平成24年7月22日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「汗」  前川淳 選
汗臭いシャツが優しい嘘をつく 平井美智子
創業の汗が教える社是社訓 河原野折杭
汗臭い男が減って頼りない 中桐徹
ふる里の棚田に汗の穂が稔る 黒嶋海童
仕舞風呂いい日であった汗流す 黒嶋海童
喝采の中で冴えてる君の汗 牧野和子
九割九分汗だといった発明王 村岡義博
赤ちゃんの汗はお乳の匂いする 大谷祝星
言い分けに滴る汗に嘘がばれ 豊野光子
岩肌に汗沁み込ませ坐禅組む 長川哲夫
タテヨコナナメどこにも汗が滲み出る 青木公輔
余計なこと言って冷や汗止まらない 松本光江
蝉しぐれ流れる汗に染みてくる 松下比ろ志
汗を拭くしぐさでそっと涙ふく みぎわはな
人前で話す前からあぶら汗 田原一兆
シャルウィダンス掌の汗を拭く 山辺和子
滝の汗流しメタボは耐えている 室田隆司
玉の汗拭いて男の面構え 水田蓉子
汗のこと言わずに向日葵の微笑 沼尾美智子
植樹祭の皇后さまの汗を見る 廣嶋英子
汗だくの練習運も味方する 上野五柳
シャワー全開冷えたビールが待っている 上村さな恵
坪庭で汗をしぼった夏野菜 斎藤功
汗顔の至り司会新婦の名が出ない 村上氷筆
不覚にも嘘がバレたかどっと汗 松本光江
汗かいて得る栄冠の甲子園 松下比ろ志
炎天の汗を鎮めるかき氷 山辺和子
雲泥の生き方だった父の汗 沼尾美智子
苦しみを抜ける時きらっと汗見せて 廣嶋英子
地震津波原発地球汗まみれ みぎわはな
みほとけを正面にして汗をふく 牧野和子
二股へひや汗かいた鉢合せ 瀬島流れ星
ベテランの技語らない汗みどろ 鱸紅雷
恋情にわがセンサーが汗をかく 長川哲夫
ユニホーム濡らして球児夏の陣 久山節子
汗かいた者に涼風味方する 大谷祝星
父の汗沁みた鞄が捨てられぬ 黒嶋海童
汗かいた恥をプラスに転化する 山辺和子
汗の跡グラフに出ないもどかしさ 鱸紅雷
汗の目に刺さる瓦礫のデカイ山 長島敏子
やり遂げた汗が男を光らせる 倉周三
珠玉ですあなたの汗に生かされる 牧野和子
福島は汗も涙ももう出ない 中桐徹
汗かいた数だけ絆強くなる 大谷祝星
反骨を貫く汗が美しい 倉周三
血と汗で育てた吾子が親を打つ 前川淳

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兼題  「折角」  辰巳和子 選
禁煙三月また吸いだしたあかんたれ 倉周三
折角の孫の遠足雨模様 黒嶋海童
ばあちゃんに席ゆずったのに割り込まれ 倉田雄登美
美しい肌にわざわざ墨を入れ 久山節子
ホームラン三本打っても負けている 松本光江
どしゃぶりを迎えに出たが雨上がり 村上氷筆
折角の実りへ容赦ない豪雨 平井美智子
折角の料理を冷ます長電話 高畑千恵子
海外に折角来たのに口喧嘩 高畑千恵子
タイミングずれた呼名へ座がしらけ 瀬島流れ星
浴槽で浮かんだ名句出て忘れ 河原野折杭
誕生を祝う間もなくパンダ死す 中村真里子
折角のデイトぎっくり腰になる 黒嶋海童
折角の話断わる頑固者 松下比ろ志
誘っておき乍ら断る電話口 山内迪
不意の客昼寝の予定フイになる 長島敏子
到来の旬がダブって持て余す 水田蓉子
折角の君への土産置き忘れ 前川和朗
折角のデイト無にする二日酔い 田原一兆
折角の軍艦大和浮かばれず 長野峰明
折角の着物を生かす茶の手前 山内迪
折角の相合傘へ雨が止み 倉周三
折角ですが楢山行きにまだ乗らぬ 上村さな恵
折角のトマトお先に虫が食い 今野美恵子
折角の資格不況で職がない 大谷祝星
折角のリフォーム僕の部屋がない 南つかさ
折角の料理も不味くなる自慢 奥西勇人
半生をいくつ逃がして来たチャンス 赤井花城
折角の親切だけど肩がこる 山本ひさゑ
折角の御縁娘に通じない 南つかさ
折角のチャンス逃してフリーター 福山康子
三党の合意へ鳩は又チョロリ 長川哲夫
折角の助言へ老いが耳かさず 大谷祝星
折角の好意無にして蚊帳の外 奥西勇人
折角ですが僕のタイプじゃないのです 村岡義博
折角のビールがぬるくなる祝辞 黒嶋海童
折角の良縁はいとお受けする 豊野光子
折角の教訓の碑が土の中 野澤淑子
夏風邪で避暑地への旅棒に振る 前川和朗
折角のお誘い夫がおりますの 倉周三
折角の据膳近頃食べ残す 中桐徹
折角の美貌もお行儀で潰す 前川淳
折角のシーンに邪魔なコマーシャル 河原野折杭
待ち呆けバラの花束頭垂れ みぎわはな
折角の墓に一緒は嫌と言う 長野峰明
折角の新居を待たず逝った母 平井美智子
折角の晴れ着を濡らす俄雨 辰巳和子

