平成21年11月29日
神戸市勤労会館


今回のお題目(クリックするとそのテーマの川柳が表示されます)

(ラはラッキー賞)
一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
特別席題  「湯」  小山紀乃 選
いい湯だな手足伸ばしてさあ明日 長島敏子
お湯沸いて今日一日が動き出す 山田信子
微温湯に慣れた自民のふやけ顔 長野峰明
ひきかけの風邪を葛湯であたためる 森本佳子
露天風呂猿も枯葉も闖入者 池田史子
カラコロと湯の町の夜更けてゆく 水田蓉子
刃こぼれをなぐさめ合うて有馬の湯 上村さな恵
重湯から三分五分へと快復期 村上氷筆
薬草を湯舟にきょうの憂さ晴らす 沼尾美智子
賑やかに足湯で過す老いの午後 大谷祝星
豆腐ゆらり湯気が包んだ三世代 豊野光子
湯豆腐が踊って冬が深くなる 松下比ろ志
肌すべる湯玉なんとか女です みぎわはな
湯冷めする程を喋っている元気 山本芳男
ぬるま湯に浸り過ぎてるメタボ腹 井上登美
湯上りの妻の乳房を見てしまう 倉周三
ほのぼのとランプ生姜湯ふるまわれ 田中節子
危機脱し五臓六腑に染む重湯 内田秀章
ちっぽけな悩みだったな露天の湯 沼尾美智子
葛湯とろとろ古里はもう冬支度 長島敏子
ゆず湯に浸り暮の思案している 水田象介
湯の宿に溜まった愚痴を置きに行く 辰巳和子
露天風呂月を湯桶で一掬い 辰巳和子
ごうごうと海風両手湯に浸す 田中節子
湯豆腐が嵯峨野の冬を温める 山辺和子
残り湯も見事に使う主婦の知恵 河原野折杭
ぬるま湯につかったままで世を憂う 室田隆司
河童の皿にも時には湯がたぎる 廣嶋英子
湯のしする古毛糸にもある憂い 樋口祐子
往来の真ん中湯気が立っている 廣嶋英子
湯熨しして晴着の用意母の背な 井上登美
仕舞い湯にひたり一日の幸思う 橋本凉子
湯が滾るスパッと尻尾切り離す 長島敏子
薪くべたふるさとの湯が落とす垢 黒田忠昭
さくら湯に幸せ匂う今日の宴 黒嶋海童
ふるさとの湯船に亡父がでんと居る 山本芳男
湯上りの君への想い胸に棲む 内藤夢彦
美人の湯浸り過ぎたか効果ない 辰巳和子
人生の裏知りつくすしまい風呂 吉川千穂
露天風呂流星群がボクに降る 村上氷筆
ぬるま湯は嫌いと言って水を注す 斎藤功
湯豆腐が冬の気配に顔を出す 長野峰明
産湯にはパパの想いが溢れ出る 豊野光子
かたくなな心を溶かす湯に入る 吉川千穂
仕舞い湯にいのち隅ずみ迄洗う 小山紀乃

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
兼題  「塗る」  松下比ろ志選 
ペディキュアを塗って乗り込むダンプカー 野澤淑子
堂々の化粧塗り終え下車の駅 倉田雄登美
歳ともに化粧の塗りも厚くなり 河端世起子
塗り変えにとても多忙な鏡です 宮本喜明
逢いに行く色にマニキュア塗りかえる 辰巳和子
思い出にしたくないので塗りつぶす 松本光江
薔薇色に塗りたい終章の余白 辰巳和子
背に冬陽受けてマニキュア塗っている 村上静子
退院の鏡にうすくひくルージュ 山辺和子
撫子のネイルアートに惚れこんだ 樋口祐子
塗ったのに夫は素顔が良いと言う 河合敏夫
アイシャドー派手に塗ってる倦怠期 大谷祝星
若返りたい一心で塗りに塗る 室田隆司
厚塗りで羞恥の影をひたかくす 前川和朗
婆さんがペディキュアを塗る風呂上がり 水田象介
塗り終りその出来ばえにほっとする 吉川千穂
一刷毛に女心を塗って行く 豊野光子
村芝居白塗り女形ののど仏 倉田雄登美
塗り過ぎて妻の居場所がわからない 山本芳男
原色のこれが日本か基地の街 室田隆司
原色のひまわり燃える園児の絵 赤井花城
呆けてきた脳に塗りたい防腐剤 内田秀章
一枚の枯葉に冬の彩を塗る 倉周三
冬そこに絵の具の白があふれだす 山辺和子
青いバラこんな感じの青ですか 野澤淑子
もみじ咲く熱き血汐を塗るように 濱田英明
塗り替えた壁が威厳を取り戻す 水田蓉子
アダムとイブの溜息を塗る罪の色 倉周三
月満ちて幸せ彩に塗ってます 牧野和子
気に食わぬ意見に修正液を塗る 河原野折杭
塗り込めた嘘から尻尾生えてくる 小山紀乃
心機一転過去を塗りこめ白い画布 森本佳子
未来地図きれいな色に塗り替える 池田史子
古稀の春壁をピンクに塗り替える 水田象介
失恋の涙をかくすコンパクト 上村さな恵
終章は幸せ彩に塗って白 牧野和子
自分史の恥を黒々塗った跡 村上氷筆
塗り変えた壁にも修羅が見えてくる 花田俊枝
情熱の命塗り込みカンナ咲く 松本光江
修正液乾けば恥が透けてくる 室田隆司
気にくわぬフレーズ黒く塗りつぶす 前田久雄
新月に私の過去を塗り潰す 水田象介
疵深くなる度爪を赤く塗る 山辺和子
塗り箸を二膳洗って恙なし 廣嶋英子
丁寧な言葉に毒を塗り込める 黒嶋海童
失敗を塗り潰すのは黒と白 松下比ろ志

