平成25年1月27日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「吉報」  田原一兆 選
ポストから春一番のサクラサク 黒嶋海童
吉報に球児帽子を高く投げ 盛無球
良い知らせ娘は春に花嫁に 下山田靖子
春風が連れて来たかと赤子だく 下山田靖子
吉報の発信元に上手言い 斎藤功
婚活の娘の吉報を仏壇へ 長野峰明
受験生家族揃って待つ報せ 前川和朗
吉報は覚悟を決めた頃届く 岸本博子
家中が緊張し待つサクラサク 上野五柳
おじいさん合格祝に無理をして 内藤夢彦
祝進学毎年続く火の車 倉田雄登美
吉報を梅一輪と待っている 辰巳和子
冬薔薇凛と咲いてる祝う部屋 牧野和子
初春や切手シートが10枚も 樋口祐子
良性と告げられ弾む軽い靴 黒嶋海童
「サクラ咲く」待って一日落ち着けず 斎藤功
栄転のメールぶっきら棒に息子から 倉周三
異常ナシ思わず戴くガン結果 岸本博子
隼の吉報国の威信あげ 池田史子
部長への内示に妻も威張りだす 川人良種
吉報に先ずは仏間の灯をともす 野澤淑子
選抜の報に球児の帽子舞う 松下比ろ志
朝一番嬉しい電話鳴りひびく 森本佳子
めでたいな茶柱が立つ夫婦椀 長川哲夫
吉報が二転三転して届く 上村さな恵
寝て待った吉報の夢やはり夢 長野峰明
吉報らしい電話の声が弾んでる 辰巳和子
親戚に吉報届けるねたがない 今野美恵子
サクラサク孫から来たと神に告げ 河合敏夫
聞き分けてくれた息子に胸を撫で 山内迪
合コンの女(ひと)から好きと言うメール 河合敏夫
吉報に胸の振り子は鳴り止まぬ 豊野光子
寝て待てと諭されたけど血が騒ぐ 黒嶋海童
大漁旗が波の向うに見えて来た 松下比ろ志
吉報かも知らんが金のいる話 倉周三
初鏡父親になった顔映す みぎわはな
初春に「お目文字したく」と良い知らせ 下山田靖子
お受けしますとプロポーズの返事くる 倉周三
吉報にいささか悩むはした金 山内迪
吉報に先ず熨斗袋墨を磨る 豊野光子
サクラサクまでのばあばの百度石 みぎわはな
吉報を聴いておどろく心電図 上村さな恵
受話器から母子とも無事と弾む声 河原野折杭
吉報に聞きまちがいと頬つねる 井上登美
サクラサクまでの五年の髭を剃る 上村さな恵
「サクラサク」今も文箱に入れたまま 田原一兆

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兼題  「ランク」  橋本凉子 選
目立たない位置で人間らしく老い 前田久雄
ワンランク上げて戸惑う絵馬の揺れ 奥西勇人
ワンランク上で大差の空の旅 赤井花城
ワンランク下げると売り上げが上る みぎわはな
お隣が上役敬語疲れます 前田久雄
A級しか食べないと言う見栄っぱり 内藤夢彦
三つ星のプライド重くのしかかる 室田隆司
ワンランク下げて気楽に生きている 平井美智子
ランク一つ下げて無理をせぬ余生 盛無球
ワンランク上目ざして今日も婿選び 下山田靖子
世が世でも良家の子女はまた良家 中桐徹
ランクなど関係ないの紙オムツ 森本佳子
ワンランク下げて明るい受験生 黒田忠昭
ピーマンが嘆く野菜の嫌い順 瀬島流れ星
天地人趣味の世界にあるランク 河合敏夫
ランクより好みで選ぶワイン通 井上登美
中流とみんな思って生きてはる 中桐徹
戒名もランク手軽な方で良い 黒田忠昭
ランク付け迷わす位置の運不運 瀬島流れ星
雑誌見るランクで選ぶ旅行先 今野美恵子
ウィスキー何年ものと箔をつけ 倉田雄登美
