平成23年5月22日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「励ます」  小山紀乃 選
光る汗流して励むボランティア 河原野折杭
一番の励みとなった両陛下 水田蓉子
被災者を見舞って逆に励まされ 辰巳和子
両陛下のお膝しみじみ胸をうつ 沼尾美智子
激励の歌谺する地震の海 長島敏子
わたくしに今できること募金箱 沼尾美智子
被災地に寄せ書き添えて神戸牛 内藤夢彦
みちのくの事前投句へエール添え 上原翔
たんぽぽの健気にそっと背を押され 山辺和子
リハビリを傍で見ている優しい目 平井美智子
家事炊事妻に委され励まされ 河原野折杭
連敗のトラへ励ます声も嗄れ 河原野折杭
諦めるなと育毛剤に励まされ 村岡義博
ポント背を押されて伸びた棒グラフ 河合敏夫
酒呑んで寝たらコロッと忘れるて 杉山ひさゆき
病得て友から届く千羽鶴 山辺和子
あと一球あと一球に気がはいる 川人良種
励ましてもらう乾杯酒ビール 前川千津子
馬鹿野郎ただ一喝の父でした 宮本喜明
乗り易い子だ励ましておけばいい 室田隆司
徒競走のビリを励ますカメラアイ 辰巳和子
ひるむ子へもう少しだと逆上がり 黒嶋海童
励まして労り合って歩を揃え 山内迪
励ましか嚇しかいずれ好敵手 斎藤功
励まして励まされての絆持つ 水田蓉子
呑舟の魚になれよと子を送る 黒嶋海童
ひんがしに悲しみあれど賢治の詩 長川哲夫
エール交換校旗大きく風に鳴る 山辺和子
傷痕を訪ねてくれる友の酒 平井美智子
励ましも長生きしてが関の山 中桐徹
励ましてくれたあの方先に逝き 水田象介
励ましの歌声しぼり出している 沼尾美智子
メトロノームの励ます音に負けられぬ 上村さな恵
励ましの言葉重たく肩にくる 井上登美
もう一度挑めと故郷の風が吹く 黒嶋海童
ふんばって生きようがんばれへコール 牧野和子
どんまいどんまいその一言で立ち直る 倉周三
励ましの歌声海を越えて来た 水田蓉子
泥の中写真戻ってもらう喝 長島敏子
激励のやさしい言葉実は槍 井上登美
励ましはいらぬ瘡蓋とれるまで 豊野光子
時どきはきびしく言ってくれる友 椙元世津
励ましが何より力前を向く 池田史子
励ましてくれる小さな辞書がある 上村さな恵
握り合う手から貰っている勇気 平井美智子
一輪の花に励まし貰うペン 小山紀乃

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兼題  「マスク」  野澤淑子 選
口臭も愚痴もマスクに封じこめ 倉田雄登美
マスクとは便利なものよ日曜日 前川千津子
マスクしたままでよかった歯医者さん 水田象介
甘いマスク用心しろと夫の声 豊野光子
マスクして隠した歳が首に見え 大谷祝星
六億円タイガーマスクなら盗らぬ 沼尾美智子
助かった生命を語るマスク越し 前田久雄
マスクしてどの看護師も美しい 黒嶋海童
碁仇きがマスクしてくる昼下り 大谷祝星
いつも急いでいる写楽の強面 廣嶋英子
俺だけにマスク外せと警備員 杉山ひさゆき
使い捨てマスクの下の平和主義 平井美智子
マスク外すとマザコンの顔になる 廣嶋英子
甘いマスク以外取り柄のない夫 河原野折杭
被災地の苛酷さマスク物語る 中村真里子
仮面つけ舞踏会場知った彼 前川和朗
手配書のすき間を抜けていくマスク 山辺和子
マスクした難聴二人でかい声 河合敏夫
マスク外して女が甘えてくるのです 倉周三
理由ありのマスクきょろきょろしてしまう 小山紀乃
カボチャの馬車で行く仮面舞踏会 井上登美
あれはもう鼻の差マスクの差だった 黒田忠昭
吶吶と恐怖を語りつぐマスク 廣嶋英子
イエスノーマスクの下にある本音 山本ひさゑ
インフルじゃないと弁解するマスク 上原翔
マスクから漏れる妻との妥協点 前田久雄
マスクして呪文唱える思慕追慕 斎藤功
マスクから気になる嘘がもれている 松本光江
よく見ると貴方も仮面つけている 松本光江
まなじりに慈愛を残すデスマスク 豊野光子
マスクした人とは少し距離を置く 大谷祝星
意に添わぬ会にはマスク掛けて行く 辰巳和子
一点に視線集める外科マスク 村岡義博
絶妙とマスクが褒める耳の位置 村岡義博
迂闊だった甘いマスクの盲まし 山本ひさゑ
デスマスク並べた部屋にある静寂 村上氷筆
マスク付け仕事の顔になる歯科医 山辺和子
のっぺらぼのマスクで敵地すり抜ける 山本ひさゑ
行間の指摘にマスク掛け直し 山内迪
みちのくはマスクが欲しい野の地蔵 黒田忠昭
仮面をはげばその下にまた仮面 水田象介
原発のマスクの姿兄らしい 長川哲夫
デスマスクどこか親父に似てるよな 宮本喜明
お浄土で仮面はがれる夢を見る 井上登美
悲しみを秘しては花の能舞台 長川哲夫
マスクした授乳のママをじっと見る 前川千津子
宴会がマスクの中でまだ続く 野澤淑子

