平成27年5月30日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「蛍」 みぎわはな選
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どんくさく蛍光灯と呼ばれます |
今津隆太 |
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こっちの水甘いと詐欺師蛍呼ぶ |
長野峰明 |
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三回忌母の愛した蛍草 |
池田史子 |
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夏草の波に迷うて恋蛍 |
平井美智子 |
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誤解とけ胸の蛍に灯が点る |
山辺和子 |
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蛍舞う城借景の薪能 |
牧野和子 |
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夏隣りホタル鑑賞スポットに |
前川和朗 |
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六月の旅の記憶に舞う蛍 |
山辺和子 |
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ベランダを追われさ迷うホタル族 |
久山節子 |
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高層で淋しく光る蛍族 |
中桐徹 |
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蛍光灯もLEDに追いやられ |
山本さとし |
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この夏の蛍見られぬ口永良部 |
今津隆太 |
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蛍雪で学んだ昭和遠くなり |
盛無球 |
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「蛍の光」死語となったか師弟愛 |
斎藤功 |
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蛍雪を笑う電飾にある脆さ |
岸本博子 |
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あの蛍父母かしら姉かしら |
長島敏子 |
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諸行無常亡父の化身か螢舞う |
辰巳和子 |
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みちのくの蛍義経かも知れぬ |
田原宏一 |
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ほたる灯の向こうで亡母の笑み拾う |
松本光江 |
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今頃は螢の乱舞村の墓地 |
黒田忠昭 |
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墓地に蛍迷う魂かもしれぬ |
上野五柳 |
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煩悩の闇を揺蕩う恋螢 |
辰巳和子 |
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蛍の火を残しヒロシマは生きる |
長川哲夫 |
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八月忌帰らぬ人を待つ蛍 |
豊野光子 |
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この夏もか蛍ひとりが墓参り |
田原宏一 |
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火砕流蛍の里を焼きつくす |
長川哲夫 |
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蛍火の消えるが如く妻が逝く |
黒嶋海童 |
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蛍火を紡ぎ明日への夢つなぐ |
久山節子 |
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身の底に蛍一匹宿す恋 |
長島敏子 |
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胸底の蛍人恋う故郷恋う |
長島敏子 |
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恋蛍一期一会の灯を点す |
倉周三 |
佳 |
蛍には今も昔も甘い水 |
矢野野薫 |
佳 |
都市砂漠蛍を知らず育つ孫 |
鱸紅雷 |
佳 |
ピカソにもモネにもなき絵蛍の夜 |
倉周三 |
佳 |
人の世の思い深めて来た蛍 |
斎藤功 |
佳 |
漆黒の闇で蛍の小宇宙 |
瀬島流れ星 |
人 |
私のポッケに住みつく冬ぼたる |
下山田靖子 |
地 |
土石流の村に眠っている螢 |
黒田忠昭 |
天 |
ほうほう蛍転生の君さがす |
古橋茂子 |
軸 |
蛍狩りあの夜の君は誰だっけ |
みぎわはな |
兼題 「エラー」 川人良種 選
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失敗からヒット商品生むヒント |
倉周三 |
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エラーしたことは責めぬと下心 |
瀬島流れ星 |
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エラーにもフィルターかけて眺めてる |
岸本博子 |
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世の中をエラー無しでは渡れまい |
沼尾美智子 |
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一言のエラーで誤解とけぬまま |
今野美恵子 |
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エラー一つ勝利の女神横を向く |
みぎわはな |
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二回目のエラー懲りない娘が出戻る |
久山節子 |
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退職までノーエラーだがノーヒット |
上野五柳 |
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エラーにも動ぜず陰の無いあの子 |
山本さとし |
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そもそもは僕を選んだ君のミス |
鱸紅雷 |
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あのエラーなければとまた洩らす愚痴 |
長島敏子 |
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電池切れなのかエラーが続く脳 |
盛無球 |
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エラーして賢くなった希少価値 |
山内迪 |
