平成22年11月28日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「偲ぶ」  山本芳男 選
南瓜煮て父母偲ぶ冬至の夜 内藤夢彦
偲ぶ人増えて見上げる冬の月 辰巳和子
あの笑顔二度と見られず花野行く 橋本凉子
物腰に佳人のなりが偲ばれる 井上登美
今年逝きし句友偲ぶも年の暮 上野五柳
中山寺五百羅漢に父偲ぶ 倉田雄登美
朝の茶を供えて偲ぶ母のこと 豊野光子
耳に残る言葉ひとつよ偲び草 沼尾美智子
ゴルフ場松だけ狩りを偲びつつ 池田史子
ふるさとの初恋偲ぶ古校舎 倉田雄登美
追憶のページに偲ぶ酔芙蓉 奥西勇人
クラス会次第に偲ぶ会となる 森本佳子
何を偲んでいるのか仏壇が揺れる 青木公輔
矢継ぎ早やに往時を偲ぶ喪の葉書 廣嶋英子
木犀の香り仄かに亡妻を恋う 平井美智子
逆縁の子を偲びつゝ芋を焼く 黒嶋海童
亡き人の遺影を語る偲ぶ会 河原野折杭
沢庵漬けやさしい姑を偲びつつ 池田史子
ルミナリエあの日に逝きし友偲ぶ 松下比ろ志
急逝の通知に一夜泣き明かす 牧野和子
枯葉はらはら柳友の遺影に手を合わす 倉周三
アルバムを見ては今亡き友偲ぶ 村上静子
見渡せどあああの人はもう居ない 沼尾美智子
次々と偲ぶお方が増えてくる 水田象介
偲びたい人があちこち年の暮れ 青木公輔
口々にニックネームで師を偲び 内藤夢彦
遠き日の面影偲ぶ訃の報せ 奥西勇人
追憶が祭ばやしをつれてくる 河原野折杭
落葉降る寂光院に歩を運ぶ 室田隆司
送り火のまたたき遠く父母偲ぶ 黒嶋海童
何時の日も偲ぶ昔に華のあり 水田蓉子
逝きし人浮かんで消える蔦紅葉 沼尾美智子
まなうらにあの方の顔すぐ浮かぶ 水田象介
語部が昭和を偲ぶ涙ため 河合敏夫
七回忌迎えた夫の若いこと 村上静子
子と孫で偲ぶ三十三回忌 山内迪
左手で盃持って友偲ぶ 松下比ろ志
彼の世でも川柳仲間にぎやかに みぎわはな
永らえて送った人の数知れず 牧野和子
黙祷にふっとあの日が甦る 長島敏子
友偲ぶ雪しんしんと降り積る 山辺和子
どのあたり往きつ戻りつ喪の葉書 野澤淑子
君偲ぶドラマ読経で締めくくる 倉周三
もう来ないくせのある字の年賀状 水田象介
悲しみの形に喪服折り畳む みぎわはな
偲ぶ日の雨は斜めに降って来る 山本芳男

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兼題  「断トツ」  辰巳和子 選
参観日母さん断トツにきれい 村上静子
断トツの人気ゆっくり寝られない 山辺和子
断トツの力が溜めている苦労 山本芳男
成績は断トツ入試見事パス 中本三桂
断トツのビリもあります落第生 宮本喜明
断トツの人気メニューに逢いにいく 小山紀乃
断トツの横綱だって有った隙 河合敏夫
中国が断トツアジア大会おもろない 倉周三
断突で貴人が好きや大好きや 池田史子
断トツの臭覚を持つ妻の鼻 平井美智子
断とつの夫です無口で情あり 豊野光子
断トツの美女妻にして日々細る 上野五柳
断とつの美男でおわす阿修羅像 豊野光子
断トツは嫌い素直に笑わない 山本芳男
超高層マンション足が宙に浮く みぎわはな
断トツの記録達成汗光る 井上登美
定年後早起きだけが断トツだ 森本高明
飛び抜ける夢を抱いてる棒グラフ 平井美智子
断トツの強さがちょっと憎らしい 大谷祝星
断トツの売り上げ誇るユニクロ店 水田蓉子
断トツのビリをニコニコ孫走る 黒嶋海童
いごっそう女にしとくには惜しい みぎわはな
断トツと言えばひばりの歌唱力 奥西勇人
断トツを目指すグラフが伸びていく 小山紀乃
ふる里はいいな断トツのごった煮 山本ひさゑ
断トツで卒業をして今テント 前川和朗
断トツの勝ち組だけがよく笑う 大谷祝星
断トツの龍馬人気で土佐が売れ 河原野折杭
断トツの拍手の中にある妬心 村岡義博
タイガース断トツ不発_感謝デー 倉田雄登美
懐かしむ裸足のアベベぶっ千切り 奥西勇人
断トツになる日夢見る藁の馬 上村さな恵
断トツの足の速さを引き抜かれ 水田蓉子
断トツを目指しタワーがまだ伸びる 室田隆司
断トツの美人の膝は夢まくら 前川和朗
断トツを目差し素振りの夜が更ける 長島敏子
断トツの人気魁皇場所を盛り上げる 倉周三
断トツの財産つくり楽隠居 井上登美
ビル・ゲイツそんなに稼ぎどうするの 水田象介
断トツの知能を誇りフリーター 平井美智子
断トツでなくていいでしょ蓮舫さん 長島敏子
弛みない努力の向こうにイチロー 沼尾美智子
立て板に水あの口勝てる者居ない みぎわはな
群を抜く話術で伸びる棒グラフ 村上氷筆
断トツの演技を武器に主役張る 井上登美
断トツの美貌が男寄せつけぬ 黒嶋海童
断トツに元気な秘密医者が聞く 河合敏夫
断突のグラフの裏に滲む汗 池田史子
断トツの富豪意外と倹約家 辰巳和子

