平成24年3月20日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「春」  青木公輔 選
忘れじと彼岸桜がやっと咲き 宮本喜明
春一番クシャミと共にやって来た 水田象介
春告げ鳥仮設の窓を鳴き渡る みぎわはな
そこかしこ萌え萌え萌えの春がきた 川人良種
少年の青き決断春一番 水田蓉子
告白をしようか迷う春の風 瀬島流れ星
三浪にやっと本当の春が来た 瀬島流れ星
春ひと日五百羅漢に父探す 辰巳和子
3・11今年も雪が降りました 水田象介
呼ばぬのに春が花粉をつれて来る 河原野折杭
絵手紙に添えた一語が光る春 山辺和子
春よこいはあやく来いと人生譜 前川和朗
抱きしめて下さい花の宵だから 豊野光子
林檎剥く春の光を回しつつ 倉周三
年毎に優しさの増し恋うさくら 牧野和子
哀しみが心に積もる桜雨 久山節子
背水の陣で迎える春嵐 大谷祝星
人生の喜怒哀楽の春四月 水田蓉子
繋がって命の電話春を呼ぶ 井上登美
欲そろそろ捨てよと香る梅一輪 みぎわはな
山笑う今年は幸を掴めそう 黒嶋海童
春らしい様子そろそろ冬を脱ぐ 樋口祐子
桜餅亡母はとっても好きでした 前川千津子
家中にくぎ煮の匂い満ちて春 河原野折杭
みちのくの球児の笑顔春を呼ぶ 牧野和子
春ですね夫婦喧嘩もなくなって 廣嶋英子
よく見れば庭の樹々にもかわいい芽 村上静子
風切って青い草笛高らかに 豊野光子
春雨の真ん中で聞く友の訃よ 長島敏子
スーパーの玉筋魚日毎でかくなる 河合敏夫
気まぐれの夢を咲かせる春の宵 池田史子
どじょっこも雑魚も春など忘れてる 宮本喜明
春だ春だとキリンの首が又延びる 廣嶋英子
行くあてもないが陽気に誘われる 室田隆司
菜の花を活けてそれなり元気です 沼尾美智子
仮設からこぼれる声に春を知る 樋口祐子
名残り雪まだ切り出せぬ胸の内 倉周三
難聴へ土筆たんぽぽ笑いかけ 樋口祐子
海光る玉筋魚漁は春の使者 牧野和子
ハングライダー春の山河をひと跨ぎ 長川哲夫
油断した足をねらって春嵐 池田史子
切り抜きにしたい車窓の春景色 河原野折杭
誘うてね春には弱いわたしなの 瀬島流れ星
あるのだろうか蜜蜂の花粉症 村岡義博
青りんごのウインクそして春が咲く 長野峰明
春は素通り夏がひょっこり顔を出す 青木公輔

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兼題  「カード」  山内迪 選
日本人大関同志の好カード 大谷祝星
子に遺すカード一枚生きた道 牧野和子
ばあちゃんのカード狙っている詐欺師 上野五柳
このカード切ったら嫁が出ていった 森本高明
切札はもうない妻のいいなりに 瀬島流れ星
バツイチのカードを準備チャンス待つ 内藤夢彦
恋占い吉と出るまで切るカード 辰巳和子
浪費家をカード払いが首を締め 河原野折杭
切り札を握って美味い酒を呑む 河原野折杭
ミサイルもカードに使う北の国 斎藤功
七色のカードが眠る皮財布 上村さな恵
一枚のカードに今日も狂わされ 青木公輔
カードでは買えぬ恋とは厄介な 宮本喜明
少年に還るカードをまだ探す 宮本喜明
切札を持たぬ不安が色に出る 室田隆司
身の丈に合った夢組むカード繰る 牧野和子
知らぬ間にカード地獄が我が家にも 村上氷筆
浄土まで続くカードの嵩高よ 廣嶋英子
此のカード切れば逃げ場のない修羅場 松下比ろ志
菩提寺の名前も入れてある名刺 黒田忠昭
一枚のカードで天地変わる賭場 鱸紅雷
英単語カードにつめて桜咲く 井上登美
婦人科以外診察券は皆おます 瀬島流れ星
カード占い恋の迷走止まらない 中村真里子
浮気発覚レッドカードが食卓に 倉周三
原発廃止カードを握るのは誰 長川哲夫
カードローンやがて氷河に成る兆し 山本ひさゑ
ジョーカーを使い切れずに過ぎる春 平井美智子
倦怠期断ち切るカード買いに行く 内藤夢彦
春なのにカードばかりの空財布 奥西勇人
人間がカードの奴隷いつのまに 森本佳子
赤丸をつけた番組好カード 奥平駿曳
診察券死ぬまで宝手放さぬ 鱸紅雷
切り札を互いに知っている夫婦 黒田忠昭
ひとりっ子重いカードを背負わされ 山辺和子
消費税庶民のカードまた覗く 鱸紅雷
カードでは彼女の愛が買い切れず 河原野折杭
カードローンやっと終って春来たる 奥西勇人
酔い覚めて切ったカードに在る未練 斎藤功
プラカード母校に清し乙女たち 長川哲夫
苦と楽の両刃の剣となるカード 黒嶋海童
誕生日花束添えているカード 中本三桂
カードでは買えぬ私のハートです 長川哲夫
さあやるぞ春の選抜好カード 中村真里子
ジョーカーに操られてる運命線 みぎわはな
人生を決めるカードがまだ切れぬ 黒嶋海童
好カードに育ててくれた茨道 山内迪