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
兼題  「ルックス」  上野五柳 選
ルックスに惚れた他愛もない昔 赤井花城
出来得れば妻は美人の方が良い 黒嶋海童
ルックスより気立てのよさで決めた妻 辰巳和子
イケメンの夫も毎日では見飽き 河原野折杭
ルックスの良さにひかれて蟻地獄 長野峰明
ルックスの良い娘は知らぬ間に撮られ 大谷祝星
ユニクロでルックス決めて伊達男 松本光江
ルックスは亡父と亡母との置土産 河合敏夫
鬼瓦ルックスに似ず根は優し 長野峰明
灯台が万ルックスの愛放つ 黒田忠昭
初孫に千ルックスの笑顔見る 斎藤功
抜群のルックス愛が遠去かる 内田秀章
ルックスに負けてもわたしかわいいの 室田隆司
ひと昔前のルックス描いている 樋口祐子
ルックスは問わぬ男は心意気 豊野光子
五百羅漢みんないい顔しておわす 長島敏子
男は度胸顔じゃないよと励まされ 倉周三
ブルドッグ見れば見る程情がわく 樋口祐子
ルックスな帽子に成って二人扶持 山本ひさゑ
整形の前はクレオパトラだった 水田象介
ルックスは二の次なんて白い嘘 山辺和子
ルックスにドキリ写楽の大首絵 河原野折杭
黄昏時彼のルックス美しい 吉川千穂
ルックスで仕分けをされる箱の荷駄 樋口祐子
不細工を売りにお笑いのし上がる 中村真里子
怖がりでトイレにつける百ワット 水田象介
鏡覗いて親にうらみのこの器量 長島敏子
ルックスより中味なかみと遠吠える 池田史子
諦めてこころ磨いている私 水田蓉子
両親を恨むな五十過ぎてまで みぎわはな
七十年責任持てと言う鏡 河合敏夫
ルックスに惹かれ言い値で買わされる 赤井花城
ルックスは問うまい冬のオコゼ汁 濱田英明
ルックスが悪く隅っこにいるりんご 山田信子
イケメンに口説かれ目伏せのの字書き 河端世起子
自己評価二・五枚目の辺り 黒田忠昭
修正した見合写真に騙された 松下比ろ志
愛か智か謎のルックス伎芸天 斎藤功
ルックスの良さが靴から立ちのぼる 黒田忠昭
ちょっと崩れた魅力貴方のルックスも 小山紀乃
念入れて化粧したねと耳もとに 内藤夢彦
若造り生年月日伏せておく 山辺和子
ルックスよりブランド品が目立ってる 松下比ろ志
ルックスより盛りの安さよ大家族 池田史子
ルックスの悪い男に用はない 倉周三
画家の妻さすが絵になる容姿かな 上野五柳

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
兼題  「応援」  長島敏子 選
応援はたった一人が待つゴール 赤井花城
日の丸を背負った力士頑張って 上野五柳
開店へサクラになって紛れ込む 水田蓉子
安っぽい応援足が地に付かぬ 青木公輔
助太刀が張り切り過ぎて捻挫する 井上登美
酒に応援頼み彼女にプロポーズ 辰巳和子
応援の孫は団長胸を張り 倉田雄登美
蟹シーズン子らの応援フルムーン 倉田雄登美
もう寝ようまた阪神が負けている 黒嶋海童
応援はするが女にかりもある 吉川千穂
応援歌補欠がやる気出している 山本芳男
旨そうに食べてるみんなサクラです 室田隆司
留守電にガンバレとだけ父の声 山辺和子
別れ話すぐ応援に駆けつける 豊野光子
元気印子育て支援生きがいに 井上登美
アンコール割れる拍手に舞う音符 橋本凉子
再就職家族あげての応援歌 村上氷筆
ひと言を頑固な父の応援歌 山本ひさゑ
炎えるロマンを応援してる昼の月 花田俊枝
残照へ並ぶ羅漢へ応援歌 牧野和子
ちゃん付けで呼び合う友も杖たより 神田巳珠
来年もトラの応援惜しまない 辰巳和子
パラリンピックどの競技にも拍手湧く 村上静子
燃える恋応援されて冷めて行く 豊野光子
応援団の美人へマイク向きたがる 長野峰明
角番に郷土の山も動きだす 野澤淑子
たんぽぽが応援サッカーゴールする 山田信子
恋人を逃がすな君のサンシャイン 田中節子
実弾の応援欲しい子沢山 上野五柳
裏窓の弓張り月に励まされ 宮本喜明
ダイエットしてるのでしょわたしが食べる 室田隆司
応援と信じて受ける石飛礫 豊野光子
孫四人応援団は爺と婆 内藤夢彦
究極の応援団は妻である 河原野折杭
チアガールばかり見ていて負けました 水田象介
人文字のひとりが裏を向いたまま 山辺和子
ファンクラブの第一号になったパパ 村上氷筆
国民が応援してた仕分け人 長川哲夫
一人では何にも出来ぬ桃太郎 黒田忠昭
禁煙を応援しますタバコ税 濱田英明
引き分けの涙応援者も涙 山本芳男
ライバルへ最後のエール弔辞よみ 内藤夢彦
完走の最後テープが待ってくれ 赤井花城
好きと言う万人力の応援歌 樋口祐子
長生きの応援しますドットコム 野澤淑子
選挙戦知縁血縁駆り出され 長島敏子

