平成23年3月27日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
特別席題  「命」  橋本凉子 選
大津波助かった命どう守る 牧野和子
生命とは禅問答をして暮れる 上村さな恵
命限り尽くしてみよう人の世に 前川和朗
ニュース讀む命の叫び聞きながら 豊野光子
頂いた命大事に生きて行く 豊野光子
生かされる命と思う水の味 沼尾美智子
取り上げた命輝く震災地 村上氷筆
恐怖の底で命確かめ合う絆 辰巳和子
いたずらに命ながらえ無為に生き 内藤夢彦
瓦礫から生きてるぞぉーに湧く喚声 倉周三
濁流の中で命のある不思議 村上静子
紙一重生死を分ける運不運 長野峰明
さまよえる命は数多寒い海 水田象介
いのちとや飽きられるほど生きてみん 上野五柳
大津波花も蕾も摘んで行き 長野峰明
命はいつか空に漂う風になる 松下比ろ志
救援物資届き命の灯が点る 山辺和子
予定通り生まれた命宝物 水田蓉子
病室でいのちの音を聴いている 山本芳男
新しい命を囲み春の家 平井美智子
草芽吹く風がはこんできた命 山辺和子
飲み込んだ津波へ遣り場のない怒り 倉周三
オッパイを飲むと小さな耳動く 豊野光子
揺れる中生まれた命希望の子 森本佳子
災害の中で元気な孤々の声 村上静子
限りある命へ祈り深くなる 山辺和子
水はきらきら春の小川に命の芽 前川和朗
命うたかた一日一日を切に生き 辰巳和子
控え目な方から天は命召す 斎藤功
カラフルな薬命の顔をする 平井美智子
震災で命拾いをしたポチよ 上野五柳
復旧へ命の絆太くする 沼尾美智子
九日間生きて命の尊さよ 倉田雄登美
たんぽぽは瓦礫の下で芽を出した 水田象介
冬ホタル短いいのち携えて 山本芳男
そこかしこ命の叫び地の叫び 斎藤功
癌の妻燃やしつづける命の火 大谷祝星
命という一字に無情の顔がある 松下比ろ志
そして春詩人は生命のペンを研ぐ 上村さな恵
生きようと命の叫び五体満つ 斎藤功
放射能におびえる命さくら咲く 樋口祐子
人命の脆さを嗤う大津波 黒嶋海童
美人だが薄命で無く妻は古稀 河原野折杭
生きのびた命リハビリ耐えている 大谷祝星
生れ来る命へ祈り深くする 黒嶋海童
明日には僕の平均寿命の日 水田象介
芽吹く樹に命弾ける春の音 河原野折杭
惜しまれて散る花びらをふと思う 山本芳男
抱きしめて命の音を確かめる 平井美智子
三部粥術後の命いとおしむ 黒嶋海童
命にかえて我が子を守る父母の愛 橋本凉子

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
兼題  「恥じる」  黒田忠昭 選
含羞のタオル温泉の傘寿 みぎわはな
勝ち馬に乗った驕りを恥じている 大谷祝星
今日もまた恥を重ねて電子辞書 沼尾美智子
恥じらいつつばらはしたたか棘をもつ 上野五柳
恥かいて覚えた知識忘れない 辰巳和子
不器用を恥じることなく生きている 山辺和子
戦争の狂気を恥じて逝った父 平井美智子
戦好き恥を知らない人間の群れ 前川和朗
馬齢のみ重ね功無き身を恥じる 黒嶋海童
石投げた傷の深さを恥じている 山辺和子
恥の実を食べて人間とりもどす 上村さな恵
妻や子に自慢している過去の恥 宮本喜明
腕白の5才児母の背にかくれ みぎわはな
募金箱知らぬ顔した身を恥じる 吉安陽子
未来絵図描けずに恥をかいている 上村さな恵
恥じること無いぞ私も無学の徒 黒嶋海童
恥の数重ね男の貌が出来 河原野折杭
清貧に生きて恥じない荒れた指 辰巳和子
嘘一つ重ねて恥じる寒の月 長川哲夫
バーゲンへ恥じることなく一直線 川人良種
恥三つ売れば元とる浪速寄席 長川哲夫
恥じらいの形で熟れるさくらんぼ 長島敏子
旅の恥いつも幹事が尻拭い 中本三桂
家の恥みな露顕する幼稚園 河原野折杭
合格の祈願の絵馬の誤字脱字 河原野折杭
恥じながらたぷんたぷんの湯に浸かる 沼尾美智子
旅の恥そっと拾って呉れた姑 長野峰明
呑む度に被災地向いて自己嫌悪 樋口祐子
代表の名に恥じぬ人出尽くして 前川和朗
恥じゃない貧乏ですが辛いです 村岡義博
恥らいを見せて老梅二三輪 河合敏夫
恥じることなきか三省繰り返す 赤井花城
もじもじと恥じらう彼女三才児 森本佳子
何を恥じる節くれ指に夢がある 山本芳男
コロコロと外務大臣変わる国 河端世起子
世が世なら血筋に恥じる暮らし向き 小山紀乃
ちち母に恥じることなし古稀の春 松下比ろ志
夫から花キューピット照れている 河合敏夫
多少の恥掻き流すのが長寿法 上野五柳
買い溜めの水が泣いてる恥じている 樋口祐子
アホウドリ想定外と言い逃れ 樋口祐子
まだ残る浮気心が三センチ 水田象介
羞恥心括弧で閉じて一歩出る 松下比ろ志
避難所の苦難身のぜいたくを恥じる 川人良種
恥を知る男に太い芯がある 松下比ろ志
横恋慕ですよと風に教えられ 黒田忠昭

