平成22年9月23日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「点」  中桐徹 選
理論派のひとりで点をつけたがる 上村さな恵
残り火が燃えるピリオドまだ打てぬ 辰巳和子
一点が天と地の差だ狭き門 上野五柳
欠点も美点もなくて夫元気 河合敏夫
句読点きちんと打った父のメモ 平井美智子
K点をとおに越えてる我が家計 斎藤功
嫌な点悪い所が私似で 松本光江
返り点胸に残り火抱いたまま 豊野光子
頂点に亀のお臍が乗っている 黒田忠昭
終点はまだまだ花を摘んでいる 中西保子
ドットひとつに行方不明になった恋 山辺和子
お点前の小さな膝がかしこまる 牧野和子
ゲゲゲの絵よくも打ったり点の数 村岡義博
名月を満点にしたプロポーズ 長野峰明
早合点して失恋の憂き目見る 村上氷筆
点滅信号人生少し慌ただし 椙元世津
弱点があって人間温かい 斎藤功
さよならの句読点から秋に入る 長島敏子
人生の句読点うつ旅に出る 森本佳子
秀才は逝き平均点は生きている 内藤夢彦
気迫ある男に汚点似合わない 大谷祝星
点点と朝露こぼし萩の花 橋本凉子
点描で自画像に筆やがて秋 前川和朗
賛成の拍手したけど点点点 樋口祐子
お別れね尾灯が点にそして消え 上野五柳
点滅の赤が自己責任を問う 野澤淑子
人の道点線通り進まない 井上登美
人生は点数でないと社長訓 倉田雄登美
原点に戻り再起にかけてみる 大谷祝星
点睛の快挙果たせぬまま老いる 室田隆司
零点の僕に満点の妻がいる 辰巳和子
欠点を補い合って真珠婚 村上氷筆
原点に戻れば違う知恵も湧く 河原野折杭
点描を集め集めたゲゲゲのゲ 野澤淑子
点になるまで見送りの母が佇つ 河原野折杭
アドレスをドットと言えるようになり 前川和朗
手帳には僕だけ分る点を打つ 内藤夢彦
美人だがほくろの位置が気にくわぬ 室田隆司
ペットの目採点されているみたい 松本光江
あの恋もその後点々々でした 黒田忠昭
ここに来て泣くに泣けない一点差 長川哲夫
汚点では済まぬ検事の改ざんは 村上氷筆
幾万の君の美点に酔ってます 黒田忠昭
満点のテスト茶の間を沸かしてる 黒嶋海童
内助の功点数などはつけられぬ 黒嶋海童
欠点を晒せば世間住みやすい 中桐徹

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兼題  「正直」  森本佳子 選
正直に生きて肩凝り知らぬ母 山辺和子
正直な申告をして軽い足 水田蓉子
正直な鏡一歩も下がらない 山本ひさゑ
正直な答えに友が去って行く 河合敏夫
正直に申し上げれば角が立つ 吉安陽子
蒔いた種正直に育ってる 樋口祐子
正直の頭に宿る共白髪 長川哲夫
正直が好き向日葵は陽に向かう 山辺和子
正直に言えば傷付く人がいる 辰巳和子
肚の虫だけが正直者である 黒田忠昭
検察庁_お前もやはりブルータス 中桐徹
正直に生きて魂置き忘れ 豊野光子
正直に好きと言えないダメな僕 村岡義博
正直に答えて敵の罠に落ち 奥西勇人
正直な背に負わされる罪と罰 みぎわはな
買いたての定期券です有り難う 前川千津子
正直についてく影はくたびれる 宮本喜明
子ども正直居留守の仮面はがされる 長野峰明
正直に白状します_やりました 前川和朗
嘘つけず主治医は静かにガン告知 松本光江
体重も歳も偽証をしてる妻 平井美智子
良いものは良いなと値段見て思い 椙元世津
正直に生きた証の笑い皺 倉周三
正直に生きる男に明日がある 前田久雄
正直なだけでとりえのないわたし 吉安陽子
正直に生きて苦労を背負いこむ 辰巳和子
正直な鉛筆嘘を書かせない 山本芳男
正直を宝にしたい検察庁 長川哲夫
正直な男で禁酒また破る 山本芳男
正直に生きて裏切り許せない 大谷祝星
最初から言えばいいのに下手な嘘 流郷貞子
正直に育てた母が胸を張る 中本三桂
正直に歩いた道は疲れない 牧野和子
正直を通していつも損をする 小山紀乃
正直に話してからの重い罪 青木公輔
真っ直ぐに生き恐いもの何もない 井上登美
正直に書けぬ日記の星印 平井美智子
正直に生きるつもりの顔洗う 河合敏夫
やけ酒の理由を妻は知っている 橋本凉子
微笑むとほほえみ返すお月様 松本光江
正直に満月連れて秋がくる 中西保子
正直に映す手鏡伏せておく 辰巳和子
ガン告知少しぼかして欲しいボク 長島敏子
嘘でしたとたったひと言何故言えぬ 流郷貞子
正直に言えぬ苦しさ羅漢様 井上登美
親の嘘子供が横で口ばしる 森本佳子

