平成25年7月28日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「氷」 中桐徹 選
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悩むだけ悩めば溶けてゆく氷 |
山内迪 |
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かき氷まばたきながら児が食べる |
大谷祝星 |
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氷河期をこえて自民の夏祭り |
長川哲夫 |
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花言葉も閉じ込めました氷柱花 |
野澤淑子 |
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百年後北極地図がどう変化 |
牧野和子 |
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かき氷海辺の子等の赤い舌 |
水田蓉子 |
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かき氷の旗が目じるしひと休み |
室田隆司 |
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宇治金のとけないうちに返事して |
上野五柳 |
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指先ほどの氷含んだのが最期 |
廣嶋英子 |
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ねじばなの行きつく先の氷点下 |
廣嶋英子 |
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マンモスの眠る氷河が売りに出る |
長川哲夫 |
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母看取る氷のかけら含ませて |
古橋茂子 |
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ひまわり咲いて安藤美姫を待つリンク |
村岡義博 |
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氷のアート儚きものよ人生は |
村岡義博 |
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テレビから見ているだけの夏メニュー |
今野美恵子 |
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夏に熱燗冬にロックを飲んでます |
鱸紅雷 |
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アイスコーヒーの氷を減らしてくれないか |
倉周三 |
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薄氷を踏んで吊り橋渡り切る |
みぎわはな |
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熱い情にはひとたまりもない氷 |
みぎわはな |
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かき氷頭ズキンとチャイム鳴る |
川人良種 |
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ガタガタと氷が喋る真夜中に |
野澤淑子 |
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無茶苦茶に氷かじってみたい夜 |
沼尾美智子 |
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氷より冷たい妻の仕分け癖 |
鱸紅雷 |
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カチ割りの氷も溶ける甲子園 |
山本としや |
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氷嚢を外せなくなる熱帯夜 |
矢野野薫 |
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かき氷舌は七色競う子等 |
河合敏夫 |
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氷山の底で譲れぬものを抱く |
平井美智子 |
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ああ夫婦こおりも溶けて今至福 |
松本光江 |
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止まり木でオンザロックの孤に浸る |
瀬島流れ星 |
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気を休め頭冷やせと氷雨降る |
斎藤功 |
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生きるため氷の刃脳へ向け |
水田蓉子 |
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熱帯夜氷の女だいた夢 |
前川和朗 |
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初デイト唇染めたかき氷 |
古橋茂子 |
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「氷の筆」の由来聞いたのがルーツ |
みぎわはな |
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氷壁に三本の矢が当る夢 |
樋口祐子 |
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薄氷を踏むスリルこそ人生だ |
斎藤功 |
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氷嚢と母の顔とが交ざり合い |
荒岡浩志 |
佳 |
一貫目捩り鉢巻氷売り |
水田蓉子 |
佳 |
あの夜から妻は氷の様になる |
黒嶋海童 |
佳 |
夏風邪の氷枕に思う亡母 |
長島敏子 |
佳 |
搗ち割りを買うて今年も甲子園 |
豊野光子 |
佳 |
失意の夜眼にこおりつく鎌の月 |
河原野折杭 |
人 |
あつあつの恋へ氷の口移し |
瀬島流れ星 |
地 |
マドラーで氷つついて晴らすウサ |
長島敏子 |
天 |
仏壇の花にも氷入れておく |
辰巳和子 |
軸 |
この愛は氷詰めして永遠に |
中桐徹 |
兼題 「景気」 斎藤功 選
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机上のプラングラフの先を上に曲げ |
山本としや |
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手土産の中味でわかる世の景気 |
小島知無庵 |
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乱高下景気の波に痩せ細る |
池田史子 |
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景気よく諭吉を刷っている政府 |
矢野野薫 |
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乱高下景気指数も家計簿も |
豊野光子 |
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ケインズを学び景気に縁がない |
中桐徹 |
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ゴミ袋に景気よし悪し観る烏 |
みぎわはな |
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景気とは無縁に島嶼狙う影 |
赤井花城 |
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景気波乗れずに岸で群れる民 |
岸本博子 |
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景気良い掛け声響くギャル御輿 |
松下比ろ志 |
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立ち飲みの小皿一品足す景気 |
