平成26年3月16日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「祈る」  長川哲夫 選
必勝の虎性懲りもなく祈る 上原翔
開運を十円ほどで神に乞う 黒嶋海童
もおすこし生かせて下さい仏さま 前川千津子
クラス会まず黙祷で幕が開き 河原野折杭
震災へ智恵子の祈り届かない 中桐徹
虫のいい祈りに神のほほえみを 室田隆司
ローソクが揺れて相談事終える 河合敏夫
氏神に祈り通じずまだひとり 上野五柳
祈っても当らぬくじをまた買いに 内藤夢彦
STAPはあると信じている祈り 村岡義博
フクシマの野菜祈りの味がする みぎわはな
復興へ祈りは深し浪江町 上野五柳
合掌へ合掌返す遍路笠 倉周三
燈明を上げて祈って来た句会 山内迪
十字架を切って懺悔のレクイエム 川人良種
千人針祈る少女の糸結び 豊野光子
祈りから浮かびくるもの学ぶもの 沼尾美智子
いくつ出合っていくつ別れて春遍路 平井美智子
初孫に家族が祈る「健やかに」 鱸紅雷
人間の弱さを庇うお賽銭 河合敏夫
黙祷のしじまに響く電子音 長島敏子
小さな手重ね読経を聞いている 二宮千栄幸
推進派安全すべて神頼み 前川和朗
企業戦士無傷で帰れと母祈る 岸本博子
縋る目も祈る目もある父卒寿 宮本喜明
プロメティウスのなみだに祈る原子の火 下山田靖子
寒行の僧は祈りの形して 樋口祐子
半眼に満願を見るあみだ仏 田原宏一
祈るときこんな私も生に還る 斎藤功
インテリの理性もすがる仏様 大谷祝星
娘の病祈るしかない母がいる 古橋茂子
千羽鶴折れば祈りが口を吐く 盛無球
茶断ちして命を懸けて子を守る 豊野光子
祈るのは心の灰汁を抜いてから 辰巳和子
病む母へ一心に踏む百度石 倉周三
ベースアップ祈り通じたこの春闘 小島知無庵
麦を踏む農夫は明日を祈りつつ 矢野野薫
遠くて近い五十回忌の父と母 黒田忠昭
STAP細胞作為でないと祈りたい 中桐徹
勝つことの祈り私も掌を合わす 前川千津子
来世は整形費用要らぬよう 瀬島流れ星
人が書く大吉を引く神頼み 村岡義博
手の届く恋も祈りの手を借りて 小島知無庵
祈りから入る震災モニュメント 長島敏子
通学路あたまを下げたあの祠 斎藤功
みちのくのブログに描いた祈りの詩 長川哲夫

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兼題  「呑気」  樋口祐子 選
あの世でも呑気川柳続けます 黒田忠昭
呑気だとO型だろと決めつける 瀬島流れ星
菜を刻むこんなものかな余生とは 古橋茂子
また地震蝦蟇も呑気にしておれぬ 盛無球
遺産分け左団扇で暮らす人 井上登美
呑気だと思われ勝ちな肥満体 久山節子
のほほんとしているうちにエピローグ 前川淳
呑気に呑気に暮らしてストレスはゼロだ 青木公輔
楽天と呑気を楯に生き延びる 赤井花城
尻に火が付く暮しだが肥えている 黒嶋海童
二つ三つ呑気沈める露天風呂 岸本博子
呑気者たまに気がつく無呼吸に 山岡幸一
傍目には呑気に見えて火の車 倉周三
呑気というよりどん臭いうちのパパ みぎわはな
ケイタイもメールも知らぬ日向ぼこ 前田久雄
真実が呑気の外で渦を巻く 荒岡浩志
糸切れた凧になります宿六で 宮本喜明
のん気な私にゆっくり来いと云う亡夫 下山田靖子
代名詞ばかりで話通じます 井上登美
聴診器どんな音でも気にしない 小島知無庵
先生と呼んで十年かばん持ち 河合敏夫
どん底も知っているぞという呑気 平井美智子
風評にあくせくしないお湯の旅 沼尾美智子
のんびりと呑気が同居して長寿 矢野野薫
功競う時期は過ぎたと日向ぼこ 盛無球
あゝやって呑気にUFO待っている 久山節子
ドンマイと気にせぬ嫁で灯が点る みぎわはな
我輩も猫のんきに暮らす妻の膝 長川哲夫
どうにかなるさ楽天主義の父真似る 山本としや
震度5ぐらいじゃ夫高鼾 辰巳和子
南海トラフ山上に墓地買ってます 黒田忠昭
蟻の列追って何処まで行ったやら 長野峰明
彼のベストを四年掛かりで編んでいる 倉周三
僕の取柄は呑気いつもマイウェイ 内藤夢彦
消費税四月馬鹿だと言う夫 河合敏夫
小額のベアで気分は庄助さん 中桐徹
無のこころ影も一しょに日向ぼこ 豊野光子
靴下が破れていても平気です 前川千津子
呑気ものにも新たな時代押し寄せる 牧野和子
誉められていると信じて会釈する 豊野光子
呑気もんの君がなぜ何故逝き急ぐ 池田史子
里山にコンビニポスト無いくらし 松本光江
御飯どき何時も呑気が盛ってある 南つかさ
ざんばらが呑気相撲へ喝を入れ 上原翔
百歳の身方は呑気酒少し 村上氷筆
アベさんに老後のことは任せてる 中桐徹
胃袋を満たして春を謳歌する 樋口祐子

