴き砂を素足で歩む過去捨てて |
瀬島流れ星 |
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砂浜を素足で駆ける夏休み |
沼尾美智子 |
佳 |
鳴き砂をはだしで駆けた島育ち |
松本光江 |
佳 |
火を渡る素足が白い修行僧 |
山本としや |
佳 |
火渡りの行に耐えてる悩み事 |
河合敏夫 |
佳 |
寒修行素足の僧の凛として |
中桐徹 |
佳 |
托鉢の素足に心洗われる |
荒岡浩志 |
人 |
素足反対私靴下売ってます |
青木公輔 |
地 |
九秒を割るのは素足かも知れぬ |
赤井花城 |
天 |
寒行の僧の素足にある祈り |
松下比ろ志 |
軸 |
砂浜を素足で走る恋心 |
桂ひろし |
兼題 「迫る」 山辺和子 選
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締め切りが迫る5文字が見つからぬ |
沼尾美智子 |
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入籍を迫って腹を蹴る胎児 |
川人良種 |
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分別を迫る五つのゴミ袋 |
村岡義博 |
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奥さんには済まぬが産むと迫られる |
倉周三 |
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派手に着て二十歳に迫る若返り |
大谷祝星 |
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三味と胡弓越中おわら胸迫る |
倉田雄登美 |
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たわいない睨みで迫る反抗期 |
松本光江 |
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献立のきまらぬままに宵迫る |
藤田雪菜 |
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ダイレクトメールはどれも葬式屋 |
黒田忠昭 |
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青春を返せと強く迫る妻 |
川人良種 |
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電柱に縋り迫る濁流耐えた夜 |
山本としや |
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迫られてさらりと躱す夏アザミ |
田中俊子 |
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まだ先と思っている間に迫る明日 |
山内迪 |
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まだまだと迫るゴールへ逃亡者 |
久山節子 |
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見上げればのっぽの彼の顔迫る |
岸本博子 |
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足元に夕日が迫り慌ててる |
樋口祐子 |
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脇役に徹する迫真の演技 |
赤井花城 |
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牛窓の夜景に唇が迫る |
倉周三 |
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今日が山医師に覚悟を迫られる |
辰巳和子 |
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直談判迫る返事に逃げられず |
水田蓉子 |
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やるせない気分豹柄着て迫る |
井上登美 |
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年ばかり数えるとしになりました |
黒田忠昭 |
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結婚の即答せまり浜歩く |
桂ひろし |
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決断へ情と掟がせめぎ合い |
池田史子 |
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限界が迫る我慢の赤風船 |
久山節子 |
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人生の半ばに黄昏が迫る |
前川淳 |
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ピンピンころり日日薄化粧待つばかり |
豊野光子 |
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台風の報に募った不安感 |
松下比ろ志 |
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迫られてイエスと言った遠い悔い |
盛無球 |
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自給率食卓枯れる日が迫る |
奥西勇人 |
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怖いような顔で彼からプロポーズ |
松下比ろ志 |
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記録まであと一歩だとアスリート |
矢野野薫 |
佳 |
冤罪の一日が過ぎ迫る壁 |
長川哲夫 |
佳 |
残照へ迫る淋しさ遍路杖 |
古橋茂子 |
佳 |
秋風が迫り二浪が焦り出す |
河合敏夫 |
佳 |
迫真の演技に喝采のあらし |
前川淳 |
佳 |
絶筆の父の手紙が鬼気迫る |
鱸紅雷 |
人 |
残生は知らず予定を吊るカレンダー |
古橋茂子 |
地 |
迫り来る足音交番は無人 |
みぎわはな |
天 |
親不孝へふる里の山せまりくる |
桂ひろし |
軸 |
幸せにすると迫った若い過去 |
山辺和子 |
兼題 「空耳」 長川哲夫 選
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空耳で聞いた或る日のあのうわさ |
山本さとし |
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空耳か亡母がわたしの名前呼ぶ |
沼尾美智子 |
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別れ際母は空耳庭掃除 |
川人良種 |
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空耳に返す私の苦笑い |
河端世起子 |
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空耳ですましておこう妻の愚知 |
木村稔 |
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好きですと聞こえたような左耳 |
矢野野薫 |
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空耳を使い知らないことにする |
前川淳 |
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金の要る話になると空耳に |
倉周三 |
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空耳で話より分け様子みる |
田原宏一 |
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空耳か妻が英語で話しかけ |
樋口祐子 |
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ごはんだよー夕焼け雲の向こうから |
みぎわはな |
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空耳を上手く活かして評論家 |
斎藤功 |
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空耳を使うて返事濁してる |
水田蓉子 |
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孫の声聞かないふりの年金日 |
倉田雄登美 |
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空耳が聞える老いたすすきの穂 |
牧野和子 |
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空耳の蜩鳴いて秋をみる |
荒岡浩志 |
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まさかの告白空耳かと思う |
古橋茂子 |
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空耳か早くおいでと亡夫の声 |
下山田靖子 |
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コスモスがやさしく揺れて子守唄 |
みぎわはな |
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空耳か今合格と言ったよね |
山本さとし |
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空耳か別れた犬よもう泣くな |
松本光江 |
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帰り待つ車の音は空耳か |
今野美恵子 |
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狛犬が何か呟く朝の杜 |
黒田忠昭 |
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鈴虫の鳴き声亡母の声に似る |
川人良種 |
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空耳で聞く母の声歳取らず |
荒岡浩志 |
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空耳にしては世の中騒がしい |
木村稔 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
井上 登美 |
水田 蓉子 |
豊野 光子 |
今野美恵子 |
岸本 博子 |
古橋 茂子 |
田原 宏一 |
瀬島流れ星 |
牧野 和子 |
荒岡 浩志 |
河合 敏夫 |
長川 哲夫 |
斎藤 功 |
中桐 徹 |
藤田 雪菜 |
盛 無球 |
鱸 紅雷 |
上野 五柳 |
山内 迪 |
前川 和朗 |
平井美智子 |
大谷 祝星 |
矢野 野薫 |
山本さとし |
山辺 和子 |
みぎわはな |
倉田雄登美 |
今津 隆太 |
黒田 忠昭 |
辰巳 和子 |
山本 幸香 |
松下比ろ志 |
川人 良種 |
久山 節子 |
村岡 義博 |
山本としや |
沼尾美智子 |
下山田靖子 |
桂 ひろし |
青木 公輔 |
前川 淳 |
松本 光江 |
長野 峰明 |
倉 周三 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
森本 高明 |
川畑めぐむこ |
河端世起子 |
山岡 幸一 |
南 つかさ |
中谷 光男 |
奥西 勇人 |
木村 稔 |
田中 俊子 |
池田 史子 |
小山 紀乃 |
小山 紀乃 |
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