平成26年9月23日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「彼岸」 矢沢和女 選
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秋彼岸ストーンヘンジが語り出す |
氈受彰 |
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彼岸境に恋のゆくえが二分する |
青木公輔 |
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涙ぐむ墓参の道の彼岸花 |
小山紀乃 |
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彼岸花仏の顔で咲いている |
松下比ろ志 |
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彼岸会には善男善女の顔となる |
田原宏一 |
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あの赤が画布に描けない彼岸花 |
今津隆太 |
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おふくろが大好きだった彼岸花 |
山本さとし |
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彼岸花岸から望む災害地 |
大谷祝星 |
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母さんと彼岸参りの車イス |
森廣子 |
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釈迦と共に鬼も待ってるかも彼岸 |
上野五柳 |
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訃は不意に赤あかと咲く彼岸花 |
山辺和子 |
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豪雨抜け巡る彼岸の風の中 |
小山紀乃 |
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彼岸には仏の好きなリンゴなど |
前川千津子 |
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豪雨にも敗けずに咲いた彼岸花 |
盛無球 |
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亡き父母が窓から帰り来る彼岸 |
牧野和子 |
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お彼岸のおはぎ配った赤い下駄 |
森廣子 |
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彼岸から父母が呼ぶよないわし雲 |
黒嶋海童 |
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夕焼の真裏に彼岸見つかるか |
桂ひろし |
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彼岸へは白い衣で飛ぶつもり |
森廣子 |
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犬掻きでやっと彼岸に辿り着く |
氈受彰 |
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万華鏡のぞいて彼岸さがし出す |
桂ひろし |
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彼岸から友が手招きして困る |
倉周三 |
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我欲まだ残し彼岸が遠すぎる |
盛無球 |
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満月へ媚態を示す彼岸花 |
久山節子 |
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生きてるように仏と語り秋彼岸 |
倉周三 |
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野仏も日傘がほしい彼岸かな |
矢野野薫 |
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墓参り亡夫へ恋文書き綴り |
豊野光子 |
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彼岸より遠くに見える北の国 |
中桐徹 |
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彼岸から呼び戻してよブーメラン |
古橋茂子 |
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わたくしの眠るところに曼殊沙華 |
氈受彰 |
佳 |
彼岸からメールが届く誕生日 |
樋口祐子 |
佳 |
風に揺れ挽歌をこぼす彼岸花 |
山辺和子 |
佳 |
曼殊沙華わたしの恋も燃えつきる |
小山紀乃 |
佳 |
カラヤンのタクトに躍る彼岸花 |
川人良種 |
佳 |
秋彼岸我が行く末をふと思う |
長島敏子 |
人 |
iPS彼岸への道遠くする |
中桐徹 |
地 |
何処までが彼岸か恋の道しるべ |
青木公輔 |
天 |
白檀の香華手向ける秋彼岸 |
井上登美 |
軸 |
わたくしを奪ういち面彼岸花 |
矢沢和女 |
兼題 「癒える」 久山節子 選
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川柳の病を癒す入選句 |
瀬島流れ星 |
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長電話したらすっかりリラックス |
小山紀乃 |
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通帳で心も癒える深夜二時 |
荒岡浩志 |
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薪風呂が心身癒す里帰り |
瀬島流れ星 |
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病気癒えうるさい口が戻る父 |
黒嶋海童 |
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癒えるのに五年かかった離婚から |
今津隆太 |
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帰省子の心を癒す祭り笛 |
倉田雄登美 |
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菊大輪快気祝いの真ん中に |
赤井花城 |
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癒えた眼に野路菊の白まぶしくて |
山辺和子 |
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癒えるまでお百度踏んでくれた母 |
水田蓉子 |
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聞き上手こころの傷が癒えてくる |
山辺和子 |
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被災地の迷彩服にある癒し |