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兼題  「励ます」  鱸紅雷 選
ふんばれば何時も励ます郷里の風 松本光江
励ましの握手に残る手の温み 大谷祝星
酌み交すだけで元気をくれる友 平井美智子
こんな時亡母の励まし欲しくなる 小山紀乃
激励が重圧と化すソチ五輪 荒岡浩志
何よりも僕を励ますのは諭吉 河原野折杭
励まされ豚も本気で木に登り 樋口祐子
明日退院窓にすっきり月がある 宮本喜明
同病のベッド励ます末期ガン 山本としや
言葉より寄り添う肩に励まされ 赤井花城
激励よりそっと手渡す熨斗袋 倉田雄登美
病む人を励ます微笑目に残る 前川千津子
励まされやる気でる人しぼむ人 上野五柳
頑張れぬ人にはそっと寄り添って 岸本博子
元気ないぞと見舞いに行って励まされ 倉周三
リハビリの母を励まし肩を貸す 辰巳和子
いびつでも個性的だと励まされ 久山節子
励ます方もはげまされたい老介護 南つかさ
遠くなる励まし合った震災時 岸本博子
地の底で励まし唄うヨイトマケ 川人良種
上京に母はホームを小走りに 倉田雄登美
師の一言で少年は夢つなぐ 古橋茂子
励ましに答えられない日の疼き 盛無球
失恋の女励ます占い師 大谷祝星
事あれば押っとり刀の友でいる 古橋茂子
孫受験祖父母励ますだけの役 盛無球
東北を励ます三度目の桜 赤井花城
独り居へメル友からの定期便 瀬島流れ星
励ましも癒やしもくれるペットの目 小山紀乃
励ましのハートマークが波紋呼ぶ 瀬島流れ星
励まし合う良きライバルは無二の友 斎藤功
厳しくも励ます朱筆師が入れる 黒嶋海童
励まされ励まし生きた昭和の日 盛無球
励まして褒めて夫をこき使う 河原野折杭
被災地を励ます声も先細る 室田隆司
嫁ぐ日へそっと背を押す父の背 山辺和子
やさしい目母は涙で背を押す 豊野光子
病床を見舞う子の笑み肺腑衝く 田原宏一
掛け声を自分にかけて母介護 岸本博子
故郷のエールが届くダンボール 平井美智子
心地よい距離の励まし胸に滲み 池田史子
山鳴りの遠く近くに亡父の声 松本光江
誉め上げて金を取らせた名コーチ 村上氷筆
帰る娘に野菜包んだ無骨な手 久山節子
離れても母の励ましツボを突く 川畑めぐむこ
一歩前出ろと励ます小便器 鱸紅雷

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兼題  「ピリオド」  宮本喜明 選
桃色の吐息ピリオド打たせない 久山節子
旅誘う風ピリオドがまだ打てぬ 赤井花城
しがらみの多さピリオド何時打とう 赤井花城
ピリオドを上手に打って妻が逝く 黒嶋海童
ピリオドを打つと後悔増すばかり 二宮千栄幸
ピリオドを打つタイミングないわたし 二宮千栄幸
ピリオドを外し男が追ってくる 室田隆司
コーヒー冷めるピリオドが言い出せぬ 古橋茂子
終止符を打つ自分史がまだ迷う 赤井花城
ピリオドの小マルの中のいい匂い 黒田忠昭
足元のピリオド無視し突っ走る 小山紀乃
ピリオドなどとっくに打って生きている 内藤夢彦
政治家の寝言ピリオドなく続く 前川和朗
おしまいにしようと雨の降り止まぬ 山辺和子
ピリオドを打って明日の風を待つ 沼尾美智子
駆けてきた働き蜂も一区切り 川人良種
戦後派も昭和で括る長寿国 上原翔
ピリオドの向こうで待っている明日 平井美智子
ピリオドを打って私に戻る春 平井美智子
ピリオドはどう打つ白い割烹着 長島敏子
息抜きのピリオドを打つ老いのペン 樋口祐子
まだ滾る命ピリオドなど打てぬ 辰巳和子
ピリオドを書けないままの置き手紙 川畑めぐむこ
喝采の中ピリオドがしのび寄る 小山紀乃
早合点したピリオドが取消せぬ 瀬島流れ星
ピリオドに笑い泣きした恋けなげ 松本光江
美しいピリオドにする背を磨く 山本ひさゑ
ありがとう最後に言って逝きたいよ 河端世起子
ピリオドを打ちたいために食事する 森本高明
ピリオドを打たせてくれぬ医の進歩 中桐徹
アドレスを消してあなたへ句読点 倉周三
特大のピリオド打って絶つ未練 村上氷筆
齢にはピリオドはない熱く生き 牧野和子
何色に塗ろうかピリオド打った後 盛無球
ピリオドを打たず再起の時を待つ 奥西勇人
終止符を打てば顔だす天の邪鬼 松本光江
人を恋うピリオドなどは打てません 瀬島流れ星
ピリオドを打つ真正面の夕陽 山本ひさゑ
回数券残したままに逝きました 鱸紅雷
ピリオドを飛ばして読んだラブレター 長川哲夫
ピリオドの真ん中辺にある無念 長島敏子
ピリオドの線がぼやけている未練 山本ひさゑ
ピリオドがコロコロ逃げてゆく電話 黒田忠昭
人生の答はマルと書くつもり 平井美智子
ピリオドだけがポツンと打ってある手紙 黒田忠昭
ピリオドは葉ざくらの頃決めている 宮本喜明

