平成22年5月30日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
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特別席題  「生き生き」  長川哲夫 選
会釈したらロボットだった生きている 長野峰明
生き生きとした字ラブレターの返事 黒田忠昭
警報が出たぞ今から帰れるぞ 室田隆司
退院の娘は生き生きとみどり見る 樋口祐子
難しいほど力の湧いてくるパズル 沼尾美智子
旅先で新茶に出会い生きかえる 上村さな恵
万札がぼくの財布で威張り出し 上野五柳
生き生きと翔んでおります僕の妻 濱田英明
離婚して何故か生き生きしている娘 上野五柳
再就職の父が明るさ取り戻す 倉周三
趣味多忙活気に満ちている余生 内田秀章
食べることに真剣だった空腹だった 廣嶋英子
大ジョッキ乾して轟くあと一人 上原翔
早苗飛ぶツバメ過疎へも来てくれる 村岡義博
お土産をケーキと知った子の瞳 黒嶋海童
水やれば苦瓜の蔓伸びてゆく 菅野泰行
文無しで逆に生き生きする温さ 斎藤功
生気溌剌グッドスコアは出るだろう 内藤夢彦
毎日が新鮮好きな人がいる 辰巳和子
初デート孫は生き生き深呼吸 倉田雄登美
案外に苦労の葉っぱ燃えている 樋口祐子
新緑に僕のハートも踊りだす 水田象介
給料日妻は生き生き玄関へ 倉田雄登美
生き生きと趣味の絆を太くする 大谷祝星
人も樹もぐんぐん伸びる青嵐 牧野和子
精一杯無邪気に生きるちぎれ雲 斎藤功
子も巣立ち妻は生き生き今日も留守 内田秀章
くっきりと楼閣が浮く蜃気楼 宮本喜明
放流の鮎キラキラと瀬に群れる 村岡義博
生き生きと今日も句会の列にいる 長島敏子
生き生きと生きてあっさり逝くつもり 黒嶋海童
五月雨を浴びて石仏生き生きと 杉山ひさゆき
威勢よく跡継ぎ祝う鯉幟 内田秀章
バラの庭いきいき母の笑顔かな 前川千津子
たった一合五体が息を吹き返す 上野五柳
左遷地の肴で水を得た魚 上原翔
薫風に生き生き弾むミニの脚 河原野折杭
出迎えの母に飛びつく保育園 松下比ろ志
行列は稚児のほほ笑み生き返る 井上登美
エプロンの白でこねてる柏餅 前川千津子
生き生きとしゃべるおばちゃんもう日暮れ 濱田英明
幼な子が水辺にはしゃぐ夏日午後 室田隆司
造花にもきちんと水を遣りましょう 杉山ひさゆき
生き生きとしたベコまでもあれですか 黒田忠昭
腕まくり五月の朝の草を引く 前川千津子
本流をさかのぼりゆく鯉幟 長川哲夫

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兼題  「意外」  倉周三 選
小さいおっぱいからほとばしる母乳 内田秀章
肩ポンと意外な場所で鉢合わせ 井上登美
あの人がえーあのひとが男とは 杉山ひさゆき
青い瞳を避けたら日本語でしゃべり 杉山ひさゆき
名物はオムライスだという蕎麦屋 平井美智子
意外さの受けを狙った蜃気楼 斎藤功
ぶきっちょがアールヌーボの壷を焼き 内藤夢彦
婆さんは手首の輪ゴムから風邪に 水田象介
あの顔で園長さんが慕われる 中西保子
ウインクに高嶺の花が落ちて来た 長野峰明
あの吝嗇がドナーカードを持っていた 廣嶋英子
湯けむりに意外な過去を語りだす 森本佳子
憧れの人が意外と気をつかう 山内迪
泣き虫のツボを押したら強かった 樋口祐子
アメリカに案外強い紙のなべ 沼尾美智子
厚化粧そんな歳とは知らなんだ 河合敏夫
紙ヒコーキ部長席まで飛んでゆく 黒田忠昭
あの美女があんな男に何故惚れる 黒嶋海童
付き合って意外な面を見てしまう 水田蓉子
ふわふわのひよこが持っている殺意 平井美智子
飲めんのに意外とママにもてるやつ 上野五柳
葬式に意外な女が顔を見せ 松下比ろ志
切り捨てた枝が意外なことを言う 山本芳男
意外な人に意外な話聞かされる 青木公輔
意外にも壊れています発車ベル 濱田英明
天敵も出入りしていたトキの檻 中村真里子
一身上都合とやらで身を引いて 前川和朗
口ぼくろ意外女は無口です 花田俊枝
意外にも心優しいドラ息子 中西保子
意外にも優しい言葉夫がくれ 松本光江
青春の影に意外な落し穴 山本ひさゑ
平坦な道の意外な落し穴 河原野折杭
石橋を叩いた策に落とし穴 村上氷筆
目をつぶり出した投句が天となる 斎藤功
あの婆ちゃん昔ミスコン日本一 杉山ひさゆき
県外などと意外な言葉はじき豆 沼尾美智子
やっぱりね意外なカップルすぐ離婚 森本佳子
ドッキリのカメラをまわす仕分け人 長川哲夫
信じてた味方が意外反旗ふる 河合敏夫
女の勘意外と当たり馬券取る 辰巳和子
難しい顔が人懐こい目尻 上原翔
意外に目立つのが白の中の白 廣嶋英子
横綱がロールケーキを焼いている 豊野光子
意外にも妻は来世も添うと言う 奥西勇人
本当は身籠っていたかぐや姫 水田象介
ロマンチックな句をよくもまあその顔で 倉周三