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兼題  「鈴」  内藤夢彦 選
鈴つけに行って結局ミイラ取り 長島敏子
彼岸花一本供え鈴を打つ 水田象介
振り向いて欲しくて鈴を付けている 倉周三
引っ掻かれ鈴ちぎられて猫の恋 倉周三
携帯の鈴に聞かせてきた本音 山内迪
さりげなく境界線へ鈴を置く 青木公輔
どこからか風吹かぬのに父の鈴 長川哲夫
里帰り風鈴の音に児は眠る 奥西勇人
恋知ったハートの鈴が鳴り止まぬ 長野峰明
鈴付けた合鍵渡す人を選る 水田蓉子
より添うて品よくひびく夫婦鈴 上村さな恵
鍵束の鈴を鳴らして朝帰り 河合敏夫
呼鈴を押してネクタイ整える 大谷祝星
野次馬が鈴生りとなる事故現場 奥西勇人
鈴なりの観客叫ぶあと一球 室田隆司
損な役あみだで決める猫の鈴 倉田雄登美
妻の鈴藪の中から聞えくる 樋口祐子
鈴を振る度に心が澄んで来る 牧野和子
耳許で音色確かめ買う土鈴 村岡義博
ふところの土鈴に深い物語り 山本ひさゑ
切り取り線かすかに妻の鈴がなる 山本ひさゑ
十円で鈴振りすぎや神が言う 長野峰明
ひと目惚れ胸の小鈴が鳴り止まぬ 奥西勇人
手が触れて胸の小鈴が鳴り止まぬ 辰巳和子
鈴付けに行った夫が帰らない 豊野光子
かくれんぼ鬼がやさしい鈴鳴らす 山辺和子
重たくて願い響かぬ神の鈴 赤井花城
ヒビ入って土鈴侘しい音を出す 黒田忠昭
お賽銭はずんで鈴も多く振る 河野原折杭
里帰り神楽の鈴が出迎える 沼尾美智子
廃屋の風鈴冬も軒で鳴る 河野原折杭
銀の鈴そっとそおっと抱き締める 樋口祐子
欲ばりの願い聞いてる神の鈴 大谷祝星
鈴振りをしたつけいつもまわされる 森本佳子
夢に見たのは鈴をころがす声だった 山内迪
呼鈴の電池も切れているおうち 黒田忠昭
陶工の心と響き合う土鈴 松下比ろ志
お隣のウェデングベルの話聞く 小山紀乃
偲び足で逢いにきたのに鈴が鳴る 倉周三
猫に鈴つける役なら買って出る 黒嶋海童
夜逃げした軒で風鈴鳴いている 宮本喜明
神の鈴振った数だけ願いごと 小山紀乃
振れば鳴る土鈴に偲ぶ旅の音 赤井花城
風鈴がやさしい声でさそうのよ 豊野光子
御祓の鈴が頭に落ちてきた 水田象介
そりゃ無理と神社の鈴も鳴り渋る 松下比ろ志
いい女と見れば家内の鈴が鳴る 内藤夢彦

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兼題  「節約」  室田隆司 選
節倹の灯を鷹山に辿る旅 長川哲夫
娘の下着だして節約_若返り 斎藤功
わが家にも蓮舫さんが一人居る 中桐徹
節約と言って料理にある手抜き 山本ひさゑ
デパ地下の味見で済ます妻の昼 辰巳和子
節約々々と朝から叫ぶパンの耳 松下比ろ志
節約がB級グルメに甦り 村上氷筆
仕分け上手一目でわかる冷蔵庫 森本佳子
節約は出来ぬ病院クスリ代 中桐徹
健康なよろこび満ちてエコライフ 井上登美
コスモスの替りに植える茄子胡瓜 平井美智子
節約を忘れバーゲンの渦の中 山辺和子
ぜいたくは敵だと祖母の養生訓 上村さな恵
着回しを上手に秋を通り抜け 山本ひさゑ
両親が節約したかチビである 宮本喜明
節約の虚しい響き持つことば 赤井花城
二駅を歩いてパン代を稼ぐ 中西保子
冷房を控えた悔いの熱中症 村上氷筆
節約は趣味だこつこつ貯めている 上野五柳
ことば節約した悔い残るもの別れ 中西保子
倹約を家訓に残す小商い 河合敏夫
節約本売れる時代の落とし穴 森本佳子
節約が足りぬと家計簿がさけぶ 上村さな恵
主婦の智恵節約こそがエコ社会 前田久雄
節約は銭も貯るがストレスも 内藤夢彦
初心貫徹ヘソクリ二年まだいける 松本光江
省エネに明日の地球を予約する 斎藤功
たまにはどんと節約解除鰻丼 橋本凉子
経費節減上澄ほどの効き目です 野澤淑子
節約も死語となる日のゴミ袋 野澤淑子
十円の節約千円の無駄使い 樋口祐子
節約や言うて句会費削られる 河原野折杭
酒止めてタバコも止めて家にいる 村岡義博
始末する嫁に不思議と酒呑みが 内藤夢彦
結論は節約せよと言っている 山本芳男
食卓にのってくるのは草ばかり 水田象介
掌のお釣数えて握り飯 橋本凉子
節約のつもりが重い枷になる 井上登美
節約の時間まるまる探し物 長川哲夫
ヘソクリで蔵が建つわけ無いけれど 松本光江
公園をぶらつくだけというデート 村岡義博
ケチと節約目糞鼻屎の違い 倉周三
口数を節約してる倦怠期 村岡義博
エコと呼び節約の字が進化する 黒嶋海童
節役を美徳に生きた老母の背 黒嶋海童
ほどほどの節約がいい星月夜 沼尾美智子
仕送りのためだマイカー売り払う 室田隆司