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
兼題  「評判」  山辺和子 選
風評に流された矢が突き刺さる 井上登美
悪評は電波にのって駆けめぐる 上野五柳
評判のB級グルメ食べに旅 上野五柳
三代目老舗の評判守り抜く 豊野光子
ラーメンの列にさくらで並んでる 水田象介
裏店で人の込み合う美味い店 斎藤功
前評判なら今年も首位のタイガース 河原野折杭
いかなごの安い新鮮聞き走る 水田蓉子
評判のケーキが届く神戸から 長川哲夫
口コミで棚から消えた水電池 長島敏子
カットがうまい評判の店行ってみる 村上静子
評判がですぎて味が落ちた店 森本佳子
評判の美女妻にして落ちつけず 河原野折杭
さびしいよ看板娘いなくなり 内藤夢彦
悪評に耐えた努力にある実り 河原野折杭
内緒々々と流れるうちに尾鰭つく 松下比ろ志
タバコ屋の看板娘米寿です 水田象介
あの顔でいつも噂に出る男 宮本喜明
評判のパンや淋しい店仕舞 赤井花城
グルメ誌の評判ほどじゃない女将 村岡義博
赴任地に早や悪評が知れている 黒嶋海童
人柄へ良い評判が付いて来た 山本芳男
良く売れる店の娘は笑顔好し 橋本凉子
評判を聞いて患者が多くなる 森本佳子
評判の悪い男に口説かれる 辰巳和子
評判の美人ポスターすぐ消える 河合敏夫
評判の程でなかったベストセラー 大谷祝星
評判の浜風に梃摺る球児 河合敏夫
それなりの効き目だという美人の湯 平井美智子
評判を覗く障子の穴いくつ 長野峰明
評判とうらはら君の軽い嘘 井上登美
評判のよい子突然刃をかざし みぎわはな
評判の打線が湿る負け試合 倉周三
評判の店で行列見て通る 前川和朗
評判がよすぎ二の足踏むお店 前川和朗
前評判高いエースにあるもろさ 川人良種
評判倒れにならねばよいが派手なビラ 青木公輔
美味しいと評判なので母を連れ 村上静子
ちょっとした手抜きで評判を落とす 川人良種
原発の世評消しても払っても 沼尾美智子
評判が肩にくい込む三代目 黒田忠昭
津波には強いと聞いて山の墓地 黒田忠昭
心無い風評被害に泣く農家 倉周三
風評にほうれん草の萎れがち 沼尾美智子
再版の知らせうれしい友の本 井上登美
いち早く噂とらえた壁の耳 山辺和子

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
兼題  「不覚」  上野五柳 選
計画の不覚を取った青写真 中本三桂
不覚にもサイフ忘れてバスに乗る 吉安陽子
惚れたのが不覚と嬉しそうな顔 平井美智子
砂糖と塩いれまちがえた卵焼き 内藤夢彦
不覚にも妻と彼女が鉢合わせ 川人良種
圧力に本音跳ばしたマヨネーズ 村岡義博
健康を自慢し過ぎてつまはじき 斎藤功
慢心のハンドル捌きに履くギブス 山内迪
風を信じて弱音をはいた日の不覚 山辺和子
躓いた不覚をバネに目差す峰 長島敏子
鈍妻と甘く見過ぎた日の不覚 山本ひさゑ
生涯の不覚横取りされた恋 赤井花城
消し忘れのメールが連れて来た修羅場 村上氷筆
失言で天狗が鼻を折る不覚 長野峰明
言葉のアヤ不覚の涙ひとしずく 井上登美
忘れるまで前後不覚に呑めるなら 沼尾美智子
不覚にも忘れた妻の誕生日 井上登美
不覚にもぐっすり眠り車庫の中 橋本凉子
ただ感涙にむせていた映画館 井上登美
握手しただけで仲間にされている 平井美智子
押し入れで朽ちた国旗が哀れです 宮本喜明
饅頭の皮だけ舐めてバツイチに 内藤夢彦
ネオン消え他人の街と成る不覚 山本ひさゑ
相続の不覚が積もる細雪 長川哲夫
アドレスを間違いましたラブメール 黒田忠昭
うしろ前反対に着て首の凝り 沼尾美智子
不覚にも贅肉少し貯めすぎた 上村さな恵
どこで道間違ったのかけものみち みぎわはな
ひと言で愛がこぼれて流れ去る みぎわはな
後半で天狗になったのが不覚 青木公輔
繁栄でいつか無くした思いやり 樋口祐子
不覚にも舐めた自然に舐められる 村岡義博
彼の手に触れた位で赤くなる 小山紀乃
不覚にも嫌いな人にひかれてく 森本佳子
不覚にもちょっと覗いただけなのに 豊野光子
不覚にもできてしまった三人目 川人良種
ねえ貴方こんな手紙が出てきたわ 水田象介
釈迦三尊自我の不覚を説き明かす 長川哲夫
福の神隣に居たと後で知り 河合敏夫
云い切ったあの一言が尾を曳いて 青木公輔
ダイヤだと信じて受けたプロポーズ 平井美智子
僕だけがデートだったと思ってた 倉周三
不覚にも仮面外したとこ見られ 河合敏夫
若作り敬老パスで歳がバレ 倉周三
切り捨てた男がやけに景気よい 辰巳和子
起きてれば不覚とるから寝ていよう 上野五柳

