平成26年11月24日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「忘れる」 小山紀乃 選
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震災を忘れさせじとルミナリエ |
矢野野薫 |
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健さんの一言半句忘られず |
村上氷筆 |
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愛し子の拉致の糾弾忘るまじ |
村上氷筆 |
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時忘れひと日紅葉の風に酔う |
山辺和子 |
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物忘れ増えて私の秋深む |
山辺和子 |
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忘れたい事はチッとも忘れない |
中桐徹 |
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忘れよう忘れてならぬ開戦日 |
豊野光子 |
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温室が忘れさせてる旬の味 |
荒岡浩志 |
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校歌唄えば古い校舎を想い出す |
松下比ろ志 |
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遺伝子のことは忘れて子を叱る |
斎藤功 |
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忘れたとお酒のせいにする正気 |
二宮千栄幸 |
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なあお前いくつやったとクラス会 |
中桐徹 |
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ど忘れの漢字聞けずにそっと辞書 |
瀬島流れ星 |
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一夜漬け済めばきれいに忘れてる |
鱸紅雷 |
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妻が出て行ったことも忘れてオーイお茶 |
みぎわはな |
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やあやあとハグしたものの名が出ない |
長野峰明 |
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忘れてはならない線路歩いた日 |
今津隆太 |
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忘却の果ての海です吼えている |
宮本喜明 |
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レモン色のあの日忘れて狂となる |
矢沢和女 |
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忘れまい人の情けに泣いた日々 |
松本光江 |
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忘れたい痛み抱えている夜長 |
水田蓉子 |
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欲の道忘れはしない人の列 |
斎藤功 |
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初恋もいつか忘れた故郷の墓 |
松本光江 |
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千の風わたしに忘れられぬこと |
前川千津子 |
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少しずつ忘れて母は児に還る |
平井美智子 |
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ひとつずつ忘れ笑顔の増える母 |
山辺和子 |
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重い荷を下した母の仏顔 |
豊野光子 |
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忘れたい心の中にあるしこり |
盛無球 |
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菊日和忘れることのない訛 |
水田蓉子 |
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リセットださあ出直そう忘れよう |
長島敏子 |
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震度七忘れるはずのない基点 |
村上氷筆 |
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なにもかも忘れたいので旅に出る |
矢野野薫 |
佳 |
忘れたい忘れたくないあの微笑 |
宮本喜明 |
佳 |
白鵬が日本の国技忘れさす |
長川哲夫 |
佳 |
嫌なこと忘れ仏へ一歩寄る |
岸本博子 |
佳 |
水に流した過去、忘れてはいない |
鱸紅雷 |
佳 |
散りどきを忘れ輝く芒の穂 |
矢沢和女 |
人 |
傷心を忘れてカモメ今日も飛ぶ |
斎藤功 |
地 |
泣いたこと忘れたいから雲に乗る |
盛無球 |
天 |
ふる里へ忘れた笑顔取りに行く |
川人良種 |
軸 |
これだけは忘れないでという秘密 |
小山紀乃 |
兼題 「ラスト」 井上登美 選
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終章を飾る言葉が出てこない |
倉周三 |
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今気付くあれが最後の父の檄 |
鱸紅雷 |
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幼な恋のせて笹舟それっきり |
長野峰明 |
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生きて来た意味を問われてラストラン |
盛無球 |
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赤色が出てきたトイレのロール |
黒田忠昭 |
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うつし世のゴールに出そうVサイン |
黒嶋海童 |
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終活をまた先送りして師走 |
長島敏子 |
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この人と良い旅をした骨拾う |
大石希世 |
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再会を待っていたのは通夜の席 |
松本光江 |
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諦めずラストチャンスに賭ける恋 |
