平成23年1月23日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「油断」  奥平駿曳 選
イケメンに油断はするなポチに言う 豊野光子
網棚に土産忘れて口惜しがり 内藤夢彦
油断した訳ではないが浮気ばれ 倉周三
あの目つき油断のならぬ奴と見る 黒嶋海童
油断から始まる僕の負け戦 樋口祐子
大木を倒すねずみも居るらしい 青木公輔
油断したような顔してまた騙す 中桐徹
油断して金も心も皆預け 豊野光子
喝采へ油断の臍を締め直す 山本芳男
健康に自信あったが胃に穴が 水田象介
もう少し先と思った株下落 河合敏夫
油断したばかりへそくり見つけられ 内藤夢彦
傘貸した雨天の友に裏切られ 川人良種
間延びした話ついつい油断する 沼尾美智子
味方のような顔へ油断をしてしまう 青木公輔
ライバルが居眠りしててつい油断 池田史子
転寝の隙をつかれた風邪の神 河合敏夫
油断せず風花の街マスクする 水田蓉子
勘のいい妻に油断を見透かされ 河原野折杭
米櫃に米が溢れる日の油断 平井美智子
うっかりとよそ見_魚は黒焦げに 内藤夢彦
他人事と思ってたのに振込んだ 沼尾美智子
老舗だとつい油断した不況風 長島敏子
相槌を打たれて油断してしまう 辰巳和子
来賓の胸のバッジについ油断 上村さな恵
ライバルに油断のふりで出し抜かれ 河原野折杭
油断なくてもオレオレは戸を叩く 上野五柳
やわらかい日差しに冬を油断する 山辺和子
あなたわたしの全てと言われつい油断 倉周三
遠近両用妻の死角が消えている 黒田忠昭
油断した仲間に足を掬われる 河合敏夫
騙された友を笑って自分まで 斎藤功
自信満満慣れた手つきにある油断 川人良種
気のゆるみ家の近くでスリに会う 森本佳子
大吉のみくじ油断するなと読んでいる 辰巳和子
これぐらいと雑草を抜き腰いため 村上静子
油断せぬ男の眉は動かない 大谷祝星
母の背に油断も隙も見出せぬ 松下比ろ志
油断した浅瀬の石はよく滑り 大谷祝星
早起きをしたばっかりに遅刻する 山辺和子
ほんそこと杖を持たずに出たものの 村上静子
影法師油断してるとついて来ぬ 上野五柳
俺よりもオレオレ詐欺に油断する 中桐徹
油断した悔いか兎の目が赤い 黒嶋海童
見るも無残_仕舞い忘れた植木鉢 室田隆司
隙ばかり見せて油断のならぬ奴 奥平駿曳

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兼題  「日記」  河原野折杭選 
本音など見当りません古日記 宮本喜明
今年こそ五年日記を頑張ろう 小山紀乃
病床の六尺に足る日記終え 長川哲夫
今日も又「無為」と記すしかない日記 奥平駿曳
十日程まとめて書いている日記 水田象介
何ページまでかな新年の日記 長島敏子
変った事なしがつづいている日記 村上静子
新春の匂いで終わる日記帳 川人良種
日記などつけたばかりにこの悲劇 室田隆司
読み返し軌道修正する日記 池田史子
診察にかかった費用かく日記 村上静子
レシートもきちんと貼ってある日記 平井美智子
昔むかしの私を知っている日記 上村さな恵
古い日記若い私に会えました 森本佳子
見せるため綺麗な文字の日記帳 本田律子
長命を信じ十年日記買う 黒嶋海童
子供達介護の日記で顔合わす 森本佳子
つれづれに余白を埋める日記書く 斎藤功
古日記愛だ好きだの文字ばかり 倉周三
遣る瀬なく日記を閉じる片思い 長野峰明
君の名を日記で消した夜の静寂 樋口祐子
日記から元カレ削除して夜明け 長島敏子
元旦に夢をえがいて初日記 倉田雄登美
日記には書けないこともチョイとある 内藤夢彦
絵日記のママはいつでも笑ってる 池田史子
やるせない言葉も書いた日記帳 山本芳男
むかっ腹立てて日記の字が乱れ 大谷祝星
嬉しい日の日記は少し饒舌だ 松下比ろ志
記念日の日記にペンが軽くなる 山辺和子
悪口をいっぱい書いてある日記 平井美智子
女装して改めて読む土佐日記 樋口祐子
暗号ですらすら書いている日記 青木公輔
余白まで夢が溢れている日記 平井美智子
介護日記頭の中に畳み込む 牧野和子
交換日記ゆっくり熟れてゆくレモン 山辺和子
メモ帳になって頑張ってる日記 黒田忠昭
十年日記溜息を買う夢を買う 青木公輔
鏡には逢わせる顔のない日記 長野峰明
カレーライスが続く夏休みの日記 沼尾美智子
恋日記女鮮やか春を翔ぶ 牧野和子
裏日記まだその裏がありそうな 青木公輔
闘病の日記が白いまま果てる 黒嶋海童
日記帳にカギを持たせたサスペンス 長野峰明
何時からか遺言めいてきた日記 沼尾美智子
遺された日記に滲む想夫恋 みぎわはな
白いまま捨てるずぼらの日記帳 河原野折杭