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兼題  「皆」  宮本喜明 選
さくら散るみんなが一つ年を取る 上野五柳
オギャーから冥途へみんな歩き出す 杉山ひさゆき
皆さんと当選までは愛想よい 中桐徹
飛ぶ鳥よみんなと群れて楽しいか 松本光江
内緒の話なぜか皆も知っていた 池田史子
お客みな三波春夫に神にされ 河原野折杭
人を皆ピュアの極致に誘う恋 村上氷筆
十指みな君を離さぬ為の指 平井美智子
流し目で皆んなにくれたバラのチョコ 河合敏夫
みな変わるムカシトンボでありつづけ 野澤淑子
皆まで言うな無いものはないわかってる 前川和朗
皆が言うほどに美男と思われず 椙元世津
正論が皆の中に浮いている 内藤夢彦
みんな居る犬猫亀に夫添え 松本光江
がらくたはみな思い出の品ばかり 室田隆司
万策が尽きて吐息の浜の石 上原翔
欲張りがみんな集まる遺産分け 河原野折杭
止まり木は皆評論家かしましい 大谷祝星
不揃いの孫だがどれも皆可愛い 黒嶋海童
皆さんは幸せですか僕不幸 水田象介
九ちゃんを歌うみんなで手をたたく 沼尾美智子
鯉幟一家揃って達者だぞ 上野五柳
知らぬ間にみんな磨りガラスの向こう 黒田忠昭
貧しさも夢も共有した昭和 平井美智子
一斉に歩きはじめた兵馬俑 水田象介
皆勤を宝に茶髪卒業し 倉周三
家系とは不思議なものね皆美人 前川千津子
代議士を叩けば皆同じ音 樋口祐子
一年生皆揃って五月病 黒田忠昭
皆につられて何となく手をあげる 青木公輔
初披講皆カボチャだと思えない 井上登美
合縁奇縁みなそれぞれの暮し向き 上村さな恵
権利書もその他全てを妻が持つ 水田象介
拾い読みした雑学もみな活きる 小山紀乃
分母みなはらってくれる母でした 野澤淑子
横一列考えること皆同じ 椙元世津
お前が俺の全てと言われ皆許し 倉周三
一斉にこっち向くんだ胡蝶蘭 廣嶋英子
皆どこへ消えて行くのか夢の中 沼尾美智子
皆息災一行だけの父の文 豊野光子
皆何処へ一本道は海に消え 室田隆司
白を混ぜるとみんな濁った色になる 杉山ひさゆき
雲をみな食べてしまった五月晴れ 廣嶋英子
居眠りと携帯車中はみな他人 椙元世津
刻という魔物すべてを過去にして 長島敏子
引き潮に過去のすべてを呉れてやる 宮本喜明

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兼題  「無駄」  上野五柳 選
無駄やろなあと思いながらも出句箱 杉山ひさゆき
五七五無駄な言葉はありません 長川哲夫
ガラクタと駄作に埋もれ季は流れ 宮本喜明
無駄と無理無茶した一本道だった 廣嶋英子
ムダムリムラを無くせと昔しぼられた 村岡義博
読まぬまま散らしの束はごみ箱に 室田隆司
結局は捨てる溜めてた包装紙 杉山ひさゆき
無駄飯を食う粗大ゴミ私のこと 中桐徹
勿体ないとなんでも溜めてゴミ屋敷 内藤夢彦
雰囲気に酔いバーゲンの衝動買い 黒嶋海童
仕分けされた無駄は政治の向こう岸 廣嶋英子
無駄の効用説いて余生もあと少し 中桐徹
無駄かもしれぬが球場へ足運ぶ 青木公輔
一日一合酒は無駄には飲みません 長川哲夫
無駄話の中にオヤッと思う事 青木公輔
昔には戻れぬ肌に無駄を塗る 辰巳和子
抜けかけた髪へたっぷり養毛剤 黒嶋海童
美しくなれると言われ飲む薬 平井美智子
車内化粧無駄と思うが努力買う 倉田雄登美
失恋のあとは何となく無駄金を遣う 廣嶋英子
貢いでも無駄よ夫が居りますの 倉周三
あなたに逢えて無駄でなかった遠回り 倉周三
無駄なのに尽しています好きだから 豊野光子
五番目の百足の左足が折れ 水田象介
無駄なもの削いで宇宙のにぎり飯 長川哲夫
無駄骨は承知隠れてする善行 河原野折杭
無駄でしたガダルカナルの樹が呻く 野澤淑子
手土産を無駄にさせない腹づもり 山内迪
ぐっすりと無駄に浸かっている午睡 赤井花城
宝くじ口では無駄と言いながら 杉山ひさゆき
これ読めば夫婦喧嘩が無くなる本 黒田忠昭
無駄足をいつか反映棒グラフ 池田史子
炎天下無駄足踏ます忘れ傘 井上登美
無駄骨とやっと気がつく馬鹿の壁 前川和朗
無駄噺に成ってわたしは外される 山本ひさゑ
無駄骨で終わる贅肉取る話 小山紀乃
サービスで無駄な動きを見せる猿 野澤淑子
おぼえても自己流にする節廻し 山内迪
古本を買ったら僕が売った本 水田象介
耐えた過去無駄と言えない今日の椅子 中本三桂
また会議舟を漕ぐのがうまくなる 室田隆司
無駄にした時が滴る砂時計 赤井花城
余命表書き直してる無駄ですか 樋口祐子
無駄なもの全部捨てましょあらら夫 豊野光子
深草の少将みたいに通う店 黒嶋海童
ある日ふと女もすなる化粧する 水田象介
年金じゃ無駄花一つ咲かせない 上野五柳