山本としや |
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ごきぶりもひとまず最後死んだふり |
松本光江 |
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ふるさとへこれが最後という無心 |
平井美智子 |
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ラストは嫌だ常に描くはトップの座 |
山本さとし |
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ラストスパート信号みんな青にする |
みぎわはな |
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冷凍と解凍をくり返し愛 |
矢沢和女 |
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終章のシナリオ妻が書き直す |
辰巳和子 |
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ラストスパート勝ち負けのない拍手 |
山辺和子 |
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ラストシーン飾る私の花柩 |
田中俊子 |
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定年間近ラストスパート足もつれ |
山岡幸一 |
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最後まで諦めるなと母の檄 |
大谷祝星 |
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年末ジャンボラストチャンスと言われても |
前川和朗 |
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またひとつ昭和が消えた友の通夜 |
鱸紅雷 |
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百態の貌が居並ぶ終電車 |
川人良種 |
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一回を休むとラストまでひびく |
牧野和子 |
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終章へラストスパート腕まくる |
樋口祐子 |
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ラストチャンスと思い極めた今の妻 |
松下比ろ志 |
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赤い靴ラストダンスはタンゴでしょ |
森本佳子 |
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これがもうラストと思う初日の出 |
黒嶋海童 |
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「あなたへ」をラストに昭和男逝く |
田原宏一 |
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健さんのラストシーンのあの背中 |
長島敏子 |
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いのち冷凍わたしまだ生きたいのです |
矢沢和女 |
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最終回、回想場面多すぎる |
青木公輔 |
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最後まで生き残るのは鳴かぬキジ |
村岡義博 |
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自分史にラストチャンスのドラが鳴る |
田中俊子 |
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小さな丸打って私を終らそう |
村岡義博 |
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ラストラン切なく寺の鐘を聞く |
樋口祐子 |
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積年のラストチャンスだアイラブユー |
盛無球 |
人 |
お芝居のように老母は手を振って |
豊野光子 |
地 |
最後尾見たことがない蟻の列 |
瀬島流れ星 |
天 |
カムバックシェーン脳裏に今も名シーン |
瀬島流れ星 |
軸 |
夢の花みごとに咲かすラストラン |
井上登美 |
兼題 「立食」 斎藤功 選
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立って食うローカル線の待ち時間 |
大谷祝星 |
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串カツを食べにわざわざ大阪へ |
今津隆太 |
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立食いそば食べてそれからお葬式 |
鱸紅雷 |
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立食を終えてお茶漬ホッとする |
岸本博子 |
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食べ歩き御時世として嘆くまい |
瀬島流れ星 |
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現代版立食パーティ屋台酒 |
前川和朗 |
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立ち食いの元祖ブタマン老祥記 |
山本としや |
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立食いは行儀悪いとしつけられ |
山本さとし |
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立食に話術を生かす良いチャンス |
大石希世 |
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食べすぎる賑やかな顔揃ってる |
前川千津子 |
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安い店みんな斜めに立って飲む |
二宮千栄幸 |
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駅地下の立食いそばが秘密基地 |
川人良種 |
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屋台そば親父の自負を立って食べ |
盛無球 |
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取り皿は情報ばかりデキル人 |
古橋茂子 |
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乗り継ぎに時計見ながらすする蕎麦 |
荒岡浩志 |
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下戸の身に立食時を持て余す |
盛無球 |