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兼題  「きれい」  みぎわはな選 
かすむ目が私きれいと言う鏡 久山節子
きれいすぎる遺影ざわめく通夜の席 久山節子
花埋もれ柩の母の美しき 宮本喜明
ゴキブリと同居しているきれい好き 倉田雄登美
きれいごとばかり復興遅々として 赤井花城
清貧の灯こころは綺麗です 牧野和子
付け爪の何も出来ないきれい指 村岡義博
夕焼けがきれいさよなら言い出せぬ 山辺和子
看護師の指はきれいに爪切られ 大谷祝星
きれいごと言うが財布の紐固い 黒嶋海童
目鼻立ち夜目には自信あるんだが 村岡義博
お賽銭きれいに磨き神頼み 水田蓉子
笑顔戻りきれいなみちのくきっと来る 倉田雄登美
貸借は嫌ときれいなおつきあい 山内迪
綺麗だよ言われ頼めぬ大ジョッキ 長島敏子
古歌にみる大和言葉の麗しさ 斎藤功
テポドンがきれいに嘘を打ち揚げる 長野峰明
アイロンと糊が効いてる白い襟 沼尾美智子
若さだなきれいサッパリ平らげる 村上氷筆
厚化粧仕上げきれいに無表情 蒲池季美
美人よりきれいな心に癒される 倉田雄登美
純白の雪はきれいでおそろしい 豊野光子
「きれいだよ」結婚以来聞いてない 村上氷筆
身辺をきれいに整理婚活を 内藤夢彦
くちづけもせずに別れたうぶな恋 河原野折杭
五臓六腑をきれいに洗う酒二合 辰巳和子
女房かクレオパトラか楊貴妃か 水田象介
おきれいと妻に朝晩申します 河原野折杭
政治家のきれい事には尻尾ある 斎藤功
国訛りきれいな郷が見えてくる 宮本喜明
幼子に戻った母のきれいな手 久山節子
石一つ無情に散らす花筏 河合敏夫
らん展の花の神秘に囲まれる 水田蓉子
手の甲に咲いていますのバラ百本 野澤淑子
種袋のようにきれいに咲くかしら 村上静子
海峡の夕陽いっしょに見ませんか 沼尾美智子
きれい事で済まぬ情が深すぎて 池田史子
五七五言葉の魔術でちりばめる 福山康子
おきれいで若くておとし書いてない 黒田忠昭
綺麗事並べて骨をぬきにくる 大谷祝星
一日に三回下着取り替える 水田象介
きれいだと口滑らせてからの闇 赤井花城
化粧して自分一人の星になる 前田久雄
娑婆の水は罪をきれいに流さない 奥平駿曳
魂を洗いつづけて生きる術 宮本喜明
百年を生きたきれいな喉仏 辰巳和子
見せかけのきれいを競う化粧品 みぎわはな

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兼題  「苦労」  沼尾美智子選 
二句出しに慣れて三句目まだ出来ず 水田象介
復興の苦労枚挙にいとまなし 中村真里子
気苦労の分だけ増える呑み仲間 長島敏子
夢あれば苦労はないサ決めた道 池田史子
偏食をあの手この手で育て上げ 村上氷筆
遠謀の苦労実らすシンデレラ 村岡義博
神様が数多の絵馬にまた悩む 黒田忠昭
苦労といえばスマホに挑むことぐらい 野澤淑子
石ころを積んだ苦労がいま巌に みぎわはな
苦労して育てた子からバラ百本 川人良種
すくすくと苦労知らずのシロアリか 樋口祐子
繕って繕う苦労が好きな鬼 山内迪
女王蜂へ群がる男蹴飛ばされ 樋口祐子
苦労して築いた城も苔が生え 黒嶋海童
糸紡ぐ苦労も夢も織ってゆく 豊野光子
苦労した甲斐があったと笑い皺 豊野光子
艱難の道を山中鹿介 長川哲夫
夢がある限り人間続けます 前田久雄
苦労多く父母の遺産を花とす 牧野和子
苦労の甲斐なくて花の咲かない子 前川和朗
有りません雀にあげるパン屑も 水田象介
ねぎらいのご苦労様の上滑り 赤井花城
苦労話せぬが男というものさ 上野五柳
苦労して掴んだ彼だはなすまい 上野五柳
変換ミス苦労の秀句水の泡 前川和朗
辛酸をなめて男の貌になる 宮本喜明
ヤドカリの苦は年毎の住居替え 村岡義博
苦労した過去は忘れて再生紙 久山節子
素通しのめがねの奥の苦労性 廣嶋英子
爪の垢煎じ薬というサプリ 黒田忠昭
苦労二字昔の辞書に溢れてた 鱸紅雷
気にしない苦労のシミは肝斑じゃない みぎわはな
人並みの苦労はあった旅鞄 廣嶋英子
今はもう宝になっている苦労 平井美智子
就活も婚活もなしオットセイ 樋口祐子
戦時中の苦労話しのクラス会 村上静子
裏切られ裏切られても子を案じ 前田久雄
浅漬の器量がひかる夜の膳 福山康子
半分とはんぶん苦労ごっこだったよ 廣嶋英子
遡上する鮭の苦労に砂ぬるむ 野澤淑子
アジアでもおしんのドラマ泣かせてる 森本佳子
ドットコム苦労してますメカ音痴 長島敏子
子育ての苦労パパにも割り当てる 水田蓉子
盛り込んだ苦労のにじむ提案書 斎藤功
耐えて七年やがての蝉に花あかり 長川哲夫
苦も楽も気まぐれ風が持ってくる 上村さな恵
苔のむす墓なり苦労かけました 沼尾美智子