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ
兼題  「私」  黒嶋海童 選
もう私我家の鏡すてました 宮本喜明
私より大事なものがありますか 松本光江
私を疑いますかまだ女 山本ひさゑ
心ん中私自身もわかんない 河端世起子
私の方がうまいと思う同想句 村上静子
頼まれて私でよかったらなんて言う 廣嶋英子
朝顔のツルも私も左巻き 濱田英明
犬の眼が私を信頼しきってる 村上静子
団栗のまんまで終わる私の絵 樋口祐子
ロスタイム私小説でも書こうかな 井上登美
年金を食った私腹へ逮捕状 長野峰明
泣く私笑う私も皆わたし 河合敏夫
サザエさんつくづく若い日の私 沼尾美智子
大切にされて根腐れする私 辰巳和子
いいとこはみんな私に似ています 水田象介
わたくしを出せば私が嫌になる 樋口祐子
孤独かな私の影が痩せている 山本芳男
せっせと磨く鍋と私の時間帯 上村さな恵
私の胸へ宿った憎い星 長野峰明
もうひとりの私がいつも悪さする 内藤夢彦
私だけ見詰めて欲しいお月さん 長野峰明
まだあると思うわたしの可能性 河原野折杭
私から美男を取れば何も無い 水田象介
おいと呼ぶ妻に私はまかせきり 大谷祝星
私を本気にさせた空涙 山本芳男
ときめいた頃の私がアルバムに 上村さな恵
八方美人わたしの心もてあそぶ 河合敏夫
いけずしやはるねん若いし私きれいやし 倉周三
わたしにも責任はある温暖化 沼尾美智子
曲がるのが嫌いぎくしゃくわたし流 小山紀乃
成績も顔も私似叱れない 内田秀章
指切りがとても苦手な私です 山本芳男
度し難いつむじ曲りの私です 赤井花城
私を箱に詰め込むおくりびと 濱田英明
もう少し私スタイルつらぬこう 森本佳子
私欲などとうに忘れて母居わす 池田史子
私からアナタを引くともう骸 長島敏子
名を呼ばれゆとみは私オトコです 倉田雄登美
ありがとう私の好きな言葉です 村上静子
とっときの私になって逢いにゆく 内藤夢彦
僕じゃない別のわたしがした浮気 河原野折杭
わたくしと妻が言うとき身構える 村上氷筆
もひとりの私が鬼と手を結ぶ 山辺和子
妥協癖私の影が薄くなる 辰巳和子
家の味私の舌で出来上がる 森本佳子
触れないで私に辛い過去がある 黒嶋海童

一つ前へ   一番上へ   ホームへ   次へ

【出席者】 (順不同・敬称略)
橋本 凉子 上村さな恵 長野 峰明 廣嶋 英子 山辺 和子 豊野 光子
山本 芳男 大谷 祝星 森本 佳子 河合 敏夫 倉田雄登美 河原野折杭
上野 五柳 長川 哲夫 山田 信子 田中 節子 長島 敏子 村上 静子
濱田 英明 吉川 千穂 水田 蓉子 内藤 夢彦 花田 俊枝 辰巳 和子
神田 巳珠 内田 秀章 黒田 忠昭 倉  周三 室田 隆司 斎藤  功
沼尾美智子 黒嶋 海童 井上 登美 松下比ろ志 牧野 和子 水田 象介
みぎわはな 小山 紀乃 池田 史子 村上 氷筆 樋口 祐子 赤井 花城

【投 句】
松本 光江 中本 三桂 前田 久雄 森本 高明 山本ひさゑ 中村真里子
山岡 幸一 河端世起子 宮本 喜明 野澤 淑子 青木 公輔 前川 和朗

※作品の著作権は、全てきやびん川柳会に帰属しています。無断転載、無断使用はご遠慮ください。