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兼題  「相談」  長野峰明 選
手土産も持たんと厚かましい相談 倉周三
ニコニコと揉み手に注意金だろう 宮本喜明
ポケットに相談事が溜まる秋 山辺和子
明石鯛下げて百万借りに来る 倉田雄登美
相談にのって一緒に悩んでる 前田久雄
相談のつもりで行って買わされる 吉安陽子
相談する相手を間違えたようだ 倉周三
失恋の聞き役だった人が妻 村上氷筆
通帳と相談をする義理の嵩 平井美智子
警察も恋の相談受付ける 中西保子
相談でなさそう京の奥座敷 野澤淑子
相談に乗って貰って恋になる 辰巳和子
相談は無駄_決定はすべて妻 河原野折杭
呼び出しておいて相談反古にする 小山紀乃
どん底を友の助言に生きのびる 前田久雄
聴きましょか_こんな私で良かったら 長島敏子
相談の結果ご辞退申し上げ 赤井花城
残高と相談しての暮らし向き 村岡義博
相談が裏目となった重いつけ 大谷祝星
相談の形でのろけ聞かされる 斎藤功
困ったと昔の女から電話 水田象介
子の悩み届かぬ児童相談所 山辺和子
相談に乗ったばかりに保証人 流郷貞子
メニューみて値をみて財布あけてみて 河原野折杭
相談は金のことかと先手打つ 豊野光子
妻と姑に相談させてまとまらぬ 森本高明
ついてくる月に相談もちかける 森本佳子
相談に乗って馬鹿見る痴話喧嘩 河原野折杭
公園のベンチが老いの相談所 河合敏夫
相談が_ノロケに変る痴話げんか 中桐徹
言い出せぬままうたかたで終わる恋 前川千津子
相談に引くに引けない荷を背負い 大谷祝星
相談はされても当てにされてない 奥西勇人
いい智恵をもらって壁を突き破る 流郷貞子
相談なし工事の音で壊される 中西保子
他人言のふりして恋のイロハなど 長島敏子
菓子折りが重い相談連れて来る 辰巳和子
就活の部屋の扉は開けておく みぎわはな
相談をする日のシャツは白と決め 山本芳男
いのちの電話かかり命が灯を点す 村上氷筆
夫にも相談できない事がある 中西保子
そんなこと女医に相談ようせんわ 倉周三
相談はコレかアレかと指で聞く 黒嶋海童
銀行の地下にトンネル掘るはなし 豊野光子
手土産と来た相談に火傷する 上村さな恵
相談して落しどころを決めておく 松下比ろ志
相談をしたなと分る_のし袋 上村さな恵
相談に諭吉の耳が痒くなる 長野峰明

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【出席者】 (順不同・敬称略)
野澤 淑子 長野 峰明 中西 保子 水田 蓉子 大谷 祝星 上村さな恵
室田 隆司 牧野 和子 山辺 和子 豊野 光子 橋本 凉子 河合 敏夫
内藤 夢彦 河原野折杭 椙元 世津 前川千津子 沼尾美智子 黒田 忠昭
井上 登美 青木 公輔 流郷 貞子 平井美智子 村岡 義博 長島 敏子
森本 佳子 上野 五柳 長川 哲夫 奥西 勇人 倉田雄登美 中桐  徹
松本 光江 前川 和朗 村上 氷筆 辰巳 和子 黒嶋 海童 斎藤  功
松下比ろ志 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
水田 象介 倉  周三 前田 久雄 中本 三桂 山本ひさゑ 山内  迪
森本 高明 吉安 陽子 みぎわはな 宮本 喜明 小山 紀乃

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