平成27年3月29日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「開く」 吉田節城 選
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五十年開運待つも寿命みえ |
中谷光男 |
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開き直らなしゃーないフォーカスされている |
倉周三 |
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裏も表も開いたままで生きている |
平井美智子 |
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空っぽの財布開くといい悟り |
黒田忠昭 |
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女性上位_神代の頃から開いてる |
前川和朗 |
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春知らずの花へ熱湯かけてみる |
樋口祐子 |
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二次会で酒を重ねて胸開く |
荒岡浩志 |
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古稀の坂開花の峰に登り切る |
長川哲夫 |
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胸襟を開けて生き方楽にする |
古橋茂子 |
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開かれぬ開へ未練の再挑戦 |
二宮千栄幸 |
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身辺の整理に開く納戸奥 |
沼尾美智子 |
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秘仏開帳善男善女に花吹雪 |
黒嶋海童 |
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開けすぎた谷間が媚を売り急ぐ |
山本としや |
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胸開き素直になるとよく燃える |
山本としや |
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開腹にミスが続いた医学界 |
矢野野薫 |
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全開の窓から春は駆け足で |
矢沢和女 |
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明り窓こじ開け春が忍び込む |
川人良種 |
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アルバムを開いた顔にある若さ |
河合敏夫 |
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嫁った娘の部屋へ四月の風を入れ |
黒嶋海童 |
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般若経簀巻きにされてから開く |
黒嶋海童 |
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開けゴマ開くことない我が運勢 |
二宮千栄幸 |
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開けてます匂桜に鼻の穴 |
黒田忠昭 |
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心ひらく十指の先から灯がともる |
平山繁夫 |
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いつでも来てね鍵を開けて待ってます |
倉周三 |
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二人の間開き続ける車間距離 |
前川和朗 |
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「開けゴマ」妻の金庫は閉じたまま |
河合敏夫 |
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寒もどり花は違えず開花する |
二宮千栄幸 |
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山桜今年も亡母の色で咲き |
松本光江 |
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裏窓の月よお前も哀しいか |
宮本喜明 |
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よく開く口が災い呼んでくる |
鱸紅雷 |
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オルゴール開いて遠き日の至福 |
牧野和子 |
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禁断の扉開いてみたい若さかな |
池田史子 |
佳 |
慈悲心開けば見える幸せ度 |
盛無球 |
佳 |
パソコンの奴隷夫の失語症 |
大谷祝星 |
佳 |
結んで開いて手管女はお手のもの |
村岡義博 |
佳 |
心を開きお話ししたらそれっきり |
下山田靖子 |
佳 |
満開の桜の下にいて孤独 |
辰巳和子 |
人 |
彼の方に心開いてから不眠 |
長野峰明 |
地 |
辞書開き言葉の海を浮遊する |
辰巳和子 |
天 |
窓いっぱい開けて吐き出す負の思考 |
辰巳和子 |
軸 |
朝帰り貴方を待って開けてます |
吉田節城 |
兼題 「割る」 樋口祐子 選
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マッサンが終わり水割りだけ続く |
今津隆太 |
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ふん切りがついて玉子をぽんと割る |
辰巳和子 |
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2で割ろか3で割ろかでふと迷う |
青木公輔 |
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割引を見込んで値札つけてある |
井上登美 |
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落としても割れない皿にある根性 |
岸本博子 |
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竹を割る器用な父を偲ぶなり |
前川千津子 |
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割り込みは無理よおばちゃん太すぎる |
吉田節城 |
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お湯割りに男の弱さを入れて飲む |
荒岡浩志 |
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一言の温さに犯人が口を割る |
長野峰明 |
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ふる里の五右衛門風呂に薪を割る |
倉田雄登美 |
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野の花の笑顔がのぞくアスファルト |
山辺和子 |
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割り切って妻の家来に甘んじる |
倉周三 |
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花の宵友情割れる匂いする |
水田蓉子 |