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兼題  「揃う」  長川哲夫 選
お揃いのゆかた無心の盆踊り 中村真里子
三姉妹揃うと話尽きぬ夜 奥西勇人
右へ倣へ中味のうすい奉賀帳 南つかさ
代表の飛躍を祈る英国路 山岡幸一
爽やかに声を揃えて早春譜 福山康子
苦と楽が揃って揺れる種がある 山本芳男
この夏を揃って踊る平家ガニ 樋口祐子
UFOがかかれば踊りだす世代 室田隆司
子の事になると夫婦の気が揃う 水田蓉子
投攻守三拍子揃ったうちの孫 前川和朗
防犯へポチも表札揃い踏み 斎藤功
揃いの鼻見れば確かに親娘です 内藤夢彦
手を叩くとこで揃える盆踊り 倉周三
お揃いの浴衣が照れるフルムーン 河合敏夫
軍靴揃う北の行進不気味だね 上野五柳
嫁入りに揃えた品も流行ある 高畑千恵子
リハビリの靴を揃える前向きに 村岡義博
家族増え揃って父母の忌を終える 牧野和子
子沢山玄関の靴そろえる児 みぎわはな
三姉妹そろい診察券自慢 沼尾美智子
炎天を怖じず出揃う稲の青 山内迪
持ち駒が揃い訴訟に打って出る 室田隆司
弦楽器ピタリと揃う皆の息 今野美恵子
エリートではないが揃って親思い 辰巳和子
揃えたら茶碗気遣う震度七 斎藤功
生えそろた歯にいとおしさ増す二歳 村上氷筆
役者が揃いにぎわう芝居小屋 井上登美
ペンギンが飛び込む構え勢揃い 野澤淑子
条件が揃い過ぎてる落し穴 瀬島流れ星
子も孫も揃う今夜は回る寿司 村岡義博
ボタ山の木も生え揃う遠賀川 野澤淑子
均一の仕事ロボットには負ける 河合敏夫
箸立の中では一家皆揃う 瀬島流れ星
三拍子揃って来たよ未だ八十路 牧野和子
百均で一から揃う新世帯 廣嶋英子
九人目が揃うまで待つ草野球 河原野折杭
玄関の靴が揃って居る躾 長野峰明
同じ服見れば恥ずかし道を変え 松本光江
きょうだいが揃うと側にいる亡母 村岡義博
お揃いでおいで下さい決め台詞 池田史子
自分の歯どうにか揃う二十本 沼尾美智子
玄関のはきもの揃え上がる子に 村上氷筆
総踊り一糸乱れぬ指の先 赤井花城
老いたりとも揃へば華の四姉妹 山本ひさゑ
人形も揃えば兵に成る兆し 山本ひさゑ
美辞麗句揃えて寂し肚の底 長川哲夫

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兼題  「大切」  みぎわはな選 
大切な物に限ってよく失くす 青木公輔
大切な友にてにをは間違える 野澤淑子
大切な人に保険を掛けておく 辰巳和子
男だから後ろ姿も大切だ 松下比ろ志
掌中の珠は転げて行く運命 長野峰明
大切な事は息子と妻が決め 河原野折杭
大切な貴女と守る車間距離 瀬島流れ星
大切なものほどこぼれ落ちてゆく 岸本博子
大切な時の尻尾は畳んどく 長野峰明
八月の空の重さを忘れない 樋口祐子
パチンコに負けた帰りの電車賃 室田隆司
こころ無垢看護されてる母の日々 水田蓉子
再稼動今が日本の正念場 村上氷筆
大切に育てた花の乱反射 福山康子
大切な指輪ガラスだとしても 山本ひさゑ
一に達者二に呆けぬこと三にカネ 上野五柳
臍の緒が時々僕を呼ぶ箪笥 赤井花城
大切に甦るもの胸の奥 高畑千恵子
大切な残り時間だまず飲もう 上野五柳
祖母からの教え反芻して生きる 中村真里子
大切にします妻は静かな寝息たて 長川哲夫
犬よりも僕を大事にしてほしい 倉周三
日本は日本語イギリスは英語 村岡義博
大切な物はお金と言いません 豊野光子
聞き上手忘れ上手な無二の友 斎藤功
円満の秘訣君が大事を呪文とし 池田史子
亡妻の料理手帳を重宝す 前川和朗
1にボク23はなくて4諭吉 村岡義博
貴男だと思って抱いてるぬいぐるみ 瀬島流れ星
大切にされたかしらと指の節 久山節子
大切と書いてあるもの結局ゴミ 森本佳子
大切にし過ぎて珍味また腐る 中桐徹
追伸の「お大切に」を熱く読む 樋口祐子
大切は待つことにある未だ青い 長野峰明
大切に守り育てた子へいじめ 水田蓉子
一寸の虫にも光る命持つ 牧野和子
胸の奥そっと仕舞っておく科白 沼尾美智子
捨てよ捨てよと断捨離に迫られる 赤井花城
何を捨て何を遺して風になる 赤井花城
大切なライバルという良い種火 鱸紅雷
眼鏡外した独りの時を大切に 松下比ろ志
てにをはを大切にして文綴る 奥西勇人
貸金庫に紋太語録を入れてある 黒嶋海童
ばあちゃんに金歯の保管頼まれる 平井美智子
大切にされ箱から出して貰えない 辰巳和子
大切なものが時代に流される みぎわはな