村岡義博 |
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景気浮揚いろんな笛を吹いてみる |
盛無球 |
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景気よい話してはる酔うてはる |
辰巳和子 |
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好景気信じてすこし無駄づかい |
室田隆司 |
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どの風に乗ってくるのか好景気 |
前田久雄 |
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円安でサボテンの花咲き誇る |
川畑めぐむこ |
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なるようになるさと一杯景気づけ |
河端世起子 |
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景気よい話もないし「さあ寝ましょ」! |
下山田靖子 |
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景気の回復待って三十年 |
森本高明 |
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割り勘じゃ景気良くとはいきません |
松下比ろ志 |
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元気です景気悪くてダイエット |
小島知無庵 |
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人は人景気に踊らないわたし |
沼尾美智子 |
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前景気花火三発打ち上げる |
室田隆司 |
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コラム欄グサリ景気に入れる喝 |
長島敏子 |
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景気風どこ吹く風の鳶の輪 |
池田史子 |
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不景気顔絶対しないえべっさん |
倉周三 |
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景気よく宅配走る家の前 |
南つかさ |
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川下で景気のくるを待ってます |
内藤夢彦 |
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振り込ませ濡れ手で粟の好景気 |
長野峰明 |
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不景気な顔で鏡にご免なさい |
宮本喜明 |
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好景気欲しいと招き猫を置く |
松本光江 |
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浮き沈む景気が夢を弄ぶ |
赤井花城 |
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畳替え小さな景気がわが家にも |
田原宏一 |
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景気回復矢を束ねてもまだ遠い |
長島敏子 |
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仕掛けられ右往左往の世の景気 |
森本佳子 |
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景気づけ社長の奢り三次会 |
倉田雄登美 |
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じょろの水底まで滲みてこぬ景気 |
村岡義博 |
佳 |
景気のよい鍵を握っている機嫌 |
山内迪 |
佳 |
どことなく笑顔が曇るえべっさん |
村上氷筆 |
佳 |
アベクロの景気に御縁ない家計 |
奥西勇人 |
佳 |
景況感軽い言葉で煽られる |
赤井花城 |
佳 |
三本の魔弾の矢にもはずれあり |
荒岡浩志 |
人 |
デトロイト諸行無常の不況風 |
田原宏一 |
地 |
世界遺産沸いて景気のいい話 |
牧野和子 |
天 |
景気は踊る老人も誘われる |
上野五柳 |
軸 |
安倍さんが転ければ景気転けますか |
斎藤功 |
兼題 「こりごり」 河原野折杭選
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酒の席もうこりごりと下戸の愚痴 |
奥西勇人 |
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民主党の法螺にこりごり達磨の目 |
長野峰明 |
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あれ以来生ガキ聞くも見るもイヤ |
村上氷筆 |
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何回言っても遅刻の癖がなおらない |
松下比ろ志 |
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貧乏はこりごりぼくで四代目 |
上野五柳 |
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あの人と一緒の旅はもうしない |
水田蓉子 |
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こりごりと言いつつ今日もまた五合 |
長島敏子 |
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こりごりだ野合議員の我利我欲 |
川人良種 |
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こりごりを何度味わう一目惚れ |
南つかさ |
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こりごりものど元過ぎてまあええか |
荒岡浩志 |
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隣席のひたすら鼾夜行バス |
水田蓉子 |
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孫の子守り一日ひなたとんぼ取り |
井上登美 |
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男などこりごり言うて又孕み |
倉周三 |
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ダイエットもうこりごりと言いながら |
水田蓉子 |
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訳知らず口を挟んで怒鳴られる |
斎藤功 |
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低温火傷恋は未完にして終える |
河合敏夫 |
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躓いた原因二度と忘れない |
鱸紅雷 |
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あのママは鼻毛を読んでぶったくる |
黒嶋海童 |
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ネクタイはこりごりですとクールビズ |
矢野野薫 |
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整形の美女に身ぐるみ剥がされる |
みぎわはな |
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競馬場落した肩に陽が沈む |
村岡義博 |
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こりたのに又通ってる競馬場 |