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次の世も割り切って良し中の中 |
斎藤功 |
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ドラッグが好きで暴れる割れた脳 |
鱸紅雷 |
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負の連鎖断ち切る為に茶碗割る |
森本佳子 |
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直ぐ割れる吐息で飛ばすシャボン玉 |
村岡義博 |
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手のひらで少し遊んで割るクルミ |
下山田靖子 |
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足して二で割るから残るわだかまり |
倉周三 |
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あの無口割って聞きたい事もある |
松本光江 |
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咲き満ちてさくらゆさゆさ青空を割る |
牧野和子 |
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どの数もすぐ割り切れて一が好き |
赤井花城 |
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割り切って賛成にした手が重い |
南つかさ |
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割り切ろう子には子の夢核家族 |
奥西勇人 |
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割り引いて聞いておきます誉め言葉 |
河合敏夫 |
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割引に吊られ売場で立往生 |
井上登美 |
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妻入院独りめし屋の箸を割る |
黒嶋海童 |
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水割りにレモン浮かべて共白髪 |
沼尾美智子 |
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意地悪と一割る三が交差する |
盛無球 |
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割り勘と聞いて気楽に酔っている |
大谷祝星 |
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割り勘に飲酒のピッチ速くなる |
川人良種 |
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割り勘と云っては入る店の前 |
今野美恵子 |
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切り身しか知らぬ子どもと西瓜割り |
川畑めぐむこ |
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大空を二ツに割って飛行雲 |
豊野光子 |
佳 |
手鏡が割れる_奇跡を信じよう |
矢沢和女 |
佳 |
人生の割引券は買いません |
長川哲夫 |
佳 |
仮面割れてごろりロダンの首落ちる |
平山繁夫 |
佳 |
月天心割り勘払いさあ帰ろ |
上野五柳 |
佳 |
割り勘にして有りますと請求書 |
中桐徹 |
佳 |
声割れて聴こえたようなムンクの絵 |
宮本喜明 |
人 |
横割りにすると人間面白い |
木村稔 |
地 |
わたくしの背を割り春風が荒ぶ |
平山繁夫 |
天 |
割り切れぬ心電車でゆれている |
二宮千栄幸 |
軸 |
人の心と円周率がまだ解けぬ |
樋口祐子 |
兼題 「朝」 前川和朗 選
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愛さんさん朝の光を手で掬う |
奥西勇人 |
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闇ばかり朝にならない国の性 |
岸本博子 |
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満ちたりた表情写す朝鏡 |
村上氷筆 |
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病癒え仲間と交じる朝の山 |
山本としや |
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朝市のトマト作者の名を付けて |
沼尾美智子 |
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朝焼けにしびれる程の恋をする |
松本光江 |
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夢で見た話を菜にして朝餉 |
盛無球 |
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朝市で見っけ郷里のおつけもの |
二宮千栄幸 |
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黄身二つ寄り添う朝の目玉焼 |
平井美智子 |
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ハミングの朝を全開して_息吹 |
矢沢和女 |
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かぎろいに染まる雪道踏み締める |
荒岡浩志 |
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朝ドラに合せて朝のスケジュール |
中桐徹 |
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今朝の春詩詠み集うきやびん会 |
牧野和子 |
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納豆をクルクル今朝も調子良い |
黒嶋海童 |
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朝床の枕もはずれ子の寝息 |
田原宏一 |
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公園の陣取り朝の花の下 |
黒田忠昭 |
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原点に戻って朝の髭を剃る |
山辺和子 |
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神にまだ生かされている朝がくる |
倉周三 |
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花びらをつけて恋猫朝帰り |
辰巳和子 |
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夜明けまで五分未来図描き変える |
青木公輔 |
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人並みにホームで始発まつ平和 |
南つかさ |
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御先祖と朝の勤めで向かい合う |
田中俊子 |
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朝刊とコーヒーアクセル徐徐に踏む |
木村稔 |
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東北に今朝も蘇生の掌を合す |
矢野野薫 |
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どの子にも行ってらっしゃ〜いの朝日 |
