平成26年1月13日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「二十(はたち)」  廣嶋英子 選
直球を投げて後悔した二十 河合敏夫
二十の恋再会祝う喜寿の春 牧野和子
成人式重い荷物を背負わせる 室田隆司
髪飾り揺れて二十の娘の門出 長島敏子
成人式大人になれぬ馬鹿さわぎ 宮本喜明
つい昨日生まれた孫がもう二十 川人良種
三面鏡ひらき二十の頃の夢 沼尾美智子
父と母二十の写真綺麗です 牧野和子
生きてれば二十を祝う家出の娘 山本としや
二十も良いが老後の今もすて難い 山本さとし
逃走の二十才の未来憂う初春 久山節子
成人の仲間に入り酒を飲む 今野美恵子
二十から養毛剤を振ってこれ 倉周三
孫(娘)二十、酒が強くて力持ち 倉田雄登美
大人デビュー仮免許だと心せよ 岸本博子
忘れてる二十の決意どこへやら 森本佳子
なれそめは成人式のクラス会 井上登美
国担う子等の晴れ着にするエール 井上登美
いい味になった二十の酒煙草 黒田忠昭
イントロで終った二十の恋でした 倉周三
新成人未来の的は見つけたか 黒嶋海童
いつの間に大人になった二十の娘 斎藤功
初日の出いつも二十の気で拝む 荒岡浩志
付け爪で子供を抱いている二十 平井美智子
ハタチの恋はハタチのうちにしてしまう 青木公輔
二十にはシャボンの泡がよく似合う 沼尾美智子
青春の真ん中太い丸を書く 山口ヨシヱ
太陽へ大きく胸を張る二十 山辺和子
明日へ跳ぶ今日成人の日の晴れ着 河原野折杭
成人の日から親父と酌むお酒 盛無球
古日記二十の頃のハイネの詩 沼尾美智子
匂い立つ二十の朝のお振袖 長島敏子
三代にわたる振袖孫二十 田原宏一
愛あれば生きていけるという二十 平井美智子
句読点うって二十の仲間入り 山辺和子
成人式三浪ながら元服だ 上野五柳
光ってさへ居ればいいのよ二十の子 松本光江
新しい出会い始まる二十の歩 鱸紅雷
二十から古希まで続く貧乏面 樋口祐子
なりたてのおとなで式がまた荒れる 黒嶋海童
玉音に二十の命拾われて 長野峰明
哲学書抱えて故郷を出た二十 平井美智子
凛々しくも二十才の弓が的を射る 久山節子
一つずつ大人のルールが見えてくる 岸本博子
蒙古斑少し残っている二十 山辺和子
家中で聴くピアノソロ娘は二十才 廣嶋英子