村岡義博 |
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ありがとう、この一言で癒される |
盛無球 |
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無人駅、花一輪が活けてある |
矢沢和女 |
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犬ならば舐めれば癒える程の傷 |
斎藤功 |
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労りは要らぬ瘡蓋取れるまで |
豊野光子 |
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被災者の心も癒やすテント風呂 |
鱸紅雷 |
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浴びるほど飲んでも癒えぬものがある |
浜知子 |
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医者の顔見れば癒えます高齢者 |
斎藤功 |
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四苦八苦満願成就遍路旅 |
河合敏夫 |
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故郷の風抱かれて癒される |
牧野和子 |
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秋の風受けて癒しのハイキング |
山本さとし |
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全没の痛みを癒やす縄のれん |
長野峰明 |
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瘡蓋の下は再起の白い地図 |
みぎわはな |
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台風を耐えた野菜に見る新芽 |
山内迪 |
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歳月が解いてくれる重い傷 |
山口ヨシヱ |
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まだ癒えぬ心の傷に雨しとど |
二宮千栄幸 |
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目の病癒えて大根白極む |
水田蓉子 |
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萌え?と男を癒やすアキバ嬢 |
浜知子 |
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束の間の癒しと思う妻の留守 |
平井美智子 |
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フクシマの癒えぬうちから再稼動 |
氈受彰 |
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癌癒えて五勺の酒を許される |
辰巳和子 |
佳 |
ベジタリアン癒し系とは限らない |
村岡義博 |
佳 |
胸の傷抱いて田舎のバスの中 |
森廣子 |
佳 |
笑いヨガ終えてすっかり癒やされる |
小山紀乃 |
佳 |
空空寂寂ふわりと水くらげ |
野澤淑子 |
佳 |
癒えるまで日にち薬はたんとある |
樋口祐子 |
人 |
もう傷は癒えたか九月青い空 |
二宮千栄幸 |
地 |
瘡蓋を剥がすと秋の風が立つ |
沼尾美智子 |
天 |
逆縁の柩の窓にいつ癒える |
宮本喜明 |
軸 |
癒えたらし翳りの色も薄らいで |
久山節子 |
兼題 「夕刊」 前川淳 選
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夕刊に荷が重過ぎる大事件 |
森廣子 |
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夕刊で今日という日を確める |
松下比ろ志 |
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夕刊の立ち読み影は長くおち |
野澤淑子 |
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夕刊を配り終えたら茜雲 |
倉周三 |
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妻の酌夕餉の膳と夕刊と |
みぎわはな |
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蚊に注意して夕刊を読む九月 |
上野五柳 |
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郵便ポスト夕刊だけが入ってる |
森本高明 |
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気の抜けたデザートみたい夕刊紙 |
村岡義博 |
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世の変化夕刊太郎唄があり |
牧野和子 |
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夕刊がネットを睨み背伸びする |
荒岡浩志 |
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朝刊は休み夕刊でかい顔 |
大石希世 |
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夕刊の孤独死さみしさんまのけむり |
下山田靖子 |
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黄昏れる我が身の丈に合う紙面 |
岸本博子 |
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夕刊は継子の様にあしらわれ |
長野峰明 |
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夕刊は何故かやさしい風で来る |
豊野光子 |
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夕刊にのる絶妙のタイミング |
大谷祝星 |
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夕刊を拾い読みするエレベーター |
村上氷筆 |
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夕刊は言わばトカゲの尻尾かな |
長野峰明 |
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山の寺夕刊来ぬ日二合呑む |
釋翔空 |
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夕刊の配達音を待つ五感 |
氈受彰 |
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左遷地で知る夕刊のない暮し |
山辺和子 |
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夕刊の訃翌朝訂正されていた |
青木公輔 |
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夕刊の眼を釘付けにする訃報 |
