平成24年9月30日
神戸市勤労会館
今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)
(ラはラッキー賞)
特別席題 「丸い」 久山節子 選
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勝負師はカツカレーを丸く食べ |
樋口祐子 |
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台風の進路天気図丸で追い |
村岡義博 |
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丸い鼻笑顔に魅力ある男 |
大谷祝星 |
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餅を搗く兎が月に居る童話 |
牧野和子 |
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爺ちゃんの頭は蝿も止まれない |
みぎわはな |
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丸ばかり増えて検査に行くことに |
室田隆司 |
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足して二で割ってまあるくする絆 |
河原野折杭 |
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丸描いて決まる似顔絵上手下手 |
井上登美 |
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怠慢をベルトが攻めるメタボ腹 |
長川哲夫 |
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ビー玉が出口を探すラムネ瓶 |
山辺和子 |
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揉め事も丸く納める年の功 |
辰巳和子 |
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聞き流す術も覚えて丸く住む |
辰巳和子 |
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自慢する何も無いから丸く居る |
斎藤功 |
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台風の目のデッカさに身構える |
村上氷筆 |
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リハビリの甲斐ありやっと描けた丸 |
村上氷筆 |
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人情の丸み味わう旅の宿 |
河原野折杭 |
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丸坊主修行僧でも悟り顔 |
森本佳子 |
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穏やかで丸いと思う句会場 |
斎藤功 |
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センカクをまるく収めるのは至難 |
黒田忠昭 |
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釣れんでもよし丸一日の観世音 |
廣嶋英子 |
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丸顔は善人だとは限らない |
倉周三 |
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角とれて煮上げた芋のほの甘き |
岸本博子 |
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満月の今宵悲しいタイフーン |
長川哲夫 |
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辛抱を石の丸さに教えられ |
黒嶋海童 |
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まるまるもりもりあの娘は島育ち |
樋口祐子 |
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パソコンの印字へ丸文字の署名 |
上原翔 |
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別々の輪を描いてるが鳶夫婦 |
上野五柳 |
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色鉛筆の丸さの疑問今日も暇 |
瀬島流れ星 |
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円卓にしてもやっぱりある上座 |
倉周三 |
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スパコンに数字の京を打ち出させ |
村岡義博 |
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再婚してからえらいまるーならはった |
倉周三 |
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尖閣も竹島も矛先のしずく |
みぎわはな |
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後期への備えに丸くなるきゃない |
上原翔 |
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車座に満月を据え生むドラマ |
牧野和子 |
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腕で輪を作り合格知らせる子 |
黒嶋海童 |
佳 |
頑張ればいつか夜明けと老母の背な |
池田史子 |
佳 |
丸い顔に叱られ笑いこらえてま |
瀬島流れ星 |
佳 |
丸腰を撃ったでもめる西部劇 |
村上氷筆 |
佳 |
日の丸を燃やせば手当て出すお国 |
村岡義博 |
佳 |
労いのひと言一座丸くする |
上原翔 |
人 |
指の輪を丸く結んで菩薩の目 |
野澤淑子 |
地 |
赤丸が付いているのがペケの方 |
黒田忠昭 |
天 |
丸もらい回りは花丸二重丸 |
瀬島流れ星 |
軸 |
意地通しグラスの底に残る悔い |
久山節子 |
兼題 「伝える」 黒田忠昭 選
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山の秋里へ伝える赤とんぼ |
河原野折杭 |
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伝言板ニックネームを書いておく |
井上登美 |
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伝言リレー嫌いが好きになっていた |
村上氷筆 |
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拝みつつ言葉を添えるありがとう |
上原翔 |
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伝えねば時間ばかりが過ぎてゆく |
山辺和子 |
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観覧車の中で妊娠告げられる |
倉周三 |
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一本の松が伝えた大津波 |
岸本博子 |
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拉致家族伝えてほしい渡り鳥 |
奥西勇人 |
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先に行く伝言板の荒い文字 |
野澤淑子 |
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すれ違いざまに伝わってくるビッビッビッ! |
廣嶋英子 |
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遺言書父は優しい人でした |
長川哲夫 |