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兼題  「仲良し」  山口ヨシヱ選 
張り切って親子仲良くのど自慢 中本三桂
喜寿祝う無二の友との春満ちる 牧野和子
亡母の影追うて兄弟仲がよい 山内迪
仲良しがひとりふたりと消えてゆく 青木公輔
耕運機二人仲良く耕して 小島知無庵
いで湯旅けんかも楽し三姉妹 南つかさ
はっきりと意見言い合う今もなお 井上登美
お互に傷をなめあう敗け戦 矢野野薫
仲良しの名前が並ぶ兵六碑 盛無球
御無沙汰の友が来そうね椿咲く 松本光江
ツッパリの裏面覗いてからの仲 村上氷筆
恋人が出来て仲良しヒビが入り 岸本博子
ロマンスシート反転させる四人旅 黒田忠昭
かごめの輪独り善がりで鬼ばかり 河合敏夫
友達も仲が良すぎて距離をおく 今野美恵子
仲よしになるには僕を棚に置く 鱸紅雷
五七五みんな仲間にしてくれる 長島敏子
中庭の桜とやがて睦み合う 前川千津子
仲良しのつもり突然裏切られ 井上登美
仲良しも財布の中は覗かせぬ 黒嶋海童
人間が好きで最後は許し合う 平井美智子
仲良しの椅子に置かれていた油断 山辺和子
仕事師と飲んべ仲よく終電車 鱸紅雷
風花の舞台仲良く歩を合わす 水田蓉子
仲よしは一期一会の縁から 水田蓉子
仲良しの友に恵まれ日々豊か 椙元世津
友だちもまだまだ元気うれしいね 松本光江
それぞれの距離でそれぞれ仲が良い 村岡義博
兄弟の歳離れてて仲が良い 盛無球
握り飯二つに割って食べた仲 倉田雄登美
前歴に触れぬ楽しい飲み仲間 河原野折杭
亡父と亡母仲良くねむる桐ダンス 下山田靖子
酔い醒めの水と仲良く生きて来た 長野峰明
憎み合い喧嘩をしても血の絆 豊野光子
見え見えの作り笑いの仲良し度 瀬島流れ星
連れだって今日も夫婦の散歩道 室田隆司
寝食を忘れて語る釣仲間 矢野野薫
胸に棲む仏と鬼が仲が良い 森本佳子
ペアの服、無理に着せられ仲が良い 川畑めぐむこ
仲よしの医者がいるなど威張れない 宮本喜明
ほんとうの仲良し一人あればいい 上野五柳
仲良しの言い分意外と根が深い 椙元世津
進む道違っていても通じ合う 沼尾美智子
ケンカして仲直りして深む縁 長島敏子
弾き初めは竹馬の友と二重奏 内藤夢彦
持ち寄って弾むわが家のティータイム 山口ヨシヱ

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兼題  「庭」  倉周三 選
庭いじり無駄花のない茄子を植え 前川和朗
マンションは松竹梅の祝い鉢 内藤夢彦
人生の庭で出逢った五七五 長島敏子
裏庭は蝉や金魚の墓地だった 鱸紅雷
今年また庭で寿ぐ福寿草 村上氷筆
いじらしい花ばかり咲く妻の庭 黒嶋海童
その内に蓮池の庭見て暮らす 内藤夢彦
坪庭に京の庭師の心意気 森本佳子
お白州で取調べてる町奉行 矢野野薫
境界を塞いでしまう庭のバラ 廣嶋英子
片方のガラスの靴を庭に埋め みぎわはな
花の庭野菜に変える食事情 瀬島流れ星
庭付きの城にローンがのしかかる 川人良種
凍てる庭リストラされた庭ぼうき 樋口祐子
雑草も生えず気楽な冬の庭 樋口祐子
庭下駄にポロリと零すなやみごと 豊野光子
寺の庭仏に向いてある静寂 中本三桂
喜びの庭を彩る呱呱の声 村岡義博
リフォームの庭にパンジー咲き乱れ 山辺和子
沙羅咲いて一期一会の古都の庭 山辺和子
校庭の隅に埋めてきた正義 平井美智子
廃校の庭に寂しく梅一輪 鱸紅雷
坪庭に京の雅の粋を見る 村上氷筆
少年の庭の大志がうすれゆく 樋口祐子
校庭でスマホに嘆く金次郎 川人良種
春の序曲か庭の凍土の雪割草 廣嶋英子
坪庭にひと際高い花水木 沼尾美智子
黙々と季節織り成す古都の庭 岸本博子
一坪の庭でも四季の花咲かせ 矢野野薫
ひな菊揺れる灯台守の去った庭 黒田忠昭
桐の花見上げふとうすれゆく亡母の庭 下山田靖子
1・17壊滅をした母の庭 椙元世津
椿一本植えて女の庭とする 長島敏子
足弾む六甲山は僕の庭 奥西勇人
折々の花の溢れる庭手入れ 中本三桂
裏庭に思い出を焼く手紙焼く 小山紀乃
庭園に元気印の花が咲く 川人良種
受験子に庭の桜がパッと咲き みぎわはな
花よりも野菜を植える妻となる 室田隆司
庭を掃く尼僧に匂い立つ気品 河原野折杭
寛容を心の庭に植えている 井上登美
半日を日向ぼこする禅の庭 黒田忠昭
球根を一年咲きにするずぼら 上原翔
何事も無かったように庭の花 河合敏夫
庭が狭くて集合写真撮れません 青木公輔
冬枯れの庭に希望の芽を探す 辰巳和子
石庭に向かう虚心で得る悟り 河原野折杭
坪庭のペットの墓に寒椿 山本としや
母呼べば花の庭からくる返事 椙元世津
水仙を摘み来て仏間馥郁と 牧野和子
箱庭に里の小さい秋移す 上野五柳
大自然そのものが庭里の家 倉周三