沼尾美智子 |
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朝露を踏みしめ平和噛みしめる |
川人良種 |
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朝日浴び体内時計安堵する |
倉田雄登美 |
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パンを焼く匂い優しき春の朝 |
平井美智子 |
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朝帰りボディチェックを覚悟する |
上野五柳 |
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起き抜けに飛び込むドイツ機の惨事 |
村岡義博 |
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朝刊の見だし釘づけこわい世に |
森本佳子 |
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新聞にチラシの方が重い朝 |
今野美恵子 |
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和紙を漉く雪野に今朝も谺する |
牧野和子 |
佳 |
エプロンの夫がコーヒーベッドまで |
豊野光子 |
佳 |
トラ二勝駅の朝刊買い漁る |
山本としや |
佳 |
米朝はん関西落語夜が明けた |
宮本喜明 |
佳 |
朝靄にピンクの帽子今日も跳ね |
井上登美 |
佳 |
メビウスの帯しっかり結び直す朝 |
下山田靖子 |
人 |
東雲はむらさき謎はまだ解けず |
矢沢和女 |
地 |
明け方の夢にふと来てささやかれ |
赤井花城 |
天 |
朝に泣き夕に笑っている余裕 |
青木公輔 |
軸 |
意地を捨て気分爽快春の朝 |
前川和朗 |
兼題 「板」 長川哲夫 選
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生ききった男の美学板に付き |
斎藤功 |
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道場の板軋ませて面を斬る |
辰巳和子 |
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ケータイが消してしまった伝言板 |
辰巳和子 |
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同居すれば母と妻との板挟み |
上野五柳 |
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板チョコを懐かしがっている夫婦 |
黒田忠昭 |
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板張りの塀_マンションに替った日 |
南つかさ |
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板の間に正座させられ聞く小言 |
田中俊子 |
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黒板に恩師の渾名ふたつみつ |
井上登美 |
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俎板の音で感じる妻の顔 |
木村稔 |
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板塀の黒は目印古い寺 |
前川千津子 |
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板張の部屋に目を引く額一つ |
今野美恵子 |
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釘一本打てぬ夫が板を買い |
樋口祐子 |
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悠久の風木簡の文字浮ぶ |
牧野和子 |
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原発が踏み絵の板に見えてくる |
鱸紅雷 |
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まな板の鯉と同じく検査台 |
二宮千栄幸 |
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血小板数えて明日の命など |
矢沢和女 |
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廃校の廊下を磨くクラス会 |
山本としや |
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俎板のリズムが板についた僕 |
村上氷筆 |
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ベニヤ板プライバシーの仕切り役 |
森本佳子 |
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板山葵が美味いこんなに酔うている |
古橋茂子 |
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バレンタイン今年板チョコそれも義理 |
田原宏一 |
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板前は因果ふくめてフグ料理 |
松本光江 |
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板ばさみの中を泳いで行く笑顔 |
山内迪 |
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カラフルな俎板を買う古希の恋 |
平井美智子 |
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板子一枚春秋の影を踏む |
平山繁夫 |
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制服がそろそろ板につく五月 |
森本佳子 |
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看板は無いが長蛇の列に付く |
松本光江 |
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怪我人運ぶ戸板当時の救急車 |
村岡義博 |
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謝りが板に付いてる副社長 |
上野五柳 |
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看板に偽りのない手打ち蕎麦 |
沼尾美智子 |
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板塀の隙間に見えた幸せ度 |
水田蓉子 |
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無愛想な板さんの鮨絶品で |
宮本喜明 |
佳 |
天下一品板前の無愛想 |
赤井花城 |
佳 |
例外を通さぬ役所厚い板 |
鱸紅雷 |
佳 |
甲板から死にゆく人を見送るか |
矢沢和女 |
佳 |
板一枚が勝負慌てたりしない |
青木公輔 |
佳 |
板の間もフローリングと出世する |
岸本博子 |
人 |
かまぼこの板に黒々ポチの家 |
沼尾美智子 |
地 |
蒲鉾は好きです板にしがみつき |
前川千津子 |
天 |
黒板も机も椅子も板でした |
黒田忠昭 |
軸 |
木簡の秘めた恋文陽に晒す |
長川哲夫 |
兼題 「渦」 平山繁夫 選
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渦巻いた野心男を眠らせぬ |
奥西勇人 |
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国なまり鳴門の渦と母のこと |
豊野光子 |
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平凡へ感謝しながら立てる渦 |
