平成25年5月19日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「新緑」  中村真里子選 
新緑の茂る街並み歩が進む 鱸紅雷
トンネルを抜け新緑に目を染める 河原野折杭
新緑の候フクシマをふと思う 前川千津子
失敗談新緑の宴盛り上げる 小島知無庵
新緑にまた夢も湧く古希の坂 黒嶋海童
新緑に生きとし生けるもの狂喜 前川淳
野も山も若葉私も変わらねば 長島敏子
新緑の野点に膝が笑い出す 萩原典呼
新緑に酔い新妻にもっと酔い 上野五柳
新緑の風に揺れてるランドセル 前川淳
新緑に背中押されて出す一歩 長島敏子
病窓の雨にみどりが身に滲みる 宮本喜明
新緑の力も借りて快復期 椙元世津
臥す母をふわりと包む若緑 平井美智子
新緑と同じ私の純な愛 瀬島流れ星
田植えする姉さん被り亡母思う 松本光江
新緑に恋を語らう小鳥たち 長野峰明
新緑や花つけ実る亡母の庭 下山田靖子
新緑の瑞瑞しさで目を洗う 荒岡浩志
新緑に我が心身がとけていく 山本さとし
新緑の候に社会人の芽生え 上原翔
大粒の雨新緑を深くする 青木公輔
新緑がまぶしく映える朝の雨 樋口祐子
新緑にスカーフなびかせる若さ 河原野折杭
里山にもうカッコーが鳴くみどり 宮本喜明
雨露をしのぐ陋屋にもみどり 田原宏一
新緑に俯いている五月病 前川淳
懸垂の毛虫の愛撫山みどり 村岡義博
葉桜になって静かな通り抜け 河合敏夫
新緑を満喫出来ぬ田の苦労 山内迪
新緑の憂いツバメが減っている 村岡義博
少年の夢を新緑燃え立たす みぎわはな
新緑のアーチスキップして通る 森本佳子
命燃え葱の根っ子は天目差す 豊野光子
からっぽの心に沁みる若葉風 山辺和子
新緑に五臓六腑も染められる 牧野和子
新緑に染まる五月のスニーカー 山辺和子
新緑を添えて五月のラブレター 平井美智子
丹精の八十八夜新芽つむ 田原宏一
嫁ぐ朝きらきら光る柿若葉 下山田靖子
新緑に庭の手入れをせかされる 池田史子
新緑の森に命を遊ばせる 辰巳和子
新緑をバックに歩く夏帽子 前川和朗
葉ざくらを多情な風が弄ぶ 宮本喜明
目に青葉君しか僕に写らない 倉周三
新緑の風に浮かれる鯉幟 長野峰明
新緑がまぶし母を追う子馬 中村真里子

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兼題  「OK」  盛無球 選
準備完了神戸まつりの幕が開き 椙元世津
一回でOKくれた裏事情 水田蓉子
三年でOKが出た夫の家事 南つかさ
ケータイから春のOK飛んでくる 山本ひさゑ
とっときのワインを開ける内定書 村岡義博
みそ汁の味が結婚する決め手 中村真里子
金呉れかOKなのか指のマル みぎわはな
OKはフルーツパフェを食べてから 山辺和子
OKと返事だけ良い主人です 内藤夢彦
OKと言って見栄張る年金日 山本さとし
太っちょが渡り初めする丸木橋 中村真里子
OKのサインか冷えたビール出る 黒嶋海童
親のOK貰えぬ人と恋になる 辰巳和子
オッケーと谺返って恋成就 奥西勇人
承認をしたからだまっていられない 大谷祝星
死ぬ時はOKサイン出すつもり 黒嶋海童
出来婚にしぶしぶOK父の哀 古橋茂子
何気なくOKを出す癖がある 樋口祐子
サンキューとOKだけで世界旅 樋口祐子
OKは食事までです悪しからず 室田隆司
よかったとあの先生に褒められる 山内迪
任せときなんて威勢のよい女 椙元世津
OKとメール恋が始まった 長島敏子
オッケーの時は着信音二回 倉周三
見合い歴百回同士の妥協点 瀬島流れ星
観音の印はOKとも取れる 村上氷筆
即OK返事に惑う詐欺師たち 長川哲夫
オッケーの時はカーテン開けておく 倉周三
不確かな揺れもOK恋だもの 宮本喜明
すぐOK出して悔しい虚栄心 松本光江
石一つ手中に抱いてOKだ 小島知無庵
OKを迷う「まだ」と「もう」のあいだ 廣嶋英子
OKと声かけ落とす凡フライ 山本としや
生返事よっしゃよっしゃとまだ夫婦 山本としや
OKはあそこまでよと言ったのに 上野五柳
OKとすぐに纒まる飲む話 河原野折杭
いつ来てもOKという部屋がある 青木公輔
頷いただけで婚約まとめられ 豊野光子
くちづけの予感静かに目を閉じる 黒嶋海童
OKをいつも背中で出した父 赤井花城
プロポーズ受けたあの日の空の青 辰巳和子
OKを埋めて本音の待ち時間 古橋茂子
愛娘OK出せぬあんな奴 豊野光子
OKの返事の前の小さい嘘 長島敏子
生きているだけで充分です 母よ平井美智子
OKの陰に徹夜をした努力 盛無球