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兼題  「地球」  前川和朗 選
地球の裏の難民達の事おもう 村上静子
人間のエゴが壊してゆく地球 牧野和子
この地球十七文字で吟味する 斎藤功
地球儀をまわして旅行無人島 森本佳子
銀河の流れで地球まるごと洗わねば みぎわはな
キシキシと廻る地球の擦過音 平井美智子
さて地球二十二世紀あるやろか 宮本喜明
初飛行青い地球のガガーリン 井上登美
まるかいて地球_どまん中に日本 野澤淑子
あちこち破れ地球バンソーコーだらけ みぎわはな
地球はやはり廻ってるなと酔払い 上野五柳
地球に浮ぶ日本に四季の花が咲く 松下比ろ志
地球はブルー惨禍の絶えぬ世界だが 松下比ろ志
地球儀で国確かめるW杯 山辺和子
温暖化地球の呻き聞こえぬか 長島敏子
人間のエゴで壊れて行く地球 奥西勇人
刻一刻地球の森が消えていく 小山紀乃
地球汚染なんとかせにゃと言うばかり 倉田雄登美
地球と私どっち大事と聞く彼女 村岡義博
ふらっと地球から逃げ出したくなる日 廣嶋英子
地球の悲鳴が携帯電話には入らぬ 廣嶋英子
科学の進歩が地球に綻びを 内藤夢彦
宇宙から見れば地球が病み惚け 河原野折杭
子々孫々緑輝く地球たれ 池田史子
悠久に青い地球でいて欲しい 奥西勇人
この星を出てあの星で川柳会 みぎわはな
地球自転愛も涙もころがして 山本ひさゑ
この星に水ある限り種を蒔く 倉周三
いつの日か地球を巡る風になる 沼尾美智子
ニュースに出る国を地球儀でさがし 村上静子
平凡に生きて今住む星が好き 奥西勇人
行雲流水地球もやさしさ持っている 上村さな恵
秋高し青い地球に寝転がる 大谷祝星
人は何故丸い地球で戦する 辰巳和子
非常ベル鳴りっぱなしでいる地球 斎藤功
神仏も阿修羅も鬼も住む地球 豊野光子
四季に酔い眺め誇らし我が地球 橋本凉子
人類が滅んでほっとする地球 上野五柳
はやぶさの一途さ愛おしい地球 赤井花城
大根を抜いて地球へ御辞儀する 山本ひさゑ
贅沢を言わず地球に籍を置く 山内迪
感謝して丸い地球に住んでいる 豊野光子
千年の杉が地球を守りぬく 沼尾美智子
太陽の光り地球はすばらしい 吉川千穂
地球五周して来たかたつむりの笑顔 青木公輔
丸い地球_時差ぼけ治療手間かかり 前川和朗

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兼題  「粒」  村岡義博 選
粒揃いきやびん仲間に居る私 河合敏夫
すり鉢の胡麻ヘルシーを囁いて 小山紀乃
一粒の新米一粒のドラマ 青木公輔
いつからか仁丹を噛む亡夫に似る 村上氷筆
粒よりの恋粒よりの女と逢う 青木公輔
ひと粒が光る新米玉子かけ みぎわはな
神戸夜景万粒真珠撒いたよう 倉田雄登美
大粒の涙悔しさ滲ませる 森本佳子
いくら丼あのつぶ粒が癖になり 水田蓉子
けし粒ほどの悩みを嗤う広い海 辰巳和子
プチプチシートの粒をつぶしている無聊 村上氷筆
大粒のダイヤ溜息ばかり聞く 黒嶋海童
一粒の米が戦を語り出す 辰巳和子
一粒の涙に溶けた恨み節 斎藤功
粒よりのさすが値のはるサクランボ 大谷祝星
女には武器です一粒の涙 河原野折杭
掻き回す箸軽やかに納豆好き 室田隆司
一粒二粒欠けてくクラス会 内藤夢彦
大粒小粒生きる権利を持っている 上村さな恵
粒揃いの兄弟だけど親は看ぬ 黒嶋海童
一粒のイボに撹拌され命 池田史子
小粒だが噛むほど味が出る男 上野五柳
粒選りの枝豆撮み悪友と酌む 奥西勇人
粒揃いですよとイクラ買わされる 橋本凉子
一粒種でっかい夢を背負わされ 河合敏夫
イトカワの微粒子さがす顕微鏡 河合敏夫
粒あんが裏までついた大おはぎ 豊野光子
豆粒が大志あるのに佃煮に 上野五柳
一粒のタネからぼくが出来たとさ 上野五柳
いり胡麻に亡母のレシピが蘇る 橋本凉子
はやぶさの命と換えた砂の粒 赤井花城
正露丸「征」に戻らぬ黒い粒 室田隆司
いとかわの微粒子夢を持ち帰る 辰巳和子
石垣の隙間に命もやす種 みぎわはな
粒選りになってリンゴにある自尊 山本ひさゑ
理由ありに押し退けられる粒揃い 樋口祐子
一粒が実ってくれた大南瓜 内藤夢彦
一粒万倍農を続けていく冥利 村上氷筆
さくらんぼ二粒ずつの仲の良さ 水田蓉子
明暗を分けた黒子の小豆大 宮本喜明
負けた日の涙ポロリと天を向く 山辺和子
グリコ一粒道頓堀を駆ける 水田象介
言葉を持ち始めた舌の上の仁丹 廣嶋英子
千で割る粒子が語る大宇宙 野澤淑子
粒々を見るとプチプチしたくなる 沼尾美智子
粒選りの名句を生んでゆくキャビン 村岡義博