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兼題  「地図」  村上氷筆 選
白地図をあげよう生まれたての君 沼尾美智子
地図よりも矢印どおりに行く喪服 松本光江
災害で歪みが目立つ日本地図 斎藤功
虹色で溢れんばかり未来地図 池田史子
世界地図広げて探す桃源郷 辰巳和子
迂回路も書き込んである父の地図 平井美智子
地図に無い道を探した反抗期 岸本博子
世界地図ドンとはみ出す子等の夢 池田史子
地図ばかり見てくらす離婚適齢期 池田史子
待ち合わせ地図で明かした箸袋 長野峰明
地図に無い人生航路ひた走る 田原一兆
冥土への地図曼陀羅にまだ見えず 斎藤功
政治家の地図に利権が刷り込まれ 河原野折杭
地図にない島に神話が落ちていた 青木公輔
裏山といえど一等三角点 赤井花城
ランドセル未来の地図が詰まってる 河合敏夫
合戦の絵地図を歩く一ノ谷 村岡義博
カーナビと地図が時々ケンカする 青木公輔
きみの描いた地図を頼りにきみと逢う 室田隆司
蛍とぶ川はもうない故郷の地図 南つかさ
白地図に君との進路書くつもり 井上登美
地球儀を回し夢見た立志伝 中村真里子
長寿国爺さま婆さまの地図を干す 中桐徹
反戦の歌が届かぬ世界地図 山辺和子
白地図に確かな色を重ね今 福山康子
人生の地図拡げつつ傘寿まで 高畑千恵子
放射能マップ疑心暗鬼で見るつらさ 樋口祐子
ピッピッピ地図もお店もみなスマホ 長島敏子
未来地図持たぬ少年の彷徨 前川淳
楢山の案内地図をお手許へ 久山節子
地図でならエベレストさえ踏破する 牧野和子
竹島が一番遠い日本地図 村岡義博
車ナビ海上走行する不思議 山岡幸一
どの地図も極楽浄土書いてない 黒嶋海童
未来地図描くに足りぬ孫の画布 福山康子
花めぐり片手に地図を見て迷う 中本三桂
カーナビの地図助手席と喧嘩する 黒嶋海童
分岐点避け避け通る恋の地図 瀬島流れ星
よう来たな燕はナビを持っている 上野五柳
地図と鍵渡されてから深い仲 河原野折杭
出口まで迷路が続く恋の地図 平井美智子
漂泊の山頭火には要らぬ地図 奥西勇人
肩抱かれ真っ白な地図渡される 山本ひさゑ
検診のカルテに惑う未来地図 河合敏夫
竹島にお子様ランチの日章旗 村上氷筆

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【出席者】 (順不同・敬称略)
村上 氷筆 今野美恵子 室田 隆司 久山 節子 鱸  紅雷 高畑千恵子
河原野折杭 瀬島流れ星 岸本 博子 上野 五柳 水田 蓉子 長島 敏子
上村さな恵 井上 登美 河合 敏夫 倉田雄登美 豊野 光子 沼尾美智子
野澤 淑子 みぎわはな 大谷 祝星 山辺 和子 長野 峰明 牧野 和子
黒嶋 海童 田原 一兆 斎藤  功 森本 佳子 倉  周三 辰巳 和子
村岡 義博 山内  迪 内藤 夢彦 長川 哲夫 松下比ろ志 松本 光江
前川  淳 中桐  徹 廣嶋 英子 平井美智子 池田 史子 青木 公輔
樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
河端世起子 山岡 幸一 森本 高明 山本ひさゑ 奥西 勇人 中本 三桂
南 つかさ 福山 康子 中村真里子 山本 芳男 前川 和朗

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