南つかさ |
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渦に手を入れて残り火掻き立てる |
南つかさ |
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私への渦か我慢して生きる |
前川千津子 |
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心なお老いず渦巻く夢数多 |
赤井花城 |
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世の渦を妻と二人で渡り切る |
黒嶋海童 |
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渦潮の底に聞こえる武者の声 |
河合敏夫 |
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渦中でも欲しい戦略練るゆとり |
古橋茂子 |
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欲望の渦詰める箱底が無し |
鱸紅雷 |
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胸中に渦巻く不満もてあます |
二宮千栄幸 |
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ひと言を聞いたばかりに渦の中 |
斎藤功 |
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阪神の歓喜の渦もまだ二戦 |
宮本喜明 |
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渦潮がみどりに変る春を告げ |
牧野和子 |
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軍などとやがて渦中で?きそう |
宮本喜明 |
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渦巻きの追っかけごっこする鳴門 |
村上氷筆 |
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ためらいを鳴門の渦に放り投げ |
水田蓉子 |
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感情の渦を残して義母帰る |
黒嶋海童 |
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IT化の渦に溺れるアナログ派 |
倉周三 |
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棄て切れぬ五欲の渦を持って春 |
奥西勇人 |
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わだかまり鳴門の渦に流したい |
中桐徹 |
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筆一本心の渦に立ち向う |
木村稔 |
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リストラの渦中を抜けた父の背 |
山辺和子 |
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愛の渦激しくもつれ流れゆく |
前川和朗 |
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渦潮に春の雄叫び確と聞く |
井上登美 |
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春うらら鳴門の渦に喚声が |
二宮千栄幸 |
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右ひだりスマホの渦を泳いでる |
樋口祐子 |
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渦巻いた心の中を探す文字 |
木村稔 |
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血の絆渦巻きながら許し合い |
豊野光子 |
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善一つ日本の渦に放り込んで |
岸本博子 |
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油断禁物_渦に巻き込まれそうになる |
青木公輔 |
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緒戦二勝地元阪神人の渦 |
田原宏一 |
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桜鯛渦巻く潮へ意地を見せ |
倉田雄登美 |
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春の渦かぞえて渡る鳴門橋 |
黒田忠昭 |
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テロの渦あちらこちらと飛び火する |
長野峰明 |
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不満渦巻く辺野古海の昨日今日 |
前川和朗 |
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遠くから強強見てる人の渦 |
樋口祐子 |
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葉から落ち蛙も渦を作るなり |
前川千津子 |
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渦潮で鯛と男は強くなる |
中桐徹 |
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渦中から外へ身を置き確かめる |
斎藤功 |
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争いの渦に入らぬよう逃げる |
森本佳子 |
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航跡の渦を見詰める物想い |
河合敏夫 |
佳 |
春の渦鳴門秘帖はまだ序章 |
赤井花城 |
佳 |
コーヒーアートの渦から愛が生まれ出す |
矢沢和女 |
佳 |
群衆の渦の中での孤独感 |
森本佳子 |
佳 |
海峡の渦に溶かして来た妬心 |
辰巳和子 |
佳 |
遠いとおい渦を見ていた写楽の眼 |
矢沢和女 |
人 |
渦になる予感を抱いている小指 |
平井美智子 |
地 |
合掌の指に情念渦を巻く |
辰巳和子 |
天 |
君を愛して君に染まって春の渦 |
平井美智子 |
軸 |
バイブルを抱き雑踏の渦にいる |
平山繁夫 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
古橋 茂子 |
牧野 和子 |
矢野 野薫 |
今野美恵子 |
河合 敏夫 |
前川千津子 |
大谷 祝星 |
二宮千栄幸 |
田原 宏一 |
盛 無球 |
中桐 徹 |
松本 光江 |
荒岡 浩志 |
川人 良種 |
倉田雄登美 |
森本 佳子 |
山本としや |
水田 蓉子 |
山内 迪 |
沼尾美智子 |
上野 五柳 |
辰巳 和子 |
長川 哲夫 |
鱸 紅雷 |
矢沢 和女 |
吉田 節城 |
今津 隆太 |
山辺 和子 |
斎藤 功 |
山本さとし |
平井美智子 |
黒田 忠昭 |
黒嶋 海童 |
中谷 光男 |
村岡 義博 |
長野 峰明 |
下山田靖子 |
宮本 喜明 |
前川 和朗 |
平山 繁夫 |
青木 公輔 |
池田 史子 |
倉 周三 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
川畑めぐむこ |
南 つかさ |
木村 稔 |
田中 俊子 |
奥西 勇人 |
豊野 光子 |
村上 氷筆 |
井上 登美 |
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