平成23年9月23日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「選ぶ」  杉山ひさゆき選 
選んだが九日だけの不良品 内藤夢彦
罪つくりパパとママとはどっち好き? 村上氷筆
一匹になっても曲げぬ選択肢 長島敏子
間違いは貴方選んだ事でした 水田象介
子も孫も寄らば大樹と妻選ぶ 奥西勇人
指あとのついたトマトをまた選ぶ 野澤淑子
選ばれてもろ刃の剣と向い合う 上村さな恵
お祝の花選る指が弾んでいる 山辺和子
外野席美女に目敏いカメラ・アイ 村岡義博
黒枠の写真を選ぶ去年今年 沼尾美智子
ちょっとした余裕が選ぶ回り道 長島敏子
やっかいな話は選び夫に振る 松本光江
目移りの果てに選んだこの男 室田隆司
添い遂げてグッドチョイスと今思う 黒嶋海童
多チャンネル買えば買ったでどれ見よう 村上氷筆
不揃いのリンゴを選ぶ個性たち 宮本喜明
重い方選んでしまう戦中派 平井美智子
選ぶのはあなた私は待つばかり 豊野光子
百合ばかり選んで母の墓まいり 村上静子
マニフェストに騙され選ぶ平和ぼけ 長野峰明
それなりのとこに落着く人選び 山内迪
選ぶのは酒か命かカルテ聞く 黒嶋海童
お互いに選ぶ権利もあった縁 上原翔
おつき合い三段階に選び分け 川人良種
凡人で大きな葛籠つい選ぶ 黒嶋海童
選ばれた雲かも知れぬぽっかりと 宮本喜明
選んだのは私でないと今も言い 内藤夢彦
選ぶけど結局いつものオムライス 森本佳子
選ぶとは三十までに言う言葉 中桐徹
親分を選んでおいてブーイング 上原翔
裏事情役員えらびがばれている 中西保子
八卦見に聞いて選んだのがおまえ 黒田忠昭
団栗のくじ引きで選る運不運 長野峰明
後悔はしない選んだのは私 辰巳和子
転勤を故里選び老母の側 水田蓉子
言い訳の言葉選んでいる歯切れ 上原翔
選ぶのは得意選ばれるのは苦手 青木公輔
選ばれて少し人間臭くなる 大谷祝星
他人よりも遅れて選ぶ不器用さ 田原一兆
選ばれた限りをしなる担い棒 山内迪
土壇場に一か八かの矢を放つ 井上登美
戒名は少しはずんで居士にする 水田象介
ペットショップわたしがポチに選ばれた 上野五柳
カタカタと神が選ってる絵馬の音 河合敏夫
私かな3200/01/01 水田象介
顔よりも心_口ではいうけれど 杉山ひさゆき

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兼題  「  涼」 井上
涼しいというてるうちにすぐ冬や 杉山ひさゆき
台風余波涼しさおいて彼岸花 倉田雄登美
涼しさにそろそろ夏もの整理する 村上静子
コオロギと仕舞い忘れた風鈴と 水田象介
涼やかな風鈴の音に児は眠り 奥西勇人
雑念をはじきとばして秋の風 上村さな恵
コスモス揺れて飛鳥仏の涼しい眼 黒田忠昭
噂なら涼しい顔で知らぬフリ 小島知無庵
フェルメール少女魅惑の涼しい眼 中桐徹
涼風の秋の七草人恋し 倉田雄登美
夕涼み横丁にあったへぼ将棋 山本ひさゑ
長雨が止んで鮮やか彼岸花 宮本喜明
新涼に父の助言の沁みる夜 中本三桂
涼しげな瞳ことばの要らぬ愛 みぎわはな
嫁が来て涼しい顔で引いた線 山本ひろ子
散髪のえり足涼し新学期 吉安陽子
加茂川の床で馴染みと鱧つつく 中村真里子
ふと匂う秋頬なでてよぎる風 赤井花城
肩の荷を降ろし涼しくなる名刺 村岡義博
川面を渡る涼風秋を告げている 上村さな恵
渓流の早瀬は涼し岩燕 大谷祝星
桔梗一輪涼しさを生けている 山辺和子
涼やかな瞳少年脱皮する 豊野光子
豊作に涼しい風の吹く至福 山内迪
氷柱に涼をもらったアーケード 長島敏子
台風一過涼しさ加速月冴える 森本佳子
夕立が大地のほてり拭い去る 室田隆司
終章を子に托す老母瞳の涼し 水田蓉子
鍾乳洞太古の冷気身に沁みる 中村真里子
酷暑でも財布のなかは涼完備 前川和朗
閑人と猫は涼しい部屋に居る 中本三桂
涼風に時よ止まれとひとり言 中本三桂
浄蓮の滝恋の飛沫に濡れながら みぎわはな
涼しさをネオンに求め飲みに行く 森本高明
清涼の青磁を生んでゆく炎 村岡義博
新涼に冷えすぎました株下落 長川哲夫
おさな児の涼やかな瞳にある未来 河原野折杭
夏布団今朝は首まで掛かってた 水田象介
怪談を聞かせて孫に疎まれる 室田隆司
秋の風切子グラスを吹き抜ける 沼尾美智子
凌ぎよい涼忽ちに秋の暮れ 上原翔
川床の鱧にくずもち遠花火 池田史子
切り売りの氷涼感呼んだ夏 赤井花城
山谷荒涼父のこと母のこと 豊野光子
スキンヘッド一夏だけの自己主張 室田隆司
涼やかな瞳なでしこ魂宿す 赤井花城
抱一の秋草図から涼伝う 野澤淑子
撒水にゴーヤが揺れてエコの夏 井上登美