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兼題  「縫う」  長島敏子 選
千人針_縫うた昭和も遠くなり 中桐徹
バランスの崩れを母が縫い合わす 山本芳男
自慢気にへそまで見せる手術あと 河合敏夫
訛よし縫い目解ける縄のれん 長川哲夫
縫い痕のおなかを見せてお説教 沼尾美智子
破れてはまた縫い直す夢数多 黒嶋海童
マイブランド妻のミシンがよく弾む 山辺和子
僕と妻縫ってもすぐに綻びる 水田象介
児の育ち願って姑の返し針 村上氷筆
人混みを縫う朝夕を繰り返し 赤井花城
アルバムに優しい嘘が縫ってある 山本芳男
継ぎはぎの思い出もあり共白髪 松下比ろ志
洋服のはぎれで縫ったエコバッグ 中本三桂
離れていった心は縫えぬ冬花火 上村さな恵
人波を縫ってスリ行くデカもゆく 黒田忠昭
ほころびを仮縫いにしてお茶にごす 前川和朗
許し合い綻び縫って五十年 豊野光子
縫いあげた晴着施設へ寄贈する 青木公輔
縫いつけておきたい妻のへらず口 河原野折杭
妻と来たミシン納戸で眠ってる 上野五柳
未練だと思う言葉を縫っている 平井美智子
亡母の髪詰めた針山捨てられず みぎわはな
堪忍袋の口を縫ってる肚の虫 長野峰明
スキー場人垣縫ってギャルのそば 倉田雄登美
縫い代が綻びだした夫婦仲 倉周三
間延びした顔だ縫い上げでもするか 宮本喜明
ほころびを縫って仲直りをしよう 荒垣秋野
路地裏を縫う真夜中の救急車 辰巳和子
縫いしろがたっぷりあって仲が良い 松下比ろ志
袖の下一針おまけですとオペ 村岡義博
縫合のホッチキの痕痒くなる 内藤夢彦
縫い代を少し広めて余生とや 宮本喜明
人波を縫って寂しさまぎらわす 斎藤功
雑踏の街縫い乍ら捜す愛 牧野和子
愛誤算縁の糸が縫えぬまま 倉周三
誰を悼んで闇を縫う流れ星 赤井花城
幸せがこぼれぬように袋縫い 辰巳和子
雑踏を健気にも縫う介助犬 河原野折杭
御用心女の口は縫い切れぬ 山本ひさゑ
仮縫いの愛で喜劇を演じ切る 倉周三
ばあちゃんにジーパンの膝また縫われ 中桐徹
魂のほつれを縫っている夜更け 平井美智子
コツコツと生きよと母の返し縫い 池田史子
失恋の破れハートを時が縫う 河原野折杭
ママが縫うレギュラー入りの背番号 河合敏夫
返し縫いまだ言訳が見つからぬ 長島敏子

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兼題  「念入り」  松下比ろ志選 
念入りの化粧に出会う始発バス 水田蓉子
手間かけた化粧が素顔駄目にする 河合敏夫
念入りな化粧もはえぬ顔の皺 大谷祝星
念入りに化粧したのに来ない彼 前川和朗
花道を飾る念入り化粧する 中本三桂
その顔へパフで十回二十回 河原野折杭
ときどきは脳を撹拌しています 前田久雄
浄土まで女は手鏡手放さぬ 牧野和子
二時間も掛けて口では薄化粧 中桐徹
待たされたわりには化粧映えしない みぎわはな
念入りに化粧娘にいい人できたらし 倉周三
今日はデイト特に念入り化粧する 村上静子
勝負の日念に念入れ化粧する 川人良種
念入りに化粧五歳は若くする 村上氷筆
念入りに残った髪を撫でつける 水田象介
念入りな仲人口で纏め上げ 豊野光子
念入りに線引き直す敵・味方 斎藤功
念入りに調べ決めた男が飲んだくれ 倉周三
念入りに口紅塗って古希の恋 荒垣秋野
念入れるトイレの神に会いたくて 水田蓉子
念入りに窓を磨いて福よ来い 川人良種
スーパーのちらし毎日見比べる 室田隆司
念のため夫に書かせる誓約書 平井美智子
念には念押してもどこか抜けている 松本光江
入念な検査が炙り出した癌 村上氷筆
念入りに縫った晴着に初春がくる 山内迪
義母が来る予感掃除に念を入れ 上野五柳
くどすぎる母の叱言の懐かしさ 赤井花城
念入りに道順書いてくれたメモ 村上静子
今日句会あり念入りに髭を剃る 上野五柳
推敲に推敲重ねて没になり 水田象介
御丁寧_噂も添えた御進言 池田史子
念入りな妻の化粧が気にかかる 辰巳和子
うしろめたさ繕う嘘は念入りに 奥平駿曳
責任を問われぬプラン練り上げる 室田隆司
念入りの極み本尊御身拭い 村上氷筆
宝恵籠の艶めく襟に念が入り 長川哲夫
念入りに合格祈願絵馬に書く 山辺和子
登山靴自分で念入りにみがく 村上静子
推敲も二度原稿のペンを置く 小山紀乃
絵馬二枚掛ける本命と滑り止め 河原野折杭
初詣で鈴念入りに振っている 黒嶋海童
念入りに靴を磨いて子の門出 上村さな恵
念入りな仕事世間に生き残る 井上登美
念入りに結び解けぬ赤い糸 河合敏夫
念入りに磨くと落ちた過去の傷 山本芳男
祝儀袋に祝い言葉を書き添える 松下比ろ志