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兼題  「器」  水田象介 選
若い頃器と言われましたけど 上原翔
猪口ほどの男だったのでも遅い 内藤夢彦
連れ添うてみれば器のちさい人 倉周三
薫風を器に盛った豆御飯 井上登美
人間の器を測る札の影 山本ひさゑ
永らえて利休茶碗と花の下 長川哲夫
百均の皿一杯に旬を盛る 奥西勇人
大戦でいくつ散ったか大器の芽 上野五柳
気に入りの器にどんと旬を盛る 水田蓉子
受け皿にたっぷりこぼす富久娘 村岡義博
喋りすぎ器だんだん小さく見え 河合敏夫
須恵器一つ静かに響き出す古代 黒田忠昭
大器がバカか未だにわからない夫 内田秀章
惜しみなく器溢れる母の愛 内田秀章
政治家の器小さくなる世襲 奥西勇人
そんなこと気にするような人ぢゃない 松下比ろ志
器ではなかった支持率また下がる 杉山ひさゆき
日本という器はみ出てゆく頭脳 村上氷筆
突然に割れた器に見る不吉 椙元世津
男運悪いとその器量で言うな 倉周三
独身でいるには勿体ない器量 倉周三
器だけ変えてまた出す残りもの 河原野折杭
にごりえの器に痴話を盛り付ける 宮本喜明
孫悟空の耳に武器有ったとは 長野峰明
無理強いはしません親に似た器 河合敏夫
方円に従えなくて蚊帳の外 内藤夢彦
方円の器に添えぬ修羅を抱く 辰巳和子
その時になれば何とかする器 菅野泰行
器より安くて旨い立飲み屋 上原翔
落語では猫が名器で飯を食う 長野峰明
いざ鎌倉夫の器やっと知る 前川和朗
器が小さく大きな夢が貯められぬ 上村さな恵
彼もまた日本背負って立つ器 松下比ろ志
自尊心器も花も譲れない 山本ひさゑ
三回忌カンナいっぱい盛りました 松本光江
ひび割れた夫婦茶碗捨てきれず 前田久雄
使うこと減った客用の器 椙元世津
陶器市素通り出来ぬ悪いくせ 井上登美
臓器移植娘の体内で再鼓動 長島敏子
どっしりと構える母という器 辰巳和子
吾輩は茶碗一つで猫めしだ 上野五柳
器では無いと謙遜して受ける 菅野泰行
大臣も博士も器から落ちる 黒田忠昭
赤い爪器用にだまし舟を折る 黒嶋海童
パックから皿に移して偽装する 中村真里子
陶器市隣に白いふくらはぎ 水田象介

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兼題  「遠慮」  椙元世津 選
旗振りは遠慮小さな肝っ玉 上村さな恵
口紅がつくから遠慮しときます 黒田忠昭
遠慮には心もようが映し出る 宮本喜明
神様も仏も僕には寄りつかず 水田象介
ノックしてそれから入る妻の部屋 平井美智子
遠慮会釈なく血税はばら撒かれ 河原野折杭
猪の性で遠慮は身に付かず 斎藤功
参加賞足らず幹事が遠慮する 大谷祝星
遠慮するなうわばみだったとも知らず 中村真里子
遠慮なく土産貰った手が疼く 奥西勇人
遠慮して終点までを立ちづくめ 赤井花城
遠慮せぬ育ち盛りのカレー皿 山辺和子
見せかけの遠慮の揉み手見苦しい 宮本喜明
もう一度勧められるとした遠慮 杉山ひさゆき
遠慮は無用おとなりの蔓のバラ 山辺和子
三角関係まだ遠慮するクラス会 森本佳子
皆遠慮したマドンナがまだひとり 村上氷筆
裁判員遠慮しますと返事する 森本佳子
謙譲の美徳が掴む残り福 内田秀章
遠慮と言う美学から逃げられぬ 樋口祐子
人目を忍び遠慮しいしい煙草吸う 内藤夢彦
遠慮がち京の奥間の客となる 長川哲夫
無遠慮な目が覗き込む事故現場 河原野折杭
遠慮でなし下座隅が気楽なり 大谷祝星
遠慮せず医師に向かって咳一つ 中本三桂
もう駄目と遠慮しながら飲みつづけ 倉田雄登美
上司へは握りを甘くするクラブ 上原翔
遠慮をするから恋に逃げられる 黒嶋海童
遠慮して愛の言葉を選びつつ 中本三桂
線香に遠慮しいしい遺産分け 長川哲夫
遠慮する形で示すNOの意志 長島敏子
遠慮して欲しい人までやって来る 菅野泰行
減給に遠慮しがちに家のベル 前川和朗
遠慮する気持を棚に上げている 前川千津子
遠慮勝ちに嫁はしっかり意見言う 辰巳和子
遠慮勝ち言葉選んで嫁の母 井上登美
片隅で人間らしく生きている 前田久雄
遠慮して下さい恋の指定席 長島敏子
遠慮した弱気が運をとり逃がす 室田隆司
もう少し遠慮の欲しいインタビュー 山辺和子
先客も知ってる人で遠慮せず 大谷祝星
遠慮して影だけおいて行きました 松下比ろ志
控え目な頃の自分が懐かしい 松本光江
遠慮したわりに長居をしてしまい 椙元世津