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立食のジェラート梨のかほりして |
野澤淑子 |
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早朝の駅の立ち食い宮仕え |
長野峰明 |
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立食を優雅に泳ぐ美女が居る |
黒嶋海童 |
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立食はすぐに乱れて自由席 |
森本佳子 |
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蟻の汗立ち食いソバが知って居る |
長野峰明 |
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立食は少し堪える歳になり |
前川和朗 |
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宮仕え立食参加義理がある |
松本光江 |
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園遊会に立食パーティあるんかな |
青木公輔 |
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立食はお断りする林住期 |
井上登美 |
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立ち食いのうどん温もる夜勤明け |
川畑めぐむこ |
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蕎麦啜る暖簾の下は足ばかり |
田中俊子 |
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立食パーティ振袖そっとたくしあげ |
豊野光子 |
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品格も備え立食座がもたぬ |
松本光江 |
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立食いの屋台に揃う顔がある |
黒田忠昭 |
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パーティは立食わたし好みかも |
小山紀乃 |
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立食パーティ美人は皿に媚も盛り |
みぎわはな |
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取り皿に品格匂う人模様 |
古橋茂子 |
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ちょっと一杯うわさ話を立って食い |
樋口祐子 |
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賄いを立って食べてる流行る店 |
久山節子 |
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駅そばの猫舌無情発車ベル |
みぎわはな |
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立食いにちょっと淋しい影がある |
松下比ろ志 |
佳 |
立食で話題に困る濡れ落ち葉 |
井上登美 |
佳 |
立食パーティ集めに回る票と金 |
村岡義博 |
佳 |
立食パーティ名刺交換忙しい |
辰巳和子 |
佳 |
立食に馴染めぬ腹は茶漬け恋う |
南つかさ |
佳 |
立食は肚割ってなど話せない |
黒嶋海童 |
人 |
バイキング立食もよいクラス会 |
牧野和子 |
地 |
選挙前立食パーティ高くつき |
宮本喜明 |
天 |
立食の皿に遠慮が盛ってある |
平井美智子 |
軸 |
立ち食いに気軽さという隠し味 |
斎藤功 |
兼題 「留守番」 宮本喜明 選
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留守番の母に感謝の花を購う |
山辺和子 |
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留守電に本音並べる恋未練 |
長野峰明 |
|
いい土産じっと待ってるお留守番 |
盛無球 |
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独り言本音吐いてるお留守番 |
斎藤功 |
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留守番に慣れた夫のカップ麺 |
久山節子 |
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留守電にホントの俺だ金送れ |
中桐徹 |
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おとなりで留守番してるうちの犬 |
松本光江 |
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うさばらし飲み放題の妻の留守 |
倉田雄登美 |
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留守番の猫縁側で大欠伸 |
長島敏子 |
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母の留守出前の皿が山積みに |
河端世起子 |
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留守番の特権噂の種拾う |
青木公輔 |
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鍵っ子におやつも添えてママのメモ |
倉周三 |
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妻と娘が出かけて広い六畳間 |
平井美智子 |
|
リン鳴らし仏に留守を申し上げ |
豊野光子 |
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留守番に庭掃除いうおまけ付き |
上野五柳 |
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ポチの餌朝昼晩と書いて留守 |
中桐徹 |
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留守番へやたらと今日は鳴るチャイム |
水田蓉子 |
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鍵っ子が「おやすみママ」と置手紙 |
下山田靖子 |
|
留守番に無の字の多い写経する |
長川哲夫 |
|
留守番を決め込み寝溜めする |
牧野和子 |
|
留守番のペット淋しさ撒きちらす |
小山紀乃 |
|
また留守番犬は気配でまといつく |
二宮千栄幸 |
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留守番は亡夫表札下駄に靴 |
倉田雄登美 |
|
退屈が好き留守番を買って出る |
青木公輔 |
|
留守電に夫婦が揉めるメッセージ |
久山節子 |
|
信号機消えた感じの妻の留守 |
松下比ろ志 |
|
積ん読が少し小さくなりました |
前川千津子 |
|
留守電の声が迎えるワンルーム |
川畑めぐむこ |
|
留守番し酒とタバコをほしいまま |
村上氷筆 |
|
留守番を喜ぶ夫の盗み酒 |
大石希世 |
|
折角の留守番誰も来ずくれる |
前川千津子 |
|