寄付の名を高額順に記録する 倉田雄登美
大マグロ一億五千せり落す 村岡義博
窮極は大学入試ランクづけ 牧野和子
偏差値が闊歩心が痩せてゆく 村上氷筆
ワンランク下げた就活儘ならぬ 水田蓉子
極上の孫の笑顔にAランク 松本光江
Cランクだったと妻が俺を言う 黒嶋海童
消費税上らぬ内にワンランク 前川千津子
Aランクの人であったと死んで言う 黒嶋海童
居酒屋はヤメ吉兆に行コ誕生日 みぎわはな
学校もランクで選ぶ親のみえ 今野美恵子
料理にもランク付けして星三つ 今野美恵子
平抜きとそない差がない佳作の五 倉周三
あでやかな美女とわたしとの落差 みぎわはな
五つ星与える妻のみそおでん 河原野折杭
友と行くB級グルメで舌がこえ 荒岡浩志
何たって一億超のクロマグロ 村岡義博
前座から真打までの芸の道 河合敏夫
ほしい物今の内にというランク 前川千津子
作り手も選り手もランクつけられる 村岡義博
ランクひとつ落せば楽に生きられる 青木公輔
ランク付けがあるから句会面白い 青木公輔
我が家ではランク断トツ犬のコロ 宮本喜明
ランクインした晴れのレースに胸弾む 松下比ろ志
面白い拾い物あるランク外 岸本博子
ランク外だから負けじと出す力 山内迪
子の笑顔ランクは問わぬ二重丸 豊野光子
知らぬ間に庶民の上に富裕層 上野五柳
値は値やなチリメンジャコも味の差が 中桐徹
大学のランクで変る祝い金 盛無球
AよりもB級グルメ僕に合い 盛無球
天地人今日も届かぬ我が迷句 岸本博子
一ランク下げても変らない私 山内迪
デパートの顧客名簿にあるランク 河合敏夫
後輩に先を越されているランク 中本三桂
絵のランク高価見ている美術展 中本三桂
ランクには入れぬ一人を腕の中 山本ひさゑ
ワンランク上を目指して電子辞書 沼尾美智子
ランクなどこだわらず買う根野菜 沼尾美智子
働けど暮しはやっと中の下だ 上野五柳
駅長のランクの猫でひげを撫で 長野峰明
一ランク上の戒名極楽へ 豊野光子
御仏の慈悲にランクはつけられぬ 河原野折杭
ランクありポックリ寺の祈祷料 豊野光子
ランクなど気にせず二人添いとげる 上村さな恵
婿殿が来るので鰻上を取る 辰巳和子
ランクとは無縁に生きる野辺の花 平井美智子
兄弟にランクは付けぬ母の愛 黒嶋海童
猫の餌ランクおとすとそっぽ向く 橋本凉子

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兼題  「無視」  みぎわはな選 
親ごころなのに無視する青き日々 荒岡浩志
ムショよりも何より恐い無視の刑 池田史子
ほっといて一瞬だけど自己嫌悪 松本光江
刺のある言葉無視するイヤリング 辰巳和子
信号を無視する人の後に居る 沼尾美智子
優先座席居眠りするも辛かろう 長川哲夫
無視されてされて草の芽育ち出す 青木公輔
正論を吐いて無視され蚊帳の外 奥西勇人
刻限を無視したムサシアンフェア 野澤淑子
無視されて徐々に本気が沸いてくる 山本ひさゑ
視聴率NHKは気にならず 大谷祝星
都合など無視で貧乏神が来る 平井美智子
風評無視蟹はいまだに横歩き 田原一兆
無視じゃない斜視なだけです許されよ 宮本喜明
暴力でないがシカトに泣いた過去 村上氷筆
国境のいくさ無視するちぎれ雲 中本三桂
無視をした言葉に背負い投げを喰う 山本ひさゑ
無視しても胸の古傷ひりひりと 豊野光子
信号無視赤いポルシェが駆け抜ける 森本佳子
無視される事には慣れた婿養子 河原野折杭
着飾って来たのに誰も振り向かぬ 倉周三