赤井花城 |
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お隣の夕刊覗き終電車 |
平井美智子 |
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駅売りの夕刊食べるスマートフォン |
荒岡浩志 |
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夕刊紙冷めた気持で記事ながめ |
前川和朗 |
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お茶漬けの眼は夕刊を追いながら |
赤井花城 |
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夕刊の走るころまで喋ってる |
樋口祐子 |
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夕刊の古さスマホで間に合わす |
樋口祐子 |
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夕刊のコラムに冴える紙ナイフ |
奥西勇人 |
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夕刊の隅にひとつの美談ある |
青木公輔 |
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夕刊の匂いの中に今日がある |
山辺和子 |
佳 |
盲腸のように思える夕刊紙 |
村岡義博 |
佳 |
夕刊の軽さに志を捨てた |
平山繁夫 |
佳 |
夕刊の三面記事の舌足らず |
宮本喜明 |
佳 |
夕刊の隅にうるうるするコラム |
辰巳和子 |
佳 |
夕刊が夕陽を連れてポストまで |
松下比ろ志 |
人 |
夕刊のむこうに冬の虹がたつ |
平山繁夫 |
地 |
夕刊の匂いがしない過疎の村 |
鱸紅雷 |
天 |
夕刊のことりと落ちて風は秋 |
水田蓉子 |
軸 |
文化果つ夕刊のない里に住む |
前川淳 |
兼題 「エキサイト」 黒嶋海童 選
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雄叫びのテニスコートが狭すぎる |
長川哲夫 |
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血圧もねぶたも今宵エキサイト |
岸本博子 |
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月蝕にエキサイトする原始の血 |
赤井花城 |
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エキサイトしてはいけない不整脈 |
盛無球 |
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孫歩き狂喜乱舞の私です |
河端世起子 |
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あと一球甲子園のエキサイト |
沼尾美智子 |
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エキサイトした頃もある眠り猫 |
氈受彰 |
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一匹の蜂に教室エキサイト |
河合敏夫 |
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エキサイト益々語尾が荒くなる |
倉周三 |
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恋じゃないそのドキドキは不整脈 |
中桐徹 |
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月旅行もうすぐですと煽る風 |
牧野和子 |
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エキサイトした日々遠く花棺 |
久山節子 |
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エキサイトしたからおなか鳴っている |
盛無球 |
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すぐカッカ瞬間湯沸器と言われ |
倉周三 |
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札束を積まれて少しエキサイト |
辰巳和子 |
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肩越しの声に将棋がエキサイト |
大谷祝星 |
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日本も決勝までのエキサイト |
前川千津子 |
|
文科賞に選ばれそうな予感する |
前川淳 |
|
南シナ海お隣が売るエキサイト |
村岡義博 |
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エルヴィスにエキサイトした遠い日よ |
山辺和子 |
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仮面の君へエキサイトする私 |
樋口祐子 |
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知らぬ者同士抱き合う逆転打 |
村上氷筆 |
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号泣でわが首掻いたエキサイト |
長野峰明 |
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ひょっとしてユニオンジャック消える町 |
長川哲夫 |
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「只今」のチャイムに金魚エキサイト |
河合敏夫 |
|
ご近所へ美人姉妹が越してきた |
平井美智子 |
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エキサイト見せぬ女の冷徹さ |
宮本喜明 |
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アンコールつづくタクトもエキサイト |
赤井花城 |
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まだ卒寿これから咲かす花がある |
浜知子 |
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金星へ座布団が舞うエキサイト |
長野峰明 |
|
口ゲンカ互いの顔に飛ぶつばき |
村上氷筆 |
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相合傘ベンチで濡れて動かない |
大石希世 |
佳 |
説教はする人だけがエキサイト |
斎藤功 |
佳 |
エキサイト出来ぬさびしい袋とじ |
村岡義博 |
佳 |
夕張のメロンを食べた喉仏 |
矢野野薫 |
佳 |
エキサイトした日もあった父子酒 |
池田史子 |
佳 |
エキサイトバナナの皮は滑り過ぎ |
森廣子 |
人 |
座ってはおれぬどこかで笛太鼓 |
矢沢和女 |
地 |
限定に弱い女のエキサイト |
久山節子 |
天 |
国産の土びんむしだとエキサイト |
矢野野薫 |
軸 |
特売のワゴンに駆ける血走る目 |
黒嶋海童 |
兼題 「夜」 前川千津子選
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できる事年々減って秋夜長 |