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兼題  「丁寧」  赤井花城 選
師走の声にていねいにする掃除 山辺和子
頭が悪いので丁寧語で話す 廣嶋英子
丁寧な挨拶_ぐっと見構える 長島敏子
丁寧な返事結局おことわり 青木公輔
丁寧な口調になると恐い妻 黒嶋海童
丁寧語妻が使っている不気味 河原野折杭
名刺にもやさしくルビが打ってある 樋口祐子
丁寧な言葉行き交う園遊会 上村さな恵
ざあます言葉にじんましんが出来る 河合敏夫
お土産にのし袋つけて渡される 樋口祐子
丁寧な別れ言葉にある毒矢 宮本喜明
丁寧な日記でどこか嘘っぽい 長島敏子
丁寧なお辞儀で腹のさぐり合い 豊野光子
丁寧語アナウンサーも間違える 井上登美
丁寧にお断りする金のこと 豊野光子
子がくれた似顔絵しみもしわもある 沼尾美智子
外ヅラは丁寧ざあます内は夜叉 倉田雄登美
丁寧語使って尊敬してるわけでなし 廣嶋英子
丁寧語のなかに隠している本音 山本芳男
日本語の乱れが殺す丁寧語 河原野折杭
ていねいな言い訳嘘が透けてくる 山辺和子
丁寧にかなを拾ってお経あげ 前川和朗
丁寧に余白を埋める彩を選る 山本ひさゑ
丁寧にしまいこまれた言葉尻 斎藤功
丁寧に渋皮を剥く丹波栗 村岡義博
丁寧に過去を畳んで行く日記 黒嶋海童
丁寧に真心こめた千人針 豊野光子
介護する両手を丁寧に洗う 辰巳和子
丁寧語抜きで気の会う嫁姑 村岡義博
いい事があり丁ねいに米をとぐ 村上静子
やんわりと下手に出られ断れず 山岡幸一
ぞんざいな言葉の裏に潜む愛 山内迪
丁重な言葉賜る受勲式 倉周三
丁寧に生きて小さな夫婦墓 平井美智子
ていねいな返信からの親友に 小山紀乃
行きすぎの丁寧言葉疲れます 水田蓉子
丁寧にジャズを聴かせる味噌麹 野澤淑子
丁寧な仕事が次の仕事産む 森本佳子
ていねいに断り冬の入口に 山辺和子
一日を丁寧に生き老いてゆく 小山紀乃
ルス電に父の言葉が畏まる 黒嶋海童
丁寧な日本語に会う小津映画 辰巳和子
ハンカチに包んだ愛をそっと抱く みぎわはな
丁寧に縫い代とってある手縫い 村上氷筆
丁寧に歳月を掘る考古学 奥西勇人
丁寧な言葉で切ってゆく絆 平井美智子
招待状にFAX追うて来る封書 赤井花城

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【出席者】 (順不同・敬称略)
大谷 祝星 井上 登美 吉川 千穂 上村さな恵 牧野 和子 山内  迪
山辺 和子 野澤 淑子 森本 佳子 水田 蓉子 河合 敏夫 豊野 光子
みぎわはな 倉田雄登美 上野 五柳 河原野折杭 山本 芳男 村上 静子
橋本 凉子 室田 隆司 辰巳 和子 村上 氷筆 奥西 勇人 長島 敏子
前川 和朗 黒嶋 海童 水田 象介 沼尾美智子 内藤 夢彦 斎藤  功
倉  周三 平井美智子 青木 公輔 松下比ろ志 村岡 義博 廣嶋 英子
池田 史子 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
山岡 幸一 中本 三桂 森本 高明 宮本 喜明 小山 紀乃 山本ひさゑ

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