森本佳子 |
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競馬はもうこりごり明日からボート |
倉周三 |
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ひまわりの迷路出口がみつからぬ |
山辺和子 |
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三ツ千円また騙される旅土産 |
中桐徹 |
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図に乗った酒に秘密をばらされる |
瀬島流れ星 |
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こりごりのはずがチャッカリ再々婚 |
池田史子 |
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こりごりと言うて似た人好きになる |
古橋茂子 |
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きっぱりと来世を妻に断わられ |
黒嶋海童 |
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もうこりごりと言いつつ三度目の結婚 |
廣嶋英子 |
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女だと思い貢いだ鼻の下 |
瀬島流れ星 |
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熱中症もうこりごりと水を買う |
盛無球 |
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旨いからと食べて走った上と下 |
山内迪 |
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真夜中のジャズソングまた眠れない |
井上登美 |
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味方だと思って乗った甘い夢 |
牧野和子 |
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冗談が通じぬ人といる疲れ |
山辺和子 |
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こりごりの種の多さと世を渡る |
赤井花城 |
佳 |
夏風邪に熱うく抱きしめられている |
みぎわはな |
佳 |
こりごりと思ったお産五度もする |
辰巳和子 |
佳 |
渋滞で疲れるだけの盆休み |
室田隆司 |
佳 |
もうこりごりと笑顔で語る苦心談 |
松下比ろ志 |
佳 |
相部屋は酒の臭いと大いびき |
室田隆司 |
人 |
火遊びはこりごり高くつきました |
長島敏子 |
地 |
こりごりと呻き声きく敗戦忌 |
野澤淑子 |
天 |
もう二度と隣の坊主預からぬ |
黒嶋海童 |
軸 |
恋はもうこりごりこれじゃ身が持たぬ |
河原野折杭 |
兼題 「錯覚」 山辺和子 選
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美声だと思い込んでる風呂の中 |
平井美智子 |
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戸がコトリ亡妻が帰って来た気配 |
黒嶋海童 |
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オフレコの筈が錯覚からもれる |
大谷祝星 |
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人生に錯覚と云う隠し味 |
宮本喜明 |
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思い違いよくする脳もぼくのもの |
上野五柳 |
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錯覚に気付かず生きるほうが楽 |
岸本博子 |
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本当にオレやちゅうのに電話切る |
中桐徹 |
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握手した時は味方と信じてた |
倉周三 |
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維新人気も錯覚だった夏の陣 |
長島敏子 |
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笑ったら通じたような英会話 |
川人良種 |
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錯覚が始まりだった間柄 |
沼尾美智子 |
|
初めての団地住いに他所の部屋 |
前川和朗 |
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あばたが笑窪おめだたい錯覚よ |
上野五柳 |
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錯覚が続きはまった修羅の道 |
盛無球 |
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五冊目に確か隠していたのだが |
廣嶋英子 |
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愛は錯覚仕掛け花火の如く消え |
長島敏子 |
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記憶の虫干しまた錯覚あばく |
井上登美 |
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栄転か見晴らしの良い窓際は |
荒岡浩志 |
|
スマートに映る鏡の試着室 |
平井美智子 |
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我が妻が小野小町に見えてきた |
川人良種 |
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相槌を打つと味方と思い込み |
前田久雄 |
|
竜宮に来たかと思う夏の浜 |
南つかさ |
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幸せと錯覚しては日々過ごす |
中本三桂 |
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四六時中蝿を追ってる飛蚊症 |
矢野野薫 |
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本当の顔は夜昼晩と三ツある |
松下比ろ志 |
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ピカソにはずれてはいない右ひだり |
野澤淑子 |
|
目の錯覚四角い紙が札に見え |
前川和朗 |
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だまし絵を見つめあってたなあお前 |
村岡義博 |
|
独身とばかり錯覚させる酒 |
田原宏一 |
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錯覚か聞いたのは蝉の遺言 |
古橋茂子 |
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年金の巨木ゆさゆさ音をたて |
長川哲夫 |
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コネ入社もう勝ち組の顔でいる |
南つかさ |
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神戸生まれのナビは山見て北を指す |
山本としや |
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よく見てごらん真実は二つある |
廣嶋英子 |
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風よりも速い噂に誤解する |
前田久雄 |
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ゴミ屑をアートにします万華鏡 |
村岡義博 |