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兼題  「結果」  長野峰明 選
検診の結果出るまで酒は飲む 黒嶋海童
結果待つ姿祈りの形して 久山節子
結果論並べうるさい評論家 中本三桂
全没も良薬らしい脳のしわ 樋口祐子
コラーゲンたっぷり塗って待つ結果 辰巳和子
結果だけいえばあなたは負けている 野澤淑子
結果はいつも無惨に終る宝くじ 松下比ろ志
転んで気付く直ぐ側に在った杖 斎藤功
結果どうあれ今日はトコトン呑んでやる 青木公輔
食べ過ぎで因果応報この始末 河原野折杭
擦りすぎつぎに焦げつくフライパン 沼尾美智子
家族会議結果は仔犬買うことに 村上静子
運だけで生きて結果もそれなりに 田原一兆
ライバルは自分だったと負けて知る 川人良種
結果楽しみどうせ全没だとしても 青木公輔
晩節を汚し離れにひとり住む 室田隆司
実力は無いが結果と仲が良い 田原一兆
一歩また一歩結果はついてくる 沼尾美智子
実力に運が乗っかり出る結果 河原野折杭
結果こそ勝負の企業戦士たち 鱸紅雷
うきうきの結果わたし貝になる 樋口祐子
結局は白い煙になる命 倉周三
棒グラフ汗と涙の痕が沁む 赤井花城
試行錯誤の結果にやってくる夜明け 山内迪
結果など問わず流した汗を褒め 黒嶋海童
結果丸みえこの顔ぶれのこの議案 村岡義博
もっともな顔して歩く結果論 長島敏子
結果だけで審判される負け兎 田原一兆
晩学の机は結果など問わぬ 辰巳和子
神さまの機嫌の結果この夕陽 宮本喜明
待たされて待った結果の千切れ雲 山内迪
憧れのままで終った片思い 山辺和子
人間になりたくないとロボット言う みぎわはな
よく抜けたらしい土産と鼻唄と 瀬島流れ星
結果良好薄い化粧が味方する 上村さな恵
料理教室行ってもやはり目玉焼 みぎわはな
逆上がりできて晴れやかポーズ舞う 福山康子
成れの果て月星眺め青テント 宮本喜明
十日前のサプリメントが効いてきた 川人良種
整形をしたのにだぁーれも気がつかぬ 瀬島流れ星
結果出ないままにミカンがへってゆく 村上静子
鼻ペチャは逆子のせいと母真顔 久山節子
目くばせをしただけなのに共犯者 廣嶋英子
帳尻がきれいに合って怪しまれ 奥平駿曳
惚れた罪もう返品がきかぬ妻 河原野折杭
コロンブスの卵が説いた結果論 長野峰明

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【出席者】 (順不同・敬称略)
牧野 和子 上村さな恵 森本 佳子 長島 敏子 倉田雄登美 大谷 祝星
長野 峰明 豊野 光子 瀬島流れ星 村上 氷筆 水田 象介 田原 一兆
久山 節子 河合 敏夫 鱸  紅雷 室田 隆司 川人 良種 長川 哲夫
黒嶋 海童 辰巳 和子 上野 五柳 廣嶋 英子 水田 蓉子 山辺 和子
井上 登美 倉  周三 村上 静子 前川 和朗 みぎわはな 河原野折杭
山内  迪 松下比ろ志 村岡 義博 前川千津子 沼尾美智子 野澤 淑子
斎藤  功 青木 公輔 宮本 喜明 黒田 忠昭 奥平 駿曳 池田 史子
樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
中村真里子 中本 三桂 前田 久雄 森本 高明 奥西 勇人 山本ひさゑ
内藤 夢彦 平井美智子 蒲池 季美

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