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兼題  「目線」  前川千津子選 
菅総理貴方一体何見てる 水田象介
大臣の目線が泳ぎ国が揺れ 豊野光子
答弁に詰まる目線を泳がせる 赤井花城
雨やどり迎えの傘のあてもなし 前田久雄
刺さる目につづきは明日と本屋出る 宮本喜明
目が合って素通りできぬ募金箱 倉周三
子の目線まで義援箱低うなる 廣嶋英子
呼び捨てにしては目線を高くする 中本三桂
子のことになると目線の合う夫婦 上村さな恵
父の瞳も子の瞳も凛と海を向く 上村さな恵
目線など意に介しない楽天家 大谷祝星
目線会うたばかりに用を頼まれる 椙元世津
食べ盛り男の目線気にしない 河合敏夫
車内化粧男の目線気にしない 倉田雄登美
内緒ごとありそう目線泳ぎ出す 小山紀乃
店員に値踏みされてるあの目線 黒嶋海童
子の目線バッタはすぐに逃げられず 長川哲夫
小鴨はいつも母さんの視野の中 上野五柳
艶やかな目線の先にある打算 豊野光子
目の温さ児玉清の智の深さ 宮本喜明
大仏の目線が鹿を追っている 黒田忠昭
背信の目線か斜め八十度 長島敏子
隅々に目線を配る名子役 上原翔
反抗期親と目線を合わさない 辰巳和子
寝たきりの目線に金魚泳がせる 辰巳和子
悲しみの同じ目線まで陛下 廣嶋英子
名も財も出来ると目線高くなる 黒嶋海童
ストライクゾーンに目線置いている 杉山ひさゆき
介護士の目線で見てる話してる 前川和朗
車椅子の目線で心ある介護 村上氷筆
男って不思議目線をすぐそらす 大谷祝星
懸命に目線を上げて追う理想 前川和朗
好きだからいつも目線の端に君 黒嶋海童
お浄土の目線気になる八十路かな 井上登美
見てくれとばかりバストが通り過ぎ 水田象介
紋太師の庶民目線に句は生きる 前川和朗
少しだけ目線を高く夢を追う 牧野和子
シャボン玉の目線で夢を描いている 山本ひさゑ
あれこれと市民目線を光らせる 樋口祐子
赤ちゃんの目線へにこっとしてしまう 椙元世津
モナリザの目線原子力へ向く 沼尾美智子
気にかかる目線の角に夏帽子 井上登美
ママ来てご覧目線たどれば蝶の羽化 長川哲夫
目線には愛も怒りも無視もある 中桐徹
ライバルの目線に合うと散る火花 赤井花城
赤い服目線少々意識する 前川千津子

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【出席者】 (順不同・敬称略)
大谷 祝星 松岡 久子 上野 五柳 倉田雄登美 室田 隆司 牧野 和子
村上 氷筆 小山 紀乃 河合 敏夫 井上 登美 山辺 和子 沼尾美智子
長川 哲夫 山内  迪 上村さな恵 長島 敏子 豊野 光子 黒嶋 海童
水田 蓉子 辰巳 和子 中桐  徹 前川千津子 野澤 淑子 上原  翔
斎藤  功 廣嶋 英子 杉山ひさゆき 水田 象介 前川 和朗 村岡 義博
黒田 忠昭 平井美智子 内藤 夢彦 川人 良種 河原野折杭 宮本 喜明
青木 公輔 倉  周三 椙元 世津 池田 史子 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
前田 久雄 松本 光江 中村真里子 山本ひさゑ 中本 三桂

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