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兼題  「同じ」  廣嶋英子 選
寝相まで同じやっぱり親子だな 上村さな恵
まず一言話してみれば同意見 前川和朗
参観日同じ服着て鉢合わせ 森本佳子
また同じセリフ吐いてる酒の愚痴 黒嶋海童
本籍が同じといって無心され 山本芳男
順不同だと断ってある序列 上原翔
靴底に同じ指紋が付いていた 青木公輔
曲がっても揃わなくても同じ味 杉山ひさゆき
職退いて同じ背丈の輪に和む 奥西勇人
故里が同じと言われつい油断 豊野光子
同じ服着てすれ違う交差点 平井美智子
同床異夢トラストミーのその中味 長野峰明
彼そっくりの声に大恥かく電話 村上氷筆
同列と思われそうで輪を抜ける 長島敏子
縁は異なもの同じ顔見て半世紀 樋口祐子
低いけど同じ目線で繋がれる 山本ひさゑ
同じ轍踏むなと父の目が叱る 黒嶋海童
国訛り心の隙間覗かれる 豊野光子
同じ酒酌んで仲間の輪に溶ける 牧野和子
カツドンと決めて昼めし飽きもせず 菅野泰行
いつの日もリズム崩さぬ砂時計 山辺和子
ふと笑みが浮かぶ双子のランドセル 室田隆司
一致した指紋に風が動きだす 山辺和子
同じ物二つと無いと売り上手 前川千津子
打ちあける思いは同じクラス会 黒田忠昭
問われれば右に同じの不精者 斎藤功
皿投げた同じ顔とは思われぬ 井上登美
価値観が同じあなたと居る安堵 辰巳和子
同病の話に何時か涙する 樋口祐子
同じ日に蒔いて種にもある個性 前田久雄
考えの妻も同じと思い込む 山本ひさゑ
同じこと三回言って笑われる 山本芳男
当番制にしてから夫婦仲がよし 前田久雄
新人も社長も同じ作業服 辰巳和子
円の中同じ暮しのうちは良し 椙元世津
同じ服見て見ぬ振りで通り過ぎ 倉周三
戸締りを忘れて戻る同じ道 奥西勇人
繰り返す同じ話は目で受ける 樋口祐子
産まれた児整形前と瓜二つ 内田秀章
SLの匂いむかしと同じだね 内藤夢彦
面倒で右に同じと言うておく 倉周三
同じ民何故に境界線引きたがる 山岡幸一
同じなら大きいつづら貰います 中西保子
私も小百合も死ねば灰になる 水田象介
同じなら踊るアホウになりましょう 杉山ひさゆき
同行二人めいて今日も携帯と 廣嶋英子

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【出席者】 (順不同・敬称略)
長川 哲夫 中西 保子 河合 敏夫 村岡 義博 大谷 祝星 室田 隆司
村上 氷筆 廣嶋 英子 豊野 光子 水田 蓉子 山辺 和子 牧野 和子
井上 登美 長島 敏子 河原野折杭 内田 秀章 長野 峰明 森本 佳子
辰巳 和子 奥西 勇人 上村さな恵 濱田 英明 沼尾美智子 上野 五柳
倉  周三 黒嶋 海童 前川千津子 黒田 忠昭 松下比ろ志 斎藤  功
内藤 忠彦 倉田雄登美 平井美智子 菅野 泰行 宮本 喜明 上原  翔
椙元 世津 杉山ひさゆき 水田 象介 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
中本 三桂 山岡 幸一 前川 和朗 前田 久雄 森本 高明 山本ひさゑ
花田 俊枝 松本 光江 山内  迪 中村真里子 青木 公輔 山本 芳男

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