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神々が煙幕を張る蜃気楼 |
長川哲夫 |
佳 |
錯覚が老いの頑固を加速する |
大谷祝星 |
佳 |
賛成派と信じてビール注いでいた |
倉周三 |
佳 |
昼寝から覚めて私の現在地 |
河合敏夫 |
佳 |
トトロトトロ大人に見えぬ心象画 |
長川哲夫 |
佳 |
袱紗を疊む神の衣に見えてくる |
廣嶋英子 |
人 |
眼と耳の錯覚昂じゆく月日 |
赤井花城 |
地 |
造花じゃないと主張するかすみ草 |
井上登美 |
天 |
錯覚の幸せを煮る豆を煮る |
平井美智子 |
軸 |
錯覚へポップコーンが弾けだす |
山辺和子 |
兼題 「塩」 黒嶋海童 選
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敵に塩送り返って来た平手 |
山内迪 |
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一振りの塩はぜんざい引き立てる |
河端世起子 |
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化粧塩されて見得切る睨み鯛 |
河原野折杭 |
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日本海清めの塩を撒いておく |
岸本博子 |
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敵に塩送られ急にあせり出す |
川畑めぐむこ |
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残高がきっちり合った塩加減 |
廣嶋英子 |
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塩辛い言葉の出せぬ歳になり |
牧野和子 |
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塩味も甘さも分からない歳になる |
森本高明 |
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鍵握る最後の塩のひとつまみ |
沼尾美智子 |
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パッと塩まいて喜劇にする話 |
山辺和子 |
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塩分は控えろという採れという |
室田隆司 |
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匙加減塩も亭主もほどほどに |
岸本博子 |
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塩こしょう効かせてみたい男です |
内藤夢彦 |
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ひと塩のさんまに秋がしのびよる |
山辺和子 |
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塩辛声父の谺はもう聞けぬ |
古橋茂子 |
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ほどのよい塩味つけてなすきゅうり |
倉田雄登美 |
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天麩羅のすみでピカリと塩の意地 |
南つかさ |
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手塩に掛けて育てた娘くれと言う |
倉周三 |
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一振りの塩で甘味を出すスイカ |
豊野光子 |
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糟糠の妻のまごころ塩加減 |
豊野光子 |
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母さんにまだ届かない塩加減 |
村上氷筆 |
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塩茄でのカニと格闘皆無口 |
森本佳子 |
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吉良様へ赤穂土産の塩まんじゅ |
上野五柳 |
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ゆるキャラに塩あめひとつ握らせる |
野澤淑子 |
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立候補する地の塩になりたくて |
赤井花城 |
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塩の風呂クレオパトラになれるかな |
沼尾美智子 |
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塩漬けのふる里が未だ新しい |
宮本喜明 |
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妻から娘塩加減説く夏休み |
田原宏一 |
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寿命生き塩分量も気にしない |
水田蓉子 |
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敵でなく塩を送ったのは味方 |
前川和朗 |
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断捨離へ塩撒く決意要ると言う |
斎藤功 |
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頬伝う涙の味は遠くなり |
荒岡浩志 |
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秤など要らない母の塩加減 |
辰巳和子 |
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世知辛い夏で塩分欠かせない |
盛無球 |
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姑とは合わぬ糠漬け塩加減 |
村岡義博 |
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岩塩もおとりよせして舌肥える |
今野美恵子 |
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なめくじになめられぬよう塩をまく |
鱸紅雷 |
佳 |
塩分の足らぬあなたへゴマを振り |
樋口祐子 |
佳 |
NACLあの日君との化学室 |
長川哲夫 |
佳 |
敵に塩送って返り討ちに遇う |
河原野折杭 |
佳 |
岩塩の苦味 |
故郷に父ひとり平井美智子 |
佳 |
塩っぽい顔で無口な良い男 |
松下比ろ志 |
人 |
塩梅が今日はいいので医者に行く |
矢野野薫 |
地 |
少年の挫折涙は塩辛い |
豊野光子 |
天 |
塩舐めて過ぎた日もある遠い夏 |
盛無球 |
軸 |
傷口に塩をすり込む浮世風 |
黒嶋海童 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
松本 光江 |
荒岡 浩志 |
豊野 光子 |
河原野折杭 |
黒嶋 海童 |
長川 哲夫 |
牧野 和子 |
今野美恵子 |
大谷 祝星 |
小島知無庵 |
川人 良種 |
長島 敏子 |
田原 宏一 |
村岡 義博 |
岸本 博子 |
野澤 淑子 |
矢野 野薫 |
瀬島流れ星 |
森本 佳子 |
河合 敏夫 |
古橋 茂子 |
上野 五柳 |
山本としや |
鱸 紅雷 |
山辺 和子 |
前川 和朗 |
みぎわはな |
倉 周三 |
室田 隆司 |
盛 無球 |
倉田雄登美 |
平井美智子 |
山内 迪 |
中桐 徹 |
辰巳 和子 |
井上 登美 |
水田 蓉子 |
廣嶋 英子 |
斎藤 功 |
松下比ろ志 |
沼尾美智子 |
池田 史子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
川畑めぐむこ |
河端世起子 |
南 つかさ |
中本 三桂 |
前田 久雄 |
森本 高明 |
奥西 勇人 |
下山田靖子 |
内藤 夢彦 |
宮本 喜明 |
村上 氷筆 |
長野 峰明 |
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