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兼題  「ルーム」  水田象介 選
ルビー婚スイートルーム予約する 辰巳和子
バスルームゆらり明日の策を練る 河合敏夫
バスルーム今日一日を溢れさす 山内迪
連泊のベッドメークへチップ増し 上原翔
ワンルーム僕の城です四畳半 奥西勇人
ワンルーム隣は何をする人ぞ 吉安陽子
ルームキー首からかける宿浴衣 田原一兆
スィートルームひょんなことから通される 森本佳子
ホームルームだけはサボったことが無い 黒田忠昭
ルームキー怪しい美女に渡される 川人良種
ルームライト秋の夜長に目立ちます 山内迪
涙腺をくすぐるような部屋係り 小島知無庵
この部屋で花火が見える人恋し 前川千津子
寄宿舎のルームメイトに気をつかい 村上静子
暗がりのルーム琴線には触れぬ 沼尾美智子
泣きながらいやいや返すルームキー 小島知無庵
月おぼろルームナンバー囁かれ 長島敏子
人様の万華鏡見るティールーム 井上登美
夏の風邪待合室が混んでいる 山辺和子
約束の指輪をはめたティールーム 野澤淑子
定位置の隅薄暗いティールーム 赤井花城
子供部屋ケシの栽培しています 杉山ひさゆき
三才は三才なりのワンルーム 沼尾美智子
泣く時は亡母の匂いのする部屋で 松本光江
ショールームローンの事は忘れてる 黒嶋海童
リビングの主役仔犬を真ん中に 小山紀乃
ベッドルームポチが邪魔してまた明日 中桐徹
ベッドルーム猫が割り込み川の字に 川人良種
真実はルームミラーに写る顔 蒲池季美
気の合ったルームメイトがいて元気 小山紀乃
宿題もマンガもみんな居る部屋で 杉山ひさゆき
突然の客にあわてるワンルーム 辰巳和子
折に触れルームメイトの懐かしさ 赤井花城
哭く部屋が私にひとつあればよい 上村さな恵
シングルの他は泊ったことが無い 赤井花城
駅前のモデルルームで待ち合わせ 上原翔
夜も更けて甘え上手な犬と居る 松本光江
個室とは縁遠かった大家族 平井美智子
隣人と会わぬマンション三年め みぎわはな
散らかったお部屋に居ると痒くなる 樋口祐子
午前二時人形の目が動く部屋 宮本喜明
窓開けて月と添寝のできる部屋 宮本喜明
パパとママ立入禁止札がある 河合敏夫
いつからか寝室別にして平和 辰巳和子
玄関の外が喫煙ルームです 黒田忠昭
作句中親父まだかとノックされ 杉山ひさゆき
六畳に九人揃ってふかしいも 水田象介

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兼題  「列車」  中西保子 選
すいている列車に乗れた高齢者 前川千津子
思い出は列車に揺れた家のこと 椙元世津
青春切符自分起こしの旅となる 中村真里子
ミステリー列車ひと時逃避行 長島敏子
廃駅で煤ける列車時刻表 河原野折杭
炎天の貨物列車に汗を拭く 山辺和子
寝台車鼾の友は上段に 河合敏夫
列車事故大国の処理目を被う 大谷祝星
里の駅別れを惜しむ母小さく 樋口祐子
さよならの夜汽車尾燈も濡れている 黒嶋海童
急行列車ふるさとの駅通り抜け 長川哲夫
終電混むとひと電車待つ酔払い 上野五柳
止めなさいレール枕に寝るなんて 長野峰明
台風で余儀なくされた車中泊 井上登美
その昔別れた駅に途中下車 松本光江
懐かしい窓から駅弁買うた頃 長島敏子
駅弁は食べたしばらく眠ろうか 室田隆司
若き日の就職列車の長い旅 黒嶋海童
最終列車出てから涙どっと出る 上村さな恵
百様のドラマを乗せて終列車 沼尾美智子
古里を素通りをする新幹線 豊野光子
待ち人は来ないが乗って行く私 山内迪
車窓から郷愁さそう彼岸花 松本光江
それぞれの縁つなげて走る貨車 平井美智子
朝霧の中から列車顔を出す 斎藤功
テレビに映る高原列車に乗りました 村上静子
上京は夜行列車という相場 上原翔
D51に炭坑節と力瘤 松下比ろ志
百態の暮らし吐き出す通勤車 村岡義博
就職列車日本が元気だった頃 辰巳和子
指定席他人の温み残る夏 田原一兆
トンネルを越えると鼻は煤だらけ 倉田雄登美
ガタゴトンなんともいえぬ子守唄 杉山ひさゆき
さよならの景に列車がよく似合う 小山紀乃
夜行列車金の卵のドラマ積み 山本ひさゑ
駅弁がたのしみ一人旅をする 村上静子
ラッシュ時の人ひと人の片隅に 小山紀乃
窓開けて駅弁売りとむだ話 杉山ひさゆき
鈍行の旅で見つけた小さい秋 川人良種
列車事故思い出させる一両目 蒲池季美
出番です石炭列車窯を炊く 長川哲夫
終電に明日の夢を紡ぐ父 長野峰明
銀河列車バラ一輪とのるつもり 宮本喜明
故郷だと思う鉄橋渡る音 松下比ろ志
無人駅乗って来たのは赤とんぼ 辰巳和子
終列車又あの男が乗っている 中西保子