川畑めぐむこ |
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月の夜を語り明かした友が居た |
赤井花城 |
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夜行列車に飛び乗りそれからのわたし |
矢沢和女 |
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洒落た夜ホテルで過す誕生日 |
奥西勇人 |
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白黒の石に遊ばれ夜が更ける |
樋口祐子 |
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秋祭り夜風も誘い来る太鼓 |
牧野和子 |
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プロポーズ右か左か長い夜 |
川人良種 |
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チャルメラの音がまだする遠い夜 |
黒田忠昭 |
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白夜なら、働き詰めの母でした |
野澤淑子 |
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観月に月はにかんで雲隠れ |
大石希世 |
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逢える日を指折り数え待つ夜長 |
倉周三 |
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夜もすがら受験の部屋に灯が点る |
黒嶋海童 |
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古里の真夜中の音汽車去って |
釋翔空 |
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百万ドル神戸夜景に徹夜する |
倉田雄登美 |
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秋ひとり真夜中が好き月が好き |
長島敏子 |
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陽の落ちたあとのドラマは皆ひ・み・つ |
瀬島流れ星 |
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青春の音符いろいろ深夜便 |
山口ヨシヱ |
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早よ帰れと夜のデートへ行く猫に |
上野五柳 |
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文庫本秋の夜長に積み上げる |
山辺和子 |
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夜が来る度にしみじみ思う明日 |
長島敏子 |
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逝く友へ名残りを惜しむ夜の雨 |
斎藤功 |
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虫の音を拾って歩く秋月夜 |
盛無球 |
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安定剤呑んでぐっすり夜を寝る |
山内迪 |
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月おぼろ恋しい影はすぐ分かる |
黒嶋海童 |
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コンビニへ走る夜中のご来客 |
矢野野薫 |
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恰好の相手にされるオセロの夜 |
沼尾美智子 |
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夜の蝶クラブ縁無い平社員 |
倉田雄登美 |
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泣く笑う喜劇がつづく縄のれん |
宮本喜明 |
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夜を昼に学習塾はルビをふる |
田原宏一 |
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病室の窓から探す流れ星 |
平井美智子 |
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夜中迄しゃべり続けて笑ったね |
小山紀乃 |
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夜露にぬれ待つこと久し虫すだく |
前川淳 |
佳 |
あれこれと考えるため夜がある |
上野五柳 |
佳 |
少年が思いに耽る秋夜長 |
盛無球 |
佳 |
美しい明日を抱いている夜空 |
平井美智子 |
佳 |
さわさわと風の私語聞く夜の木々 |
久山節子 |
佳 |
目が冴える午前二時迄本の虫 |
小山紀乃 |
人 |
ひとり寝に寛ぎくれる深夜便 |
井上登美 |
地 |
琴を置く哀切々と夜の調べ |
長川哲夫 |
天 |
秋夜長心清めて写経する |
山口ヨシヱ |
軸 |
秋めいてベランダからの月を見る |
前川千津子 |
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延着分 |
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左遷地の夕陽いやしてくれる秋 |
南つかさ |
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そして秋昨夜のメール燃え上がる |
南つかさ |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
長野 峰明 |
瀬島流れ星 |
山内 迪 |
牧野 和子 |
荒岡 浩志 |
斎藤 功 |
川人 良種 |
大谷 祝星 |
釋 翔空 |
村岡 義博 |
二宮千栄幸 |
小山 紀乃 |
河合 敏夫 |
盛 無球 |
今野美恵子 |
岸本 博子 |
井上 登美 |
山本としや |
山口ヨシヱ |
長川 哲夫 |
沼尾美智子 |
黒田 忠昭 |
豊野 光子 |
みぎわはな |
古橋 茂子 |
水田 蓉子 |
倉田雄登美 |
中桐 徹 |
黒嶋 海童 |
久山 節子 |
田原 宏一 |
森 廣子 |
野澤 淑子 |
前川千津子 |
山本さとし |
鱸 紅雷 |
上野 五柳 |
長島 敏子 |
今津 隆太 |
松下比ろ志 |
山辺 和子 |
前川 和朗 |
大石 希世 |
桂 ひろし |
宮本 喜明 |
青木 公輔 |
平山 繁夫 |
矢沢 和女 |
前川 淳 |
池田 史子 |
村上 氷筆 |
下山田靖子 |
氈受 彰 |
浜 知子 |
矢野 野薫 |
倉 周三 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
森本 高明 |
奥西 勇人 |
川畑めぐむこ |
河端世起子 |
平井美智子 |
辰巳 和子 |
田口 節子 |
南 つかさ |
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