留守番へ妻の指示書が重すぎる |
南つかさ |
佳 |
あの人に留守を頼むと酒が要る |
黒嶋海童 |
佳 |
留守電にトーンを上げて喋る妻 |
鱸紅雷 |
佳 |
留守番電話から洩れてくるのが元夫 |
森本高明 |
佳 |
仏壇へいってきますと靴を履く |
矢沢和女 |
佳 |
真ん中の一升ビンが留守をする |
矢沢和女 |
人 |
留守ですよ中から叫ぶお留守番 |
盛無球 |
地 |
留守番の猫と夫のなさぬ仲 |
野澤淑子 |
天 |
留守三日一人膳まで冬の色 |
田原宏一 |
軸 |
私も黄色ハンカチ掲げよか |
宮本喜明 |
兼題 「冷凍」 村上氷筆 選
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冷凍のみかん片手に汽車に乗る |
河端世起子 |
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フリーズの意味が分からず撃たれた子 |
今津隆太 |
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冷凍マグロ手鉤が痛いとも言わず |
中桐徹 |
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冷凍で賞味期限も凍り付き |
荒岡浩志 |
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産声は冷凍卵の化学の子 |
大石希世 |
|
遺伝子を冷凍保存したけれど |
前川和朗 |
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ひとり居の五感切ないチン料理 |
古橋茂子 |
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出自などだあれも知らぬ冷凍魚 |
斎藤功 |
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冷凍はほど良いチンで生き返る |
斎藤功 |
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冷凍の屍体が語るサスペンス |
長野峰明 |
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冷凍にしていますのよプロポーズ |
野澤淑子 |
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冷凍庫満杯にして旅に出る |
森本佳子 |
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うっすらと悔し涙の冷凍魚 |
川畑めぐむこ |
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争いを冷凍したい世界地図 |
宮本喜明 |
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冷凍の技冴え遊ぶ暇作る |
大石希世 |
|
貝になるしばし私を凍らせる |
松本光江 |
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冷凍をしたよな父の石頭 |
盛無球 |
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冷凍で間に合わせるか今日の客 |
井上登美 |
|
冷え切った心を解かす母の愛 |
長野峰明 |
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冷凍のバラだけが知るあの秘密 |
野澤淑子 |
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大切な一句冷凍保存する |
牧野和子 |
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胸中に冷凍保存する家訓 |
川人良種 |
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ルミナリエ昔のセリフ融けて出る |
山本としや |
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わら葺屋根に冷凍食は似合わない |
青木公輔 |
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愛少し下さい心溶かすため |
黒嶋海童 |
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冷凍保存してもやっぱり捨てる恋 |
長島敏子 |
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プロポーズの言葉冷凍保存中 |
川人良種 |
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冷凍にしたプライドが暴れ出す |
小山紀乃 |
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冷凍の剣先イカが凶器らし |
村岡義博 |
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冷凍魚ムンクの叫び聞いた顔 |
中桐徹 |
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いつの世か生き返りたい冷凍葬 |
瀬島流れ星 |
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冷凍して女を妻に閉じ込める |
みぎわはな |
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冷凍の鮭は古里恋うばかり |
豊野光子 |
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苦も楽もごちゃ混ぜにして冷凍庫 |
南つかさ |
佳 |
元彼の精子を冷凍しています |
倉周三 |
佳 |
解凍をしたい夫婦の脳細胞 |
南つかさ |
佳 |
冷凍をされてた愛が戻らない |
盛無球 |
佳 |
永遠の愛解凍しつつフルムーン |
倉周三 |
佳 |
解凍に手間どるもつれ糸の性 |
田原宏一 |
人 |
胸奥に冷凍保存する慕情 |
辰巳和子 |
地 |
まだ今は哭けぬ柩に釘をうつ |
矢沢和女 |
天 |
解凍へグラリ崩れてゆく昨日 |
長島敏子 |
軸 |
移り気なあなたの愛を凍らせる |
村上氷筆 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
大谷 祝星 |
牧野 和子 |
二宮千栄幸 |
井上 登美 |
前川 和朗 |
長野 峰明 |
瀬島流れ星 |
今野美恵子 |
田原 宏一 |
山内 迪 |
川人 良種 |
長島 敏子 |
豊野 光子 |
下山田靖子 |
みぎわはな |
岸本 博子 |
斎藤 功 |
大石 希世 |
水田 蓉子 |
中桐 徹 |
山本としや |
荒岡 浩志 |
黒田 忠昭 |
盛 無球 |
古橋 茂子 |
久山 節子 |
青木 公輔 |
山辺 和子 |
鱸 紅雷 |
長川 哲夫 |
前川千津子 |
上野 五柳 |
倉田雄登美 |
今津 隆太 |
山本さとし |
倉 周三 |
矢野 野薫 |
森本 佳子 |
宮本 喜明 |
黒嶋 海童 |
村上 氷筆 |
小山 紀乃 |
松下比ろ志 |
野澤 淑子 |
平井美智子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
森本 高明 |
南 つかさ |
山岡 幸一 |
河端世起子 |
川畑めぐむこ |
田中 俊子 |
村岡 義博 |
辰巳 和 |
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