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兼題  「温もり」  室田隆司 選
水垢離を終えた鬼らを待つ焚き火 村上氷筆
一杯のお茶にやさしい国なまり 豊野光子
湯上りのほっこり笑うバスタオル 小山紀乃
記念樹に触れて木の香と温もりと 中本三桂
温もりに飢えて子猫を抱き上げる 辰巳和子
押しくら饅頭寒い昔を温める 村岡義博
温もりを見せられやっと腹を割る 水田蓉子
湯上りの君の匂いを抱きしめる 倉周三
国訛り母の温もり囲炉裏端 倉田雄登美
焼芋を両手でつつむひとりの夜 山辺和子
温もりがほんのり伝う木造家 前川和朗
しあわせを奏でるようなあの寝息 松本光江
逢うた夜のほ照りそのまま持ち帰る 倉周三
何よりも優る赤ちゃんの温もり 沼尾美智子
追伸に温もり籠もる友の檄 上原翔
宅配便のすき間に母の温い文 川人良種
野仏の帽子にふわり雪がのる 長島敏子
寒風に揺れる暖簾がつい誘う 山本さとし
温もりが死後の時間を知っている 長野峰明
あたたかいお二人様という言葉 下山田靖子
おばちゃんの飴が温もり抱いて来る 長野峰明
雪の夜は大根たいて待ってます 下山田靖子
羊水の微かな音か郷の風 宮本喜明
一筆を添えて温もり増す賀状 河原野折杭
寒い日は鍋にかぎると夫婦箸 矢野野薫
温もりはやはり日銀券が良い 中桐徹
言葉より手の温もりを待つ介護 中桐徹
温い月心に抱いて組む坐禅 井上登美
真夜中の温もりそっとナースの手 久山節子
温もりが冷めることない母の鍋 川畑めぐむこ
ちんどん屋が通ったあとの温い風 廣嶋英子
ゆずり合い温もり分かつ椅子ひとつ 大谷祝星
温もりを優しく包む祝い酒 内藤夢彦
思い出をピンクに染めて温まる 松本光江
温もりへ人工呼吸リレーする 瀬島流れ星
温もりの演技も習う詐欺仲間 瀬島流れ星
帰ろうか父の駄洒落の聞けるうち 河合敏夫
遠くから見て見ぬ振りの父の愛 長島敏子
人間の手の温もりとほほえみと 前川千津子
ふわふわのタオルで包み込む介護 平井美智子
懐の寒さを飛ばすお年玉 山内迪
ちょっとだけ温もり分かつ募金する 黒嶋海童
握手した手の温もりが一票に 森本佳子
寒いねと二人で言えば暖かい 平井美智子
ふところが温いと手足良く伸びる 川人良種
猪鍋に温もる雪の城下町 赤井花城
大家族子らが温もり掻き立てる 室田隆司