募金箱無視はできない我が余白 沼尾美智子
活断層無視して原発が座る 黒田忠昭
無視してもまだついて来る野良の猫 橋本凉子
日本語の美に目をつぶるカタカナ語 村上氷筆
伴奏を無視してあまる一音符 野澤淑子
無視してる振りで妬心の一気飲み 瀬島流れ星
理不尽な上司無視して左遷の地 奥西勇人
前後左右無視して建ったのっぽビル 上野五柳
いつまでも未練がましいのがおとこ 室田隆司
寄付お願い可愛い声に無視出来ず 荒岡浩志
もうけ無視もらう笑顔を生き甲斐に 池田史子
姑の小言頭の上で聞き流す 辰巳和子
妻の友妻が居るから無視をする 河合敏夫
教訓を無視して海の怒りかう 野澤淑子
少数の反対意見は無視される 松下比ろ志
苛立ちを無視の形で切るこころ 樋口祐子
争いのあとは妥協か無視の智恵 樋口祐子
無視無言孫反抗の期に入る 黒嶋海童
アナクロの親の意見が無視される 黒嶋海童
赤信号気にするような恋じゃない 黒田忠昭
その無視が生きる術です逃亡者 宮本喜明
無視かボケか「居ましたっけ」と妻が言う 斎藤功
無視といういじめ心の荒ぶ音 長島敏子
一粒の義理チョコという無視手前 黒田忠昭
助けてと無視のはざまで叫ぶ声 岸本博子
終着駅の月は他人の貌をして 宮本喜明
無視反抗それも脱皮の過程かも みぎわはな

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兼題  「動く」  黒嶋海童 選
動いたらその分増える貼り薬 荒岡浩志
D51が動く日もある冬の旅 黒田忠昭
そのうちに心の動きナビになる 井上登美
配達音動き始めた今朝の街 岸本博子
動き出す株価に欲もまた動く 盛無球
みどり児が起ち歩き初め梅香る みぎわはな
やっと寝たそっと動かす腕枕 岸本博子
満員の電車でそろそろ手が動く 豊野光子
AKB真似て手足が踊りだす 樋口祐子
朝起きて動く手足に安堵する 森本佳子
激動の昭和を生きた深い皺 大谷祝星
天動説へ傾くこともある夜空 赤井花城
日本列島何時に成ったら地震(ない)止まる 牧野和子
胎動へ母は嬉しい顔ゆがめ 橋本凉子
センサーの誤作動お札降って来る 辰巳和子
家政婦さんの替りにルンバ買いました 沼尾美智子
一匹のネズミで動く山もある 村岡義博
ガタが来た入れ歯グラグラよく動く 河原野折杭
動揺は見せぬ男の向う傷 豊野光子
国境が動くとき硝煙上がる 長川哲夫
ぐうの音も出ない証拠に目が動く 樋口祐子
手も足もまだまだ動く早春譜 上村さな恵
マスゲーム圧倒される躍動美 村上氷筆
動かねば未来の夢が掴めない 辰巳和子
初釜の滾りに心鎮める座 みぎわはな
尻尾まで揺れる先頭のイレギュラー 長島敏子
噂話に左右の耳がよく動く 松下比ろ志
棺の中何だか動く音がする 上野五柳
動静が気になる私恋かしら 井上登美
占い師心の動き見逃さず 森本佳子
蠕動を又閉じ込める春の雪 長川哲夫
急かぬのに動く歩道に急かされる 赤井花城
座っても立っても母の手は動く 前田久雄
溜息がグラスの底で動いてる 樋口祐子
増税へ諭吉の動き気にかかる 長野峰明
ありがたい今日も心臓動いてる 辰巳和子
キスだけではあんなに揺れぬ観覧車 倉周三
リモコンを失くすと何も動かない 野澤淑子
ここで今先に動けば負けになる 倉周三
昇進レース妻がスイッチオンにする 村上氷筆
損得で容易に動く風見鶏 河原野折杭
ウインクをすれば誤作動する男 平井美智子
終の日は天動説を信じよう 赤井花城
唇の動きで見えた君の嘘 長島敏子
今日も無事家族の箸がよく動く みぎわはな