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エラーゼロ自慢と不安同居する |
吉田節城 |
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一瞬のエラー許せぬ危機管理 |
樋口祐子 |
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人災をシステムエラーとかっこつけ |
荒岡浩志 |
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失策も起死回生でお立ち台 |
大谷祝星 |
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敵失でとったメダルがやや軽い |
村岡義博 |
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痛恨のエラー済まぬと逆転打 |
奥西勇人 |
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ウィンクをすれば誤作動する夫 |
平井美智子 |
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人生は運とエラーが面白い |
今津隆太 |
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人生はエラーエラーの積み重ね |
黒嶋海童 |
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不器用でエラー続きの道標 |
井上登美 |
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エラー数多懲りずに今日も生きている |
岸本博子 |
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脳も老い同じエラーを二度三度 |
上野五柳 |
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受け売りの舌が時々エラーする |
辰巳和子 |
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このエラーチャンスに変える処世術 |
古橋茂子 |
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誤作動でおきてしまった恋心 |
田中俊子 |
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執刀の医師が深ぶか頭下げ |
豊野光子 |
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エラーのないロボットいつか飽きてくる |
野澤淑子 |
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エラーなど無視して恋はまっしぐら |
平井美智子 |
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失敗を恐れず少女夢を追う |
山辺和子 |
佳 |
間違えて妻に送ったラブメール |
みぎわはな |
佳 |
善人のふりがバレそうどうしよう |
宮本喜明 |
佳 |
人間を創った神様のエラー |
辰巳和子 |
佳 |
悔いてなお反省の日々引きずって |
前川千津子 |
佳 |
しまったと今際の際で嘆いても |
前川淳 |
人 |
エラーです妻は聖母になりました |
長川哲夫 |
地 |
エラー一つ恐れず道を切り開く |
牧野和子 |
天 |
躓いた石にエラーを正される |
長野峰明 |
軸 |
失敗を糧に野草の意地努力 |
川人良種 |
兼題 「送る」 矢野野薫 選
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痛恨の極み逆縁という送り |
村上氷筆 |
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簡単と思考回路を遠回り |
井上登美 |
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合掌で送る恩師の徳偲ぶ |
奥西勇人 |
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見送りにしたい厚木のオスプレイ |
宮本喜明 |
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子へ送るくぎ煮甘めに炊いておく |
沼尾美智子 |
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戦場へ孫達送る予感する |
前川淳 |
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どの戦場に送るのですか私を |
長川哲夫 |
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送ろうか誘いの鬼を追い払い |
山本さとし |
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朝昼晩恋メールして疎まれる |
山本としや |
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幸せをつかめと送る子へ手紙 |
斎藤功 |
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老人ホーム送りたそうな嫁の口 |
鱸紅雷 |
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送られるその日未だ未だ先の先 |
山本さとし |
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送別会主役が霞む盛り上がり |
荒岡浩志 |
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問題を先送りして大火傷 |
川人良種 |
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晩節だ送り出される番が来る |
前川淳 |
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災害地へ送る善意の募金箱 |
松下比ろ志 |
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バックミラー老いた両親まだ見える |
川畑めぐむこ |
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みどり増す山が送ってくる鼓動 |
木村稔 |
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千切れ雲しんみり送る老夫婦 |
吉田節城 |
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ファックス送り電話で念を押す |
黒嶋海童 |
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完走のラストへ万雷の拍手 |
辰巳和子 |
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長生きをし過ぎた見送ってばかり |
倉周三 |
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素麺を送る好物と言う父母へ |
前川千津子 |
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膝送りしてここだけと言う話 |
大谷祝星 |
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ウィンクへ違う男が来た誤算 |
瀬島流れ星 |
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イカナゴで桃が届くという行事 |