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
兼題  「米国(アメリカ)」  村上氷筆 選
アメリカに媚びて足元見失う 長島敏子
熱燗の好きな米国人の友 上村さな恵
アメリカに住んで恋しい雛あられ 豊野光子
星条旗背にベッタリと孫のシャツ 井上登美
金髪の彼女を連れて子の帰宅 橋本凉子
アメリカも普天間事案ひと休み 内藤夢彦
戦中派鬼畜米英耳に胼胝 長野峰明
真珠湾攻撃あの時僕も武者震い 松下比ろ志
ハリウッドのディーン・モンローまだスター 森本佳子
米人に単語三つで煙に巻く 川人良種
北米プレートやはり噛んでた震度9 村岡義博
ポトマック老樹しっかり春を咲く 長川哲夫
サンタモニカの風の中貴方のぬくもり欲しくなる 河端世起子
アメリカも結構はやっている寿司屋 青木公輔
アメリカの歴史習った西部劇 黒田忠昭
戦争がやっぱり好きなアメリカだ 小山紀乃
エノラゲイ今もアメリカ誇らしく 河合敏夫
アメリカに尻尾振らない総理乞う 辰巳和子
大リーガー目指して素振り日に200 河合敏夫
アロハ着てアメリカかぶれして帰国 山本ひさゑ
アメリカにおんぶに抱っこ平和ぼけ 長野峰明
被災地の海に優しき星条旗 平井美智子
いつ聴くもロマン溢れる新世界 内藤夢彦
謝々と二兆ドルには頭下げ 水田象介
アメリカにそない頼ってどないする 倉周三
ボガードの愁いの背中に恋をして 豊野光子
鳴り止まぬままアメリカの非常ベル 平井美智子
被災地の沖頼母しい米空母 赤井花城
戦場のある所には星条旗 水田象介
米中の狭間日本の抱く不安 長島敏子
リズテイラー数多の恋をのこし逝く 宮本喜明
アメリカの自負が世界をかき回す 小山紀乃
アメリカの歴史には無い王子さま みぎわはな
キャデラック運転台に揺れる護符 大谷祝星
星条旗星の一つじゃないジャパン 村岡義博
移住民さくらのうたを弾き語る 長川哲夫
アメリカにしがみついても根は他人 山内迪
アメリカの支援断わるメンツとや 長島敏子
アメリカを助けて日本飢えている 辰巳和子
計らずもアメリカ製の孫二人 川人良種
外交の磁石アメリカ指したまま 倉周三
米基地の点々とある大八州 赤井花城
柄パンツ尻のあたりに星条旗 宮本喜明
アメションにしては土産が多すぎる 青木公輔
青春のバイブルたりきハリウッド 村上氷筆
追加
大震災あすは我身となる不覚 山岡幸一

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ

【出席者】 (順不同・敬称略)
倉田雄登美 上村さな恵 豊野 光子 長野 峰明 大谷 祝星 山辺 和子
水田 蓉子 井上 登美 上野 五柳 森本 佳子 河合 敏夫 黒嶋 海童
河原野折杭 辰巳 和子 村上 氷筆 牧野 和子 橋本 凉子 山本 芳男
前川 和朗 沼尾美智子 斎藤  功 内藤 夢彦 平井美智子 松下比ろ志
黒田 忠昭 村上 静子 水田 象介 倉  周三 青木 公輔 樋口 祐子
赤井 花城

【投 句】
山本ひさゑ 中本 三桂 山内  迪 森本 高明 吉安 陽子 山岡 幸一
河端世起子 村岡 義博 宮本 喜明 長島 敏子 みぎわはな 長川 哲夫
川人 良種 小山 紀乃

※作品の著作権は、全てきやびん川柳会に帰属しています。無断転載、無断使用はご遠慮ください。