その時の風で政治の山動く 黒嶋海童

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兼題  「医者」  前川千津子選 
医者選び出来ても僧は選べない 大谷祝星
わたしより若い名医が先に逝く 山本ひさゑ
医者嫌いサプリメントに投資する 森本佳子
暇な医者ゴルフ話に花咲かす 河合敏夫
程程を諭す主治医も酒が好き 辰巳和子
サイフには診察券が多すぎる 今野美恵子
気心のしれた主治医に恵まれて 前川和朗
説教して薬も出さぬ医者が好き 室田隆司
開業医あまり美人にあってない 前川和朗
健診に主治医がくれた太鼓判 辰巳和子
神の手と呼ばれるメスに身を委ね 奥西勇人
一年に二度ほど医者と握手する 上村さな恵
医者からは好物ばかり止められる 大谷祝星
医者泣かせ今も富山の置き薬 森本佳子
無医村へ美人の女医が来ると云う 青木公輔
少しならいいと主治医のゴーサイン 奥西勇人
医者離れしたらどっこも悪くない 盛無球
止むを得ず頭を下げる医者の指示 山内迪
医師の手に脈が静かに遠ざかる 長川哲夫
躁とうつ私の好きなお医者様 下山田靖子
小児科医心も癒す慈愛の目 豊野光子
粗衣粗食母は元気で医者知らず 倉周三
旅に病む脈診る医師の目の和み 田原一兆
誤診ではないと主治医の目が動く 豊野光子
内臓の模型に医師が釘をさす 野澤淑子
顔も見ず脈見ず画面で診断す みぎわはな
無医村へ立志の医師が来て呉れる 黒嶋海童
抜くよりも削る恐怖に硬くなる 室田隆司
医者だって病気しますと休診日 瀬島流れ星
長生きの秘訣を医師に尋ねられ 長野峰明
順調と医者の触診柔らかい 黒嶋海童
指先の痺れへくもる医者の顔 長島敏子
向き合うとやっぱり医者に頼りきる 松下比ろ志
医者になら素直になれる妻である 河合敏夫
ドキドキを安堵に変えたお医者の目 川人良種
医者信じ手を振り入る手術室 瀬島流れ星
若い医師少しまぶしい聴診器 沼尾美智子
医学管理費何のこっちゃろ明細書 村岡義博
問診表少し元気をまぜて書き 樋口祐子
町医者の特技話術と算術よ 上野五柳
樹木医が救う瀕死の樹の命 河原野折杭
迷信と医者の狭間で揺れる老い 前田久雄
陀羅尼助で効かないときは医者に行く 野澤淑子
外来の白い巨塔の待ち時間 赤井花城
理想像キャッチボールが出来る医師 井上登美
一病息災笑顔で医者のユーモア 前川千津子

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【出席者】 (順不同・敬称略)
村上 氷筆 山内  迪 荒岡 浩志 辰巳 和子 長川 哲夫 長野 峰明
橋本 凉子 森本 佳子 長島 敏子 川人 良種 豊野 光子 河合 敏夫
中桐  徹 上村さな恵 黒田 忠昭 上野 五柳 野澤 淑子 河原野折杭
内藤 夢彦 田原 一兆 室田 隆司 倉  周三 岸本 博子 水田 蓉子
村岡 義博 井上 登美 盛  無球 倉田雄登美 黒嶋 海童 斎藤  功
牧野 和子 今野美恵子 前川千津子 平井美智子 瀬島流れ星 前川 和朗
松下比ろ志 松本 光江 みぎわはな 池田 史子 下山田靖子 青木 公輔
樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
中本 三桂 山本ひさゑ 前田 久雄 奥西 勇人 宮本 喜明 沼尾美智子
大谷 祝星

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