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兼題  「勝手」  上原翔 選
勝手口はあちらと犬が吠え続け 青木公輔
百歳の勝手ニッコリ許される 村上氷筆
ライバルが勝手に伸びていくきやびん 村岡義博
三日だけ勝手気ままに暮らしたい 荒岡浩志
年金を分けて妻には妻の道 平井美智子
しつけとは手前勝手じゃないですか 池田史子
飛んで居て勝手解らぬ妻の部屋 斎藤功
身勝手な夫とここまでよう持った 長島敏子
人数が足りぬと声を掛けられる 平井美智子
好きなこととなれば勝手な足だこと 山内迪
ドタキャンも三度続けばポンヤです 内藤夢彦
義理欠いた首を提げてる勝手口 長野峰明
隣組ほどよくつなぐ勝手口 斎藤功
エアコンを入れるとヒューズ飛ぶ仕掛け 河合敏夫
身勝手な貧乏神が出てゆかぬ 河原野折杭
青い地球へ人の勝手はほどほどに 池田史子
帰る気は無いと勝手なブーメラン 宮本喜明
株ばかり勝手に上がり傍観す 山岡幸一
小さな庭四季の花にも恵まれる 牧野和子
勝手気侭に生きて墓碑銘まだ出来ぬ 黒嶋海童
身勝手な女の尻ぬぐいは辛い 青木公輔
割れた茶碗にも黙秘がある勝手 古橋茂子
盗み聞きだから勝手に言わせとく 松本光江
ぼんくらを入学させた勝手口 前川淳
好き勝手言うて長生きしています 豊野光子
妻入院金の勝手が分らない 黒嶋海童
身勝手な男といつも綱渡り 山本ひさゑ
得手勝手同士で夫婦仲がよい みぎわはな
たっぷりと食べて食後の痩せ薬 平井美智子
勝手口開けると妻の仁王立ち 上村さな恵
遅くなるぞと言えばどうぞご勝手に 倉周三
勝手口に五臓六腑が置いてある 廣嶋英子
勝手口世間話の小半時 村上氷筆
債務なし勝手気儘に暮してる 奥西勇人
夫の背が勝手にしろと振り向かぬ 水田蓉子
身勝手に国境線をひん曲げる 長野峰明
幸せは勝手に逃げるクセがある 小島知無庵
勝手口ツバメに譲ってから三月 長島敏子
身勝手に拵えた核が吠えている 長野峰明
風水に凝って勝手の悪い家 辰巳和子
ハートのメール愛だと勝手な思い込み 倉周三
使い勝手古いタイプの方が良い 黒嶋海童
使っても利子が勝手に増えまんねん 瀬島流れ星
好き勝手に生きる老後の夫婦たち 萩原典呼
君ですか勝手に棲んでる胸の中 古橋茂子
わがままを諭す子供の目の高さ 山辺和子
勝手から手塩往き来の良き昭和 上原翔

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兼題  「君」  上野五柳 選
君傘寿わたしも同じ幸せよ 前川和朗
憧れの君の名孫にそっと付け 荒岡浩志
もう一度君とデュエットしたい春 山辺和子
何となく君の溜め息聴いた春 上村さな恵
君を守るそんな言葉に流されて 山本ひさゑ
我が君はお腹を出して昼寝中 平井美智子
薫風に舞う君ひとり輝けり 荒岡浩志
オレオレに君は三度も騙された 萩原典呼
君だけを愛すと今日も妻に言う 河原野折杭
君と僕の仲じゃないかと絡まれる 青木公輔
ママの膝譲って君は兄となる 鱸紅雷
君キミーと顎でしゃくっている不遜 村上氷筆
注目が君に傾く座の空気 瀬島流れ星
遠くから憧れの君見る動悸 村上氷筆
みんな好きついでに君も好きと言う 松本光江
おや君も同じ薬を呑んでいる 廣嶋英子
おばはんばあさん初めは君でした 内藤夢彦
呼びかけが貴方に変わってきてその後 上原翔
キミキミと警棒ボクを呼び止める 中村真里子
君だけが頼りと言って借りる金 河合敏夫
キミがスキ会うひと毎に言うオウム みぎわはな
「君の名は」今も活躍岸恵子 辰巳和子
古書市の隅で源氏の君が待つ 平井美智子
それぞれが君子の如く咲くポピー 宮本喜明
おぼろ夜は明石の君へ逢いに行く 樋口祐子
残り香に在さぬ君の影おぼろ 前田久雄
木漏れ日の揺れる心に君がいる 福山康子
君よりも信用してる借用書 中本三桂
僕がまず君に謝り縒り戻す 鱸紅雷
身勝手にふるまう君も又魅力 山本さとし
君の名を塩漬けにして半世紀 樋口祐子
君と言う時には何かある夫 南つかさ
突っ走る君の後ろで尻拭い 村岡義博
瀬戸の宿君と潮騒ききながら 倉周三
君と僕いつも役目は決まってる 森本佳子
紅梅が香る僕への薄化粧 長川哲夫
若き日の君が似合った萌黄色 川畑めぐむこ
君とならなんて言われた日の夕日 長島敏子
旧姓に戻った君を誘いたい 萩原典呼
君待てば親が一緒についてくる みぎわはな
追憶の君の笑顔は皺が無い 黒嶋海童
君からの返事にバラは赤く咲く 山辺和子
いつまでも君と重なるおぼろ月 松本光江
君と僕清く正しく悔い残す 山本としや
君だけの私で居たい女郎花 池田史子
キミで出合いオイで終わっていく夫婦 中村真里子
心当りないのにポリが君を呼ぶ 上野五柳