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兼題  「富士山」  黒嶋海童 選
日本の背骨よ富士山が誇り 小山紀乃
富士山は上りと下りとしかない 森本高明
わが視野に入りきれない富士の山 山辺和子
富士は女神嫉妬の煙そのうちに 上野五柳
御来光世界の平和祈ります 河端世起子
富士の山登れば寒くなる心 盛無球
逆さ富士みんな綺麗な過去にして 長島敏子
仰ぎ見て放屁なされた人もいる 室田隆司
富士仰ぎ文武二道の志 矢野野薫
ふるさとはぶどう畑と富士の山 樋口祐子
富士山に次郎長添える駿河っ子 村岡義博
登るより見上げる山と崇めたい 室田隆司
富士山が見えれば地価も跳ね上り 池田史子
富士山なら五合目僕は課長補佐 倉周三
日本中あちらこちらに富士の山 盛無球
宝籤当れば富士の見える家 みぎわはな
しろがねの富士の裾野は春動く 田原宏一
男女とも裸で富士にご対面 室田隆司
富士山へ夜中に登る蟻の列 盛無球
雲の中できっと富士山哭いている 山本ひさゑ
冠雪は富士に似合いの冬帽子 山本としや
富士山の不思議赤富士逆さ富士 上野五柳
上から目線富士山だけはしょうがない 村岡義博
角隠ししてベールして春の富士 黒田忠昭
富士額死語になりつつある懐古 瀬島流れ星
六根清浄富士はすべてを浄化する みぎわはな
車窓からアッという間に富士が逃げ 久山節子
富士ほどのバスケの選手勢ぞろい 内藤夢彦
自然ではなく文化の香り富士の山 前川淳
相続は二県で分ける富士の山 荒岡浩志
わが夫婦も富士も只今休火山 河原野折杭
静と動炎を抱いた富士の山 豊野光子
富士詣で善男善女になってゆく 沼尾美智子
新幹線富士観る側のキップ取る 村上氷筆
満開の桜に浮かぶ富士が好き 村上氷筆
断りもなく借景にされて富士 赤井花城
遺産云云雪かぶる富士馬の耳 田原宏一
霊峰を北斎アングルで狙う 上原翔
八方の裾野が富士の美の土台 瀬島流れ星
入山に金をとりだす富士の山 小島知無庵
車窓まで男の顔で迫る富士 古橋茂子
富士山を手の平にのせバスガイド 久山節子
遠くから見れば綺麗な富士と妻 河原野折杭
富士山の国に生まれている誇り 山本ひさゑ
雲の上下界を憂う富士の峰 長島敏子
富士山の気高さ妻の権高さ 黒嶋海童

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【出席者】 (順不同・敬称略)
二宮千栄幸 大谷 祝星 水田 蓉子 牧野 和子 長川 哲夫 古橋 茂子
室田 隆司 河原野折杭 今野美恵子 豊野 光子 中桐  徹 倉田雄登美
倉  周三 長野 峰明 長島 敏子 久山 節子 田原 宏一 荒岡 浩志
下山田靖子 前川千津子 盛  無球 山本ひさゑ 黒嶋 海童 河合 敏夫
森本 佳子 山本としや みぎわはな 川人 良種 瀬島流れ星 辰巳 和子
鱸  紅雷 上野 五柳 黒田 忠昭 山辺 和子 沼尾美智子 山内  迪
井上 登美 前川 和朗 斎藤  功 岸本 博子 平井美智子 内藤 夢彦
矢野 野薫 村上 氷筆 村岡 義博 宮本 喜明 前川  淳 上原  翔
青木 公輔 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
奥西 勇人 森本 高明 松本 光江 前田 久雄 河端世起子 山岡 幸一
中本 三桂 小山 紀乃 池田 史子 井上 登美 南 つかさ

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