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兼題  「呑気」  黒嶋海童 選
東風吹かばなんて呑気を怒る絵馬 村上静子
残高が無くても夫よく眠る 辰巳和子
長生きに呑気は薬寝ては酒 内藤夢彦
取り敢えず飲めと呑気な口を持つ 平井美智子
添乗にまかせっきりのパスポート 村岡義博
生きている限り呑気に暮したい 山本芳男
一兵卒の呑気の裏にある焦り 中村真里子
川柳川柳って呑気な妻や又出掛け 倉周三
呑気に見えて恐妻家とは意外 上野五柳
夕餉どきまだ続いてる立ち話 池田史子
食えるだけあればと呑気なことを言う 倉周三
呑気そうだが締めるところはしめている 松下比ろ志
明日する明日しようと日が暮れる 沼尾美智子
ひと前は呑気な仮面つけておく みぎわはな
左遷地は美味い地酒があるという 平井美智子
持ち前の呑気を武器にして生きる 小山紀乃
家計簿の愚痴を肴にコップ酒 河合敏夫
長生きをします呑気を楯にして 赤井花城
根は呑気_それでも癌は別らしい 中桐徹
ケセラセラ今日は三食抜きました 水田象介
人生をほんのり飲んで笑い皺 前田久雄
窓際族の本音が居眠りして困る 上村さな恵
明日のこと明日考える呑気者 辰巳和子
呑気者でも決して尻尾ふらぬ父 上村さな恵
捨てたのか捨てられたのか呑気者 松本光江
呑気者だから小金も残せない 大谷祝星
呑気そうに見せて家計は火の車 山内迪
尖閣の波に呑気な柳腰 長野峰明
呑気そうな雲が出てくる里帰り 黒田忠昭
呑気とは言えぬほんとの認知症 豊野光子
死ぬ気だな呑気なふりが下手すぎる 宮本喜明
呑気だがサプリメントは日に五錠 長島敏子
呑気に暮らせと里山へ誘われる 青木公輔
呑気な男に連れ添い気が抜けぬ 内藤夢彦
釣針の先が呑気で丸くなる 黒田忠昭
キスされてやっと惚れられてたと知り 河原野折杭
マイペースだから呑気にみえるらしい 大谷祝星
呑気ではおれぬお酒が減っている 山本芳男
忘れられ忘れ夫婦の誕生日 赤井花城
本人は死んでいるのに気が付かず 水田象介
連れて来た子を置き忘れてる呑気 河原野折杭
一日を喋る呑気な酒肴 山本芳男
利子だけで呑気に暮らす筈でした 辰巳和子
死ぬことを忘れて食べて呑んで寝る みぎわはな
呑気な父のうしろにちゃんと母がいる 松下比ろ志
就活も婚活もせずよく食べる 黒嶋海童

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【出席者】 (順不同・敬称略)
川人 良種 水田 蓉子 豊野 光子 牧野 和子 長野 峰明 室田 隆司
本田 律子 倉田雄登美 森本 佳子 山辺 和子 沼尾美智子 井上 登美
長島 敏子 大谷 祝星 辰巳 和子 村上 氷筆 山本 芳男 上野 五柳
黒嶋 海童 上村さな恵 山内  迪 村上 静子 平井美智子 斎藤  功
黒田 忠昭 河合 敏夫 河原野折杭 中桐  徹 倉  周三 みぎわはな
松下比ろ志 内藤 夢彦 奥平 駿曳 水田 象介 青木 公輔 池田 史子
樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
松本 光江 宮本 喜明 小山 紀乃 中本 三桂 山本ひさゑ 前田 久雄
村岡 義博 長川 哲夫 前川 和朗 荒垣 秋野

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