長島敏子 |
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核家族あちこち送る自家野菜 |
盛無球 |
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帰宅より先に土産がお留守番 |
中桐徹 |
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見送れば視界の外の人となる |
二宮千栄幸 |
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日を西へ送ればあとは晩酌だ |
上野五柳 |
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葬送に人徳偲ぶ長い列 |
川人良種 |
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送り物季節の便りのせて着く |
森本佳子 |
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恋メール「送る」ボタンはそっと押す |
黒田忠昭 |
佳 |
ドライバーが合図を送る鼡捕り |
長野峰明 |
佳 |
爺ちゃんを駅まで送る三輪車 |
黒田忠昭 |
佳 |
草笛でエールを送る車椅子 |
豊野光子 |
佳 |
送別会人夫々の酒の味 |
松下比ろ志 |
佳 |
還らぬ亡夫とさよならをした花冷えの駅 |
下山田靖子 |
人 |
母の汗沁みた仕送り届く朝 |
黒嶋海童 |
地 |
荷を送る母が私にしたように |
松本光江 |
天 |
百歳の棺拍手で送られる |
辰巳和子 |
軸 |
ネパールへ些少ながらも義援金 |
矢野野薫 |
兼題 「簡単」 倉周三 選
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簡単な漢字近ごろすぐ書けぬ |
黒嶋海童 |
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一旦は朝飯前と思ったが |
前川淳 |
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簡単に解決出来ぬ汚染水 |
辰巳和子 |
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さりげなく国立大に受かる友 |
河端世起子 |
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意外にも簡単だった鹿の子編み |
沼尾美智子 |
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簡単に再再再婚うらやまし |
池田史子 |
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信号機の指示に従うだけで良い |
松下比ろ志 |
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相談事そんな事かと馬鹿にされ |
河合敏夫 |
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簡単なことほどミスが多いもの |
今津隆太 |
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簡単な道順なのに二度迷う |
青木公輔 |
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「全財産を君に」ただ一行の遺言書 |
長川哲夫 |
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シンプルがベストか恋も生き方も |
長島敏子 |
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無い袖は振れずすんなり遺産分け |
村岡義博 |
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簡単に0kされて拍子抜け |
二宮千栄幸 |
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簡単に行くはずだった都構想 |
盛無球 |
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呑んべいの嘘は戸口でしっぽ出す |
北尾好江 |
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簡単に私の芯は見せません |
宮本喜明 |
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滑落死現地の谷で荼毘に付す |
山本としや |
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人生はパズル簡単には解けぬ |
奥西勇人 |
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玉子掛けご飯で済ます妻の昼 |
辰巳和子 |
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シンプルな食事で下げた血糖値 |
長島敏子 |
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簡単なことむつかしく書く説明書 |
森本佳子 |
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バカチョンでいいよカメラも人生も |
黒嶋海童 |
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テレビなら簡単だったクッキング |
川畑めぐむこ |
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わたくしが退けばいいのよ君のため |
みぎわはな |
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簡単を複雑にするお節介 |
瀬島流れ星 |
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その一行消せば何でも無い話 |
松下比ろ志 |
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簡単なレシピで老後テストされ |
大谷祝星 |
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簡単な紙一枚が分れ道 |
荒岡浩志 |
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買わぬなら何てことない消費税 |
鱸紅雷 |
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海の青苦心の跡は覗かせぬ |
牧野和子 |
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門の鍵ピン一本ですぐに開く |
豊野光子 |
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簡単に生まれ百年苦労する |
上野五柳 |
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君が好き一言だけのプロポーズ |
豊野光子 |
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簡単の隣に潜む落とし穴 |
岸本博子 |
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○×に迷うことないアンケート |
矢野野薫 |
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盛夏にはあっぱっぱ着てクールビズ |
中谷光男 |