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冷蔵庫伝言板にして夫婦 |
赤井花城 |
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語り部の周りに温い輪が出来る |
奥西勇人 |
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手を握り合えば伝わるもの無限 |
奥西勇人 |
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竹トンボ亡父が伝えた肥後守 |
山本ひさゑ |
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伝えたいこと大切に生きている |
山本芳男 |
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人ごとに添削されていく噂 |
上野五柳 |
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告知する医師のまたたき多くなり |
久山節子 |
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以心伝心効かなくなった倦怠期 |
村上氷筆 |
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美に効くと口コミ信じもう二年 |
松本光江 |
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触れもせで私の熱さわからない |
みぎわはな |
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青春を伝えるロック乗りのりで |
井上登美 |
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原爆の悲惨伝える焼け煉瓦 |
黒嶋海童 |
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海の女海の深さを子に伝え |
長川哲夫 |
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海の向う短いメールだとしても |
山本ひさゑ |
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熱意など伝わってこぬ政治劇 |
大谷祝星 |
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全身でママに伝えるベビーサイン |
久山節子 |
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渾身の手話が伝える戦の愚 |
辰巳和子 |
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三猿とのコミュニケーション酒を酌む |
田原一兆 |
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モゴモゴとお悔みを言う年の功 |
上原翔 |
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冷戦の父母の間の伝達屋 |
瀬島流れ星 |
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数少ない秘伝の料理子はそっぽ |
前川和朗 |
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医者だとて伝える病小出しする |
斎藤功 |
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生きる意味今に伝える方丈記 |
辰巳和子 |
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本心を伝えてからの秋の冷え |
山辺和子 |
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あら何処で伝言ゲーム迷走す |
岸本博子 |
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豊作を音で伝えるコンバイン |
大谷祝星 |
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呆けぬ間に伝えておきたいあれやこれ |
水田蓉子 |
佳 |
元気だと胎児は腹を蹴り上げる |
室田隆司 |
佳 |
真実を伝えるペンが震えてる |
辰巳和子 |
佳 |
満ち足りた今日を伝えた夕陽落ち |
久山節子 |
佳 |
オカリナが伝える月の満天下 |
野澤淑子 |
佳 |
トヨさんの詩に言霊の煌いて |
みぎわはな |
人 |
樹が語る風が伝える和の心 |
みぎわはな |
地 |
被災地の伝言板に食い入る瞳 |
赤井花城 |
天 |
献体へOK伝え目をつぶる |
樋口祐子 |
軸 |
出雲へも伝える手立て神無月 |
黒田忠昭 |
兼題 「寺」 倉周三 選
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忘れない愛しい人が眠る寺 |
前田久雄 |
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廬山寺のききょうひっそり人を待つ |
中村真里子 |
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懺悔まだ続いて寺を横切れぬ |
山本ひさゑ |
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幸せのひと日を貰う花の寺 |
奥西勇人 |
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無病息災願いて通る鼻の穴 |
山岡幸一 |
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寺町の午後の静寂に赤とんぼ |
小山紀乃 |
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煩悩を捨てたら寺が近くなる |
河原野折杭 |
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宿坊の音なき音の中に寝る |
大谷祝星 |
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観音と目が合う位置へ後ずさり |
野澤淑子 |
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この寺の庫裡の隅にも般若湯 |
黒嶋海童 |
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コスモスがまた目を覚ます寺の鐘 |
黒田忠昭 |
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吹く風に浄土の縁もらう寺 |
水田蓉子 |
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秋の風抱いてこぼれる萩の寺 |
久山節子 |
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落葉焚く尼僧の背に秋を知り |
河原野折杭 |
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鐘韻々ちちろも経を詠む浄土 |
みぎわはな |
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一句詠む柿もたわわの法隆寺 |
長川哲夫 |
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箒目に心を洗う寺の朝 |
辰巳和子 |
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南無や南無暴悪面のうす笑い |
野澤淑子 |
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頑なに毛筆でくる寺の便 |
村岡義博 |
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柿食わずとも鐘が鳴る法隆寺 |
河原野折杭 |
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菩提寺へ悔いの数ほど石の段 |