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兼題  「苦楽」  廣嶋英子 選
ゴキブリ退治家内は強くなりました 長川哲夫
振り返る皆想い出と言う苦楽 椙元世津
苦は楽に楽はまた苦に川蛇行 みぎわはな
このメンバー苦楽のりこえ優勝旗 森本佳子
親ばなれ子ばなれ苦楽ついてくる 上村さな恵
苦楽を共にしてきた妻に逃げられる 前川淳
苦も楽も超えて老母はみまかりぬ 室田隆司
苦楽を伴にしたのに墓は別 森本高明
風雪に堪えて見事な花咲かす 長野峰明
修羅こえた道で夫婦の歩が揃う 前田久雄
いつか独り苦楽の染みた箸二膳 山本ひさゑ
気楽さと背中合せにある孤独 前田久雄
苦と楽の楽の少なさ過ぎた母 赤井花城
独身で苦楽も独り占めにする 荒岡浩志
苦も楽も天こ盛りして子が五人 平井美智子
苦楽みな過去のことです合歓の花 宮本喜明
これからは苦労させぬと言ってくれ 萩原典呼
楽はまだ苦の種ばかり発芽する 村岡義博
リーダーと雑魚の苦楽は桁違い 鱸紅雷
苦労して取る極楽の予約席 河原野折杭
ゆっくりと苦楽を語る二人扶持 山本ひさゑ
苦楽は共に先に逝ってはいけません 下山田靖子
苦楽みな呑んで仏に近くなる 山辺和子
ぞんぶんに笑いもしたし泣きもした 松本光江
百才の苦楽を越えた笑い皺 豊野光子
大海へ苦楽を共のかたつむり 樋口祐子
苦も楽もふつうに生きて好々爺 前川和朗
苦も楽も二分の一にしてふたり 古橋茂子
過ぎ去ってみれば楽しいことばかり 上原翔
アルバムの中でセピアになる苦楽 山辺和子
苦楽共にしたのにあっさり逃げられる 青木公輔
苦も楽も親の背中で知りました 松本光江
苦も楽も知らぬふりして鬼瓦 上村さな恵
苦と楽が共存日々のヤジロベェ 瀬島流れ星
ゆっくりと休んで欲しいデスマスク 河合敏夫
苦も楽もおぼろハッハッハと老父 南つかさ
苦も楽も達観したか独楽の芯 宮本喜明
幾つもの苦楽つないで来た地図だ 山本ひさゑ
苦も楽も輪廻のいのち存えて 赤井花城
原発に一転苦行強いられる 上原翔
苦も楽もさらさら過ぎる砂時計 沼尾美智子
苦楽抱き鳥葬と云う美でおわる 宮本喜明
良い貌になった苦楽乗り越えた 長島敏子
苦も楽もひと呑み歯の無い口を開け みぎわはな
苦と楽を混ぜたら四分音符が出来た 青木公輔
苦と楽を知らぬ鉄砲百合の欠伸 廣嶋英子

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【出席者】 (順不同・敬称略)
平井美智子 荒岡 浩志 古橋 茂子 長野 峰明 牧野 和子 上村さな恵
瀬島流れ星 室田 隆司 山辺 和子 長島 敏子 豊野 光子 水田 蓉子
森本 佳子 辰巳 和子 田原 宏一 河合 敏夫 上野 五柳 盛  無球
山本としや 黒嶋 海童 小島知無庵 鱸  紅雷 河原野折杭 前川千津子
斎藤  功 山本さとし 青木 公輔 松本 光江 内藤 夢彦 前川 和朗
宮本 喜明 みぎわはな 山内  迪 倉  周三 上原  翔 萩原 典呼
井上 登美 下山田靖子 中村真里子 前川  淳 椙元 世津 村岡 義博
沼尾美智子 池田 史子 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
森本 高明 山本ひさゑ 奥西 勇人 福山 康子 中本 三桂 川畑めぐむこ
前田 久雄 大谷 祝星 村岡 義博 南 つかさ 山岡 幸一 村上 氷筆
長川 哲夫

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