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簡単に逢えないややこしい関係 |
黒田忠昭 |
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簡単なルールはみだす妻である |
山辺和子 |
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簡単にハイと動けぬ膝枕 |
水田蓉子 |
人 |
火の恋も羽田で消える儚さか |
中桐徹 |
地 |
医療進歩簡単には死ねません |
上野五柳 |
天 |
遠のいた恋にメークも簡単に |
久山節子 |
軸 |
三文判押しといたから出しとって |
倉周三 |
兼題 「機嫌」 黒嶋海童 選
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パソコンの機嫌斜めは持て余す |
斎藤功 |
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すぐ変る妻の機嫌と猫の目と |
みぎわはな |
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不機嫌な妻にペットも距離を置く |
川人良種 |
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正装の妻はニコニコ行ったまま |
みぎわはな |
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何がバレたか妻があれから口利かぬ |
倉周三 |
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鼻唄を聞いた窓辺の青い鳥 |
樋口祐子 |
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夕食が今日のご機嫌映してる |
岸本博子 |
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大関へ鯛をぶら下げ上機嫌 |
長野峰明 |
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五歩下がりボスの機嫌をよむ幹事 |
長島敏子 |
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鉢に水花にご機嫌問いながら |
沼尾美智子 |
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孫だけど機嫌とるほど甘くない |
松本光江 |
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傍に私が居れば機嫌のいい夫 |
辰巳和子 |
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お早うがご機嫌占うリトマス紙 |
荒岡浩志 |
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ご機嫌さん今日も待合老いの群れ |
吉田節城 |
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全没の顔はどなたもよく似てる |
黒田忠昭 |
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塩漬けの株がここぞと喋り出す |
村岡義博 |
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ご贔屓が勝っているから缶ビール |
前川千津子 |
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頼み事父の機嫌を確かめて |
河合敏夫 |
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円安が機嫌取り合う日中韓 |
長川哲夫 |
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遊ぶ時だけは機嫌の良い老躯 |
盛無球 |
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御機嫌を伺いながら腹を読む |
長島敏子 |
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親父越え負けた相撲に上機嫌 |
瀬島流れ星 |
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機嫌よく暮らす知足の手水鉢 |
野澤淑子 |
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呼び声で妻の機嫌はすぐ判る |
奥西勇人 |
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決裁の判に機嫌が見え隠れ |
荒岡浩志 |
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斜めらしい貧乏ゆすりまだつづく |
二宮千栄幸 |
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美人ではないが機嫌の良いワ・タ・シ |
久山 |
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靴音で父の機嫌を見抜く母 |
辰巳和子 |
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ご機嫌さんこの挨拶で場が和む |
今津隆太 |
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下心あって今宵の妻の酌 |
古橋茂子 |
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クラス会妻があれから上機嫌 |
倉周三 |
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鼻歌が聞こえる妻のミシン掛け |
河合敏夫 |
佳 |
ご機嫌を損ねたらしい眉の位置 |
宮本喜明 |
佳 |
となりからバンザイ三唱聞こえくる |
久山節子 |
佳 |
凭れたら夫は嬉しい顔をする |
平井美智子 |
佳 |
赤ん坊の機嫌につづくひとり言 |
村上氷筆 |
佳 |
母の掌を抜けご機嫌な青い毬 |
山辺和子 |
人 |
上機嫌母の笑顔になった姉 |
古橋茂子 |
地 |
ハミングが嬉し恥ずかし朝を干す |
長野峰明 |
天 |
許す気で機嫌なおした父の顔 |
大谷祝星 |
軸 |
はて不思議妻が朝から機嫌良い |
黒嶋海童 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
川人 良種 |
牧野 和子 |
長島 敏子 |
河合 敏夫 |
倉田雄登美 |
荒岡 浩志 |
瀬島流れ星 |
大谷 祝星 |
みぎわはな |
森本 佳子 |
吉田 節城 |
久山 節子 |
豊野 光子 |
前川千津子 |
古橋 茂子 |
野澤 淑子 |
山辺 和子 |
山本としや |
山本さとし |
長野 峰明 |
斎藤 功 |
長川 哲夫 |
上野 五柳 |
田原 宏一 |
水田 蓉子 |
今津 隆太 |
矢野 野薫 |
二宮千栄幸 |
辰巳 和子 |
今野美恵子 |
黒田 忠昭 |
中桐 徹 |
鱸 紅雷 |
山内 迪 |
平井美智子 |
松下比ろ志 |
村岡 義博 |
黒嶋 海童 |
北尾 好江 |
村上 氷筆 |
盛 無球 |
下山田靖子 |
松本 光江 |
前川 和朗 |
井上 登美 |
前川 淳 |
岸本 博子 |
倉 周三 |
池田 史子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
木村 稔 |
森本 高明 |
奥西 勇人 |
川畑めぐむこ |
沼尾美智子 |
宮本 喜明 |
山岡 幸一 |
河端世起子 |
田中 俊子 |
中谷 光男 |
村上 氷筆 |
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