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兼題  「狙う」  赤井花城 選
大吉を狙いどおりに残り福 小島知無庵
今は昔直木賞など狙ってた 上野五柳
くまもんが花のお江戸で知事狙う 中桐徹
本命に狙い定めてハイチーズ 河合敏夫
狙うもの持たずに鳩と日向ぼこ 山辺和子
漁夫の利を狙いやさしい声を掛け 盛無球
逆転を狙う今日も予習する 井上登美
荒海で大間の漁師マグロ追う 矢野野薫
ペット撫でお近づきになる下心 上原翔
リフォームのチラシが狙う築20 河合敏夫
どこまでも闇を目指して逃亡者 宮本喜明
閉店前の値引き刺身に狙いつけ 倉周三
九分九厘駄目でも狙う白寿かな 樋口祐子
狙いうちされているよな年金手帳 下山田靖子
狙う的定まらぬまま老いてゆく 平井美智子
特種を狙って梯子踏み外す 長野峰明
預貯金を狙うシアター付ホーム 沼尾美智子
薔薇百本貴女のハート狙ってる 鱸紅雷
大化けを狙い万倍日の指し値 上原翔
狙っている古書を見つけた雪晴れ間 廣嶋英子
脚本家の狙い通りの視聴率 沼尾美智子
ゴミ袋狙うカラスと知恵比べ 森本佳子
好物のトロを狙って迷い箸 河合敏夫
狙ったコートバーゲンまでは後少し 山本さとし
トップの座狙って取っても直ぐ降りる 森本高明
わたくしの小銭を狙う消費税 樋口祐子
この道と決めたら的に一直線 みぎわはな
狙ってたバッグ売り切れホッとする 久山節子
検査値に五臓六腑を狙われる 村岡義博
大穴を狙ってからの蟻地獄 倉周三
ふところを狙う山積み福ぶくろ 沼尾美智子
姿盛り鯛の頭を皆狙う 森本佳子
点と線つないで愛に触れてみる 前田久雄
玉の輿狙いすぎたかまだひとり 河端世起子
ほっとけずすぐ矢面に立ちたがり 山内迪
この僕を狙った妻の目が高い 河原野折杭
独り居にあの手この手の口車 古橋茂子
狙っても届かないから出るファイト 山口ヨシヱ
恋の矢を放てば柘榴裂ける音 平井美智子
雪になるカメラを抱え明石城 牧野和子
どの椅子を狙う_ほんのり薄化粧 山口ヨシヱ
青雲は無限明日への志 田原宏一
灯油缶の四隅が狙っている寒波 廣嶋英子
黄昏が迫って的が見えにくい 長島敏子
優しげに孤独を狙うコマーシャル 斎藤功
狙うのは貴女の胸と決めて春 黒嶋海童
蒼天の遥か人生的がある 宮本喜明
息白くシャッターチャンス待つ夜明け 山辺和子
狙わない無欲の母に当たるクジ 岸本博子
飽食の森で鴉の目が光る 山辺和子
狙われるものは何にも無い命 赤井花城

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【出席者】 (順不同・敬称略)
大谷 祝星 長野 峰明 倉田雄登美 荒岡 浩志 鱸  紅雷 川人 良種
河合 敏夫 小島知無庵 牧野 和子 古橋 茂子 矢野 野薫 室田 隆司
上野 五柳 前川 和朗 長島 敏子 田原 宏一 松本 光江 中桐  徹
森本 佳子 廣嶋 英子 今野美恵子 水田 蓉子 倉  周三 内藤 夢彦
黒田 忠昭 瀬島流れ星 山本としや 山口ヨシヱ 盛  無球 斎藤  功
河原野折杭 平井美智子 みぎわはな 黒嶋 海童 山内  迪 沼尾美智子
下山田靖子 山本さとし 井上 登美 岸本 博子 山辺 和子 前川千津子
久山 節子 宮本 喜明 上原  翔 椙元 世津 青木 公輔 樋口 祐子
赤井 花城

【投 句】
森本 高明 奥西 勇人 川畑めぐむこ 村岡 義博 南 つかさ 河端世起子
前田 久雄 小山 紀乃 豊野 光子 辰巳 和子 村上 氷筆

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