沼尾美智子 |
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亡母と行く牡丹の頃の長谷の寺 |
長川哲夫 |
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蒟蒻問答が終らぬうちに寺の鐘 |
廣嶋英子 |
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山門でお喋りをする曼殊沙華 |
樋口祐子 |
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チン・ドン・ジャラン打楽器そろっているお寺 |
村岡義博 |
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いじめの無かった寺子屋がなつかしい |
青木公輔 |
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ワンルーム納骨堂の侘住い |
長川哲夫 |
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トムクルーズを思い出してる寺の杉 |
野澤淑子 |
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寺町のムードへ百均の店出来る |
瀬島流れ星 |
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山寺をひたすら守る吾亦紅 |
沼尾美智子 |
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あれは夢だったか山寺が溶けてゆく |
青木公輔 |
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赴任地に慣れてひとりの寺の鐘 |
山辺和子 |
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ぽっくり寺の和尚長生きして呆けた |
上野五柳 |
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寺の鐘合図に子等の声が散り |
久山節子 |
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ぽっくり寺の和尚五年も病んでいる |
辰巳和子 |
佳 |
縁切りの寺で夫と鉢合せ |
平井美智子 |
佳 |
宿坊で魂洗う二日間 |
森本佳子 |
佳 |
花の寺仏の顔を見忘れる |
黒田忠昭 |
佳 |
何もかも許してくれた寺の鐘 |
松本光江 |
佳 |
萩の寺逢うてはならぬ人を恋う |
辰巳和子 |
人 |
禅寺でひとときだけの真人間 |
平井美智子 |
地 |
清盛にみんな由縁の寺ばかり |
赤井花城 |
天 |
菩提寺の鐘に重なる亡母の声 |
黒嶋海童 |
軸 |
檀家減り荒れ放題になった寺 |
倉周三 |
兼題 「時計」 上野五柳 選
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銀婚式花時計前で待ち合わす |
室田隆司 |
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お二人の幸せ願う花時計 |
中村真里子 |
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人はそれぞれ早さの違う時計持つ |
前田久雄 |
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街中の時計大概狂うてる |
村上氷筆 |
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人生のぜんまい時計遅れ出す |
中村真里子 |
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寝つけぬ夜やけに元気な針の音 |
池田史子 |
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チックタックと聞こえてきたが起きれない |
森本高明 |
|
夫の帰宅壊れ時計か不正確 |
前川和朗 |
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目覚しが子らのリズムの時差で鳴り |
福山康子 |
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定年の身にも律儀な腹時計 |
倉周三 |
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さらさらと想い出捨てる砂時計 |
奥西勇人 |
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約束の時間に来ない時計屋のおやじ |
青木公輔 |
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偏屈な時計屋だった店じまい |
野澤淑子 |
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昭和の音がひびく実家の古時計 |
小山紀乃 |
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銘々の時計で家族みな動く |
斎藤功 |
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老父よりも柱時計が古く居る |
山本ひさゑ |
|
逃げ切りのサッカー時計にらんでる |
中村真里子 |
|
夫婦喧嘩最中に鳴いた鳩時計 |
瀬島流れ星 |
|
蜃気楼に皿そば添えて国自慢 |
村岡義博 |
|
南京虫眠ったままの小引き出し |
村岡義博 |
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百均のペアウォッチ移り気で |
村岡義博 |
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柱時計の下の背比べの跡 |
森本高明 |
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ひと休みしたい時計に電池切れ |
黒田忠昭 |
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「故障中」の時計もう一ヶ月になる |
廣嶋英子 |
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腹時計匂いにつられ狂わされ |
室田隆司 |
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タッチの差計る時計の泣き笑い |
奥西勇人 |
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秋ひとり時計の音と虫の音と |
みぎわはな |
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秒針が時報に合っているホラね |
上原翔 |
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生と死の狭間で時を刻む音 |
倉周三 |
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針のない時計と歩く北野坂 |
山辺和子 |
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待ちぼうけ逢えずじまいの花時計 |
倉周三 |
|
道草を母の時計に叱られる |
山辺和子 |
|
花時計彼は必ず来てくれる |
辰巳和子 |
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針の無い時計が刻んでる余命 |
河原野折杭 |
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砂時計無呼吸症が続いてる |
黒田忠昭 |
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デジタルな時計で義理も情も無い |
黒嶋海童 |
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狂わない時計で息が詰りそう |
青木公輔 |
佳 |
食事中時計ばかりを見る彼氏 |
今野美恵子 |