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兼題  「録画」  黒嶋海童 選
どや顔で防犯カメラへのピース 上原翔
生き下手な命の証録画撮る 田原一兆
街角の録画でご用_サスペンス 斎藤功
知りあいがちょこっと出てるから録画 杉山ひさゆき
十年前の録画十年後のわたし 池田史子
判定の覆りっこない録画 上原翔
なでしこの得点シーン何度でも 中村真里子
残したい録画だ母の笑顔が薄れかけ 中西保子
負けは負け誤審でしたと見る録画 河合敏夫
青春の録画をまわすクラス会 長島敏子
バッチリと録画ニヤリとパパラッチ 河原野折杭
録画でも身の毛のよだつ大津波 長野峰明
ご成婚パレード録画お若いな 倉田雄登美
多機能も未だに録画すら出来ず 池田史子
ビデオテープ置き去りにする新型機 村岡義博
孫の守りアニメの録画見せておく 吉安陽子
街中の監視カメラに残る俺 村岡義博
内緒ないしょのビデオは奥の方にある 小山紀乃
機械オンチに頼んだ不覚映ってない みぎわはな
伴走のビデオも五人児が走る 野澤淑子
念のためあの世の録画見てみたい 中桐徹
録画観る茶の間に和む三世代 奥西勇人
録画するのにまだ戸惑うている地デジ 椙元世津
録画みな鮮明すぎる悲のシーン 赤井花城
千年後録画を見たらおもろかろ 上野五柳
録画みてなっとくをした名勝負 大谷祝星
変な感じ死んだ女優の出る録画 上野五柳
核家族老いと録画を残されて 山本ひさゑ
録画するはぐれ刑事に会いたくて 松本光江
寅さんのアナログ録画まだ捨てず 水田象介
ビデオなら一人静かに泣きもする 松本光江
使い方まだわからないブルーレイ 水田象介
子育てのビデオ流して老いを知る 松下比ろ志
リプレイにあなたの影を追う未練 村上氷筆
強かった父が映っているビデオ 平井美智子
録画みて自分の姿勢直してる 村上静子
亡き母のビデオ涙腺閉まらない 村上氷筆
テレビニュース同じ録画にまた出会う 室田隆司
逝きし子が録画テープの中で笑む 河原野折杭
看視カメラに兜を脱いだ黙秘権 長野峰明
ビデオから古い話が蘇る 松下比ろ志
負け試合の涙残っている録画 松下比ろ志
CMを飛ばして撮れるから録画 杉山ひさゆき
運動会ビデオカメラが子と走る 河原野折杭
宝物やっと生まれた日のビデオ 沼尾美智子
痛恨のエラーを録画繰り返す 黒嶋海童

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【出席者】 (順不同・敬称略)
河合 敏夫 室田 隆司 川人 良種 大谷 祝星 牧野 和子 河原野折杭
黒嶋 海童 倉田雄登美 村上 氷筆 上村さな恵 田原 一兆 中西 保子
長野 峰明 上野 五柳 森本 佳子 山内  迪 豊野 光子 奥西 勇人
辰巳 和子 山辺 和子 長島 敏子 野澤 淑子 村岡 義博 村上 静子
沼尾美智子 井上 登美 内藤 夢彦 水田 蓉子 中桐  徹 松下比ろ志
青木 公輔 前川 和朗 黒田 忠昭 平井美智子 斎藤  功 松本 光江
前川千津子 水田 象介 上原  翔 杉山ひさゆき 宮本 喜明 椙元 世津
池田 史子 小島知無庵 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
吉安 陽子 山本ひさゑ 森本 高明 小山 紀乃 中本 三桂 みぎわはな
中村真里子 山本ひろ子 蒲池 季美 長川 哲夫

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