佳 |
恋も終りか時計ちらちら覗く彼 |
辰巳和子 |
佳 |
ピラミッドあれは巨大な日時計か |
牧野和子 |
佳 |
目覚しがいらなくなった老い夫婦 |
水田蓉子 |
佳 |
あの日から止ったままの古時計 |
牧野和子 |
人 |
あの日から時計止まった拉致家族 |
河原野折杭 |
地 |
逢っているときは止まっている時計 |
河原野折杭 |
天 |
切れ者の五分進めてある時計 |
村上氷筆 |
軸 |
人のハートは百年も時刻む |
上野五柳 |
兼題 「何故」 黒嶋海童 選
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なぜなぜのいっぱい詰まる玩具箱 |
沼尾美智子 |
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こぼす程なんでなみなみ注ぐ酒 |
池田史子 |
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顔見ると何故か言えなくなる本音 |
奥西勇人 |
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なぜかしら貴女のそばに僕がいる |
前川和朗 |
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何故銃が同胞に向く神の国 |
野澤淑子 |
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運命の何故に答が無いらしい |
小山紀乃 |
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理由ならあとからぞろり付いてくる |
室田隆司 |
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墳墓の地何故か逢えそう初恋に |
水田蓉子 |
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仕上げラーメンこそ犯人か体脂肪 |
上原翔 |
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ピカソの絵なんでこれがと首傾げ |
みぎわはな |
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オスプレイ狭い日本に何故すわる |
沼尾美智子 |
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赤い羽根何故かほのかな温かさ |
福山康子 |
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なぜ笑うわたしの名前聞くだけで |
室田隆司 |
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知らぬ間に家も預金も妻名義 |
河原野折杭 |
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平穏な豊かな国で何故いじめ |
中村真里子 |
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ハテナマークいっぱい付けて朝帰り |
村上氷筆 |
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わたしよりブスなあの人なぜもてる |
倉周三 |
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子の何故に詰まるばかりの父である |
赤井花城 |
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見栄えせぬわたしを妻にした疑問 |
山本ひさゑ |
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なぜなぜが問えぬ子らから死の悲鳴 |
長川哲夫 |
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何故かふとリーベが浮かぶひとり酒 |
田原一兆 |
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何故君が妻の寝顔を知ってるの |
河原野折杭 |
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そこそこの美人で今も独り者 |
平井美智子 |
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一日中何故何故何故と三才児 |
森本佳子 |
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家族皆気付かぬ僕の誕生日 |
久山節子 |
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何故あんな美人が彼の妻なのか |
村上氷筆 |
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少年の目が点になるマジックショー |
倉周三 |
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何故かしら昭和の風を懐かしむ |
水田蓉子 |
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母の味何故真似できぬ目分量 |
大谷祝星 |
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熟女何故こんなに元気バスツアー |
大谷祝星 |
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ドライな子何故かしんみりラブソング |
松本光江 |
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情報が何故か洩れてくる内部から |
中本三桂 |
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抜歯跡何故そこへゆく舌の先 |
大谷祝星 |
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何故こんな仲になれたかいい誤算 |
瀬島流れ星 |
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恋すすむなんでか食もよくすすむ |
上野五柳 |
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何故と言う習慣持って惚けずいる |
斎藤功 |
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何故だろう諭吉が仲間連れて行く |
樋口祐子 |
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何故だろうこんな時間に家に居る |
平井美智子 |
佳 |
遺伝子の短所ばかりを何故継ぐの |
池田史子 |
佳 |
好きなのに何故かそむいてばかりいる |
山辺和子 |
佳 |
おしゃべりな母が無口になっている |
山辺和子 |
佳 |
何故だろう値段の順に割れる皿 |
村岡義博 |
佳 |
何故なぜにちゃんと答えてくれた母 |
黒田忠昭 |
人 |
「なんでやの」児のひと言は芯をつく |
田原一兆 |
地 |
何故月はうしろ姿を見せないの |
黒田忠昭 |
天 |
胸底に何故を重ねてゆく妬心 |
平井美智子 |
軸 |
何故人は殺し合うのか神に問う |
黒嶋海童 |
【出席者】 (順不同・敬称略) |
大谷 祝星 |
黒嶋 海童 |
室田 隆司 |
牧野 和子 |
瀬島流れ星 |
村岡 義博 |
廣嶋 英子 |
井上 登美 |
今野美恵子 |
水田 蓉子 |
黒田 忠昭 |
山辺 和子 |
田原 一兆 |
辰巳 和子 |
河原野折杭 |
沼尾美智子 |
森本 佳子 |
みぎわはな |
野澤 淑子 |
上原 翔 |
長川 哲夫 |
村上 氷筆 |
上野 五柳 |
倉 周三 |
松本 光江 |
岸本 博子 |
平井美智子 |
斎藤 功 |
青木 公輔 |
久山 節子 |
池田 史子 |
樋口 祐子 |
赤井 花城 |
【投 句】 |
中村真里子 |
山本ひさゑ |
山岡 幸一 |
山本 芳男 |
森本 高明 |
福山 康子 |
前田 久雄 |
中本 三桂 |
奥西 勇人 |
小山 紀乃 |
前川 和朗 |
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